登録日:2010/07/15(木) 18:37:25
更新日:2024/10/13 Sun 23:36:55
所要時間:約 8 分で読めます
カプコンを代表する
ゲームの一つ。
略称はSF、ストファイ、スト○(番号)など。
90年代の格ゲーブームを牽引し、ブームが過ぎた現在でも「国産格ゲー」の代名詞として扱われる、世界的に高い人気と知名度を誇る(シリーズ総売上は
海外限定ゲーに抜かれたが)。
ストーリー上の大まかな時系列ではI&
FF(同時期)→ZERO→II&EX(同時期)→IV→V→III→6。
ただし長いシリーズを重ねているため後付設定が多く、
それぞれの作品間で設定が矛盾していることも多いのであくまでも目安である。
作品間で矛盾点がある場合は基本的に最新作での設定が上書き優先されている。
【歴史】
1987年 初代『ストリートファイター』が稼働。
1991年 『II』稼働
1995年 『ZERO』及び『ザ・ムービー』稼働
1996年 『EX』稼働
1997年 『III』稼働
2008年 『IV』稼働
2016年 『V』発売
2023年 『6』発売
【ストリートファイター】
シリーズ最初の作品。
テーブル筐体とアップライト筐体の両方が発売された。
格ゲーでアップライト筐体というのは業界史上、最初で最後(多分)。
サイズの大きなレバー&ラバー製のボタンなど今やると非常にやりにくい。
特にテーブル筐体の場合、大きな特徴として
技の強弱を判定するのに圧力センサーボタンを使っていたこと。
要はボタンはパンチとキックの二つだけで、そのボタンを
ぶっ叩く力の強さ/押下時間でパンチやキックの強弱が変わる。
この圧力センサーは割と固く、強弱の叩き分けが難しいうえにすぐに手が痛くなってくる。不評だったのか後に通常基板6ボタン筐体で出荷。
またこの作品は「2D格闘ゲーム」というジャンルが確立する前の作品であるため、開発側としては「
各国の腕自慢と戦う
アクションゲームの一種
」という認識だったようだ。
そのため一旦『
ファイナルファイト(仮題・ストリートファイター'89)』という
ベルトスクロールアクションに進化した。
ちなみに、1990年に「2010 ストリートファイター」というファミコンゲームが発売されているが、本作のシリーズとは無関係である。
《初登場キャラ》
- リュウ
- ケン
- 元
- バーディー
- アドン
- サガット
- イーグル:イギリス代表の棒術使い
- 烈(レツ):日本代表の破戒僧
- 激(ゲキ):日本代表の忍者
- ジョー:アメリカ代表のマーシャルアーツ使い
- マイク:アメリカ代表の黒人ボクサー
- 李(リー):中国代表の拳法使い
など
当時はまだ年代設定を稼働・発売年に合わせていたため、1991年~1994年が舞台。
上記の通り、営業サイドの意見で『ファイナルファイト』のタイトルは「ストリートファイター’89」になる予定だった。
しかしカプコンUSAが望んでいたのはあくまで「
対戦格闘ゲーム
」だったようで、このタイトルが発表されると
「これは『ストリートファイター』ではない」といった意見が国内外から寄せられたらしく、
「ストリートファイター」の名前は、次の対戦格闘ゲームに取っておくことになり、
「それならば最初から『ストリートファイター』の続編を作ろう」ということで立ち上がった企画がこれだ。
元祖対戦型格闘ゲームであり、後の格ゲーに多くのシステム・概念が引き継がれた。
原点らしいシンプルさと荒削り故の奥深さが魅力。
『ストリートファイター』といえば最も有名な作品がコレである。
それ故か、派生バージョンもシリーズ最多。どんどん増える+αに対し「いつになったらストⅢになるんだ」とよくつっこまれた
《初導入システム》
◎パワーゲージ、スーパーコンボ
『スーパーストリートファイターII X』において初実装された、いわゆる超必殺技。
行動によりゲージが増し、満タンになった状態で特定のコマンドで非常に高威力で隙のない技を放てる。
超必殺技自体は『
龍虎の拳』の方が先で、SNKのものは不利な状態からでも形勢逆転が狙えるド派手な大技というコンセプトで一貫していたが、
こちらは自分が攻撃をヒットさせたり、
必殺技を使用することでゲージが増えるようになっている・必殺技を発展させたスーパーコンボが多いなど、設計思想から違う。
豪鬼の圧倒的強さを演出する為にも一役買っている。
◎投げ受け身
同じく『スパⅡX』で実装されたシステム。
投げられた際の特定のタイミングで同じ投げ入力を行う事で、受け身を取ってダウンせずに体制を立て直す。
強力な起き攻めを拒否できるのが利点だがタイミングはシビア。また、本来の投げのダメージの半分はそのまま食らうので投げを成立させた側も一応ダメージは取れる。
掴み投げに対しては発動できないので、投げ受け身を見越して一定ダメージの投げと連打で総合威力を上乗せできる掴み投げを使い分ける選択肢も生まれた。
以後のナンバリングでは掴み投げが廃止され、相手の通常投げを直接振りほどいて無効化する
投げ抜け
に変更。
投げ抜け周りのテクニックが「〇〇グラップ」と呼ばれるのは『ウルIV』まで『グラップディフェンス』と言う名前だった名残。
◎空中コンボ
同じく『スパⅡX』では、特定のキャラに定められた特定の攻撃に限り、空中で仰け反って吹き飛び状態の相手に続けてヒットさせることが可能に。
リュウとベガのジャンプ中Pや、多くのキャラのスーパーコンボが該当。この時期はスト2シリーズの集大成として試験的に取り入れたものという側面が大きい。
以後のシリーズでは標準的な仕様となり、『空中追撃でダウンさせる技は起き攻め/吹き飛ばして復帰させる技は着地攻め』といった知識も問われる様になっていく。
『ダッシュ』ではダルシムに対して掴み投げ後の空中吹き飛び状態に食らい判定があり追撃できるのだが、こちらは調整ミスなので本来想定した挙動ではない。
《派生作品》
最初のバージョン。いわゆる『ストⅡ』と言えばこれを指す。ハイパーでの略称は主にN。
プレイヤーの使用可能キャラは8人だけで同キャラ戦も不可。シャドルー四天王もまだCPU専用だった。
通称『ダッシュ』。対戦バランスの調整を主眼に置いて開発されたバージョン。ハイパーでの略称は主にD。
無印『Ⅱ』では使えなかったシャドルー四天王のプレイアブル化、及び同キャラ対戦の実装がメイン。
また対戦中にダブルKOや体力同点のタイムオーバーが1ラウンド発生した際、双方同点で突入する第4ラウンドがファイナルラウンド扱いとなった。
このファイナルラウンドでは一切のスコアが加算されない上に、そこでも同点だった場合は両者ともにゲームオーバーとなる。
本作はプロテクトが脆弱だったのか、この『ダッシュ』をベースにレインボーを始めとした改造・海賊版が多く出回ったことも有名。
↑の海賊版を一掃するためにリリースされたバージョンとも言われている。通称『ターボ』。ハイパーでの略称は主にT。
ゲームスピードが全体的に引き上げられ、一部のキャラに新必殺技が追加された。
追加技で有名なのが「
ザンギュラのスーパーウリアッ上」…ではなく、ザンギエフのハイスピードダブルラリアット。
他にも気功拳やヨガテレポートなど距離対策が設けられ、ハメ殺しになりにくいようになった。
他にも対戦バランスの調整が行われ、『ダッシュ』までの異常な火力は本作以降落とされていった。
海賊版一掃を謳っていた通り、プロテクトも強化されている。
- SUPER II-The New Challengers-
新キャラ4人を追加したバージョン。通称『スパⅡ』。ハイパーでの略称は主にS。
対戦バランスの更なる調整はもちろん、本作よりコンボやリバーサル成立時に加算されるスコア「テクニカルボーナス」が導入された。
加えて、Tまでは共通だった男性キャラのボイスが個別化された。
ゲームスピードがターボ以前のダッシュ時代と同じ仕様でリリースされたため、ターボのスピードに慣れたプレイヤーからは不評だった。
これは『スーパー』の開発がターボ以前から始まっており、ターボは海賊版対策の面で急遽リリースされたために『ターボ側が』ゲームスピードを差別化したという側面が大きい。
- SUPER IIX-Grand Master Challenge-
『スパⅡ』から半年と経たずにリリースされたバージョン。通称『スパⅡX』。ハイパーでの略称は主にX。
パワーゲージとスーパーコンボが追加。
細かい点でも、ほぼ全キャラに新技が追加、一部の技に空中で複数回ヒットさせられる空中コンボ属性の追加がある。
また、
豪鬼が初登場したのもこのバージョン。
対戦バランスもカプコンのデバッグチームがテストプレイをしまくったのが功を奏し、ハイパーがリリースされた後も現役で稼働しているゲーセンがまだ存在するほど。
- HYPER II-The Anniversary Edition-
アニバーサリーエディションの副題通り、ストリートファイターシリーズ15周年記念タイトル。2003年発売。
通称は『ハパII』。
Xをベースとしているが、歴代の全バージョンのキャラを使用可能。
細かいバージョンとしては初期版、AC版、カプコレ版の3種類。
アーケードスタジアム2ndに入っているのはAC版で、ファイティングコレクションに入っているのはカプコレ版準拠だが、Nキャラでの同キャラ対決が出来る決定版。
《初登場キャラ》
≪スパⅡ追加キャラ≫
≪スパⅡX追加キャラ≫
【ストリートファイターZERO】シリーズ
『ZERO』『ZERO2』『ZERO3』があり、派生作品に『ZERO2 ALPHA』『ZERO3↑』『ZERO3↑↑』がある。
時系列は『ZERO』『ZERO2』では『I』から数ヶ月後、『ZERO3』は『I』から1年後。
従来シリーズのグラデーションを駆使したリアル志向の
ドット絵とは一転し、アニメチックな絵になっている。
スーパーコンボゲージが3段階に分けられ、スーパーコンボも弱中強で使い分けできるようになった。
スーパーコンボが1キャラに複数用意されているのもZEROシリーズ特有の特徴だったりする。
《初導入システム》
◎空中ガード
その名の通り、ジャンプ中にガードできるようになった。
時間は限られているが上中段を防げ、下段は当たらない優秀な行動であったためか、
以降のナンバリングには存在せず、マヴカプなどのクロスオーバー系作品にのみ採用されている。
◎ZEROカウンター
ガード中にコマンド入力することですぐさま反撃するカウンター技、いわゆるガードキャンセル攻撃。
スーパーコンボゲージを1本消費する。
ケンやナッシュなどのリーチが非常に長いZEROカウンターを持つキャラの待ちプレイに拍車をかけるためか、
ZERO2ALPHAのみ消費量が1.5本となり回転率を悪くする調整を施された。
◎ZEROコンボ(ZEROのみ)
タイミング良くボタンを押すと通常技から別の通常技へと派生させられるというもの。
元は『ヴァンパイア』シリーズのチェーンコンボから。
◎オリジナルコンボ
ZEROコンボに変わって『ZERO2』から登場。ゲージを消費し、一定時間あらゆる行動をキャンセルできるようになる。
これによりプレイヤー独自でコンボを組み立てるという新たなやりこみが生まれ、そして『ZERO3』のV-ISMや『CVS2』のAグル、あとはユンの幻影陣などとして
実装された作品の全てで
猛威を奮った。
ZERO2&2ALPHA、3で仕様が大きく異なるため、同じシステム名にあって要求される知識は別モノ。
以下に各作品での仕様を記す。
発動時の入力はPとKを組み合わせたボタン3つ同時押し。性質は以下。
- スーパーコンボレベルに応じて3段階まで発動時間が変化する
- 発動後に自動的に高速前進する(=後退できないので必然的にガードも不可)
- 空中追撃が無制限になる
- 必殺技と一部の空中通常技に対してコンボ補正が掛からない
- 発動時、密着状態でガードしていない相手を地上仰け反り状態にする
これらの仕様を組み合わせてお手軽に高火力コンボを叩き込める半面、発動時の入力が統一されていることから発動時の消費ゲージの使い分けができず、
回避された場合は膨大な隙を晒した挙句にスーパーコンボゲージを最低5割~最大で全て失うという非常にピーキーなシステムであり、総じてハイリスクハイリターンであった。
コンボとしては必然的に大方のキャラで『しゃがみ強Kで浮かせて同種の必殺技で追撃しまくる』というレシピに落ち着くことになる。
発動時の入力は強P強K同時押し。この変更により、スーパーコンボを3つ所持するキャラはオートモードを選んだ際に簡易発動に割り振られていたスーパーコンボの1つが入力の重複で発動できなくなった。
一部の必殺技が空中追撃に対応しなくなり、コンボ補正も掛けられるといった風に無印版で悪さをした大半の仕様が下方修正気味。
春麗やロレントはともかく、ダンにとって数少ない高火力を出せる技の断空脚がオリコン中のみコンボ補正を掛けられたのは意図的なものなので黙って受け入れるべし。
発動時の入力は同じ強さのPK同時押し。性質は以下の様に変更。
- 発動後は本体の動きをトレースする残像が出現する
- 発動時に入力したボタンの強弱により残像の攻撃の発生タイミングが異なる
- 自動前進せずに動きを制御可能
自動的にゲージ段階を上乗せする形なので消費ゲージの使い分けができないことと、ガード不可なのは据え置き。
自動前進しなくなったことでコンボをミスした場合もフォローを効かせやすくなり、また簡単入力で長い無敵時間を持った割り込みが可能ということもあって導入のバリエーションが大幅に増加。
空中発動した場合に何も入力しなければ着地まで無敵が続くという仕様から、対空技を確定で無効化して攻めに移行できるのは特筆に値する。
残像の時間差攻撃に伴う画面端ループコンボや中段/下段/めくりの同時重ねといった凶悪連携が可能になった他、着地キャンセルによる空中受け身封印による半永久的な空中追撃でのゲージ回収など
大本の根幹となる基本システムの調整ミスを悪用したやり込みによって凄まじいまでのポテンシャルが明るみに出て、上級者との格差を押し広げることとなってしまった。
以降オリジナルコンボというシステムの是非をめぐる対立が横行するなど荒れに荒れた時期もあり、
差別化を施してカプエス2やカプジャムで採用されたことはあれど、近年ではほぼ採用されることはなくなっている。
◎イズムセレクト(ZERO3のみ)
スパIIXに近づけた高火力・パワーゲージ1段階制のX-ISM、
オリジナルコンボ以外はZERO2までのゲージ3段階制を引き継いだZ-ISM、
オリジナルコンボが使えるV-ISMのどれかを選べる。
《初登場キャラ》
≪『ZERO2』追加キャラ≫
≪『ZERO3』追加キャラ≫
≪PS版『ZERO3』追加キャラ≫
- 再登板追加キャラ:
- 『Ⅱ』→ガイル
- 『スパⅡ』→フェイロン、T.ホーク、ディージェイ
≪GBA版『ZERO3↑』追加キャラ≫
≪『ZERO3↑↑』追加キャラ≫
- イングリッド(ZERO3↑↑のみ)
など
年代設定は1997年~200X年の間。初代『ストII』を基準とするならその6年以上、『スパIIX』なら3年以上後。
バージョンアップ版の『2nd IMPACT』、大幅なテコ入れが図られた『3rd STRIKE』もあり、『3rd』は『2nd』までの1年後が舞台。
後述の『6』が発売されるまで、時系列的に最も後の時代を描いたものとなっていた。
キャラクターを一新。従来シリーズのキャラクターはほとんど出ないが、似た性能のキャラクターはいる。
日本国内で格闘ゲーム人気が落ちてきた頃に作られたせいか、海外受けを狙ったキャラクターデザインとなっている。
『ZERO』シリーズを基盤としたアニメ調デザインをブラッシュアップした、重厚ながら洗練された立ち絵が特徴。
しゃがみ状態と
飛び道具を不利にし、立ちでの打撃技主体を意識した作りになっている。
また、独自のシステムを多数採用。後の作品の新システムの原案になったものも多い。
その複雑なシステムから難易度が高く、初心者から敬遠され格ゲー離れを促進した。
しかし上級者達の間では人気・評価共に高く、現在でも多くの大会が開かれている。
《初導入システム》
◎ブロッキング
直前ガードの一種。
相手の攻撃が当たる直前に、上・中段攻撃には前方向に、下段攻撃には下方向、空中では前か下のどちらかにレバーを入力すると、相手の攻撃を捌いて完全無効化できる。(削りを受けずゲージも増える)
成功時に大きな有利時間が発生するため、反撃も容易にできるが、ガードとは入力方向が違うのでタイミングをミスると確実に攻撃を喰らってしまう。
3rdからはガード状態からブロッキングができる「ガードブロッキング(通称赤ブロ)」が追加。(この影響で3rdには連続ガードがない)
タイミングがとんでもなくシビアだが、通常版よりも有利時間が長く、ターゲットコンボ等の通常では割り込めない連携にも割り込みが出来るため、リターンがさらに大きい。
◎スーパーアーツセレクト
これまでのスーパーコンボに相当する「スーパーアーツ」を全キャラ共通で3種所持しており、キャラセレクト時にどれか1つを選択して試合を行う。
ZEROにあったスーパーコンボレベルの打ち分けはなくなった。
選択したアーツによってゲージの長さやストック出来る本数が異なる。
また2nd以降はゲージが長いor多いほどEX必殺技の使用回数が増えるため、それらも踏まえてアーツを選択する必要がある。
「高威力のスーパーアーツほどゲージが長くてストック数が少ない」「悪さの出来そうな特殊なスーパーアーツはゲージは短いが1ストック」と言う傾向がある。
リュウの真・昇竜拳あたりがゲージ長・ストック少の代表格。
豪鬼だけ、どのSAを選んでも共通で、ゲージ2ストックを全消費するスーパーアーツを持っている。
ある開発者のツイートでは、そのプレイで選んだスーパーアーツは「そのキャラがその技を極めた世界線でのストーリー」として考えているとのこと。
選ばなかった他のスーパーアーツはその世界線では生み出していないのか、理由あって封印したのか捨てたのかといった想像も捗る…とは言い過ぎだろうか。
◎EX必殺技
『2nd』以降で実装。同カプコンの『ヴァンパイア』シリーズにおけるES必殺技が元ネタ。
スーパーアーツゲージを一定量消費し、通常の必殺技を強化した技を放つ。
その汎用性と戦略性の高さから、その後もシリーズ伝統として採用されている。
豪鬼には実装されていないが、その分通常の必殺技が高性能になっている。
◎リープアタック
低いジャンプからキャラ毎の空中攻撃を繰り出す、全キャラ共通の地上中段技。
このシステムの導入により、各キャラに最低でも1つの崩し手段が設けられた事で択一攻めの格差は解消された。
差別化の意味合いが薄れたとも言う。
◎スタン値(気絶値)の可視化
それまでは内部パラメータとして目に見えなかった気絶値が、Ⅲシリーズではゲージとして表示される様になった。
これにより単発攻撃、ひいては一連のコンボに至るまでスタンするまでの目安が把握可能になり、
攻めと迎撃に関与して『総合威力を取るかスタン値を取るか』という取捨選択に一石を投じることに繋がった。
《初登場キャラ》
≪『2nd』追加キャラ≫
≪『3rd』追加キャラ≫
など
時系列は『II』と『III』の間。ケンの妻が身篭っており、『III』時点で息子が3歳なので、『III』の3年前にあたる。
EX以来の3Dグラフィックだが、システムはしっかり2D。
シリーズの人気キャラクターの多くが登場するオールスター的なゲーム。
IIシリーズのキャラクターはシリーズが進むにつれて全員登場となった。
IIへの原点回帰をコンセプトとし、グラフィックやモーション、システムなどがIIに近く作ってある。
バージョンアップ版として「スーパーストリートファイターIV(スパIV)」と「ウルトラストリートファイターIV(ウルIV)」が稼働・発売。
パワーゲージは共通で4マスに区切られたものに変更。1/4でEX必殺技、4マス全てでスーパーコンボを使用できる。
ゲージの都合上、本作でスーパーコンボを実践導入するには他のすべてのゲージ消費システムを切り捨てる必要がある。
この仕様はⅣ無印の時点で大きな問題として多くの不満意見があったものの、開発側としてはウルトラコンボに比重を置いているのもあってか結局最終調整バージョンまで変更されることはなかった。
《初導入システム》
◎セービングアタック
略称はセビ。
溜め中に一発分だけ攻撃を受け止められる溜め攻撃。溜め段階は3レベルあり、Lv2以上でヒット時に相手を崩れ状態にする。
最大まで溜めるとガード不可。ただし、溜め中でも二発分、またはアーマーブレイク属性を持つ技を受けると潰されてしまう。
溜めで攻撃を防ぐとその分のダメージはヴァイタルソースとして残り、リベンジゲージ(↓で解説)も溜まる。
ただし、受け止めてヴァイタルソースになった分の白体力は回復しきる前に攻撃を受けた瞬間消えてしまい、実ダメージとして確定してしまう。
溜め中・ヒット時に前後ダッシュでキャンセルできる。
発動時にゲージを2マス消費し、対応した地上判定の技をセービングでキャンセルできる「EXセービング」も可能。
ウルIVではゲージを2マス消費してアーマーブレイク属性を除く多段攻撃を受け止められる強化版の「レッドセービング」が追加。
通常のセービングと違って、威力1.5倍・攻撃を受け止めた際のリベンジゲージ蓄積量が2倍などになっている。
レッドでEXセービングをやるとゲージを3マスも消費する代わりに、溜めがLv1でも崩れを誘発するようになる。
◎ウルトラコンボ、リベンジゲージ
略称はウルコン。
攻撃を受ける・セービングで攻撃を受け止めるとリベンジゲージが溜まり、半分以上溜まると全消費してウルトラコンボを発動可能。
ウルトラコンボは直撃すると3Dを生かして派手な特殊演出に突入。リベンジゲージが溜まっているほど威力が大きく上がる。
無印では各キャラ1個だったが、スーパーで全キャラに2個目のウルコンが追加された。
ウルトラではさらに威力や効果時間が落ちるものの、ウルコンを2つとも保持できるウルトラコンボダブルが選択できるように。
そのため、スーパー以降はIIIのスーパーアーツセレクトに相当するウルトラコンボセレクトの要素が加わった。
Ⅲシリーズのスーパーアーツセレクトといい、本シリーズのウルトラコンボダブルの下降補正/スーパーコンボの冷遇といい、
この当時のカプコンはどうにも性能が大幅に異なる大技が同時に使えるというのは邪道というスタンスだった模様。
(よって、超必殺技を複数持っているストファイ正式作はZEROシリーズ・EXシリーズとスト6のみ)
リベンジゲージの仕様上、1ラウンドに必ず一度は発動できるようになっているので一発逆転も狙えるが、~
演出が長い技が多い、また基本受けでしかたまらないリベンジゲージの仕様もあって
賛否両論。
《初登場キャラ》
など
- 再登板キャラ:
- 『Ⅰ』→リュウ、ケン、サガット、アドン、元
- 『Ⅱ』→春麗、ブランカ、ザンギエフ、ガイル、エドモンド・本田、ダルシム、M・バイソン、バルログ、ベガ
- 『スパⅡX』→豪鬼、キャミィ、フェイロン、T.ホーク、ディージェイ
- 『ZERO』→ガイ、ローズ、ダン
- 『ZERO2』→さくら、ロレント
- 『ZERO3』→コーディー
- 『Ⅲ』→ユン、ヤン、ダッドリー、エレナ、いぶき、まこと、ヒューゴー
【ストリートファイターV】
時系列は『IV』と『III』の間。『III』と同様にいぶきが高校生なので、『III』の数ヶ月~1年前、『IV』の2~3年後にあたる。
初期では家庭用(PS4・Win)のみ発売されていたが、後にアーケード版の「タイプアーケード」も稼働した。
前作ではハードごとにコミュニティが分断されており、それが大会を開くときのデメリットとなっていた。
これによって持ち上がった「コミュニティの統合」という課題に対し、コンソールとPCのクロスプラットフォーム対戦に対応でき、協力もできるという答えをSCEが出したことで実現。
本作も前作同様にバージョンアップ版として、先述したアーケード版の稼働に合わせた「アーケードエディション」「チャンピオンエディション」が稼働・発売。
タイプアーケードはあくまで業務用としての稼働のため、家庭用のストーリーモードと異なりオールクリアしてもエンディングはない。
代わりになるわけでもないが、ストリートファイターシリーズの業務用としては初のトレーニングモードを搭載している。
パワーゲージは3マスのEXゲージになった。1/3で使えるEX必殺技の中には、かつてはスーパーコンボだった技もちらほら。
最大時の超必殺技は「クリティカルアーツ」という名前になっている。
本作は時代に合わせた様々な要素が積み重なり、非常に難産であったことで知られる。
過去作から続投・復活したキャラの大幅なデザイン変更による既存プレイヤーの違和感は言わずもがな、リリース前段階で急遽ゲーム内ショップ要素のゼニーを廃止する措置が取られ、
リリース初期はアーケードモードすら未実装、装飾が無くチープな印象を受けるUI&やたらと小さい勝利メッセージのフォント、
サブシステムとしての工夫を放棄したと取られてもやむなしなVスキル&トリガーの仕様、そしてなによりシーズン制の導入で
『数キャラ分の追加実装時期が早い段階でアナウンスされること』による『全体に性能調整が入ることでキャラ研究の知識がシーズン毎に改訂されて最初から覚え直す必要があるのが確定していること』が
多くのプレイヤーの拒否反応へと繋がり、初動に関してはストシリーズ随一と言っても過言ではない程の悪印象に満ちており、ネガキャンも多々見られた。
特にVスキル&Vトリガーは後に1つずつ追加され、1キャラでさえ4つの組み合わせから選択しなければならないのもあって覚える事がそれまでとは比較にならないほど多く、
それが前もって『次のシーズンで各技の細部の知識は一旦リセットしてもらいます』と事前告知されるのはプレイヤーのモチベーションを削ぎ落すには十分であった。
リリースに関しては決算に間に合わせるために強行したという説が出回っているが、真相は不明。UIは後のアプデで豪華になったが。
シーズン制の採用による『研究のリセット』は現在でも批判意見はあるものの、他メーカーも追従することで業界のスタンダードとなり、それなりに受け入れられて現在に至る。
《固有システム》
◎クラッシュカウンター
特定の強攻撃で相手の技の出掛かりにカウンターヒットを取ると、通常よりものけぞり時間が延びたり追撃可能な状態で浮かせる…といった特殊なやられを誘発する。
◎Vスキル
キャラ固有の特殊動作。コマンドは中P+中K
後述するVトリガーに続いて、CEからは新たにVスキルIIが追加され、試合開始前にVトリガーと共にどちらを使うか選択できる。
※例
リュウは攻撃をブロッキングする「心眼」
ケンは前方へのダッシュ及びそこから攻撃を繰り出す「奮迅脚」
◎Vゲージ
IVのリベンジゲージの代わりに登場したゲージ。
消費することで以下の行動が可能。ゲージは先述のクラッシュカウンター成功時やVスキル成功時を除けば、基本被ダメージでしかたまらない点は同じ。
ゲージの長さはキャラごとに異なり、数ブロック単位で決められている。
ZEROシリーズのZEROカウンター以来の実装となったガードキャンセル。
全キャラ共通で1ブロック分消費。
ほとんどのキャラは反撃で白ダメージを与えるふっ飛ばし攻撃タイプだが、一部は反撃せずに移動のみのキャラもいる。
1ブロック消費し完全無敵の状態でバックステップする技。シーズン5から追加。
相手の打撃・弾に合わせてタイミングよく使うとスロー演出が入り、Vシフトブレイクと言う白ダメージを与える攻撃に派生可能。
ゲージがMAXまで溜まると発動可能。コマンドは強P+強K
時間制限があるが、キャラ固有の特殊効果を得られる。時間ゲージの長さはVゲージに関わらず共通。
中には時間ゲージを大きく消費して特殊な攻撃を繰り出すようになるタイプも。
通常は必殺技でキャンセルできない通常攻撃をキャンセルして始動可能。
IVのウルコン同様にAEからは2個目のVトリガーが追加され、Vトリガーセレクトの要素が加わった。
※例
リュウは波動拳や昇竜拳といった拳を用いた技が電撃を帯びるようになる「電刃練気」
ケンは各種必殺技を炎で強化する「ヒートラッシュ」
Vでは必殺技だけでなく、中・強の通常攻撃をガードしても削りダメージが発生するようになっている。
ただし、通常攻撃による削りはIVのセービングで受け止めたダメージ同様に白く表示され、直撃ダメージを受けて消えない限り時間経過で回復する。
加えて、Vでは削りKOがクリティカルアーツでしかできなくなっている。
つまり、体力がドット残りの状態でもガードを崩されない限りは基本大丈夫(ただしゲージ最大の超必を重ねられたらジ・エンド)。
《初登場キャラ》
●初期から登場
- ネカリ
- ララ
- ラシード
- ファン
- 再登板キャラ:
- 『Ⅰ』→リュウ、ケン、バーディー
- 『Ⅱ』→春麗、ザンギエフ、ダルシム、バルログ、ベガ
- 『スパⅡX』→キャミィ
- 『ZERO』→ナッシュ
- 『ZERO3』→かりん、レインボーミカ
●DLC追加
- コーリン
- エド
- アビゲイル
- メナト
- 是空
- ファルケ
- G
- 影ナル者
- ルシア
- ギル
- ルーク
- イレヴン
- あきら(ジャス学)
- 再登板キャラ:
- 『Ⅰ』→サガット
- 『Ⅱ』→ブランカ、ガイル、エドモンド・本田、M・バイソン
- 『スパⅡX』→豪鬼
- 『ZERO』→ローズ、ダン
- 『ZERO2』→さくら
- 『ZERO3』→コーディー
- 『Ⅲ』→アレックス、いぶき、オロ、ユリアン、ギル、コーリン(ギルの秘書)
- 『Ⅳ』→ジュリ、ポイズン、セス
Ⅴシリーズで取り入れられ、その後は界隈で標準仕様となったシーズン制に対する評判に対してさらに付け加えると、
前作Ⅳシリーズの集大成となる『ウルトラ』までは調整版毎に独立したパッケージ版が発売されており、
最新版の調整が不満であれば(家庭用のオフラインモード限定という制限はあれど)以前の性能のキャラに留まることができたため、『変わらないことを選ぶ自由』が残されていた。
他にも『ハイパーストリートファイターⅡ』や家庭用『ヴァンパイアセイヴァー』『クロニクル』、家庭用『ウルⅣ』のバージョンセレクトやΩエディションなど、
一部のシリーズでは『過去バージョンを一堂に会して互いに異なるバージョン+追加のオリジナル性能で遊べる』という豪華な仕様を搭載していたため、
追加パッチによる完全アップデートを施すやり方ではそうした確かな需要を完全に切り捨てることで
『二度と以前のバージョンを遊べなくなる』という実情があり、それもシーズン制という要素の大きな弊害となっている。
現在でも『Ⅱダッシュ』や『ZERO2無印』などの調整版以前のタイトルの大会が首都圏のゲームセンターで開かれることがあり、多少歪なバランスでも返ってそれが盛り上がる要因だったりするが、
ストⅤに至っては無印版の対戦会を開こう!といった希望は叶わないし、無印/アーケードエディション/チャンピオンエディションの性能を一堂に会したハイパーストⅤなんて夢のまた夢。
ストⅤの名誉のために補足すると、調整版毎にパッケージ版をリリースするのも取扱説明書で同じ様な内容を再度作成することになり、ディスクの再生産などでも大きなコストが掛かる。
データそのものの更新の方がコスト面で大幅に負担が軽くなるし、パッケージ版を買いに行く手間が省けるという利点もある。
家庭用ウルⅣ発売当時では大きな新システムが複数追加されたこと(上記のバージョンセレクト/Ωエディションも含め)で大幅アップデートによるデータの一本化は
シーズン制という認識が全く流通していない当時は混乱を招く恐れがあったが、技術的には黎明期の家庭用コンソールの時点で普通にできた事だった。
事実、『スパⅣアーケードエディション Ver.2012』は前バージョンの所持者は無料アップデートという形で強制的に移行させられており、ストⅤのシーズン制の弊害はすでに前例があったのである。
また、2011年の『アルティメットマーヴルVS.カプコン3』が本来は無印版にDLCとしてキャラを追加していく予定だったものが東日本大震災とPSNのシステム障害の影響により計画が頓挫し、
わずか9か月で調整版を出す方向に舵を切らざるを得なくなったことに対して開発側が少なからず批判を受けたのを覚えているWiki籠りも多いことだろう。
こちらの件は無印版が未だ手元で遊べるという意味では利点があると言えるが、過去を振り返らないユーザーにとってはそうでないのも事実である。
過去のバージョンを遊びたいユーザーにとって、『強制アップデートが施されない=知識を改めなくてもよい』パッケージ版の利点は非常に大きいものなのだ。
シーズン5をもってストⅤシリーズは終着点に達し、知識のリセットを必要としなくなった。
結果的にシーズン制という方針がストⅤシリーズで手放しで受け入れられたとは言い難いが、それは今後の『6』でも方針は変わらない。
開発サイドとしては過去に留まって新作に移行しないユーザーにかまけてもいられないし、常に新しい要素に貪欲になる必要がある仕事である。
完成とは進化を終えたとも言い表せる。時代の移り変わりと共に、ユーザーもそれを受け入れる配慮が求められていくだろう。
それを受け入れられないにしても、最終手段として『それをプレイしない自由』は常に残されているわけだし。
【ストリートファイター6】
IIIの後が舞台。ちなみに
本作のナンバリングはアラビア数字表記になった
。
今回はユーザー離れ対策を意識して、3ボタン+必殺技やコンボを簡単に出せる「
モダンタイプ
」や一人用の大規模ゲーム「
ワールドツアー
」プレイヤー同士の交流を中心とした「
バトルハブ
」の追加といった間口拡大の試みがなされている。
《ワールドツアー》
格ゲー方式のバトルで経験を積んで成長していくのは『ZERO3』家庭版の同名モードに似ているが、
今回はプレイヤーのアバターキャラでストリートファイターの世界を冒険できるストーリー仕立てとなっている。
前日譚漫画とアーケードモードに続く事実上のメインストーリーでもあり、最大のバカゲー成分由来でもある(ストリートファイト合法の治安事情、殺人掃除機/ドローン/冷蔵庫、弟子の学習能力、突進技で川や崖を飛び越えるなど)。
従来のモード「
ファイティンググラウンド
」に登場するキャラが師匠として登場し、プレイヤーは彼らに弟子入りして技を習得していくことができる。
最初はルークの「スタイル(基本的な性能と技のセット)」と必殺技から。ゲームが進めば複数のファイターの「スタイル(通常・特殊技の分割は不可)」と、それぞれの必殺技の組み合わせができるようになる。
DLCキャラクターは使用権を買っていなくても登場し、追加ストーリーと弟子入りが可能。
新規層に向けたこのモードには格ゲーの基礎を学んだり練習するのに向いたクエスト、敵の行動パターンやミニゲームが多く用意されている。
また初代や『ファイナルファイト』を含む各シリーズの小ネタも…
《バトルハブ》
プレイヤー同士の交流をメインとしたオンラインビジュアルロビー。
プレイヤーはワールドツアーで鍛えたアバターを操作し、近未来的なゲームセンターを移動しながら他プレイヤーとのチャットなどを楽しむことができる。
施設内に設置された対戦台にアクセスすれば、任意参加の「
ファイティンググラウンド
」式対戦が可能。気軽に乱入したりされたりすることが出来、対戦の様子を鑑賞することも可能と気分はまさにゲーセンそのもの。
さらにはロビー中央で鍛えたアバター同士での対戦ができたり、ロビー隅にはカプコンが過去に発売したレトロアーケードゲームを遊べる台やDJプレイが楽しめるブースが用意されていたりと息抜き要素が満載。カメラ撮影も可能。
アバターの着せ替えアイテムなどをよく配布しているあたり公式はバトルハブを前面に推している模様で、これまでのシリーズとは一線を画したオンラインモードだ。
なお、「
ファイティンググラウンド
」でのオンライン要素としてはランダム対戦であるランクマッチ・カジュアルマッチや、身内などと集まって一緒に遊べるルームマッチが実装されているが、これらはバトルハブにいながらマッチング待ち・ルーム入室が可能。
《システム》
従来の「クラシックタイプ」に加え、新たに「
モダンタイプ
」が追加。
必殺技やスーパーアーツを方向キーコマンドなしで出せるSPボタンおよび、アシストボタンを押しながら攻撃ボタン連打で特定のコンボを出してくれるアシストコンボで、練習必須な操作の難しさを軽減しながら駆け引きを楽しめる。
SPボタンを使うと威力がちょっと低かったり、通常技に使うボタンが3つに減ったことで出せない技や、コマンドまたはSPボタンでしか出せない必殺技もあり、簡単になった分ちょっとしたデメリットはある。
あとさすがに溜めなしサマーとかはできない
また一部の必殺技はクラシックと同様の通常のコマンド入力に対応しており、SPボタンを使わずコマンド入力すれば威力低下が無くなり強弱使い分けも可能になる。
この手の簡単操作としては極めて完成度が高く、新規参入が大きく増えて本作を人気にした要素の一つ。
格ゲー初心者はもちろんのこと、上級者にもコマンド入力の分のタイムラグを省いて対空やコマ投げなどが出せるということで注目されており、
モダン向けの立ち回りが研究されてプロシーンでも使用されることがあるなど、今までオマケ扱いが常であった簡単操作タイプとは一味違う注目を得ている。
実際に公式のコマンドリストもクラシックタイプとモダンタイプ両方が用意されており、明確に「クラシックと対になるもう一つの操作タイプ」として扱われている。
ただ、過去作でのオートモードの仕様を観てきたプレイヤーからは『クラシックはクラシック、モダンはモダンで明確に住み分けしてほしい』という意見も極一部で根強い。
コマンド入力精度そのものをゲーム内要素として考えるプレイヤーにとっては『確実に技が出るかどうか』も駆け引きのいち要素なので、
威力の下方修正があったところでそうした入力制度を度外視した動きができるのは面白さを損なう不公平で邪道な選択であるという感覚は簡単には拭えないだろう。
それがゲームセンターでワンプレイ毎にお金を費やしていた世代であれば、なおのこと譲れないものがあるというのは知ってしかるべきことである。
とは言えあくまで『住み分け』を望むのであって、モダンを無くせといった意見がほぼ皆無なのは留意されたし。
またこの手の初心者参入のハードルを高めるような意見が格ゲーを衰退させてきたと反論するユーザもいる。
なおカプコンは「モダンが強いと思うならモダンを使えばいい」という旨の発言を行っており、明らかに格ゲーはクラシック操作だけのものではないと宣言している。これを「対立構造を煽ってる」と解釈するユーザもいる辺りが揉めやすい原因か。
ちなみにオフラインの対戦専用だが本当の初心者向けとしてボタンを連打するだけでAIが自動操作で技を出す「ダイナミックタイプ」もある。
今回の超必殺技用パワーゲージは完全に他の用途がないSAゲージになり、キャラごとに1・2・3本消費のものがそれぞれ1つずつ用意されている。
カプジャムのイングリッドのゲージシステムに少し手を加えたと言えば大体あってる。
3本消費のものは、体力1/4以下で「クリティカルアーツ」として強化される。
何気にZEROシリーズ以来、本当に久々に複数のスーパーアーツが標準搭載された仕様となった。
とはいえ、リュウの真空
竜巻旋風脚やケンの昇龍裂波など元スーパーコンボのOD必殺技というケースが極稀に残っている。
ヒットさせると相手のドライブゲージを減らす効果もある。
相手の技の攻撃前のスキに攻撃を当てると、「カウンター」となりダメージが1.2倍になりごくわずかに相手がのけぞるヒット硬直時間が延びる。
加えて今回は、技の攻撃後のスキ(いわゆる硬直)を殴ると「パニッシュカウンター」となり、さらに相手の硬直時間が増え、相手のドライブゲージを減らすようになった。
前作と違い、当てる技は何でも良い。ただし
通常投げで相手のパニッシュカウンターを取るとダメージ1.7倍+SAゲージ獲得量2倍になったり、他にも当てる技によっては追撃可能な状態で浮かせたりなどの効果は健在。
《ドライブシステム》
本作特有の共通行動は全てドライブゲージを使用する。
これは試合開始から最大6マスあり、時間経過や攻撃を当てることで増え、ガードやパニッシュカウンターや一部の技を食らったりすると減る性質を持つ。
ゲージが完全に無くなると全快するまで
バーンアウト
状態になり、以下のドライブ技が使えなくなるのは当然として、その間はガードも弱体化する。
ドライブ技は過去作の固有アクションを意識したものが多いが、ドライブゲージの「最初から使える」「時間と攻撃で回復する」「通常ガードでドライブから削られる」という点が前作までと打って変わってスト6を攻め重視のゲームにしている。
過去作のEX必殺技のような強化必殺技。「OD」と略される。EXではない。
今回はドライブ2マス消費で出すことができ、OD必殺技→スーパーアーツLv2以上のキャンセルができる。
「IV」のセービングアタックのような、2発分攻撃を受け止められるアーマー付きのアクション。ドライブ1マス消費。クラシックタイプでは強P+強Kで出る。
ヒットすると相手のドライブゲージを1マス減らす。
これで攻撃を受け止めてからor相手の技後の硬直にヒットさせると特殊演出が入り、相手は1.5マスのドライブを失った上で崩れ落ちるような特有のダウンとなってコンボチャンスとなる。
ガードされても相手をドライブ0.5マス削りつつ、大きくノックバックさせる効果があり、これで画面端の壁に叩きつけるとヒット時と同じようにコンボのチャンスが生まれる。
決めればリターンの高い大技だが、相手も後出しでインパクトを出し返すことも可能。この場合はスローモーション演出後に後出し側が勝つため下手に振っていると後出しインパクトで大ピンチになる。
この仕様は初代『私立ジャスティス学園』のシステム『愛と友情のツープラトン』が『発動時の無敵によって後出しツープラトンが一方的に勝つ』という欠陥をそのまま採用したとも取れる。
後出しインパクトによる反撃はスロー演出も入って盛り上がる展開をもたらすが、プレイヤー層によっては賛否が分かれる話題に上がることもしばしば。
また3発以上は受け止めきれず、ほとんどのスーパーアーツ、または
あるキャラが持っているアーマーブレイク属性の攻撃にも無力となっている。
ちなみにこれを含むアーマーで攻撃を受けた場合、その分のダメージは白く表示され、例によって直撃を食らうまで時間で回復する。
残り体力が足りないと普通にKOなので注意。
逆に相手の体力が残りわずかであれば後出しインパクトが不可能になる(インパクトで返されても削りダメージでそのままKOとなる)のでドライブインパクトの圧力が大きく上がる。
空中・中段もめくりもインパクトも全部対応してくれる特殊ガード。クラシックタイプでは中P+中K。
ドライブ消費は発動時に0.5マス、押しっぱなし時間で更に消費だが、パリィに成功すればドライブゲージは回復する。
「III」のブロッキングのようなアクションだが、タイミングよく押す必要はなくボタン押しっぱなしでパリィの構えを続けている限り、
中段だろうが下段だろうがめくり飛びによる裏側からだろうが打撃・飛び道具はすべて受け止めることが出来るのが大きな特徴。
その代わり投げられるとパニッシュカウンターとなり大ダメージを受けたり、ガード直後に離さないと解除時に結構大きな隙(被パニッシュカウンター判定でガードしかできない)をさらす、といった弱点もある。
またジャストタイミング(入力から2Fまで)で打撃へのパリィが成立すると「ジャストパリィ」となり、「V」のVシフトのようなスローモーション演出が入り、大きな有利時間を得られる。
猶予時間がかなり短いため上級者でも狙って出すのは難しく、ジャストパリィからのコンボは威力が半減する重い補正もあるが、大抵の攻撃には反撃できるため、確実に相手のターンを終わらせることが出来る。
インパクトをパリィすると画面端や体力がないときでもでも安全にやり過ごせる。
普通に出していると解除の隙が意外と大きく、見てから投げに行かれやすいので、上級者は飛び道具相手に使ったりジャストパリィ狙いでちょい出しすることが多い。
またジャストパリィは硬直差で大幅有利だが、通常パリィの防御硬直は実は普通のガードと同じであり、パリィを取ったほうが必ず有利になる
というわけではない。
ドライブパリィ、または一部の通常技から、必殺技キャンセルの要領で前方にダッシュするアクション。
ドライブ消費はパリィから出した場合は合計1マス消費、通常技から出した場合は3マスも消費する。
最大の特徴が「ラッシュ中に出した技は相手のヒット・ガード硬直時間が4/60秒増える」などの微強化がされること。要するに緑に光った技は基本ガード後に無敵技でしか暴れられなくなるというわけ。
立ち回りの各場面・奇襲・起き攻めからコンボまで、中上級者の攻めの要となる。
「ZERO」のZEROカウンター、「V」のVリバーサルのようなガードキャンセルふっとばし攻撃。ドライブ2マス消費、インパクトなどのアーマー無効。
これによるダメージは白表示で回復するという点はVリバーサルと同じだが、ガードされると反撃確定になるぐらいには後隙が増えた。
他のドライブ技に比べると影が薄いが、ガードでもパリィでもインパクトですらもろくに反撃が見えない突進技や状況なりを強引に押し返すのに使うことがある。
今回は必殺技をガードしても削りダメージを受けないようになっているが、代わりにどの技をガードしてもドライブゲージが削られるという仕様になっている。
そしてドライブゲージが尽きたバーンアウト状態ではガード硬直が少し不利になって固められやすくなるだけでなく、
画面端でドライブインパクトをヒット・ガードさせられて壁に叩きつけられるとピヨってしまうなど、こと受けに関しては結構な弱体化をもらう。
またドライブ切れの間は必殺技・SAやドライブインパクトで削りダメージを受けるようになり、そのまま削りKOされることもある。
特にSAは消費本数によってほぼ一律で0.5~1割と削りダメージが比較的大きめになっており、「初段をガードして不発にさせたと思ったら死んでいた」ということもバーンアウト+体力ミリの際にはあり得る。
《ファイティンググラウンド参戦キャラ》
●初期から登場
- ジェイミー
- キンバリー
- リリー
- マノン
- マリーザ
- JP
- 再登板キャラ:
- 『Ⅰ』→リュウ、ケン
- 『Ⅱ』→ブランカ、ガイル、エドモンド・本田、春麗、ザンギエフ、ダルシム
- 『スパⅡ』→キャミィ、ディージェイ
- 『Ⅳ』→ジュリ
- 『V』→ルーク
●DLC追加
- A.K.I
- 再登板キャラ:
- 『Ⅱ』→ベガ
- 『スパⅡX』→豪鬼
- 『Ⅲ』→エレナ
- 『V』→ラシード、エド
- ゲストキャラ:
独立した作品
シリーズ初の3D。舞台はIIと同時期あるいは少し前後した時期。
システムやモーションが他作品とは大きく異なる。
開発がアリカのため、EX
オリジナルキャラクターの版権はカプコンではなくアリカが所有している。
このため初登場キャラは他のストリートファイターシリーズに登場していない。
外伝のような位置づけで扱われることも多かったが、設定そのものはVで正式に本編の世界観に組み込まれている。
《特有のシステム》《初登場キャラ》は個別項目を参照。
カプコンの人気キャラクターがチビキャラとなって対戦する。一部の必殺技でコスプレをする。
「カプコンキャラクターが登場する
パラレルワールド」が舞台と明言されており、本編とは異なるお祭り作品である。
【その他】
【中平漫画】
【他メディアのストリートファイター】
人気の高さ故に何度となく映画化やコミック化、アニメをされてきた。
その大半はアメリカ製であるせいか、主人公はアメリカ軍人の
ガイルが務めることが多い。
その場合本来の主人公である
リュウはほとんど登場しないか、登場しても小物キャラに変更されている。
日本製の物は基本的にリュウが主人公だが、登場キャラの性格や設定や関係性が変更されている場合が多い。
アニメ映画版はストリートファイタースタッフと有名格闘家の指導元で作られたおかげか、映像化作品の中では最も評価が高い。
ジャッキー・チェン主演の実写版『
シティーハンター』のワンシーンでも
実写化された。
このシーンは実写版ストリートファイターとしては最も再現度が高いと言われるほど評価が高い。
ストⅡ好きなら一見の価値有り。ただしガイル役がガリガリのおじいちゃんなのは気にしてはいけない。
ちなみにジャッキーは春麗役。意外によく似合っている。
一方でシティーハンターの実写版としての出来は悪く、始めからストリートファイターの映画にするべきだったという声が大きい。
追記・修正お願いします
- いまだにリュウの記事が出来てないのは不思議 -- 名無しさん (2014-04-26 04:57:12)
- ↑2004年8月にようやくリュウの記事が出来た。今度はアドンの記事に期待。 -- 名無しさん (2015-03-06 06:47:24)
- 最近「ジョーカー~ギャングロード~」というソシャゲともコラボした模様。 -- 名無しさん (2015-06-08 02:50:42)
- 初代のはKOした時のSEが妙に可愛かったの覚えてる -- 名無しさん (2016-02-08 13:33:31)
- スト5のどうしてこうなった感は異常 -- 名無しさん (2016-06-10 00:42:24)
- 小さい頃に友達の家でやった「リアルバトルオンフィルム」は設定が色々変わっててビックリした。ガイルが主人公だったり、リュウとケンが詐欺師だったり、シャドルーのメンバー(ベガ、バルログ、バイソン)の名前が入れ替わってたりと、中々のカオスっぷり。 -- 名無しさん (2016-10-26 14:10:31)
- 2010は? -- 名無しさん (2016-10-26 14:12:02)
- ストリートファイター世界の未来もかなり不穏。初代ではリュウがサガットに勝ったおかげで数十年以内での滅亡こそ免れたが・・・ 同一世界観のファイナルファイトの未来の時間軸であるキャプテンコマンドーでは犯罪超人という悪がのさばっていたり、スト5では是空がストライダーズの創始者になるっぽい描写があるし、ストライダー飛竜の世界がハード極まりないことを考えると・・・ -- 名無しさん (2021-05-17 13:17:01)
- ↑1 サイバーボッツも、豪鬼の圧倒的な強さに感銘を受けた科学者が零豪鬼を作り上げたとあるから未来世界にあたるのだろう…というよりストリートファイター以後の時間軸が不穏極まりない程ブッ飛んでいる。 -- 名無しさん (2021-05-29 13:10:42)
- このシリーズもギル率いる秘密結社との戦いでストーリーに一つのピリオドを打たれそうだな。 -- 名無しさん (2022-08-19 12:50:36)
- エレナが好きなんだが、いまいちマイナーなんだよな。春麗・キャミィ・さくらが三強すぎてほかの女性キャラが隠れてしまっている。 -- 名無しさん (2023-04-14 09:20:44)
- ストファイって横スクロールステージでならず者たちを倒していくステージありますか?なんか子供のころSCFでやったころあるような、ないような… -- 名無しさん (2023-06-02 20:31:57)
- ↑それストリートファイターじゃなくてファイナルファイトじゃ……? -- 名無しさん (2023-06-03 04:56:21)
- 想像だにしなかった…霊長類最強の吉田沙保里さんが参戦するなんて!いや、マジ凄すぎる。 -- 名無しさん (2023-06-04 21:46:44)
- ↑ごめん書き忘れ、アバターレシピとかetcとはいえ色々凄い(笑) -- 名無しさん (2023-06-04 21:51:03)
- 6の内容で「バーンアウト時にドライブインパクトで壁に叩きつけるとスタンさせる」という話は入れていただければ幸甚です。 -- 名無しさん (2023-06-28 16:39:51)
- 3が97年の出来事でそこから数年後の2000年代と思われる6でスマートフォンが普及していたりと現実世界に比べると科学技術なんかはかなり進んでいるっぽいよねあの世界 -- 名無しさん (2023-08-14 15:12:46)
- 今でも考えるときがある。後続作品のキャラを追加した『ストⅡ』をやってみたい。 -- 名無しさん (2023-08-14 15:25:52)
- スト6に烈がしれっといるって聞いたんだけどマジ?未プレイだからわからない -- 名無しさん (2023-09-16 09:02:37)
- ↑しれっと居るどころか、主人公と何度も交流して道を示す美味しい立ち位置だよ -- 名無しさん (2023-12-31 00:37:11)
- ポッキーエディションに狩野英孝がEIKO名義で参戦していたな… -- 名無しさん (2024-05-07 11:45:42)
- テリーと舞が参戦決定!! -- 名無しさん (2024-06-08 12:43:45)
- 6のシステム見てるとウメハラ氏が5辺りの頃「攻めが強くないゲームはおもんないのに3作ってた奴らが今でも似たようなの作ってる。面白いと思ってるのお前等だけだからな?」と言ってキレてる雑談動画有ったがその辺反映してるんかなあ…と思ってしまう。攻めやすいし見てて派手だもの -- 名無しさん (2024-06-12 16:04:58)
最終更新:2024年10月13日 23:36