ザンギエフ(ストリートファイター)

登録日:2010/07/06 (火) 08:34:26
更新日:2021/04/02 Fri 23:53:54
所要時間:約 5 分で読めます






アイアム、レッドサイクロン!!


ザンギエフとは『ストリートファイター』シリーズに登場するキャラクター。




【プロフィール】

生年月日:1956年6月1日
出身地:ロシア(ソビエト連邦)
身長:214cm *1
体重:181kg *2
スリーサイズ:163・128・150
血液型:A型
好きなもの:レスリング、コサックダンス、ボルシチ、ウォッカ
嫌いなもの:飛び道具、妙齢の美しい女性
特技:ウォッカの一気飲み、寒さに耐える事


【人物像】

『赤きサイクロン』の異名を持つプロレスラー。
2mを越える身長に膨れ上がった強靭な筋肉、血管の浮き出た額にモヒカン・顎髭・胸毛が特徴。興奮すると額の血管が切れる。

全身に多数の傷を持つが、一つの傷を除けば全て正面にある。これは決して逃げず恐れず、正面からのぶつかり合いを良しとする信念の現れ。
唯一背中側にある傷は大統領を身を挺して守った際についた物。

その容姿や言動から頭が悪い凶暴な人物と思われることが多い*3が、実は有名大学出身のゴバチョフ大統領とは同じ大学の先輩後輩だったことがあり、
ストリートファイター界では珍しい大卒の高学歴キャラという屈指のインテリ派
なお、公式設定上はザンギエフの出身大学の名前は一切明かされていないもの、
ゴロバチョフの元ネタである現実のミハイル・ゴルバチョフ氏はモスクワ大学(東大よりも遥かに高い学力)を卒業しているため、
あちらの世界のゴロバチョフやザンギエフが通っていたのもそれと同レベルの難関大学であった可能性が考えられる。
エージェントとして仕事をする際はスーツに眼鏡と外見まで知的になる。
しかし愛国心とプロレス愛が強すぎるため「どんな悩みでも投げてロシア文学を読めば解決する」と考えている、所謂『勉強ができる脳筋』なため、作中ではその頭脳が発揮される場面は少ない。

性格はとても優しく落ち着いているが、前述の理由で出会い頭に投げてくることもあるので危険。
「嫌いなもの」に「妙齢の美しい女性」とあるが、これは単に「投げるのをためらってしまうから」等の理由で女性の扱いが苦手なだけ。決してアレとかコレではない。
一度腹を割って接してしまえば、面倒見もよく、とても紳士的である。ここは本田にも通ずると言える。

自身の筋肉に高い誇りを持っており、「銃火器や刃物の類は効かない」と豪語する。
実際、『ストリートファイターⅤ』において、サイコパワーで操られ強化されたベガ親衛隊が、業物の日本刀で斬りかかって来ても、
胸板で受け止めて逆に刀をへし折ってしまった。
鍛え抜いた筋肉に不可能は無い、というザンギエフの正しさが証明された瞬間である。
一度、肥満体のチャン・コーハンと間違われた時は不快感を露わにした。


【経歴】

幼少期からペットのを相手にプロレスの腕を磨き、その合間に勉学に励む生活を送る。
その甲斐あって見事ソ連最高の名門大学への入学を果たす。

大学卒業後は幼い兄弟を養うために闇プロレス界で最強レスラー『赤きサイクロン』として活躍。
その腕が買われ、ゴロバチョフ指導者(大統領)直属のエージェントとなる。

これ以降は
  • 祖国を脅かす存在としてシャドルー討伐に参加(ストリートファイターZERO3)
  • ペレストロイカ成功のために格闘大会に参加(ストリートファイターⅡ
  • トレーニングルーム改築のために国民を喜ばせるためにフェリシアにミュージカル講演を依頼(ポケットファイター
など、祖国のために働くようになる。

ストリートファイターⅣ時点ではプロレスラーとして復帰し、子供達の憧れの的となっているようだ。

【他キャラクターとの関係】

第一線で活躍するレスラーだけあって同業者との絡みが多い。

  • レインボー・ミカ
女子プロレスラー。
ザンギエフ様と呼び慕い、憧れている。
ザンギエフも将来有望なレスラーとして気に入っており、投げてあげたり、筋肉を付けるようアドバイスをする。

メキシコ湾のハリケーンの異名を持つルチャドール。
サイクロンとどちらが上かを決めるために勝負を申し込まれる。
料理人ということでボルシチを始めとしたロシア料理を勧めた。
ちなみに彼もフォルテの料理を食しているのだが、大なり小なり「マズイ」とはっきり言う他キャラに対し、
「食べ物に文句を言うのは失礼なのだが…」と言い出せない辺り、彼の人柄の良さがにじみ出ている。

  • アベル
フランスの傭兵。
悩んでいる所に通りがかり、投げてあげた。
アベル「……え?」
実は大ファンらしく、勝負が終わった時は「まさか、ザンギエフか!?」と驚いていた。

祖国のサーカス団にリンリン共々アルバイトとして雇ったことがある。三食昼寝付き・実働二時間。

  • フェリシア
前述のとおり、祖国にミュージカルスターとして力ずくで招待した。

  • ゴロバチョフ
信頼する指導者。
同じ大学出身で、一緒にコサックダンスを踊る仲。

  • クマ
鉄拳シリーズに登場する、その名の通り本物の熊。
曰く「ロシア中の熊を震撼させた赤きサイクロン」として熊社会にもその名を轟かせているらしい。



【ゲーム上の性能】

「つかんで投げる」元祖投げキャラ
強力なコマンド投げと高い体力を武器に戦う。
いかに相手に近づくかで全てが決まるキャラクター。
コマンドはちゃんと入力できるけど、コンボはテンパって上手くできないという人にオススメ。

さくらのような体力が少ない接近戦キャラに強く、
ダルシムのような通常技のリーチが長いキャラクターに滅法弱い。
また、体力が少なくとも豪鬼のような逃げの強いキャラクターも苦手とする。

研究の進んでいなかった最初期は立ち回りがまったくわからずに最弱キャラ筆頭だった。
そもそも「コマンドが成立したら遠くの敵も投げにとらえる」という概念が、ファイナルファイトなどの格闘モチーフゲームにはない非常に画期的なものであり、プレイヤー側から認知されづらかったのである。
しかし研究が進むにつれ、スクリューの吸い込みの存在、立ちスクリューの開発、ガードさせればスクリューが確定するスクリューハメの発覚により、
一度ダウンを取れば相手を倒せるという際立った性能になった。しかしそれでもガイル、ダルシムには詰んでいた。

ちなみに立ちスクリュー開発者のとあるザンギ使いはブランカの小足をあっさりと吸い込んだらしい。

ZEROシリーズなどでの出演も多いので対戦における位置づけはばらつきがあるが、
おおむね「立ち中キックないししゃがみ小パンチの間合いに踏み込めれば圧倒的有利、そうでなければサンドバッグ」。 
厳しい心理戦を制して間合いを詰めないと仕事にならないが、詰めてしまえば勝ちが見える。
対戦相手はミスをせず追い払い続ければ状況は安定しているが、ひとたび詰め寄られてしまえば吸われ、起き攻めから蹴られて吸われてあっという間にラウンドを持っていかれる。
傍目には圧倒的有利に見えるが、必殺必死なのである。


【主な必殺技】


  • ダブルラリアット
両手を伸ばして回転しながら繰り出すラリアット)。初めて使ったのはザンギではなくマイク・ハガー
パンチボタンを三個同時に押すだけとコマンドが簡単で発生が早く、出がかりは上半身無敵なので、飛び道具を回避したり対空としても使える。
ストII'からは技を出した状態で前後に移動できるため、飛び道具をかわしつつ前進できる。
胸元が無敵のものの他に、足元が無敵のハイスピードダブルラリアットがあり、ハイスピードの方はロケテ時点ではスーパーラリアットと呼ばれていた。スパIIからは一回転少ないクイックダブルラリアットに変更された。

やっぱり誤植

  • スクリューパイルドライバー
元祖一回転コマンド投げ。
相手を掴んだ後に空中高くに跳びあがり、錐もみ回転しながら頭部を地面に叩き付ける。
スーパーコンボに匹敵する威力と、「吸い込み」と呼ばれる程の広い投げ間合いを持つ、ザンギの代名詞。
コマンドは一回転とされるが、実際は3/4回転(上下左右に一回ずつ)入力されていれば発動可能。ゲームによっては←→↓↑など、もはや回転でなくても成立する。
これにより、ヨガ(逆ヨガ)から↑+Pで、ジャンプをせずに(出がかりをキャンセルして)発動可能なことが判明。立ちスクリューの誕生である。
初代ストIIでは投げた後間合いが離れないため起き攻めが非常にやりやすいが、ダッシュからは大きく離れるようになった。

  • アトミックスープレックス
スーパーから登場したキックボタンを押す一回転投げ。
相手を掴んで2連続でスープレックスをする。
投げ間合いに相手がいない場合は後述のフライングパワーボムに変化する。

  • フライングパワーボム
腕を大きく広げて前進し、相手に近づいたら掴み、パワーボムを繰り出す。
VSシリーズでは前進時にスーパーアーマー効果が付く。

  • バニシングフラット
スパⅡXから登場した対飛び道具技。
若干後ろを向きながら前方にステップし、振り向き様に気を纏った平手打ちを裏拳気味に放つ技。
拳には飛び道具を打ち消す効果があり、消しながら前進することが可能。

  • ファイナルアトミックバスター
元祖二回転投げ。
相手を掴んでバックドロップを食らわし、様々な投げ技を繰り出した後にスクリューパイルドライバーで締めるスーパーコンボ。
初出のスパⅡXでも理論上は立ちFABが可能……だが人間には不可能な領域。他作品でも立ち状態から出すには習熟を要する。
通常の狙い所はジャンプ着地、起き上がり、ガード硬直中、ラリアットをハイパーキャンセルなど。
強化版としてウルトラ、コズミック、アルティメット、ダブルなどがある。

後に二回転コマンドを地上で出すテクニック「立ちギガス」「分割ギガス」が生まれた。こちらはヒューゴー(ストⅢ)のギガスブリーカーが由来。

  • ボリショイ・ロシアン・スープレックス
Ⅴで実装されたクリティカルアーツ。
これまでの連続投げのスーパーコンボとは対照的に「全力全開!」の強烈なスープレックスを一回決める技。
これでKOすると相手の上半身が地面にめり込んだままになる。
これも二回転コマンド投げでFABと同じ感覚で使っていける。

  • スーパーストンピング
EXで登場したスーパーコンボ。前進しつつ連続でストンピングを行う打撃技。
最後のキックは追加コマンドでキャンセルでき、ガードされてもそのままFABに繋ぐことが可能。

  • アイアンボディ
VSシリーズでのスーパーコンボ。メカザンギエフに変身する。
ガードができなくなる代わりに常時ハイパーアーマーが付き、口から火を吐くウォッカファイヤーなど技もいくつか増える。
ちなみにザンギエフはメカザンギエフになることを好まない。

  • ココナッツクラッシュ
映画『シュガー・ラッシュ』では「相手の頭蓋骨を太腿に挟んで潰す」と発言していた。…そんな技あったっけ?
本作はアメリカ合衆国で制作された(向こうではアメリカ人であるガイルが大変に人気で、ほぼ主役の扱い)ため
「俺はザンギエフ、悪役だ」という原作とは異なるセリフも発しており、
その直後に「しかし悪役だからって悪い奴とは限らない」と意気消沈している。(公式悪役扱いのベガも同席している)
原作からして通常技に噛み付きなんてのがあるので、悪役レスラーと思われても不思議はないが


【余談:ザンギエフは本当にインテリ?】

今でこそ「ああ見えて実はインテリのザンギ」という認識がネットで定着しているが、少なくともスト2当初のザンギエフにはそんな設定はなかったものと思われる。
「ゴロバチョフ大統領はザンギエフ大学のレスリング部の先輩だった」という設定自体は確かに事実なのだが、設定の趣旨としては「なぜザンギエフが大統領と知り合いなのか」を補足するためのもので、当時の公式解説でザンギエフの学力について触れるような文面はない。
この時点の記述の範囲ではザンギエフは単にレスリングの腕前を買われて推薦で入学したのかもしれないし、あるいはゴロバチョフが凄まじい叩き上げ出世の末に大統領になれただけで、学歴自体はさほどでもなかった可能性はある。

詳しいことはあるアンオフィシャルな個人サイト*4が事細かに検証しているが、そのサイトの管理人が今は亡きジオシティーズで、かつて運営していたストリートファイターシリーズのファンサイトにおける、キャラクターに対する考察の記述がWikipediaに丸々転載されたのがきっかけ。

当初は「ザンギエフはああ見えて大学に通っていたのだ」程度の記述が
「ゴロバチョフの元ネタのゴルバチョフはモスクワ大卒。もしゴロバチョフが元ネタのゴルバチョフと同じ大学に通っていたとすれば、ザンギエフは学力にも優れていたことになる」
という可能性に触れる記述へと変化し、
後はネット上で話が広がるうちに「ザンギエフはモスクワ大学の文学部を首席で卒業」などと尾ひれがついていったようだ。

……ここまでなら「なーんだ、ファンが勝手に言ってるだけの考察に過ぎないのか」で終わる所だが、どうやらスト5あたりでこのインテリ設定をカプコン公式が逆輸入したようで
公式ツイッターで「大学は不明だが賢い」「見た目によらず名門大学出身。戦いのペレストロイカという自伝を発表している」と述べている。
先輩のゴロバチョフも「有名大学のレスリング部のキャプテンで当時無敗を誇り、後に最高指導者となった」と改めて設定された。
概ね「ザンギエフは大統領と同じ有名大学に通い、共にレスリング部で汗を流したインテリ」というネットで広く知られている通りのキャラクター像が公式で定着したと言える。

カプコン側も「そんなつもりはなかったけれどザンギがインテリというのは確かに美味しい」と思ったのか、あるいは逆にあまりにも公然とインテリ説が出回ってるせいで公式すら勘違いしてしまったのかは定かではないが
いずれにせよ個人サイトの小さなツッコミから始まった考察が、回りまわってついには公式設定になってしまうとはネットの影響力とは計り知れないものがある。



オレは赤きサイクロン、全てを巻きこみツイキ・シュウセイするのだ。

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最終更新:2021年04月02日 23:53

*1 『Ⅱ』では211cm。

*2 旧設定は115~121kg。

*3 実際『Ⅱ』時代の海外メディアでは悪役扱いされることが多かった。『シュガーラッシュ』での扱いもこの名残なのかもしれない。

*4 『ザンギエフ インテリ』で検索すればすぐに見つかる