零〜ZERO〜

登録日:2009/05/27(水) 00:40:21
更新日:2025/04/18 Fri 18:03:31
所要時間:約 3 分で読めます




『零〜ZERO〜(英:FATAL FRAME/PROJECT ZERO)』は、2001年12月13日にTECMO(現:コーエーテクモゲームス)から発売されたPS2*1の3Dホラーアクション・ADVゲーム。
零シリーズの記念すべき初代作品で、PS2にて展開された初期三部作の第一作目。
開発には同社が初代PS時代に展開していた『刻命館』シリーズのスタッフが関わっている。

2003年2月6日にはXboxにて追加要素を加えた『FATAL FRAME 零 SPECIAL EDITION』が発売されている。


【概要】

カメラを手に怨霊を退治していく3Dホラーアクション『零』シリーズの記念すべき第一作目。
ゲーム性とスタイルは本作の時点で殆ど完成されていたが、所々で以降のタイトルでは改善されている部分も見られる。*2

いわゆる『バイオハザード』タイプの3Dホラーアクションゲームではあるが、日本が舞台で怨霊が相手・使用する武器がカメラで撮影という方法で除霊して戦うという新機軸を打ち出して話題となった。

特に、敵が実体の無い怨霊であることと、撃退する為にも自らファインダーを覗き込んで怨霊を捉える必要があることは予想以上にプレイヤーに恐怖を与えることとなり、発売後には大人ですら恐くて長く遊べないゲームとして話題となった。

実際、登場するキャラクターは従来の3Dホラーゲームとは違い、TECMOが持ち味とするようになっていたアニメ調にも通じる美少女キャラ*3なのだが、その一方で探索するのは非常に雰囲気が作り込まれた因習渦巻く広大な日本家屋である。
使用されている各種のBGMもお経やら人間の叫び声を思わせるサンプリングを用いたもの等、どこまでもプレイヤーの精神を追い詰めてくるような方向に傾いたものが多い。
敵として出現してくる怨霊にも専用のBGMが存在しているので、慣れてくるとBGMの切り替わりで“何の怨霊”に襲われているのかが判別出来る場合も。

ストーリーも非常に残酷かつ絶望的な展開が続く場面が多く、この最悪な結末が訪れてしまった場所にどうしようもない状況だがせめてもの救いを起こす為に主人公が挑むという展開も『零』シリーズのお約束となっていった。


【用語解説】


  • 氷室邸
本作の舞台となる某県山中にて長年に渡り放置されている広大な敷地面積を誇る巨大屋敷。
その異常な巨大さからも解るように、かつては当該地域でも特に尊ばれていた為政者であり、ある重要な祭祀を取り仕切っていた一族の屋敷であったと囁かれているのだが……。
本作では、この“氷室邸”のみを探索することになるのだが、ゲームの進行に応じて二つの“過去の氷室邸”と重なることによる通行可能エリアの追加や変化が生じることになる。
初見プレイ時には(怖くて禄に周りを見る余裕もなくて)見落とす要素も多いかもだが、2周目以降のプレイにて複雑なストーリーと人間関係が把握出来ると共に氷室邸の作り込まれたギミックにも感心することは必至。
……しかし、此れも以降のシリーズでお約束になることだが、どうして事件の元凶になった一族がこんな場所に棲み着く気になったのかが共通の謎にしてツッコミ所である。*4


  • 縄の巫女
かつて氷室邸にて行われていた禁忌の儀式=裂き縄の儀式の主体となっていた存在。
選ぶ手段からして鬼畜で行われる儀式も結末も鬼畜の所業である。


【射影機】


  • 射影機
本作、及びシリーズにて主人公達が武器として使用する怨霊の姿を捉え・尚且つ撮影することで霊体を封印してしまう機能を持つトンでもキャメラ。
敵である怨霊との戦いの他、浮遊霊の撮影や開かない扉を解錠する為の謎解きも殆どが射影機での撮影で行われる。
製作者はシリーズ通しての重要人物である異界研究者の麻生邦彦博士で、特に本作(初代)に登場するものはオリジナルで完全に霊体を封印してしまえる機能を持つ
昔に作られた割にはオートフォーカスや広角レンズ等と妙に機能が充実しているが、ゲーム的には便利すぎて困ることはないので目を瞑っておこう。(更に言えばかなりの大きさなのに歩いている時には持っていないように見えるのはゲーム的な都合……もあるとは思うが瀬としては折り畳んでコンパクトにして持ち運び可能らしい。)
プレイヤーは通常の俯瞰視点と、カメラ視点(ファインダーモード)を切り替えながらゲームを進めることになり、カメラ視点でも移動することは可能だが、このモードでは極端にカメラ以外の動き(カメラの視点移動)以外の動きが制限されるので戦闘中には怨霊との距離が近いと思ったならさっさと俯瞰視点に戻して距離を離してから改めてカメラで狙うといったテクニックは必須である。
本作の時点でも特殊機能は登場しているが、使用の度に霊石を消費する。

  • フィルム
射影機に使用する専用フィルム。
初代にて登場するのは十四式・三七式・七四式・九◯式で、後のシリーズとは表記や種類が違っている。
数字が増える程に強力となり、怨霊へ与える基本ダメージが増加する。
後半ステージで強力な怨霊用に強力なフィルムを装填した状態で、うっかりと浮遊霊や仕掛けの解除を行ってしまって後悔するのはお約束。

  • シャッターチャンス
以降のシリーズの“フェイタルフレーム”に相当。
相対する怨霊が攻撃してくるタイミング等に生じる最も大きなダメージを与えられるポイントのことで、成功させると大きなダメージを与えると共に一気に距離を離せる等、此方側のチャンスを呼び込むことが可能となる。


【アイテム】


  • 万葉丸/御神水
回復アイテム。
万葉丸は体力を2/5回復。いっぱい落ちてる……が過信しすぎないように。
御神水は体力を全回復。終盤の怨霊は動きを捉え難い上に攻撃力が高いので頼る場面も増えるだろう。(NIGHTMAREだとそんなことしても間に合わないレベルだが)

  • 鏡石
所持していると体力が尽きた瞬間に自動的に全回復してくれる便利アイテム。
ただし、消費されると無くなってしまう上に一度に一個ずつしか持てないので寧ろ“食いしばり”に近い効果。
NIGHTMAREでも頼りになるので、消費した場合のステージ毎の補充場所(落ちている場所)を把握しておくのも攻略のテクニック。


【あらすじ】


消息を経った師匠を追い氷室邸に乗り込んだ兄の真冬を探しに、深紅は単身氷室邸に足を踏み入れる。
そこで兄が持っていた射影機を拾った深紅は数多くの霊と白い着物の女の呪いを受けることになる…


【キャラ紹介】


  • 雛咲深紅 ひなさきみく
17歳。主人公で学生。
行方不明になった兄である真冬を探しに深夜の氷室邸に来た。
強い霊感を持つが、カンはわりと鈍い。
ぷにっとした微おっぱいとむちむちしたふとももに誘われる霊を情け容赦なく撃退する。
第3作目である「零 -刺青ノ聲-」にも主人公の一人として登場……おい、霊感失ったんじゃなかったのか。
そして第5作目である「零 ~濡鴉ノ巫女~」ではついに……


  • 雛咲真冬 ひなさきまふゆ
非常に強い除霊能力を持つイケメン
21歳で職業はジャーナリスト。
もう一人の主人公と紹介されてはいるが、プレイヤーが彼を操れるのは導入となるチュートリアル部分だけである。
恩師の作家高峰準星を探しに氷室邸を訪れるがその後白い着物の女にストーカーされて行方不明に。
非常に妹想いで、彼の方から(●●●●●)は妹である深紅に特別な感情を抱いて無い…はず。

  • 高峰準星 たかみねじゅんせい
落ち目の作家。声が次元
起死回生を賭けた小説の取材の為氷室邸を訪れるが行方不明になる全ての元凶。
ぶいんぶいん飛び回ってうざい。

  • 平坂巴 ひらさかともえ
高峰の助手。
若干の霊感を持ち、いろいろとヒントは見つけるものの、氷室邸から脱出する事は出来なかった。
おばさん息近い。

  • 緒方浩二 おがたこうじ
高峰の担当編集者。
高峰たちと共に氷室邸を訪れる。
縄が縄がしか言わない役立たず。
というか、巴さんのメモにも(こいつ使えねぇから指示した資料見つけらんねぇんだろうな……)的なことが書いてある。

  • 宗方良蔵 むなかたりょうぞう
民族学者。
事件の数十年前に学術的興味から氷室邸に住んでいたが神隠しに遭う。

  • 宗方八重 むなかたやえ
宗方良蔵の妻。
非常に強い霊感能力があるが…。
次回作『紅い蝶』に登場する“黒澤八重”とは同一人物なのだが、彼女自身はその記憶を無くしている。

  • 宗方美琴 むなかたみこと
宗方夫妻の娘。
神隠しにあうが一人だけ生還する。
白い着物の少女に託される形で「射影機」を外の世界に持ち出した張本人。
実は、真冬と深紅にとっては祖母に当たる。

  • 白い着物の少女
何処からともなく現れ深紅にアドバイスする幼女。
残念ポリゴン。

  • 白い着物の女
今作のラスボス
氷室邸を訪れる者に縄の呪いをかけて殺す悪霊。
現在はイケメンストーカー中。

  • 霧絵 きりえ
縄の巫女。
ある意味被害者であり加害者でもある人。

  • 雛咲深雪 ひなさきみゆき
深紅と真冬の母。
兄妹と同じく強力な除霊能力を持つ。
ムービーのみ登場……祖母である八重の死に様と重なる。


  • 雛咲真人 ひなさきまさと
深紅と真冬の父。
本編では名前すら出てこない。

  • 氷室家当主
氷室家最後の当主。
袴に般若の面と日本刀装備して無双したイカす中ボス的キャラ。
こっちも兼ね役で声が次元。

  • 縄の神官達
氷室家が関わる儀式の関係者。
終盤には四天王の如く、彼等と順番に戦って梵字を回収するイベントがある。

  • 霧絵の想い人
霧絵が悪霊になった事に関わる重要人物。
誰かに似てるが似てるだけです。
その割りにはムービーと地縛霊くらいしか出てこない。
似てるのは生まれ変わりか何かなのだと各々で補完しておこう。


【余談】


2周目からは難易度が更に上昇したNIGHTMAREが解禁される。*5
フィラメントはまるで使い物にならない。雑魚霊でも半分くらいは余裕で持って行かれる鬼畜モード(ボス級の怨霊は一撃死)なのだが、このモードを苦労してクリアしてもエンディングはとある人物以外ほとんど変わらない。*6
あんだけ苦労したのに!まさに鬼畜!




追記・修正は御神鏡のかけらを全て集めてからお願いします。

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最終更新:2025年04月18日 18:03

*1 海外版はPS3向けでダウンロード販売。

*2 画面の暗さの調整をゲーム内オプションではなく使用しているモニター(TV)の設定で行わなければならない、等。

*3 ただし、本作で言えば主人公の雛咲兄妹や後のシリーズの主人公以外は割とリアル寄りの造形とすることでリアリティを保っている感がある。

*4 大抵は黄泉(死者)の国との境界があること……だが。

*5 そもそも、本作(初代)では最初からNORMAL以外の難易度選択も出来ないのでシリーズでも厳しめの設定である。

*6 更に言えば結末として綺麗に収まるのは通常エンドの方で続編的にも通常エンドが正史なのでプレイヤーからも余り評価が高くない。