ギャラクシーエンジェル(アニメ)

登録日:2009/07/03 Fri 00:18:53
更新日:2025/04/05 Sat 12:55:58
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01年春アニメ 02年冬アニメ 02年秋アニメ 04年夏アニメ GA ※日曜朝9時30分です。 たまに涙腺崩壊 まさかの朝放送 る~んは黒歴史 アニメ カオス カードキャプターさくらのスタッフが作った ギャグアニメ ギャラクシーエンジェル シャックン スパロボ スパロボ参戦 スパロボ参戦作 ネタキャラの宝庫 ブロッコリー マッドハウス ロストテクノロジー 井上敏樹 井上敏樹の本気 作中のヲタが異常にキモい 原作レイプ 名作 女児向けボーボボ 子供受けもした 後のドンブラザーズ 愛すべきバカ達 投げっぱなし 敵も味方も変な奴 発想の源が狂ってるシリーズ 稀にシリアスあり 紋章機はタクシー 美少女版銀魂 腹筋崩壊 腹筋破壊兵器 芸術科アートd(ryではない 見る抗うつ剤 顔芸


ブロッコリーが企画・製作したメディアミックス作品ギャラクシーエンジェル
本項では2001年から2004年にかけて4シリーズが制作された、そのアニメ版について触れる。

●概要


萌えもシリアスもある、本格スペースオペラとして企画されたゲーム『ギャラクシーエンジェル』。
メディアミックス展開のためアニメが作られることになったが、獲得できた枠は「バラエティ番組内の1コーナーとして1話15分、放映期間は1クール」というものであった。

元々は原作を忠実にアニメ化するつもりだったらしいが、この条件でそんなことをするのは不可能ということで、1話完結の話を制作することとなった。
というわけでアニメ版は原作とは一切関係ないほぼ別の世界観として製作されているため、俗に言うアニメオリジナル系の路線の中でも異質の存在。
当初は普通の話あり、シリアスあり、コメディありと様々な内容にするはずだったのが、いつの間にかコメディばかりになっていった*1
なおほぼコメディ路線となってからもまったくシリアス回がないわけではない。
シリーズ構成の井上敏樹が脚本家達に「俺が責任取るからお前ら好きにしろ(意訳)」と言って方向性が決まったという俗説が流布されているが、元のソースがWikipediaのみなので真実かはかなり怪しい。
実際、井上は脚本家を集めてきたなど本作の中核を担いはしたが、9話で井上が「よくわかんない話」として書いた回から本作の方向性が決まった、というのが本当のところらしい。
プロデューサー曰く「俺達はドリフをやっている」。

当初予定していたものと大きく異なるこの作風であり、原作要素はエンジェル隊の5人とほぼ移動手段くらいにしか使われない紋章機の登場程度で、あとは性格含めてほぼオリジナルという
かなりのパワー系路線であった。
この頃は原作改変というとかなり忌み嫌われていた時代だったが、「美少女達がSFの世界観でひたすらナンセンスコメディをする番組」という方向性に振り切ることで、
結果的に「面白い」ということでファンから概ね受け入れられたという珍しい作品。井上敏樹を初めとした脚本家達のセンスだけで作られたこの路線はGA節と言ってもいいかもしれない。

第2期は「アニマックス」での放送予定のはずが「Cosmic Baton Girl コメットさん☆」の放送短縮により、急遽本作にお鉢が回ることになり、単独のTV番組として独立。30分の枠を得た。
ただこれによりオタクアニメが地上波の朝に流れるという異例の事態となり、ギャラクシーエンジェルが子供向け路線を意識することを余儀なくされる、というまさかの事態となった。
しかし子供向けにアレンジされたのは蘭花とフォルテの衣装の肌色成分を削ったくらいで、1期で決まった路線を貫き通す方針で行くことになる。
なお30分枠だが、1話15分のエピソードを2本流すという形式で継続され、4期まで続いた。
ちなみに2期と3期は朝枠だったが、4期は本来やらないはずだったため*2か深夜枠に移動。番宣をして「ついに都落ち」と称された。
むしろ本来の鞘に収まったと言えるのでは

その唯一無二のハチャメチャで先の読めない作風は熱烈なファンを獲得。先の井上が発破をかけた逸話はほぼ嘘話と思われるが、
それが長い間ファンの中でこの発言が真実だと信じられるくらい、自由奔放でかつ良い意味で原作の型にハマらない姿勢は支持された。
続編を望む声は今なお多いものの、企画の中心人物であった社長の木谷は後年ブロッコリーから独立しブシロードを設立してしまったこと、
そして時間が経ちすぎたこともあって、もう続編が作られることはないだろう。

余談だが本作の名物がOPの映像である。歌詞に合わせて映像が作られているのだが、OPの歌詞を曲解・言葉遊びを踏まえて表現する*3という手法が取られている。
1期は控えめだったが、2期以降はオヤジギャグとも言えるそれなので、OPの意味(ギャグ)を考えながら見るとより楽しめるだろう。

なお、アニメの印象が強烈すぎて「アニメで興味をもって原作をやったらゲームは普通に真面目なスペースオペラだった」ことに驚いた人も多い。
ミスター味っ子か

似たような経緯を持つ作品としては、後年の『ミルキィホームズ』(ブシロード)がある。
そのため、『ミルキィホームズ』の放送開始時は「ギャラクシーエンジェルの再来か」と話題になった。別な意味でも再来にあたる。

なお、1期~4期に亘ってタイトルは『ギャラクシーエンジェル』のまま変わっていない(ただし、ロゴの色は奇数期と偶数期で違う)。
そのため、2期以降の映像ソフトでは末尾に「Z」「A(AA)」「X」が付いて区別されている。

●あらすじ


「ギャラクシーエンジェル隊」は、トランスバール皇国近衛軍に属する特殊部隊である。
その任務は、古代文明が残した科学技術「ロストテクノロジー」の回収なのだが、
実際にやっていることは、猫の捜索や誘拐事件の犯人捜し、VIPや超重要犯罪者の護送、アステロイドに放置されたゴミの処理や惑星に刺さった釘抜きなど「何でも屋」。
本来の業務もしているのだが、回収されたロストテクノロジー自体が「周囲の人間の魂を入れ替えた挙句に強制成仏させる墓石」「人間を幼児化させるういろう」など、
果たしてこれらが文明の発展にどう寄与したのか疑問を抱かせるテクノロジーばかり。

さらにライバルの「ギャラクシーツインスター隊」に挑戦されたり、時空の歪みに引きずり込まれて着いた惑星で原始生活を始めたり、
皇国にまつわる秘宝を巡って欲を張り合って隊員同士で乱闘をしたり、基地内に昆布の神が降臨したり等々……。



●登場人物


ミルフィーユ・桜葉
CV:新谷良子
アニメ版ではアニメ開始後にエンジェル隊に入隊した新人隊員という設定で、蘭花と士官学校の同期ではない。
それもあってか、他の隊員を「~さん」付けで呼ぶ(というか、彼女は基本的に誰が相手でも「~さん」と呼ぶのだが)。
好物はケーキ等の甘い物。お菓子作りが得意。
朗らかで純真だが持ち前の強運(凶運)で毎回騒動を起こすトラブルメーカー。
頭の花飾りで空も飛べる。
序盤は多少の常識もあったが回を増す毎に頭の中が幼児レベルに…。
演じた新谷良子は本作が実質的なデビュー作。
オーディションに受かった別作品の制作が遅れていたためお詫びとして本作のオーディションを勧められて合格という、それこそミルフィーユ並の強運で役を掴んだ。
当初は棒読みだなんだと視聴者から散々ネタにされていたが次第に上達。
独特の初々しいキャラクターを損なうことなく演技力のみが上達するという理想的な成長を果たした。
シャロの先輩。

蘭花・フランボワーズ
CV:田村ゆかり
良い男と金に目がない。
好物は辛い物。
頭の飾り(錘)は武器や飛行に電話や調味料容れにまで使え非常に多機能。
一見するととてもチャラい人物のように見えるが、人情家な面もある為か、むしろエンジェル隊の中では意外に常識人。
シリーズを通してのキャラ変更が一番少ない。
「蘭花」とはブロッコリーの中国読み。

ミント・ブラマンシュ
CV:沢城みゆき
着ぐるみに目がない。
好物はジャンクフード。
ウサ耳は原作とは違いテレパス能力のない只の付け耳だが代わりに飛行能力がある。
後々何かしらの手段で飛行するキャラが続出するアニメ版のレギュラー陣で、初めて飛んだのも彼女(1期17話)。
序盤は知的で上品な策士キャラだったはずが回を増す毎に只の腹黒に…。
又、エンジェル隊5人の中で唯一、単独で主役を張るシリアス回が無い。2期3期や4期の主役回では災難にあってばかりである。
演じた沢城みゆきは現在でこそ演技力を高く評価されているが、当時は経験が浅かったため本作の開始時点では演技力はそれほどでもない。
しかし、驚異的な勢いで上達し、あっという間に他の共演者に負けない実力を身につけていったのは流石である。

フォルテ・シュトーレン
CV:山口真弓
エンジェル隊の中で最年長のリーダー的存在で、あらゆる銃火器に目がない。
好物はおでん。一方、ネズミが大嫌いで視界に入るだけでも取り乱すほど。
豊満なバストの持ち主でスタイルは非常に良いのだが、その男勝りな性格が災いしてかエンジェル隊の仲間たちからも視聴者からも
ほとんど女として見てもらえない(というか、その容姿と声質で男性だと勘違いしていた視聴者も多数)。
序盤は時折女性らしさを見せることもあったが、回を増す毎にどんどん男に…。
銃の達人だが、その腕前を披露するまでもなく腕っ節だけで何とかなってしまうことも少なくなかった。
彼女が真価を発揮するのは時折挟まれるシリアス回。ウォルコットやノーマッド等のアニメオリジナルキャラとの絡みも比較的多い。
ドラマCDではあの浦安の(ry

ヴァニラ・H
CV:かないみか
好物はニラ。
原作同様にナノマシンによる治療が可能。
敬虔な宗教家だがどんな宗教を信仰しているのかは不明。
その戒律は理解に苦しむシュールなものが多く、度々トラブルの種となる。
序盤は典型的な無口キャラだったが、回を増す毎に口数も増え、それに比例して不思議キャラに…。

★ノーマッド
CV:かないみか
ヴァニラが抱える毒舌ぬいぐるみ。ヴァニラにLOVE。
元々はミサイルに搭載されたAIで、彼(?)もまたロストテクノロジー。
初登場の1期3話を執筆した滝晃一氏によるとこの話の最後にミサイルとともに爆散する予定だったが、
アニメオリジナルキャラが欲しいと言われて生き延び*4、ピンクのぬいぐるみの体を与えられレギュラーキャラクターとして仲間入り。
6話で再登場して以後は、ヴァニラの代弁者にして腰巾着、マスコット兼解説役、はたまたツッコミ役兼やられ役として、作品内で確固たる地位を築いた。
なお、AIとしての正式名称は無駄に長い。


☆ウォルコット・O・ヒューイ
CV:藤原啓治
エンジェル隊の隊長(責任者)で階級は中佐。
娘の様にも感じているエンジェル隊の起こすトラブルによる苦労が絶えないが、時にはノリノリでエンジェル隊と一緒に行動する事も。
趣味は少女漫画集め。
モデル(名前の由来)は、おヒョイさんこと藤村俊二。
ゲームでいうタクトのポジションに彼の様なキャラクターが据えられた理由は、エンジェル隊5人とは絶対恋愛に発展しなさそうだから*5
気のいい無害なおじさんにしか見えないが、かつてはとても強い軍人だった。
なお、髭は彼のポリシーであり絶対に馬鹿にしてはいけない。

☆メアリー少佐
CV:大原さやか
3期から登場。後述するツインスター隊の隊長(責任者)。
昔は「金色の吠える流星」の通り名で呼ばれ若くして少佐になったエリート軍人らしいが……
現在はウォルコット同様にエンジェル隊や双子に振り回される苦労人2号。

★ココモ・ペイロー
CV:三瓶由布子
★マリブ・ペイロー
CV:サエキトモ
3期から登場する双子の少年で、二人合わせてツインスター隊と呼ばれる。
作中のショタ要員。
二人ともスペックは優秀だが性格は歳相応に子供っぽい。
3期48話で「実は未来人」という設定が急に語られたが、その話以外ではそんな設定が出てこない為、詳細は不明。
3期1話でいきなり男キャラ(ショタキャラ)がレギュラー入りしてエンジェル隊と張り合うことになったわけで、
当初はあまり良く思わない視聴者もいたが、出ずっぱりだったのは最初の4話ほどで、以降は準レギュラー的な立ち位置が定着。
というか、(能力的にはエンジェル隊より優秀なはずなのに)殆ど活躍できず、
CMのアイキャッチで「後半出てないよ」「僕達いらない子?」「後半出ずっぱり(出てない)」…と自虐に走った一言ネタを連発。不遇枠として人気を獲得した。
4期では放送時間が深夜帯になり需要が少なくなった事と、後述のちとせがツインスター隊に所属した事で出番が更に減った&完全に双子セットで扱われている。
その分ちとせのキャラがキャラなので、結構良識的になっているが、18話ではちとせを縄でぐるぐる巻きにしたりもした。

突然の男(の子)キャラの追加という事で、よくココモとマリブはオリジナルキャラクターと認識される事も多いが、
実はゲーム版設定のドラマCD「飛び込んだツインスター」が初出である。
余談になるが、このドラマCDには3期18話(崖回)で流れた挿入歌も収録されているが、最初のフレーズ以外歌詞が異なっている。

3期は子供向けを意識して制作されており、「子供のレギュラーを出す」というテコ入れとしての登場だった。
だがエンジェル隊はすでにキャラクターが出来上がっているのに対し追加キャラはその釣り合いがとれなかったといい、
スタッフも扱いに苦慮していたことを述べている*6

烏丸ちとせ
CV:後藤沙緒里
4期から登場で原作とは違いエンジェル隊ではなくツインスター隊の隊員。
ミドルネームは復讐。
自身の心臓を自在に止める事が出来る病気の達人。
エンジェル隊への逆恨みによる復讐に燃える。
アニメ版は原作とは正反対の性格でミルフィーユと同等に頭の中が空っぽの可哀想な娘になってしまったが、
これもツインスター隊と同様、すでに5人グループができているため後からキャラを追加するのが難しく、キャラをうまく作れなかったため*7
尚、第4期放送開始の数ヵ月前に発売されたドラマCDでは、ゲーム版に近いキャラでアニメ版のキャラクターと共演している。


●用語


  • ロストテクノロジー
現在では既に失われた技術により作られた過去の遺物。
本作における様々なエピソードの中心となるガジェット。
効果は様々だが明らかに用途不明な物が大半。

ロストテクノロジーを元に作られた、エンジェル隊が搭乗する超高性能の戦闘機。
戦闘シーンもあるにはあるが、大半の回ではもっぱら只の移動手段として使用されている。

  • ギャラクシーツインスター隊
エンジェル隊のライバルだったはずがいつの間にか準レギュラー以下の扱いに…。


●余談


最初の1期はCSのみでの放送。現在のようなデジタル作画ではなくセル画による製作であった。
2001年当時でもセル画が使われているアニメは既に珍しくなっていたが、
これは製作を担当したスタジオが小規模だったため技術革新が遅れていたのが理由であったといわれている。
2期からデジタル作画に切り替わり地上波に進出。これを機に一気に知名度が高まった。
特に2期と3期は放送枠が日曜の朝であったため、大きいお兄さんだけではなく小中学生をもこちらの世界に引きずり込んだ。
ただし作品的に「かなりやらかした」(byミント)からか、4期は都落ち(by蘭花)して深夜放送に逆戻りしている。

本作は間違いなくオタ向けアニメだと思われるのだが、2002年と2003年には小学館が発刊している幼児向け雑誌『幼稚園』に掲載された事がある。
元々2期は前番組『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』が打ち切られたため急遽同作の後番組になったという経緯があり*8、『幼稚園』での連載も女児向けの枠にできた空席を埋めるための抜擢と思われる。

2006年にはゲーム『ギャラクシーエンジェルII』を原作とするアニメ『ギャラクシーエンジェる~ん』が放送された。
制作会社・スタッフが変更されたためか作風は大幅に変化。滑り気味のギャグ、30分でエピソード1話になったためテンポが悪化、お色気シーン挿入、不安定な作画と、前作からは何もかもが違うものとなり、また前作抜きにしてもいいとは言えない出来だったこともあってか、前作ほどの評価は得られなかった。

2019年1月にはロボットアニメでもないのに『スーパーロボット大戦X-Ω』に期間限定参戦した



追記・修正はばばんがBang!とお願いします。



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最終更新:2025年04月05日 12:55

*1 『ぎゃらこん』より。

*2 3期で丁度100話を迎えたため、ゲーム版に返すことを考えた最終回にしていたことも大きい。

*3 特に洗練された4期のOPを例にあげると、「ロッケンロー」という歌詞に合わせてフォルテが6回拳(6拳)でタイトルロゴを殴るなど。

*4 『ギャラクシーエンジェル レシピブック』より。

*5 『ぎゃらこん』より。

*6 『アニメスタイル 001』より。

*7 『アニメスタイル 001』より。

*8 『アニメスタイル 001』より。