オメガ(ロックマンゼロ)

登録日:2011/05/11 Wed 21:48:26
更新日:2025/03/30 Sun 18:26:20
所要時間:約 12 分で読めます





ロックマンゼロ3』のボスキャラクター。

ロックマンゼロ2』にもED後に名前だけ登場している。

Dr.バイルが百年前に製作した凶悪なレプリロイド。


概要

百年前のイレギュラー戦争末期の4年間、
サイバーエルフが多用された事から通称"妖精戦争"と呼ばれる期間において、世界人口の60%・レプリロイド90%を死滅させるという甚大な被害を及ぼした。
最終的にエックスとゼロによって倒される*1
この場面は「リマスタートラック ロックマンゼロ・テロス」ドラマパートにおいて描かれ、2人で発動した「ファイナルストライク」によって撃破された。
その存在を危険視されたオメガは、彼に関する資料の一切と共に巨大な宇宙船へ載せられて追放され、記録からも抹消されていた。
そしてそのまま百年に渡って、静止衛星軌道上を周回し続けていた。

しかしダークエルフの復活に伴い、オメガが幽閉されていた巨大艦が地球に落下。「積み荷」として自分を回収にきたネオ・アルカディア軍を圧倒した。
その強さはレヴィアタンファーブニル二人を相手にしても傷一つ負わなかったほど。



オメガとか言ったな‥
オマエか‥
オレを呼んでいたのは‥


■初期形態(第0形態)

銀色の西洋鎧を纏った巨大な騎士のような姿をしている。
OPボスなだけにこの時は見かけ倒し感が強い。パターンも読みやすく、技が少ないうえ攻撃動作もノロマで弱い。
おまけに前作までと違い、ゼロが最初からチャージ攻撃が使えるので尚更である。その代わり敵の体力ゲージは2倍になったが。
身の丈ほどもある大剣を背負っているがアレは飾り。鞘に入れたままで使うことはない。 



その後バイル共々ネオ・アルカディアの新幹部に就任。
どこに出没するか分からず、悠長にしていればまた逃げられてしまうダークエルフを確実に捕えるため、バイルはダークエルフの反応が確認された地点めがけてオメガを搭載したミサイルを撃ち込むという無茶苦茶な作戦を決行。
常軌を逸しているが、着弾地点は更地になるため見通しやすくはなるし、サイバーエルフならば基本的に物理的干渉は受けない。オメガの耐久力に物を言わせた合理的作戦ではある。

結果的に人間の居住区に現れた所へ突撃し、ダークエルフの捕獲に成功。その力を取り込むが、当然ながらミサイルの衝突とオメガの活動で街は壊滅してしまう。
これに激昂したハルピュイアから渾身の一撃を受けてもダークエルフの力を得たオメガにとっては虫けら同然。レーザー照射で反撃して重傷を負わせた。ヒャメロー!

ラストステージ、バイルの研究所では侵入者ゼロを待ち構え、永きにわたる因縁に決着をつけるべく立ちはだかる。



オ‥オオ‥ゼ‥ロ‥!

オマエは、たのしいヤツだったよ
いつまでも、いっしょに あそんでいたいが‥‥
そろそろ消えてもらうとするか

まだまだ、おたのしみも ヨウイしてある‥
最後まで たのしんでくれよ ゼロ!


■第1形態

ダークエルフを取り込んで強化。ボディカラーが金色になった。
攻撃手段に剣の突きが増えた以外には攻撃スピードが上がっている程度で相変わらず弱い。ここはノーダメージで切り抜けたいところ。


倒すとラスボスらしく巨大化して二戦目へ。



グ‥オオ‥ゼェ‥ロォ‥!

クックック なかなかやるのう、ゼロ
だが、オメガの本当のチカラは
こんなもんではないぞ‥

さあ、ゆけい! オメガ!
ダークエルフのチカラを カイホウしろ!!


オ‥ウオオオオオオオッ!


■第2形態

内に宿るダークエルフの力をすべて解放し巨大化。下半身が画面に入りきらないほどデカい。
見た目はダークエルフをモチーフにした胴体に右半身が剣主体のゼロ、左半身がバスター主体のエックスを模した姿となっており、
名前的にも見た目的にももはやオメガモン

非常に禍々しい格好よさがあるが、右手の剣は か ざ り 。背景でじっとしたまま動かない。*2
巨大なバスターや捕縛弾、異常に高性能な追尾弾、極太なビーム等いよいよラスボスらしく攻めてくる。


床が半分削がれた狭い足場で戦う上、回避が難しい攻撃もあるため苦戦しがち。
ダブルジャンプやシャドウダッシュ等のフットチップの特性を生かした戦術が重要になるかもしれない。
攻撃の発動タイミングなどに慣れてくればダブルジャンプのみでホイホイかわせるようになる。(攻略本ではダブルジャンプでの回避法が載っている)


崖部分は安全地帯だが、オメガを撃破すると硬直して落下死することもあるので注意。
またボスの当たり判定が画面右上部なので、セイバーメインで戦うとジャンプして当てに行く→何らかの事故→落下死ティウンが起こりやすい。
穴に落ちたら引き上げてくれるアニマル系エルフをサテライト装備しておくと安心して戦える。

見事倒すと研究所もろとも崩れ落ちて、感動のエンディングへ……















……いかなかった。



ここは‥‥

オレがねむっていた場所‥‥


クククククーッ!
みごとだぞ! ゼロ!

とてもニセモノとは 思えんパワーだ


ニセモノだと!?


崩れゆく研究所。そしてゼロがたどり着いた場所、そこはゼロが再び目を覚ましたあの場所――。

揺らめく炎に包まれた始まりの地で、オメガの残骸から姿を現す、ゼロと同じシルエット――。



クックックッ‥
キサマが伝説のレプリロイド?
おめでたいヤツよの‥

ここで見つけたレプリロイドを
レジスタンスのばかどもが
かってにゼロと呼んだだけだ‥

オマエも‥ たしかにゼロではあるが
たんなるコピーだ

伝説のエイユウでも なーんでもない
たーだーのコピー‥なのだよ!


オメガの正体、それはオリジナルのゼロだった。

主人公ゼロの身体はあくまでゼロの“コピー”に過ぎず、“本物”たるオメガはゼロ本来の力と技を持つ。


クックックッ‥

自分がコピーだと知らず エイユウをきどりおって‥
本当にわらわせるじゃないか

オメガこそ ショウシンショウメイ‥‥
ホンモノのオリジナルゼロだ!

オマエは そのコピーに過ぎん!!


オリジナルゼロが‥
なぜ、オマエの
いいなりになっている‥


ふん‥! ヤツはチにうえたハカイ神‥
そのチカラを ゲンカイまでひきだせるよう
改造してやっただけだ!!

さぁオメガ‥ いや、オリジナルゼロよ!

あわれなニセモノが 100年見つづけたユメを‥ そろそろさましてやれ!!



■オリジナルゼロ

我はメシアなり!ハーッハッハッハ!
CV:諏訪部順一
アーマー兼拘束具を脱ぎ捨てたオメガの真の姿。
見た目は白いオーラを纏った真紅のゼロそのもの。
バスターもゼロ同様に手持ち銃*3で、セイバーもゼロと同型のものだが刃の色は赤*4
高い機動力に斬撃、波動やバスター等々遠近オールマイティーで、その威圧感はBGMとボイスのおかげで圧倒的である。
この戦いでのプレイヤーのテンションも最高潮であろう。

そしてかつてのゼロが使っていた技の数々を使用する。
が、連続攻撃に弱く、攻撃動作後にセイバー三段斬りすればあっさり沈んでしまうという極端な弱点を持つ。




ネタバレ







オメガのボディは確かにオリジナル・ゼロのものだが、オリジナルの魂(人格プログラム)を宿しているのは主人公ゼロの方
オメガはあくまでも、コピーのボディに魂を移して抜け殻となったゼロ本来のボディに、バイルが作った人格を宿した存在に過ぎなかった。


なお、ゼロの作成者の意図した人格がバイルの作成した人格を上書きした可能性が示唆されている。
バイルの想定していた「レプリロイドの完全支配」を目的とした人格であれば、そもそもレプリロイドの殲滅という行動そのものがバイルの想定とは全く異なる。
つまり推測の域を出ないが、オメガの人格はワイリーが望んだゼロ本来の人格の可能性もある。



オメガを‥‥
フッカツさせる‥気か!?

クックックッ‥ じゃませず見ておけ
全ての人間‥‥全てのレプリロイドのイノチは
このワシが にぎっていることを わすれるな!!

ちっ‥‥


本物の魂を持つゼロに敗れた後、ダークエルフの力で傷を癒そうとするが、そこに駆けつけたハルピュイア、ファーブニル、レヴィアタンからの攻撃ラッシュを受けて復活を阻止される。

ゼロ! 何をしている! はやくたて!!

オラァ! かりをかえしにきたぜ! オメガァ!

やられっぱなしって しょうにあわないのよね!

オマエたち‥!

バイルがいうことは ハッタリだ‥
今のジョウタイでは ヤツは、何もできん


くっ‥‥ダークエルフ! コイツらを‥だまらせろ!


ゼ‥‥ロ‥‥‥!

どうした‥ダークエルフ‥!?*5


更に、ダークエルフの力を開放しすぎたためか、ダークエルフの力が薄れだし、マザーエルフ本来の姿を取り戻し始めた事で力の供給源を失う。

カノジョの‥
ダークエルフのノロイが とけかけている‥

キサマッ‥エックスかぁっ‥!

そうだよバイル 100年前と同じだね‥
あの時も、ボクは‥ ゼロとともに このオメガをたおし‥‥
あなたのヤボウから 世界を守ったんだ‥


100年前と‥同じ‥だと?


たしかにオメガは キミのオリジナル・ボディを使っている

ただ、それだけだ‥

キミのカラダは たしかにコピーだけど‥‥
心は‥まぎれもなくホンモノだよ‥‥

さぁ、ダークエルフのチカラが弱まってる今のうちに‥
100年前のケッチャクをつけるんだ‥ゼロ!


やめろゼロ!!
オマエのオリジナル・ボディだぞ おしくはないのか!!
いっしょう、そんな安っぽいニセモノのカラダで 生きていくというのか!!!


キミならできるさ

本当にタイセツなものが何なのか
キミには、わかっているはずだから‥

さあ‥ゼロ!


そして最後にゼロのトドメの一閃*6を受け、ついにオメガは爆散。
ワイリーが望んだゼロの姿も、他ならぬゼロ自身の手によってとうとう終わりを告げた。

ちなみに戦闘開始時の台詞"メシア"から転じて、ファンの間ではこの第三形態=オリジナルボディのオメガを指して飯屋と呼ぶことも。
飯屋倒した?など、初見プレイヤーへのネタバレを回避する符丁としても活用されている。

「セイ、ハッ、トゥ!」
「滅びよ!」
「消え去れ!」
「オリャー!」
「ヤッ!ヤッ!オリャー!」

……オメガさんノリノリである。




ロックマンゼクス』には彼をモデルにしたロックマン・モデルOXがおまけ要素として登場。
見た目はオメガ(ゼロ)そのもので、三属性すべての攻撃を扱える・水中でも機動力が落ちないなど最強クラス。
使用可能にする方法は二つあり、そのうち片方は隠しボスのオメガ(第3形態)を倒す必要がある。



■オリジナルゼロ、再び

全体的にスピードアップ。
隙の減少、連撃に対する極端な弱さの修正、裂光覇に回復効果*7の追加、使用頻度の少なかった乱舞を多用したりと、かなり強化された。
乱舞そのものの性能は据え置きながら、ゼロシリーズではEX技扱いだったためランクが高くなければ使って来なかった技だったのだが、ZXシリーズではランクという概念がないので普通にポンポン繰り出してくる。
更にハードモードだと、ライフゲージが最低限で固定される都合上、乱舞は2発喰らえば終わる。しかもその位置で固定されながら滅多斬りされるので、一度当たれば否応なしに全ヒット確定。
一応斬られながらメニュー画面を開いて回復すれば、強引に耐えられはする。

さらに、アークブレードや滅閃光のような広範囲に飛び散る攻撃を連続でばらまき、チャージセイバーの据え置きの性能(特に画面を大きく揺らす効果と落石)で逃げ場を限定する、
あるいは広範囲攻撃自体のダメージは大した事はないが、ばらまき技が当たって硬直した所にすかさず乱舞を叩き込む、などというコンボまがいをやってのけるなど、本編ラスボスをも凌駕するバケモノ。
ゼロ3のノリで挑むと間違いなく瞬殺される。

それでも慣れた人ならば充分勝てるだろう。

しかし……



帰るまでが遠足



その意味は経験者なら分かるはず。


■余談

ところで、何故ゼロに倒されたはずのオメガが数百年の時を経て再登場したのかは、語られていない。
シナリオには一切無関係、テキストも用意されていない隠しボスに設定もなにもあろうか、と言えばそれまでだが…?

かつてXシリーズの頃のゼロは、戦いの末に死を覚悟したほどの重傷を負ったにも関わらず、気づけばダメージが回復していたという描写があった。
この時は帰還していないのでメンテナンスなどされておらず、回復した理由も説明されていない。*8
またオメガの技描写でも、裂光覇に回復効果が備わった点から、これも一種の自己修復機能と解釈できる。

以上のことから、元々回復する機能があったとして、長い年月をかけて残骸から自己再生したか、はたまた過去作連動で登場する過去作のボス同様、何者かに*9復元されたのか…
ついでに第三形態なのは、それ以前の形態はあくまでも拘束具であり、元々のゼロ成分とは無関係だったから再現されなかったのだろうか?

あるいは同じエリア内(過去作の8ボスエリアの奥、オメガのいる部屋とはだいぶ離れている)にライブメタル・モデルOがあったことを考えると、ZXに登場したオメガはオリジナルゼロではなく、「モデルOで変身したロックマン」なのかもしれない。


開発段階でのオメガ第3形態=オリジナル・ゼロのデザインは
『オリジナルという設定を活かし、ロックマンXシリーズでのゼロのデザインにする』
『今のゼロにXシリーズ風の肩アーマーを装備する』
などといった案もあったらしい。…それはそれで見たかった気がする。

もう一つ資料として公開されている『ゼロ1の没デザイン及びミュトス風味のゼロが全身の装甲をパージし、内部機構が剥き出しになっている』没デザインは、デザイナーの中山氏によれば『エックスがアーマーを装備してパワーアップするなら、ゼロは対照的に装甲を脱ぎ捨てることでパワーアップする』という構想を温めていた名残らしい。
ミュトスのパッケージに描かれているゼロはたしかにスリムなのでこの構想の最終形なのかもしれない。






追記・修正は自分のオリジナルボディを破壊してからお願いします。

画像出典:ロックマンゼロ3、ロックマンゼクス
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最終更新:2025年03月30日 18:26

*1 伝説の英雄とされる二人がかりでもこの時は完全に破壊しきれず、機能停止に追い込むのがやっとだったと考えられる

*2 曰く、第一形態で使ったから今回はいいか、との事。いや第一形態でもそんな使ってないだろ!

*3 構え方はゼロと若干異なり、銃身を横向きにしている

*4 オリジナルのゼットセイバーはエックスが保管していたので、オメガが使用しているのは別物

*5 これがオリジナルボディでのオメガ唯一の台詞テキスト。メッセージウィンドウの顔グラも目が赤い事を除けばゼロと全く同じ

*6 この時、セイバーだけが使える状態でプレイヤー操作に戻る。満を持してチャージセイバーを叩き込むもよし、ダッシュ斬りで駆け抜けざまに叩き斬るもよし、思い思いの方法でトドメを刺そう

*7 一発につきライフ8メモリ=ライフエネルギー大1個分

*8 X6でライト博士との専用会話も用意されているが、「再生機能でもあったのか」と推測に留まっている。またゼロを探し求めていた人物も、X6開始時点~ゼロ自力での登場まで発見できていないため、『製作者による修理』ではないのは確定

*9 モデルVに内包されたバイルの意思によって?