ロックマンX サイバーミッション

登録日:2016/12/17 (土) 20:27:55
更新日:2022/07/02 Sat 13:43:58
所要時間:約 8 分で読めます





2000年10月20日に、ゲームボーイ用・ゲームボーイカラー対応ソフトとしてカプコンから発売された横スクロールアクションゲームで、『ロックマンX』シリーズの外伝作品。
ニンテンドー3DSバーチャルコンソールでも2013年12月4日から配信中。
ステージの特定地点を通るとセーブされ、中断してもその地点から再開できるオートセーブ機能搭載。
今作がカプコンから発売された最後の旧ゲームボーイ対応ソフトとなった。海外でのタイトルはMega Man Xtreme

ロックマンワールドシリーズのように、ロックマンX1とロックマンX2の二作品をリメイクして一つの作品へと仕上げた、Xシリーズ初の携帯機専用作品である。
どちらかと言えばX1ベースだが、ただ二作品を一つにまとめただけでなく、オリジナルストーリーとして進行。オリジナルボスも登場する。

ノーマル・ハード・エクストリームの三つの難易度があり、ノーマルがX1メイン、ハードがX2メイン、エクストリームが全てのステージやボスと戦う総集編となっている。
最初選べるのはノーマルのみで、各モードは一つ前のモードクリアによって開放される。

新システムとして、ゼロを呼び出して専用技を発動する『ゼロスクランブル』が登場。
パワーアップパーツ同様にカプセルに入って入手する。



あらすじ
西暦21XX年。人間的思考を持つレプリロイドと、人間が共存する世界。
最強のイレギュラー・シグマの反乱もエックスの活躍によって防がれ、世界に平和が戻り、ハンター達は戦いに明け暮れた日々から遠のいていた。
そんなある日、ハンターベースのマザーコンピュータが何者かによってハッキングされた。
一瞬のうちに不正に書き換えられたデータのせいで、世界中が大混乱に陥ってしまう。
エックスはミディと協力してマザーコンピュータの電脳世界に潜入し、過去の戦いを記録したデータの中で、かつて倒したはずの敵との戦いを繰り広げる。

ストーリー時期としてはX2とX3の中間にあたる。


主要キャラクター
主人公。イレギュラーハンター第17精鋭部隊所属のB級ハンター。
今回は何者かの手によって過去のデータで構築されたバーチャル空間で戦い、マザーコンピュータ奪還を目指す。
プログラムデータとなってサイバー空間にダイブするミッションは(発売時期で言えば3年早い)X4でもあったが、一作品丸々電脳世界というのは今作の5ヶ月後にGBAで発売されたロックマンエグゼのある意味先取り…かも知れない。
後々に遠い未来本当にデータだけの存在になってしまうが…。
X2後のエックスなので、X1当初の頃とは違って最初からダッシュも使えるし、ライドアーマーに乗ったVAVAだろうがあっさり返り討ちにするほど強くなっている。

第17部隊に所属するエックスの同僚にして、特A級ハンター。
今回は基本的にデモ以外登場しないが、ゼロスクランブルとして一時的に呼び出す事はできる。

過去のデータの中でもエックスにパワーアップパーツを授けてくれる。
過去のデータが入り混じった世界だからか、今回はX1ベースのアーマーとなる。
そして今回は新たに、ゼロを呼び出す攻撃プログラムも渡してくれる。

  • ミディ
今作オリジナルキャラクター。
コンピュータの天才で、エックスに協力してくれる。

  • テクノ
今作オリジナルキャラクター。
シャドウハンター達に協力するコンピュータの天才。
今回ハンターベースのマザーコンピュータをハッキングした実行犯。
ミディに似ている。


◇シャドウハンター
それぞれ専用武器を扱って戦う訓練を受けた戦闘用レプリロイド。
「迷宮入りとなった事件にはシャドウハンターが関わっている」と言われているが、詳細は不明。設定の手抜きとか言うな。
ステージ途中に部屋があり(X2ではカウンターハンターの部屋だった所)、そこで戦う。
シグマステージでも登場する(X1でVAVAと戦った辺り)が、そちらの戦いは避けられない。
両者とも今作オリジナルキャラクター。

  • ザイン
ノーマルモードで登場。
西洋の甲冑を纏ったような姿をしている。無口。
専用武器は身の丈ほどの大剣


  • ギーメル
登場自体はノーマルモードからだが、戦う事になるのはハードモードから。
こちらは忍者のような姿。ライフが減ると凧に乗ったりしてまんま忍者。
一人称「ミー」でなにやら嫌味ったらしい。
専用武器は大型手裏剣。


過去のデータから復元された、狂気のイレギュラーハンター。
オープニングボスとして登場、かつてと同じようにライドアーマーで一方的に……
普通に倒されました。
数々の戦いを経て遥かにパワーアップしたエックスの敵ではなかった。
ライドアーマー乗ってるにしてはライフゲージも半分しかないし、わざと弱体化されていたのかも知れない。

ご存知ケツ顎のハゲ。
史上最強のハンターと呼び声高かった第17部隊の元隊長であり、エックス達の元上司。
今回の作戦を画策したのも彼である。
過去のデータを使ってボディを復元したのか、今回はX1の頃の姿。
2形態あるがそれぞれバラバラに登場する。



◇8大ボス
過去のデータを元にプロテクトとして構築された存在。
彼らを倒してプロテクトを解除し、不正に書き換えられたデータを元に戻すのが今回のミッションである。
倒すと特殊武器(カッコ内)を入手できる。

アイシー・ペンギーゴ(ショットガンアイス)
スパーク・マンドリラー(エレクトリックスパーク)
ストーム・イーグリード(ストームトルネード)
フレイム・スタッガー(ラッシングバーナー)

メタモル・モスミーノス(スクラップシュート)
マグネ・ヒャクレッガー(マグネットマイン)
ホイール・アリゲイツ(スピンホイール)
アーマー・アルマージ(ローリングシールド)

ノーマルでは前半4体、ハードでは後半4体、エクストリームでは8体全員と戦う。

なお、特殊武器の性能は一部原作とは変わっている。
SFCよりも乏しいGBのメモリの都合上、追加効果や演出が省かれたり、性能が劣化したものも多いのだが…

何故か強化されたのがチャージローリングシールド
一発で倒せない耐久力の高い敵に触れるとシールドが消滅する点は原作通りだが、バスターを弾く無敵状態の敵(メットールなど)に当たってもシールドは消滅しなくなり、
それどころかなんとトゲすら防げるようになっている。
針が敷き詰められた床の上をずかずか歩いて通っても、スタッガーステージの吹き上がる溶岩の中で滞在しても全くのノーダメージ。
今作に登場しなかったカメレオンスティングの無敵化性能まで統合されたのでは?と訝しむほど大幅強化されている。それでいて時間制限も無し。
メットールもシールドを張って横切るだけで顔を上げた瞬間に勝手に破壊される。弾を撃たれても当然効かない。実にアイテム稼ぎが楽である。



パワーアップパーツ
8ボスのステージ中に全4つのカプセルがあり、それに入ることで入手できる。
基本的にはX1のものと同じだが、全部揃えないと見た目が変化しない。


  • ヘッドパーツ
天井から降ってくる岩石を防御できるようになる。また、一部のブロックを頭突きで破壊可能になる。

  • ボディパーツ
被ダメージ量が少なくなりノックバックも小さくなる。

  • アームパーツ
エックスバスターのチャージショットが二段階から三段階になり、特殊武器もチャージできるようになる。

  • フットパーツ
壁蹴りが自動的にダッシュジャンプになり、より遠くへ跳べるようになる。
また、一部のブロックを蹴って破壊できるようになる。
原作同様、このカプセルだけ隠れてない上にスルーもできない。



ゼロスクランブル
専用エネルギーを消費し、ゼロを召喚して攻撃してもらう。
発動した瞬間から攻撃終了まで時間が停止するので、攻撃範囲内に敵がいさえすれば外れる心配はない。
ザコ敵相手ならほぼ一撃で、強力な技ほどエネルギー消費も大きい。
このゼロスクランブル専用エネルギーに限り武器エネルギーを取っても回復できず、一度消費したらステージを出るしかない。
パワーアップパーツ同様、ライトカプセルに入って入手する。ゼロを呼び出すだけなのにライト博士が一体何を渡すというのだろうか。

()内は消費エネルギー量


  • ライジング(4)
真上にまっすぐ斬り上げる。
頭上をカバーできるのはありがたい。攻撃範囲は見た目以上に結構広い。

  • ダッシュ(6)
前方にまっすぐダッシュ斬り。
一直線に貫通する。通常攻撃の延長みたいな感じで当てやすい。

  • アースゲイザー(10)
地面を殴り、爆発させて画面全体を攻撃。
と言っても別に地上制限はなく、空中でも使える。どこ殴ってるんだ?

  • ファイナル(20)
前方の敵めがけてまるで乱舞のように連続攻撃を叩き込む、ゼロスクランブル最強技。
ボス相手にも大ダメージを与えられる。某飯屋のEX技の元ネタであり、意外にもGBの外伝作品である今作が初出。



波動拳昇龍拳
全パーツを揃えた状態である場所へ行くと隠しカプセルが出現、そこでライト博士が伝授してくれる。
今回はなんと、波動拳と昇龍拳を両方とも使えるようになる。
会得後、バスターをフルチャージして下に入力しながら発射すると波動拳、上に入力しながら発射すると昇龍拳が出せる。
どちらも地上にいる時のみ限定だが、原作と違ってライフ満タンでなくても撃てる。

なお、カプセルのある直前の地形はX2カウンターハンターステージ3の再現で、クランク状の地形に針が敷き詰められたあれなのだが…、ある武器のおかげでとっても楽に突破できてしまう。
また出現条件も微妙に原作と違い、パーツ以外のアイテムは揃っていなくてもOK。


以下ネタバレ





















ミディとテクノは頭脳CPUがリンクしている双子レプリロイド。
そのため、どちらかが死ぬともう片方も死んでしまう。

2枚の高性能チップを組み合わせて効率を高める実験体がテクノで、後にチップ1枚でも動くように改造された。
そしてもう1枚のチップはミディに組み込まれたが、チップ同士のリンクを完全に取り除けていない事が判明。
頭脳リンクの修正前にテクノがシグマに誘拐され、シグマウィルスによって操られていた。



以下、さらなるネタバレ






















上記の物語は全て ノーマルモードで完結する
ハードモードでは、エックスと直接戦わず生き残っていたギーメルが再びサイバー空間を荒らし始めたため、これを制圧しに行く。
以上




◆余談
X6のイベント会話でも「過去のイレイズ事件と似ている」という台詞があり、ナンバリングタイトルとはパラレル扱いだったロックマンワールドシリーズと違って、サイバーミッション・ソウルイレイザーの外伝2作品はシリーズストーリーとして繋がっているのが分かる*1
Xシリーズ唯一のRPGである外伝『ロックマンXコマンドミッション』でも、(発売時期としても)X7後のストーリーとして位置づけられている。設定上多少の矛盾が生じてはいるが。

またX6での救助待ちレプリロイドの中には、ミディと同型の色違いレプリロイドが出現する。


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最終更新:2022年07月02日 13:43

*1 X6発売当時、一部のユーザーがカプコンにX6で語られたイレイズ事件とソウルイレイザーとの関連について問い合わせた結果「関係ない」という回答が来たとされていた。だが2005年に発売された『ロックマンX大全書』では、ソウルイレイザーのイレイズの解説で「ナイトメア事件ではアイゾックに、イレイズに似た現象が発生している」と記述されている。