石田とあさくら

登録日:2011/08/10 Wed 22:56:46
更新日:2025/04/10 Thu 12:18:26
所要時間:約 5 分で読めます




石田とあさくらとは、月刊ヤングキングに連載されている、シュールな事この上ないギャグ漫画であった(過去形)。

作者はマサオ。かつては朝目新聞やpixivで有名な絵師であり、本作も同サイトで連載されたものを元に描かれている。
作者の名前は知らずとも、当時ならばどこかでムスカのパロディイラストを見た事のある人は多かった。
また、ヤングキングではうるし原智志等と並べて「美麗絵師」として紹介されたこともある。

【概要だ……な】

元は作者のブログとpixivで作者が「ボーイズラブ」作品として掲載していた。
が、一般的なBLのイメージとはあまりにもかけ離れたキャラクター(主に外観)、ぶっ飛んだ世界感、普通に女の子が出てくるなど、
そのあまりにもアレな内容とシュールな作画、作者の元々の人気もあって、特にpixivのオリジナル漫画の代表格といえる存在になった。
雑誌に連載された作品を含め、ほぼ全作品を上記サイトで読むことができていた。

【炎上だ……な】

……が、2012年4月、pixiv上にアップされていた絵にトレス疑惑が浮上。
ネット上の有志による検証の結果、過去のイラストまでゴロゴロと芋蔓式に余罪が。
前述したムスカラピュタのパロディイラストまでトレスばかり。
中にはイラストの元絵が消しきれてない(完全に元絵の上から重ね塗った)など、非常にお粗末な物まで存在する始末。
だが、これだけなら「パロディイラストだからお粗末でもセーフ」で済んだかもしれない*1

しかし当作品の中にも各種有名俳優他小学館、その他画像検索して1ページ目に見付かる写真などから次々と元絵が発覚。
さらには、作者がヤングキングで描いた表紙に有料素材の無断トレスが判明
単行本ではトレスを指摘されたページが全て修正されていたものの、トレス発覚時期と合わせて急に終了。
この件があったからこそ打ち切られた可能性が高い。
ついでにサイトと挙げられていたイラストを全て消去している。
なお、作者はこの一件に対する発言・釈明を一切しないまま、しばらく沈黙*2。それ以降も言及することはなかった。

【アニメ化だ……な】

ちなみに以上の騒動はアニメ化を発表した直後にトレパクが発覚して起きた
この騒動の最中にもかかわらず(2分間のショート枠とはいえ)アニメはそのまま放送。12話で完結。
ニコニコ動画でも配信されたが、騒動の影響かコメント欄は非常に荒れており、また最終回で告知されたはずのDVD化もされていない*3
挙句、公式Twitterが『ラブライブ!*4のファンに喧嘩を売る…どころか、 「公式チャンネルのコメントはラブライバー怒りかそれともただのアンチなのか」 とレッテルを貼るような発言(しかもハッシュタグ付き)までしている*5
公式Twitterはこれ以前にも非常識な発言を繰り返しており、放送終了後も別作品の公式に絡んで宣伝しようとしていたどこかで見たムーブなのは気のせいだろう

そもそもの話として後述するように、キャラのモデルとなっているのは朝目新聞で交流のあった絵師であり、当人に無許可でホモや変態にするというのは内輪ノリであってもきついとする意見は当初からあった*6

ちなみに2024年現在も全話ニコニコ動画で無料で視聴可能。

【その後だ……な】

現在はすっかりPixiv及び連載誌であるヤングキングの黒歴史と化してしまっており、ファンアートも途絶えている。
アニメと同年に画報社が行った、連載作品含めた全作品無料公開のイベントにも掲載されない(本作がアニメ化した同じ年のイベントだったので相当不自然)、作者のアカウントで雑誌に掲載されていた特別編が全話公開されているなど、縁を切られて権利も放棄されたのではないかと見られている。

【登場人物だ……な】

Web連載版とヤングキング版では設定に若干違いがある。
一部の人物にはモデルがおり、ほとんどが作者の絵師仲間だった。

  • あさくら
CV:中本順久
「なるほど……な」
主人公その1。BL漫画には似つかわしくないアフロヘアと顎を持つ高校生。でかい。
おっぱいをこよなく愛し、256という数字に異様にこだわる。
「そうだ……な」「おっぱ……い」など、最後の一文字に「……」を挟む特徴的な言葉遣いをする。
石田、山田、佐藤をはじめとした多くのキャラから想いを寄せられる憎い奴だが、本人はおっぱいの事しか考えてない。てか半分男だし。
将来の夢は教師だが、勉強が壊滅的にできないため、望みは薄い。
たまにとても紳士的。

  • 石田
CV:森嶋秀太
「お前は将来俺とお花屋さんをやるんだ」
主人公その2。BL漫画には似つかわしくない坊主頭を持つ高校生。見た目は怖いがカツラを被るとイケメンになる。
あさくらとは小学生の頃からの幼なじみで、あさくらの事が大好きだが、
友情と愛情の微妙な距離感やら最強の恋敵・おっぱいやらに苦悩したりしなかったり。
どのぐらい好きかと言うと、あさくらの「強くな……れ」の一言で殺人拳法を取得し、あさくらを侮辱する者には制裁を、
恋敵は始末する事も厭わず(特に山田)、あさくら以外に狙われるならばと自分の腕を切り落とす事も躊躇しない。
流石に気合いで風邪は治せなかったが。
学力がずば抜けて高いが就職希望。将来の夢はあさくらと共に花屋『フラワー石あさ』を営む事。
意外とあさくらより身長が低い。女装するとかなり可愛い。
唯一モデルが絵師仲間ではない。
後述するように作者が他の作品に出したり、あまりにも贔屓された設定の数々のこともあり、作者本人がモデルという疑惑がある。作者本人は「大阪のビール瓶で殴るような怖い知り合いがモデル」と否定してはいるが…

  • 山田
CV:櫻井トオル
「石田ッ!! お前なんか大嫌いだッ!」
あさくら達のクラスメイトで石田の恋敵。あさくら大好き。
小太りな体型と半袖体操服、メガネと異様に長い前歯、
がに股に両手を顔の横まで挙げたポーズが特徴。もうBLどこいった。
事あるごとに(何もなくても)石田に制裁を食らうが、その都度地獄より生還し復活する強靱な肉体と精神力を持つ。
たまに漢な面を発揮するが、結局石田にシメられ病院へ。すぐさま復活するが。
擬音は「ヤマァ」
将来の夢はあさくらと本屋を経営すること。
最近、バイであることが判明した。まあ、結局男なんだけど。
今はこうだが、昔は可愛かった。どうしてこうなった。
あと普通に可愛い妹がいる。その子も体操着。
モデルは作者のアシスタントも務めた絵師

  • 佐藤さん
CV:中野さいま
「カレーだー」
あさくらに想いを寄せる、クラスメイトの女の子。さよならBL。
身長が低いのにおっぱいが大きいことにコンプレックスを持っており、それで陰口を叩かれたところ、
それをあさくらに「おっぱいの事を悪く言うのは……許さ……ん!」と言い返したところを聞き、あさくらに惚れた。
一度告白したが、石田と山田の手により玉砕。今でもあさくらの事を想っている。
美人で巨乳な姉ちゃんと、影の薄い父親の3人家族。姉ちゃんは最近恋のライバルになった。
全く嬉しくないパンツ要員。

  • 木下先生
CV:島本須美
「うにゅう」
あさくら達の担任。
童顔巨乳の美人さんで、ほんわかした雰囲気もあって生徒からの人気も高いが、
その美貌に寄ってきた男どもを喰らう肉食的な一面も持つ。
木下家の大黒柱でもあり、小学生と中学生の可愛い2人の娘がいる。
今はあさくらを狙っている。だが、そんな彼女にも秘密があって……?
ぞう……さん……。

  • 山口先生
CV:郷田ほづみ
ナイスガイな高校教師。
常に社会の窓が全開で尿意を我慢し膀胱が爆発寸前。アニメだと口じゃなく社会の窓が口パクする。
「尿意よりも教育を優先すべきだ」がモットーだが、早くトイレに行った方がいい。
残念ながら出番はあまりない。

  • 天パーライオン
佐藤に執拗にセクハラをかける謎の生物。スケベで偉そう。
彼の行為は作者の欲望の現れとの説も。

  • 佐藤父
佐藤姉妹の父親。石田父とは幼なじみ
作者の作風の例に漏れず、影が薄い。

  • 石田父
波平のような髪型をした石田の父。
気のいい性格だが、石田が作ったチョコレートを摘み食いし、帰らぬ人となった。

  • スワベ
静岡マフィアの一員で、通称「狂犬スワベ」。
数少ない石田をボッコボコにした人物だが、
ヤクザ編の中断と雑誌連載の作風に伴い、再登場が危ぶまれる。
外見はPixivのイラストレーター、ケースワベが当時公開していたイラスト
「静岡の狂犬・スワベ」に酷似している…というかそのまんまである。
「オフ会で挨拶がわりにビンタする」作者に反撃したことが「狂犬」の由来だと明言されている

【用語だ……な】

  • 256
あさくらが何故か執着する魔性の数字。
例:
山口先生「あさくら、1+1は?」
あさくら「256だ……な」
テストの点数も飯を食べていない時間もだいたいこの数字が絡む。

  • 鼻歌
ふんふんふん ふんころがーし。
お前の人生ふんころがーし。
キャラがたまに歌う鼻歌。流行っているのだろうか。

  • アトミック空手
石田が強くなるために取得した拳法。
師範代が見るからに色々ヤバそうであり、ぶっちゃけ空手という名の殺人拳法。
奥義にはガラス灰皿を使用する。

【主なストーリーだ……な】

あさくら一筋な石田や、おっぱい大好きなあさくらと周囲の人らの日常や、事件やら、なんやかんやする話。

  • 短編
雑誌連載も含め、メインで描かれている。
2コマ漫画から数ページに渡るショートストーリーまで様々。

  • カツラ編
Webで公開されていた中編。
おっぱいこそ少ないが、全体的にきれいに纏められている。

  • ヤクザ編
あさくらを侮辱したヤクザに、石田が奇襲をかける。
そこに現れたのは、マフィア業界で狂犬と恐れられている、静岡マフィア・スワベだった。
ここで連載は途切れた。

同氏の作品である『金の靴銀の靴』シリーズは本作の遥か未来という設定でリンクしており、そこから彼らの未来の一部を知ることができる。
また、商業連載の次回作である『忍びのオツトメ』にも石田らしき人物が出ていたりする。

が、前者はすでに全作品削除されているため、無断転載でもない限り閲覧不可能となっており、後者も単行本はあまり刷られていなかったのか、古本屋でもなかなか出回っていない状態だったりする。一応電子書籍販売は行われてはいるが、単行本は1巻で打ち切られたため未収録話もそれなりにある。

【作者のその後だ……な】

作者は当時朝目新聞でもpixivでもランカーとして知られていたが、元々作者のHPやSNSでの言動*7から嫌う者も少なくなかった。
炎上の側面にはそうした昔からのヘイトがあったことも事実であり、昔は交流のあった絵師もこれを機に完全に絶縁*8

上記トレパクの騒動の結果、その名声は地に堕ちてしまい*9現在ではすっかり「過去の人」扱いされ、本作に関しても先述したように「pixiv黒歴史」といった扱いを受けている
なお、作者は名義を変えてほぼ成人向けのニッチなエロイラストメインの絵師として活動しているのは確認されている
作者本人も、一連の不祥事の後も言動を改めず、今ではSNSで政治関係やフェミニスト関係の過激なようで浅い知識の発言を繰り返していることも確認されている。

ちなみに本作は、pixivオリジナル作品から商業作品に昇格した初めての作品である
とはいえ、マサオ氏以外にも『ヤンデレ彼女』の忍氏や『農学博士の異世界無双』のインド僧氏、にじさんじ所属のバーチャルライバー「エクス・アルビオ」のデザインを担当したケースワベ氏などプロデビューした朝目新聞出身の漫画家・イラストレーターは多いが、彼らはトレパクや問題発言はしていない
あくまでもマサオ氏が悪目立ちしているだけなのをお忘れなく繰り返しになるがすでに絶縁している



追記・修正、頼む……ぞ。

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最終更新:2025年04月10日 12:18

*1 実際にはパロディだろうとこの時点でアウトである

*2 それ以前は1日に100回近くツイートしていたこともある。過去にトレパクに対して糾弾するような発言をしていることも炎上に拍車をかけた

*3 原作の騒動とは関係なく、「売れないから出さない」と上から判断されたことを後年スタッフの1人が明かしている。一応そのスタッフ自身は「自分は出して欲しかった」と語っている。

*4 本作は『ラブライブ!』の後の時間帯にCM等を入れずに放送されていた

*5 一部のまとめブログがこの一件を盾にラブライブ!ファンを叩こうとしたが、非常識なのは公式Twitterの方なのは明白なため、すぐに撤回し記事を修正したという珍事も

*6 実際にモデルにされた絵師の中には不快感を表明していた人もいた

*7 オフ会で挨拶代わりにビンタをする、それに反撃されると被害者ぶる、交流があるといえ絵師に変に絡んでは自分の思った通りの反応をされないと被害者ヅラをする、といったことを繰り返しており(他にも大小多数あるが割愛)、その中には激怒して説教した絵師もいる

*8 その多くが元々彼を嫌っていたことや、一連の騒動で失望したことを表明している

*9 といってもアニメ放送中はまだランカーだった。これに関しては疑惑もあるが割愛