スター・ツアーズ

登録日:2012/07/01 Sun 01:24:14
更新日:2025/05/20 Tue 14:36:30
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STAR
TOURS


スター・ツアーズとは、世界各国のディズニーテーマパークに存在したアトラクション。

映像に合わせて座席(より正確には座席とそれを擁する箱型フライトシミュレータ)が揺れ動く体感型のアトラクションである。

本項では東京ディズニーランドのもの(スター・ツアーズ社トーキョー・ジャパン宇宙港・以下TDL)について記載する。

◇スター・ツアーズの設定

映画『スター・ウォーズ』シリーズの世界観を元にしている。

時代設定は時系列順に見て再後期であるEP6よりも更に後の時代。
新共和国軍と帝国軍の戦いは続いてはいるものの一応の終幕を見せ、
乗客である我々ゲストは、星間旅客会社「スター・ツアーズ社」の惑星エンドアへのツアーに参加する。

キューライン(アトラクションに乗るまでの待ち列)ではドロイド達が作業に明け暮れており、
各惑星・衛星への発着案内や、後に乗り込むことになる「スタースピーダー3000」の実機もここで見ることが出来る。
このキューラインはTDLの中でも特に原作・原典のデザインイメージが強く、またおよそ旅客会社の趣ではないが、
これはスター・ツアーズ社が元反乱軍の軍人達によって設立されたものであり、嘗て軍用の格納庫として使われていた施設を流用しているため、という設定に因る。
ここで働くドロイド等も元反乱軍所属であり、C-3POやR2-D2をはじめ、
その同型機であり惑星ホスのエコー基地所属のR3-A2や、R5-D4の同型機R5-D2等の姿も見える。

◇スター・ツアーズ社

元反乱軍軍人達が中心となって設立した星間旅客会社。
ヤヴィン、ホス、タトゥイーン等の惑星間航行による宇宙の旅を提供していたが、その存在は短命に終わる。
これはスター・ツアーズ社が所有する各種スペース・クルーザーの操縦を担当するRXドロイドに問題があり、
勝手に航行コースを変更して軍用機と衝突事故を起こしたり、ブレーキ制御を見失う等の初歩的なミスが相次いだため。
これによりスター・ツアーズ社の信用は失墜し、倒産を余儀なくされた。

◇RX-24

アトラクションに於いてゲストが乗り込むエンドア行きの操縦士。愛称はキャプテン・レックス。

エンドアへの旅は出港直後からトラブル続きで、
  • 出発ゲートを脇に逸れ格納庫に脱落した後、

<<ブ…ブレーキ、ブレーキィ…


ブレーキ何処ぉ!?>>


そこから出港し

<<…勿論予定の行動です!近道、近道!ヘヘッ!>>

等と宣う(この時、正規のゲートから当機とほぼ同時に出港したスピーダーが目の前に現れ、彼の苦し紛れの嘘は言い訳の最中にバレる)。

  • ライトスピード航行(所謂ワープ)でエンドアを一瞬で通り過ぎ、現れた彗星に激突。その際操縦をR2-D2に一任している。
    パイロットとしてあるまじき行為だが、肝心のR2もノリノリで操縦していた。

<<ほんのちょっと揺れますよ、シートベルト締めてるでしょう?>>

客「おろぉろぉろぉろぉ!」

  • 彗星群を抜けるも、デス・スターIIIを建造中の戦闘区域に飛び込み、
    帝国軍残党が有するスター・デストロイヤーのトラクタービーム(帝国軍戦艦のレーザー式牽引兵器)に捕まりかけ乗客を危険に晒した挙げ句、
    新共和国軍Xウイング戦闘機隊・レッド小隊に尻拭いをしてもらう。

「スター・ツアーズ!何してるんだ!?」

  • レッド小隊隊員への通信「レッド24」を「レックス24」と聞き間違え、デス・スターIII突入作戦に大喜びで参加する。
    確認するが、スター・スピーダーは旅客機である。

「レッド24、レッド30、行くぞ!」

<<OK~!そ う 来 な く っ ちゃ!>>

  • 無事(?)デス・スターIIIの破壊を見届けた後、トーキョー・ジャパン宇宙港に帰還。完全に目的を忘れている。
    エンドアから日帰りどころか約4分半での無断且つハードランディングであり、結果燃料を満載した輸送車と衝突しかけている。


宇宙港への帰還後は学習機能のリセットという処分を下された。
RX-24が毎回初フライトなのはこのせい。

◇スタースピーダー3000

3000回・10億光年に及ぶフライトで無事故を誇る、スター・ツアーズ社が所有する大型スペース・クルーザー。
乗客40名を収容可能で、RXドロイドの操縦とR2-D2に代表されるアストロメク・ドロイドのナビゲートによって運行される。

旅客用ではあるが、障害物破砕用のブラスターを装備し、低出力ながらシールド装置も搭載しており、コストも低い。
その代償として客室の居住性は高くなく、窓の類は前方に備えられたキャノピーのみで、更に普段コクピットシールドを開けることはないとされる。

ちなみに、かつて*1この機体のトミカが販売されたことがあるのだが、なぜか販売開始から数時間で店頭から回収されてしまったらしい*2
もっとも現在では都市伝説化している節があるのでどこまで事実なのかは不明だが、少なくとも「スタースピーダー3000」のトミカが確かに存在していること、そしてそれが余り出回っていないレアなものであることは間違いない。
原因についてファンの間では権利関係だと囁かれているが当然不明。


◇スター・ツアーズの歴史

1989年7月12日に「宇宙解禁」という格好悪いキャッチコピーとともにオープン。
オープンセレモニー当日にはスター・ウォーズの監督であるジョージ・ルーカスも来日し、会場を盛り上げた。

90年代後半までは連日2、3時間待ちの列ができ、ディズニーのメインストリームである客層とは何ら関連性のない作品でありながら、
競合相手となるようなアトラクションも存在しなかったのも手伝って、古参のアトラクションであるにもかかわらず長きに渡り大盛況であった。


00年代に入ると「スター・ウォーズ」シリーズはエピソード1をはじめとする新3部作に突入。
旧3部作をベースとしたスター・ ツアーズとは趣が異なり、旧3部作――延いてはスター・ウォーズ自体に思い入れのない世代が増えたこと、
富士急ハイランドの『GUNDAM THE RIDE』やユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド』の台頭、その他単に飽きられた等の理由から、徐々に人気に翳りが見え始める。

そんな折、提供であるパナソニック社がスポンサーを解消するという噂が流れ、
2009年に『モンスターズ・インク"ライド&ゴーシーク!"』のスポンサーに移行する形で、スター・ツアーズとの契約を終了した。*3

その後は提供無しの状態で運営を続け、2012年4月2日を以て営業を終了。
TDL黎明期を支えた人気アトラクションはここに役目を終えた。

◇スター・ツアーズのその後

スター・ツアーズは2013年5月7日に『スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー』としてリニューアルオープン。スポンサーはJCBが2014年7月1日から務めている。

リニューアル後は、原作の1シーンを再現した3Dの短編映像を、3つランダムに組み合わせて50通り以上のエピソードを構築するというオムニバス方式となっており、
その内容はポッドレースから惑星ホスの戦い、暗礁空域でのジャンゴ・フェット戦、等と多岐にわたる。
時系列は旧三部作と新三部作の間で、ダース・ヴェイダーヨーダ、レイア姫、ミレニアムファルコンなどが登場するが、後に続三部作の内容も反映された。
パイロットはキャプテン・レックスとは異なる別のドロイドが務める…はずだったが、成り行きでC-3POがパイロットじゃないのに操縦することに。
2016年2月からEP7『フォースの覚醒』のコースが新たに追加され、9月まではフォースの覚醒ルート固定であった。
その後も2017年12月にEP8『最後のジェダイ』、2019年12月にEP9『スカイウォーカーの夜明け』、2025年4月にはスピンオフ作品の『スター・ウォーズ:アソーカ』、『スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー』、『マンダロリアン』のコースが追加された。

リニューアルに伴いファストパスが新たに導入。2023年7月からは「40周年記念プライオリティパス」として継続しているが、元々の待ち時間があまり長くない上、通常待ち列との合流がかなり早いため、他のアトラクションと比べると効果は薄い

◇余談

  • アトラクション冒頭、格納庫から出港する直前に、右前方にドリルのような物体が映る。
    これは本国に於ける「ADVENTURE THRU INNER SPACE」というアトラクションのキューラインに設置してあった巨大顕微鏡。
    同アトラクションは2人乗りのライドに乗り込み宇宙を探検するというもので、ここで使われた各種オブジェはスター・ツアーズのドロイドの作業用モニターに、ライド部分とコンセプトは『ホーンテッドマンション』に流用されている。


  • キャプテン・レックスことRX-24は、「RXシリーズ・パイロットドロイド」に分類される。
    で、これがアトラクションだけのオリキャラに終わらず、2015年からの公式CGアニメ「反乱者たち」に同型機が登場。一体は盛大に爆破されたりしている。
    ……というか、本編第三話に登場したRX型ドロイドは、他でもないRX-24、スター・ツアーズのキャプテン・レックスそのものという裏設定があったりする。
    その後、なんだかんだあって売り飛ばされたあげく、プログラムを消されたりして「R-3X」と改名の上、暗黒街のバーで「DJレックス」になっているとかなんとか。
    ことのついでで、スター・ツアーズ社とスター・スピーダー3000の設定もめでたく?カノンに公式採用されいる。





ようこそ!
キャプテン・レックスです!
項目の中から失礼♪

皆さん、初めての追記・修正でしょ?
実は…ボクも初めてなんですwww

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最終更新:2025年05月20日 14:36

*1 具体的には2007年頃と見られている。

*2 チョロQも同様の措置がとられたようなのだが、トミカに比べて言及が少なく詳細は不明。

*3 屋根にある巨大なパラボラアンテナには、パナソニックのロゴが提供終了後も描かれており、リニューアル後も塗り直して残されていたが、JCBがスポンサー契約した2014年7月1日以降に消された。