STAR WARS スカイウォーカーの夜明け

登録日:2024/07/07 Sun 21:14:27
更新日:2025/04/23 Wed 20:00:51
所要時間:約 25 分で読めます







遠い昔、はるか彼方の銀河系で・・・・


STAR WARS
EPISODE Ⅸ
THE RISE OF SKYWALKER






2019年に公開された、スター・ウォーズシリーズのナンバリングタイトル9作目(スピンオフを含むと11作目)。
監督はJ・J・エイブラムス。
配給会社は引き続きウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ。
2015年のエピソードⅦ、2017年のエピソードⅧから連なる続三部作の最終作にして、2024年現在カノン(正史)の映像作品において時間軸の最後に位置する作品である。*1

●目次

【製作】

リレーのアンカー

異色作か問題作か、賛否(否寄り)はあれど世界に衝撃を与えた前作『最後のジェダイ』。
続く最終作である本作に求められるのは少なくとも、前作・前々作から散りばめられてきた謎や伏線などの要素をまとめ上げてハッピーエンドで大団円を迎えることである。
ご存知の通り続三部作は自由度を優先してリレー形式で制作されており、アンカーに挑むのは『ジュラシック・ワールド』などで知られるコリン・トレボロウ監督である……はずだった
ところがここで事件が起こる。


トレボロウ監督の降板である。


インタビュー等によると監督側と配給側で意見の相違があり、双方意見を譲らなかったのが原因であるとされているが、具体的にどのような相違があったのかまでは明かされていない。
代わりに前々作を担当したJ・J・エイブラムス監督が製作にあたり、設定の練り直しなどを行った上でようやく完成となった。
撮影中の設定変更なども多かったようで、後年エイブラムス監督はこの件について「計画性の重要さを知った」とも語っており、結果的に今作は公開する前からリレー形式の負の面が様々な形で顕れてしまうこととなった。
なお、スタッフロールにトレボロウ監督は「原案」としてクレジットされており、後に流出した没案と似た展開が(アレンジされてはいるものの)あったりと、本作に部分的に反映されている。


公開直前

トレイラーの公開とそれに伴うタイトルの発表によりいよいよ本作の公開は目前に迫っていた。
シリーズ最大の巨悪として馴染み深い皇帝パルパティーン…あるいはダース・シディアスの邪悪な笑い声で〆られるトレイラーは見た者に衝撃を与え、
本作以前の時系列におけるシディアスの暗躍にも触れたコミック『Rise of Kylo Ren』もほぼ同時に発刊される。
これ見よがしに本作と対となっているタイトルからも分かるように、このコミックはEP9の内容を踏まえて設定開示を行いつつもEP9のネタバレはほぼトレイラーの範囲内のみに抑えた、EP6.9と言えるポジションの作品であるため、本作と併せて読むことが強く推奨される。
(……のだが、2024年現在まだ邦訳されていない。大きい書店の洋書コーナーや通販で手に入るので、機会があれば英和辞書片手に。)

そうして遂に続三部作最後の作品は世に公開されることとなる。


続三部作を通しての評価など

結論から言えば、今作は前作で巻き起こった賛否両論を巻き返すには至らなかった。
その理由は端的に言ってしまえば、前作との繋がりが見出しづらい追加設定を重ねたことと、一部キャラクターの扱いであろう。
後者は後述するとして前者については、
主人公レイの正体などが顕著な例だが「EP7で出てきた疑問にEP8で意外な答えが与えられたかと思いきやそれが更にEP9で覆った」という要素が散見されるのである。この文面だけなら単なるミスリードだったで済むようにも思えるが、ここにきてリレー形式にしたことが足を引っ張ることとなる。
監督間での協議や共有が希薄だったことで後付けの設定となったために、EP8までに明かされたことのいくつかはミスリードであることがEP8時点でほとんど示唆されていない状態となったのである。(全く無いわけでもないが…)

ファンや観客が今作公開までの二年という歳月をEP8の要素から予想を巡らせながら待っていたところへ「前作のあれは間違いでした」となれば唐突感や違和感が生じてしまうのも無理のない話ではある。
黒幕が往年のファンには馴染み深いパルパティーンになったことも見方によってはEP8までに示してきた「新たなスターウォーズ」を貫ききれなかったとも取れる。デザイン面でも、個性的な新規メカニックを多く生み出した前作と比べると既存機体とほぼ変わらないシルエットのものが多い。
そういった方向転換から、最終的に今作に対してはEP8とはまた違った内容の賛否両論が寄せられる結果となった。
全世界興収は約10億7千万ドルを記録し、数字だけ見ればかなりの大ヒット作にはなるのだが、それでも前作比で約2.5億ドルを下回っており、前作の賛否両論が響いた事を窺わせる。

一方で、悪役であると同時に裏の主人公として活躍し続けたカイロ・レンの結末などを高く評価する声も多く、三部作の決着に相応しい見所が存在するのも確かである。
ストーリーの根底にある哲学も、スターウォーズ通してのテーマの一つである「親子の愛」「無私の愛」を主軸としつつも単なる焼き直しではなくまた次の答えを示すものとなっている。
更に終盤のある場面におけるファンサービスはスターウォーズシリーズ全体の集大成にもなっており、映画シリーズに加えてスピンオフ作品の要素も取り入れられている。あのキャラクターが意外な形で登場した事に驚いたファンも多いのではないだろうか。

また、エイブラムス監督がEP7とEP9の両方を担当したことで結果としてEP7での細かな構図や台詞回しが随所で今作とリンクしており後付けながらも伏線として機能するようになった演出も多い。今作まで視聴してから前二作を見直せば新たな発見もあるだろう。
EP7とEP9のリンクが強くなったため通して見直すとEP8の浮き方が目立つようになり、「EP8とはなんだったのか」という印象になってしまうのは内緒

先述の『Rise of Kylo Ren』などを筆頭に、続三部作に散見される唐突感や違和感を補うための設定開示・補完も後発のスピンオフなどで少しずつ進められている。
公開直後には賛否のあった新三部作もEP3をきっかけに再評価が進み、今ではファンを増やしてシリーズの重要なパーツとして受け入れられているのと同様に、続三部作もシリーズを支える柱の一つとして馴染んでいくことを期待しよう。


【ストーリー】

ディカー撤退・オエチの戦い・クレイトの戦いでの大敗から月日は流れ、レジスタンスはなんとか勢力を回復させて引き続きファースト・オーダーと戦っていた。
だがある時死者の口が開いた。
元銀河帝国皇帝、パルパティーンが突如宣戦布告したのである。
これにはレジスタンスのみならずファースト・オーダー側も動揺し、両勢力はその事実確認に奔走することとなる。
ファースト・オーダーを率いるカイロ・レンはいち早く(なんと冒頭5分で)パルパティーンの潜伏する惑星エクセゴルに辿り着き、パルパティーンの生存が事実であったことと彼の用意した恐怖の艦隊ファイナル・オーダーの存在を知る。
レイを殺すことを条件にファイナル・オーダーをレンに譲渡しようと提示するパルパティーンだったが、同じ頃レジスタンスもまたエクセゴルへの航路の特定およびパルパティーンの打倒を決意する。
レイはルークの手記を頼りにエクセゴル捜索を開始し、ファースト・オーダーもそれを妨害すべく動き出す。

フォースを通じて築き上げてきた互いへの共感と執着を、決裂した今もなお捨てきれぬレイとレン。そして偶然か否かそんな二人が潰し合うように仕向けるパルパティーン。
彼女らが再び対峙した時、銀河の運命は……?


物語の舞台

◆エイジャン・クロス
新登場。アウター・リムに位置するレジスタンスの新たな拠点。
設定では、帝国時代にオルデラン政府の調査隊が発見していたが反乱同盟軍の拠点候補とするため敢えて帝国に報告せず秘匿されていたという。
肥沃な森林が示すようにフォースの流れが強くジェダイの修行に適した星ともされており、レイのみならずエンドアの戦い翌年にルークとレイアも修行を行った場所である。

◆ムスタファー
EP3クライマックスで知られる火山の星。冒頭少しだけ登場。
過去作ではあまり描写されてこなかった森林地帯が描かれた。
今は亡きダース・ヴェイダーの居城があった星であり、ここでカイロ・レンがヴェイダーの遺産であるシスのウェイファインダーを見つけ出す。

◆エクセゴル
新登場。未知領域に存在する、古代のシスの要塞が存在する惑星。要塞は地下にあり、地表は薄暗い雷雲と殺風景な岩の大地に覆われている。
激しい磁気嵐や重力井戸に囲まれており無策で突っ込めば死は免れないが、シスのウェイファインダーのみがその隙間を縫う航路を示すという。
冒頭にレンがヴェイダーのウェイファインダーを用いて到達し、そこでクローン培養されているスノークらしき生命体や、ゾンビさながらの状態で生き延びていたパルパティーンを発見する。

◆パサーナ
新登場。かつてルークがシス・エターナル捜索のためある盟友と共に訪れた、エクスパンション・リージョンに存在するサバンナの星。
市街地は原住民アキ=アキ族の祭で賑わうが、そこから離れた砂漠には謎の船が長年放置されており…?

◆キジーミ
新登場。ミッド・リムに存在する岩山と雪の星。
アウトロー達の隠れ家が点在し、その中にはかつてポーが所属したスパイス・ランナーズも隠れ住んでいる。
とある事情から腕利きのドロイド技師を尋ねて一行が訪れる。

◆ケフ・バー
新登場。アウター・リムのエンドア星系に存在する海の衛星。
かつてデス・スターⅡが墜落した場所であり、現在も残骸が海に沈んでいる。

◆オク・トー
未知領域に位置する、最初のジェダイ寺院がある星。
前作に引き続き登場する。

【用語】

◆フォース・ダイアド
前作からレイとカイロ・レンに起こっている奇妙な現象の数々を始めとする、二人の間にある特別なフォースの繋がり(あるいは繋がっている二人自体)の正式名称。劇中ではだいたい略されて「ダイアド」と呼ばれる。
この関係にあるものは物理的には別個に存在するが、フォースの中にあっては一つの存在とされる。このためか一方の肉体が滅びても他方の内に存在できることを示唆する発言もあった。
これは生まれついての結びつきであり、フォースを開花させる前でも相手の闇落ちに呼応して寒気を感じる程度のことは起こるが、何のきっかけもなく自然に「自分と繋がっている誰かが存在する」と自覚するようなことはできない模様。また、第三者から察知する手段もおそらく(直接相対でもしない限り)ない。
フォース自体に万物を繋ぐ性質があり、ダイアドはそれの超強力版といったところ。
続三部作の根幹にある設定であり、後付け気味ではあるもののEP7中盤からその存在が示唆されている。
生命体同士の繋がりだけあってフォースの概念のうち「リビング・フォース(生けるフォース)」の要素が強い事象であり、その濃密な生命力は「命そのもの」とまで評される。扱いに成熟すればライトセーバーによる深手をも治癒させる規格外のフォース・ヒーリングを行使可能とする。
シス・エターナルの予言にもその存在が残されており、シス伝統の「二人の掟」は内輪揉めを防ぐ従来の目的に加えて、師弟でダイアドとなりその超常的な技業を手中に収めることも目標の一つにしていたとされる。
なお、これはレイとレンだけの現象なのか、それとも他にも自覚・無自覚問わずダイアドとなる者が存在するのかは不明(予言や伝承があるということは前例があるのかもしれないが)。

フォース・ボンド
ダイアドの起こす現象の一つ*2
フォースを通じて記憶や技術を共有することができ、時には物体の転移すらも可能とする。
前作では、レンの修行の下準備としてレンにレイへの執着を芽生えさせるべくスノークが事実上補助する形で発現させていたようだが、芽生えさせ過ぎてレンがレイの方を選んだのは前作の通り。
結果的にスノークの計略が二人の絆をむしろ後押ししてしまう形となり、今作ではスノークがおらずともレイもレンもある程度意図的にフォース・ボンドを起こせるようになっている。

◆シス・エターナル
エクセゴルを拠点とする、シスを信奉するカルト教団。
基本的に構成員は非フォース感応者だが、兵器開発や暗殺などでシスをサポートしており、長い年月をかけて最強の艦隊ファイナル・オーダーを作り上げていた。
一応ファースト・オーダーからすれば味方ということにはなっているが、それもあくまでレンがレイを始末したらという条件付きであるため厳密には突如現れた第三勢力と呼べる存在であり、そのことが中盤から終盤にかけて大きな意味を持ち始めることとなる。
なお、エクセゴル外にも銀河中にシンパがおり、新共和国の統治下では犯罪者集団と言って差し支えないファースト・オーダーやファイナル・オーダーに最新兵器が続々投入されているのは大手の造船企業内に潜むシス信奉者が子会社などを経由した裏ルートで技術を横流ししているためである。
いつからある組織なのかは明言されていないが、ダイアドと二人の掟の関係から察するにダース・ベインの時代から存在していても不自然はなく、後にコミックで描かれたEP4以前の帝国時代初期の時点でもかなり大規模な組織となっていた。
ちなみにジェダイを信奉する非フォース感応者の教団も存在しており、EP7冒頭で壊滅したジャクーの「フォースの教会」もその一つである。

◆スノーク
冒頭のエクセゴルのシーンで、スノークの正体はシス・エターナルの技術で培養された人造生命体であったことが明かされている。
掘り下げても今作の本筋にはあまり関係無いのでサラッと流されるが、エクセゴルの生命維持装置から離れられないパルパティーンの代理兼操り人形としてEP7以前からずっと暗躍していたようで、コミック『Rise of Kylo Ren』ではベン・ソロを闇へ誘導する一幕も描かれている。
また、後発のアニメ『バッドバッチ』やドラマ『マンダロリアン』ではクローン技術を悪用する帝国/帝国残党の姿が描かれており、そのオリジンが匂わされている。

◆ウェイファインダー
エクセゴルへの道を示すシスの工芸品。
「二人の掟」に従い、師匠用と弟子用の二つが存在する。
シディアス&ヴェイダー師弟がそれぞれ所有したまま斃れたため所在不明となっていたが、その在処の手がかりはシス・エターナルの構成員の所持品などに遺されている。どっちもノーヒントだろうと割と想像の付く場所にあるのはご愛嬌

◆シス・アサシンのオーチ
シス・エターナル所属の暗殺者であり、とある任務のためエクセゴル外で活動していた人物。任務終了後に帰還する手段としてウェイファインダーの在処を示すダガーを持っていた。
かつてルークはオーチの足跡を追ってパサーナを訪れたが、無人で放置された彼の船を見つけたのみでそれ以上の手掛かりを見つけられずエクセゴル捜索を断念。それまでの道筋を手記に残しており、それがレイ達の道標となる。
オーチが標的としていたのは果たして……?

◆アナキンのライトセーバー
前作にてレイとレンの壮絶な引き合いにより真っ二つに割れたが、破片は両方ともレイが回収しカイバー・クリスタルも無事であったため今作でも修理された状態で登場する。
デザイン面では、元の形状をベースにしつつも接合部分に修理の跡が加えられている。稼働年数もすごいことになっている

◆ファースト・オーダー
どの辺が「ファースト」なのか長らく疑問視されていたが、ファイナル・オーダーの登場によりその意味が暗に示される形となった。
前作でレジスタンスを完膚無きまでに叩きのめしたが、中核メンバーの一部を取り逃した上にこちらはこちらでスターキラー基地とスプレマシーという二大拠点を立て続けに失っており、設定では表舞台に出ずに控えていた「予備軍」を引っ張り出すことになったという。
最高指導者がカイロ・レンとなったことで運営方針も一新され、幹部複数人での評議会制が採用されている。
……が、方針を議論し合うというよりはレンの意図を各部署へ確実に伝えて遂行させる目的の方が大きいらしく、レンの意に反したことを言おうものなら即フォース・チョークで制裁される。ですよねー
シス由来の生命体であるスノークがシディアスの傀儡として最高指導者を務めていたことからも分かるように、パルパティーンはファースト・オーダーのことを自分の尖兵だと認識していたに等しいがファースト・オーダーからすればファイナル・オーダーは突然現れた第三勢力であるため、評議会ではファイナル・オーダーと組むことを不安視する者もいた。

◆レジスタンス
前作ラストの時点で本隊の保有戦力がミレニアム・ファルコンのみになるという大損害を被っていたが、ある程度の月日を経て今作開始時点ではそれなりの勢力まで復旧している。
各種スピンオフで明かされたところによると、ディカー撤退時に出払っていたメンバーの帰還や、各地の賛同者のもとを巡ることでなんとか戦力をかき集めたようだ。
最終作だけあって艦隊や戦闘機も歴代の様々な機体が姿を見せるが、一方で機種ごとの数はかなり少なく、豪華というよりはごちゃ混ぜな印象も受ける。
復旧の経緯からして、混合編成にしてでもとにかく戦力が欲しかったのだろう。

【登場人物】

主要人物

レイ(デイジー・リドリー/永宝千晶)
今のところ最後のジェダイ。
ルークの後を引き継いだレイアの指導のもと修行を続けており、着実に力を上げてポーと共にレジスタンスを引っ張っていく人物となっている。
一方で、剣を握るとすぐに荒々しさが顔を出してしまうことに悩んでおり、それが暗黒面の片鱗であることを分かりつつも、知られれば見捨てられてしまうのではないかという不安からレイアには打ち明けられずにいる。
孤児ゆえの「導いてくれる人物を失うこと(=孤独)への恐怖」は依然として克服できていないと言え、それらが解消されないままレジスタンスを牽引する立場となってますます苦悩を深めていくこととなる。
そして今作でついに何故孤児であったかが明かされるとともに、未だ克服せぬ弱点が原因で事態は悪化していくこととなる…。

カイロ・レン(アダム・ドライバー/津田健次郎)
ご存じ最高指導者となった男。
前作でスノークに「闇に憧れるだけの」「馬鹿げた」と、散々こき下ろされ自ら破壊したマスクを修理して改めて着用する姿には、憧憬ではなく自らの意志で闇を選んだ覚悟が見て取れる。
パルパティーンの提示した条件に従いレイの追討をファースト・オーダー全軍に命じる……が、それもあくまでも自身へのメリットを鑑みてであり、前作での発言通りシス自体は滅びても構わないと思っている。
根底ではレイへの共感と執着を引き続き抱えており、レイを暗黒面に引き込んでから共にパルパティーンを始末し銀河に秩序を齎すことを本当の目的としている。
当のレイが自身の暗黒面の片鱗に苛まれていることもあり、弱点であった光への未練もほとんど見せることなく終始優勢でレイを追い詰めていくが…?

レジスタンス陣営

○レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー/ビリー・ラード/高島雅羅)
ご存じレイア姫。
エンドアの戦いの翌年にルークから修行を受けていたことが判明する。
やはりと言うべきかその素質はルークに匹敵したらしく、修行が終わる頃には銀河最強を誇ったルークに模擬戦で勝つこともあったほどの腕前を身につけていた。
その後は再び議員の道を選んだようだが、政界に戻る際にライトセーバーをルークに預けており、以後使われることなく現在もオク=トーで保管されている。
長らく政治方面に注力しさらに寿命僅かとなった本作ではさすがに動き回れる体ではないが、レイの二人目の師匠として問題なく指導しており、かつてのジェダイの訓練とは毛色の違うジェダイの先人の声を聞く修行も取り入れている。
さらには見捨てられることを恐れて悩みを打ち明けられないレイの内心も全て見抜いた上で励ましの言葉をかけてから送り出すなど、武力を用いずとも銀河を救う手立てを打つ活躍ぶりは今作のMVPと言っても過言ではない。
なお、旧三部作から我らのプリンセスを演じてきたキャリー・フィッシャーがフォースの冥界へと旅立たれたため今作では既に撮影完了していたシーン、前作以前の没シーン、娘のビリー・ラードによる代役+CG処理……などを駆使して登場している。

○フィン(ジョン・ボイエガ/杉村憲司)
前作にて立場をコロコロ変えて逃げようとする悪癖を拭い去り、レジスタンスとして戦う決意を固めた元ストームトルーパー
レイに同行するのはEP7ぶりであり、お互いに様々な立場の変化があったが、レジスタンスの同僚ではなくあくまで一人の友としてレイに接し、様々な不安や重圧に晒される彼女の助けになろうと寄り添い続ける漢気を見せる。
しかしその思いも届かないほどにレイは追い詰められており、時には言葉で、時には行動で突き放され続けてしまう。
……悪い言い方をすれば(レイやレンと比べて)無力な人物として描かれてもおり、彼のファンのみならず演じたジョン・ボイエガ氏もその扱いに不満の声を残しているなど、(彼の人気の証でもあるが)その扱いはしばしば本作の問題点として挙げられる。

○ポー・ダメロン(オスカー・アイザック/小松史法)
レジスタンスのエースパイロット
レイアが一線から退いたのに伴い、事実上リーダーとして仲間達を率いる立場となった。
レイやフィンとたびたび口論になったりと組織を牽引する立場としての苦悩も増えており、レイアのように上手くやれているのか葛藤しながらも仲間を鼓舞し続ける。
また、レジスタンスに入る前はアウトローとの繋がりもあったらしく…?

ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル/島田敏)
前作でフォースと一体となった、レイの一人目の師匠。
実は21ABY(レイがジャクーに置き去りにされたのと同じ年)にシス・エターナルの存在を独自に突き止めて捜索しており、エクセゴルやウェイファインダーの存在も認知した上でオーチの足跡を追ってパサーナまで到達していたが、そこで次のヒントを得られず断念した。
ルークの旅路は死してなお道標としてレジスタンスを導き、その最後の一歩を完遂するべくレイ一行は奮闘する。

○ランド・カルリジアン
中の人ともども帰ってきた伊達男ギャンブラー。
かつてルークのエクセゴル捜索に同行しており、レイアの手配によりパサーナにて一行を導く。
さらに終盤では再びミレニアム・ファルコンの操縦桿を握り、援軍をかき集めるべくディープ・コア(銀河系の中心部)へと飛ぶ。

○チューバッカ(ヨーナス・スオタモ)
ご存じチューイ。
今作では、レン騎士団に拘束され中盤から暫し囚われの身となってしまう。

○ローズ・ティコ(ケリー・マリー・トラン/冠野智美)
レジスタンスの整備士。フィンともすっかり顔馴染みに。
今作では役職通り裏方を担当する場面が多いが、終盤の総攻撃では前線で戦う姿も見せる。
前作で散々批判の的になってしまった影響か、EP8ではメインキャラだったにも関わらず驚くほど出番がない

○BB-8
ご存じ続三部作の新型ドロイド。
今作では他のドロイドを充電する機能を披露。偶然見つけたD-Oを再起動する。

R2-D2
ご存じR2ユニット。
晴れて九部作皆勤賞を達成し、壊されることなく戦い抜いた。
言うまでもないが、九部作通した全ての物語を目の当たりにし記憶している生き証人は彼だけである。

○C-3PO(アンソニー・ダニエルズ/岩崎ひろし)
ご存じプロトコルドロイド。こちらも九部作皆勤賞となる。
なんと古代シスの言語をも翻訳できることが発覚。幼少期のアナキンがタトゥイーンで作ったことを思うと、当時の翻訳機能はこれがスタンダードだった*3か、後からアナキンがやばいカスタムをしたのかもしれない。
ただ、当時の規制により翻訳はできても発声してはならないようにプログラムされており、そのデータを取り出すため一時的とはいえ記憶をリセットされることに…。
とはいえ、彼が過去に一時的ではないガチの記憶消去を受けていることを知っている視聴者(とR2)からすると、本人の物悲しさとは裏腹にシュールでもあるシーンとなっている。
もちろんちゃんと元に戻った。

○D-O
BB-8が偶然発見し再起動した、小さい一輪車のような姿のドロイド。
かつてオーチの所有物だったようだが、かなり酷い扱いを受けていたらしく、レイ一行に対しても怯えた姿を見せる。
しかしオーチの任務についても多くを知っており…?

○テミン・"スナップ"・ウェクスリー
EP7に登場したレジスタンスのパイロットで、ポーとは長年任務を共にした盟友。
今作ではレイ一行のエクセゴル捜索の成果が芳しくないことへの焦りもしばしば見せる。

○ケイデル・コー・コニックス(ビリー・ラード)
何気に続三部作全てに登場しているレジスタンス中尉。
演じるビリー・ラードはキャリー・フィッシャーの娘であり、先述の通り今作では一部シーンのレイアと兼役となっている。

○アフタブ・アクバー
前作で戦死したアクバー提督の息子。
EP8とEP9の間を描くスピンオフコミック『去りし日の希望』にて先行登場している。
生涯現役を貫いた父とはほとんど会ったことが無かったが、故郷モン・カラの偉人としてその武勇は学んでおり、父の遺志に恥じぬ生き方をすべくレジスタンスに加わったという。
搭乗機もモン・カラマリにルーツを持つBウイングとなっている。

○マズ・カナタ(声:ルピタ・ニョンゴ/杉本ゆう)
ご存知海賊女王。前作では数秒の出番今作では命僅かとなったレイアのためエイジャン・クロスを訪れ、その最期の決意を見届けるべく付き添う。

○ナイン・ナン(マイク・クィン、声:キプサン・ロティッチ)
まさかの続三部作皆勤賞を果たしたサラスタンのエースパイロット。
元密輸人という経歴上、中型以上の船の扱いには一日の長があるということで、エクセゴルの戦いではCR90コルベットの操縦を担当。

○ゾーリ・ブリス
ポーがかつて属していたスパイス・ランナーズの現リーダー。
かつてポーとは息のあったコンビだったらしく、チームを抜けた彼に辛辣な態度を取るが、なんだかんだで手を貸してくれる。そんなわけで視聴者からは概ね元カノ扱いされている
彼女自身も優れたパイロットであり、Yウイングを操縦する。

○バブ・フリック
アンゼランという小柄な種族の、凄腕のドロイドスミス。後に『マンダロリアン』にも同族がドロイドスミスとして登場しており、アンゼラン自体が手先の器用な種族のようだ。
スパイス・ランナーズとは得意先の関係にあり、ポーとゾーリの依頼でC-3POにシス語の翻訳を喋らせる。

○ジャナ
ストームトルーパー第77軍団出身の女性脱走兵。従軍時代のコードはTZ-1719。
同僚たちと共に離反したのちケフ・バーに隠れ住んでおり、似た経歴を持つフィンと意気投合。
デス・スター2跡地の探索に先走ったレイの追跡と打倒ファイナル・オーダーに力を貸す。

○???


ファースト・オーダー陣営

●エンリク・プライド(リチャード・E・グラント)
先述の「予備軍」のトップである、帝国時代からのベテラン将校。
レンの意向によりハックスを上回る地位である「忠誠将軍」に任命され、ファースト・オーダー全軍を指揮できる立場に就いた。
……のだが、前二作で影も形も無かった(上にキャナディ艦長とキャラが被り気味である)ため、ポッと出のような印象を受ける視聴者も少なからずいる模様…。

アーミテイジ・ハックス(ドーナル・グリーソン/川本克彦)
前作にてレンとの最高指導者争いに敗れ、それどころか今作では軍のトップの地位もプライド将軍に取って代わられてしまった。
評議会での席次を見るに、地位も権力ももはや他の幹部と大差ないようだ。
散々な状況ながらもレジスタンスを苦しめ続けてきた手腕は健在であるが……?
詳しくは本人の項目へ

●レン騎士団
ここまでEP7のフォース・ヴィジョンでしか出番が無かったがようやく登場。
レンの部下として冷徹に任務を遂行する寡黙な武闘派集団で、全員がフォース感応能力を持つ暗黒面の使い手達。
ピカピカに清掃された艦内を泥まみれの靴で歩き回るなど組織の規律を平然と無視した振る舞いが目立つが、その実力と実績ゆえ咎められることはなく畏敬の対象となっている。
……と、ビジュアル面ではダークで強キャラ感溢れる集団に仕上がっているが、いざ完結してみれば寡黙すぎて台詞はほぼ無く肝心の戦闘シーンも少ないわで一部ファンからはネタキャラ集団扱いされている。まるでかつての[[ボバ・フェット]]…
その正体はルークの新生ジェダイ壊滅の際にレンと共に離反した賛同者ではない。
レン騎士団の正体や、ルークの語った「カイロ・レンと共に去った弟子達」についての真相は『Rise of Kylo Ren』にて先駆けて明かされており、今作終盤の展開もそれを踏まえたものとなっている。

ストームトルーパー
相変わらずわらわらと出てきては薙ぎ倒されるやられ役……かと思いきや、最新鋭のジェットパックを装備した部隊も登場。
パサーナにてレイ一行の中型スピーダーと壮大なチェイスを繰り広げ、最終的に相打ちの形ながらも撃墜に成功する活躍を見せた。……そのおかげで一行がヒントに辿り着いたのはご愛嬌。
彼らを見たレイ一行の一連のリアクション「They fly now!!(×3)」はミームとしても認知されている。確かに映画作品でトルーパーが飛ぶのは初めてだが、フィンの中の人からは「クローンウォーズやバトルフロント2から飛んでるんだけどな(要約)」とツッコまれたりしている

シス陣営

●シーヴ・パルパティーン/ダース・シディアス(イアン・マクダーミド/青森伸 + 浦山迅)
予告編で衝撃の復活を果たした皇帝。
クローンの肉体に魂を移すことで生き延びていたもののその復活は不完全なものであり、生命維持装置から動くことはできず肉体もところどころ朽ちていたりと、その様はホラー映画のゾンビさながら。
それでいてこの状態でもなおレイやレンを遥かに上回るフォースの力量を保持しており、想定外の事態が起ころうとも即座に軌道修正し自身の利とする手腕も健在。
その目的はシスが統べる真の帝国の再興であり、レンを傷付いた自身に代わるシスの後継者候補と見込んだ上でファイナル・オーダー譲渡の条件としてレイの始末を命じる。
EP6以降の動向などについては個別項目に詳しいのでそちらへ。

ソヴリン・プロテクターズ
言うなればシス・エターナル版ロイヤルガードであり、シス卿の身辺警護を務める。
ソヴリン(sovereign)は君主・主権者・帝王などを意味する名詞であり、帝国時代にはターキンの旗艦の名称にも使われている。レジェンズのスーパースターデストロイヤーや新共和国のコルベット船あと6代目エンタープライズ号など宇宙船の用例多し。

●シス・トルーパー
ファイナル・オーダー所属の赤いストームトルーパー。
視認性抜群の赤いアーマーはインパクト大。
でもやっぱりやられ役。

●???

【クリーチャー】

○ヴェクシス
パサーナの流砂の底のトンネルを巣とする大蛇。
警戒心が強く、トンネルからの脱出を試みる一行の前に立ち塞がったが、その警戒心の原因である怪我をレイに癒されたことで道を譲った。

【メカニック】

○ミレニアム・ファルコン
今は亡きハン・ソロの遺した魔改造船。
冒頭でポーとフィンが諜報のため乗り回しており、大幅にパワーアップしたTIEウィスパー部隊と壮絶なチェイスを繰り広げる。
なんとか帰還するもののかつてない勢いで燃えており、開幕早々シリアスな笑いを提供した。

T-70 Xウイング
BTA-NR2 Yウイング
RZ-2 Aウイング
○レジスタンス・Bウイング
○UT-60D Uウイング
九部作ラストにしてついに勢揃い。
Uウイング以外はどの機体も厳密には原型機ではなくこの時点における最新型となっておりデザインもブラッシュアップされている。
新型Bウイングの型番のみ不明。

○???

○CR90コルベット
ブローケット・ランナーでお馴染みの中型船。
ナイン・ナンが操縦する。

○/●WTK-85Aインターステラー・トランスポート「ベストーン・レガシー」
パサーナに放置されている、オーチの宇宙船。
ファースト・オーダーの追手を振り切ってミレニアム・ファルコンに戻るのは難しいと判断したレイ一行により再起動され、そのまま移動手段として使われる。
また、勘のいい視聴者ならばその外見に見覚えがあることだろう。

○???



●リサージェント級スター・デストロイヤー「ステッドファスト」
カイロ・レンの旗艦。スプレマシー撃沈後のファースト・オーダーの事実上の本拠地となっていおり、レンの不在時にはプライド将軍が指揮を取る。
レンの自室があったり、レイ一行に侵入されたりと、移動基地的な側面が強調されている。

●TIEウィスパー
更なる進化を遂げた最新型TIEファイター
TIE/sfの系譜にあたり、最大二人乗りなのも特徴。
シールドとハイパードライブに加えて、ウィスパー(囁く)の名の通りステルス機能が強化されている。
さらに前作にてメガ級ドレッドノートが搭載していたハイパースペース・トラッキング・ナビゲーションシステムの小型化に成功。搭載してあるそれを用いてハイパードライブで離脱した相手と同じ座標へ即座に飛んで追い続けることが可能となっている。
ミレニアム・ファルコンをどこまでもどこまでも追いかけてくる姿はもはや雑魚キャラのそれではなく、開幕から視聴者の度肝を抜いた。

●TIEウィスパー改造型インターセプター
TIEサイレンサーの後継機にして今作におけるカイロ・レン専用機
その名の通りTIEインターセプターの最新型とも言える機体であり、外見もTIEインターセプターを全体的に尖らせて黒と赤で彩ったような雰囲気となっている。
トレイラーでもクローズアップされていた、レイに猛スピードで突っ込んでくるシーンが印象的。
設定上のスペックはTIEシリーズ最強候補といって差し支えないが、性能と裏腹に平気で乗り捨てられては燃えカスになる(しかも2回)不遇の名機である。

●ジストン級スター・デストロイヤー
ファイナル・オーダーを構成する戦艦。
外見はインペリアル級そっくりだが、やや大型化し設備も最新鋭のものになっている他、艦底に装備されたアキシャル・スーパーレーザー*4は反応炉直結かつ装甲も薄い弱点となっている代わりに長時間照射により惑星を破壊できる程の威力を誇り、文字通りガチの「スター・デストロイヤー」と化した超兵器となっている。
エクセゴルの空を埋め尽くす1080隻のジストン級の姿は異様にして圧巻である。
一方でインペリアル級そっくりすぎてマンデーターIV級やメガ級のような新規メカニックを期待してた層からのウケはそこそこといったところ。
初期案の中には複数のスター・デストロイヤーがエネルギーを結合してスーパーレーザーを放つというものもあったとか。

●TIEダガー
シス・エターナルが開発したもう一つの最新型TIEシリーズであり、ジストン級の艦載機。
三角形のソーラーパネルを二重に重ねた翼が特徴で、表面積の拡大によるエネルギー効率の向上と厚さによる耐久度の強化が為されている。
TIEウィスパーと違ってハイパードライブは積んでいないが、代わりに高いエネルギー効率を活かしてより高火力な重レーザーを搭載しており、シールドを搭載した相手でも少ない手数で撃墜できるジストン級ともども脳筋火力重視の機体となっている。

○TIEスカウト
デス・スター2跡地に遺されていたかつての帝国軍の哨戒機。
帝国期の元祖TIEファイターとほぼほぼ同じ機体だが、ハイパードライブを搭載している。





THE SKYWALKER SAGA HAS ENDED――

THE STAR WARS SAGA STILL NOT END――
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最終更新:2025年04月23日 20:00

*1 非正史作品を含めれば、LEGOシリーズの『LEGOスターウォーズ・ホリデースペシャル』は本作以降の時系列となっている

*2 正確にはダイアドでなくとも発生する現象だが、規模は相手にビジョンを見せたり情報を一部引き出せる程度でダイアドが起こすそれとは比較にならない。

*3 そもそも「アナキンが作った」というが、正確には廃品として放置されていた3PO型のドロイドを有り合わせの部品で組みなおしたというのが正しい。原語データベースはその時点でアナキンと関係なく組み込まれていたはずである。

*4 ちなみにこの兵器自体はレジェンズからの復刻であり、エクリプス級の主砲として知られていたものである。