イングラムM10

登録日:2011/07/27(水) 22:16:34
更新日:2025/03/04 Tue 22:02:01
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カタログデータ
口径(装弾数) 9mm×19(32) or .45ACP(30/40)
銃身長 146mm
全長 296mm(ストック延長時548mm)
発射速度 1280発/m
発射形式 S/F
重量 2850g
製造 AAI社→SIONICE社→MAC社→マスターピースアームズ社、バルカンアーマメント社
ゴードン・B・イングラムにより1964年にAAI社で設計された短機関銃
設計後はSIONICE社で試作開発、MAC社に社名を変更したのちに本格的な生産が始まりMAC-10と呼称されるようになる。
しかし、MAC社の倒産後は設計者の名前からイングラムM10と呼ばれることもある。



○特徴
「特殊部隊用の小型短機関銃」というコンセプトで設計されたのでそれに見合った特徴がある。無論頭に「製作当時の」が付くが。

  • サプレッサーの装着
元々、装着することが前提で設計されたので銃口にはネジが切られている。というか無いと銃全体が小型な事も有り弾が散り易い。

  • フルオート射撃
発射速度が非常に高く、32連弾倉でも1.5秒ほどで撃ちつくしてしまう。
操作には習熟が必要だが、標的に大量の弾丸を撃ち込めるので殺傷能力は高く、また弾幕が貼り易いので少数対多数の状況などでは有利。

伸縮式かつワイヤーストックで全長の割にストックが長く軽い。

多くの部品をスチール板のプレス加工で形成しているので生産性が高く、構造も単純で頑丈である。



○運用
開発当時はこのクラスの短機関銃は殆どなく、アメリカ、イスラエル等の特殊部隊でも採用されていた。SWATやSEALSでも使用され、ベトナム戦争湾岸戦争に参戦した。
他にはブラジル、キューバ、イギリス等も採用している。

だが、精密射撃には向かず誤射も少なからず発生したもよう。
現在では精密射撃の得意なMP5がその役割を担っており本銃はこうした用途では使用されず、もっとも多いのは犯罪者やテロリストの使用だろうか。
安価で構造が単純となれば使わずにはいられないだろう、しかもこの銃は犯罪者やテロリストが好む”乱射”に適した部分が多いのだ。



○バリエーション
  • MAC-11(イングラムM11)
小型モデル。設計後すぐに社名が変更されたためこちらもMACと呼ばれる。内部構造と外見は同様だが、使用弾は.380ACP弾で発射速度は高速化されている。
市販品はセミオートだけだが、初期モデルは改造すればフルオートも可で、犯罪者御用達でもある。
ゴードンイングラム。

  • SWD M11/9(又はコブライ SMG)
MAC社倒産後に生産を引き継いだSWD社とコブライ社の製品。安定性と操作性を高める為、再設計を行い発射速度は落ちたが最も高性能と言われる。



○欠点
  • 連射速度が高い
銃のブレが激しく無駄弾が多くなり、頻繁に弾倉の交換が必要。
射手が意識して発射弾数を制御し辛い(あっという間に空になる)。

  • 小さく軽い
利点でもあるが、発砲の衝撃を抑える事が出来ずブレが大きくなる。
照門と照星の間隔も短く長距離になるほど狙いが定めにくい。

  • 単純な構造
ストックのガタが多い。SWD M11/9にはフォアグリップ替わりのストラップが付いているがお粗末。

精密射撃や射撃競技には向かないが、各社から発売されている改造キット次第ではMP5並の精度になるとも言われている。
しかし、軍や法執行機関では使われず民間用か犯罪用が主な用途。先の改造キットも、民間人が競技に使うために開発されたものである。
軍や法執行機関ならMP5やM93Rを使おう。



○登場作品
  • あぶない刑事…舘ひろし
  • マトリックス(一作目)…エイポック(ビル脱出時に使用)
  • バトル・ロワイアル…桐山和雄と七原秋也が使用
  • メタルギアソリッド…3、4、MPO、MPO+、PWに登場
  • バイオハザード…CODE:Veronicaにてクリスとスティーブが使用
  • 屍姫…主人公が発展型のM11を使用
  • コンドル
  • エル・マリアッチ
  • ニューヨーク1997…スネーク・プリスキン(カート・ラッセル)がスコープとサプレッサーが付いたM10を使用
  • パルプ・フィクション…ブッチ(ブルース・ウィリス)が使用。
  • トゥルーライズ…階段で落としてしまうが、暴発しながら転がり落ち、敵を攻撃するという神業
  • マックQ…主人公の刑事マック(ジョン・ウェイン)が使用。
  • バイオレント・サタデー…物語の終盤で、CIAの特殊工作員がサプレッサーモデルに加え、レーザーサイトが装着されたモデルを使用。

その他、ガンスミスキャッツ、NOIRCANAAN等に登場

  • うぽって!!で擬人化されたが漫画はラムちゃん、アニメはえむてんちゃんと名前が違う。
銃同様に凄まじい早口で喋るが、あっという間に弾切れを起こしてフリーズしたりする。
ちなみにトップヘビーなため、ものすごいロリ巨乳



○余談
.45ACP弾モデルのマガジンはM3グリースガンと互換性がある。

コロンビアやフィリピンでは選挙期間中に大活躍。

日本は今年の4月に神奈川で本銃を所持したキャバクラ店経営者が逮捕されている。

ちなみに生産社の殆どが倒産するなど曰わく付きの銃である。
これについて、「UZIとのニッチの競合を危惧したイスラエルが圧力をかけているのではないか」という「ユダヤ陰謀論」がまことしやかに囁かれている。
今は亡き月刊Gunにて、「そんな話が出るほど、イングラムは優秀だった」と、イングラムの評判の一例として紹介されたことがある。



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