谷山浩子

登録日:2011/03/14(月) 12:10:39
更新日:2024/03/21 Thu 21:23:48
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谷山浩子(たにやま ひろこ)

幻想的かつカオスな作風で知られるアーティスト。
本名は中西(なかにし)浩子。旦那さんは初恋の人という逸話持ち。
東京都杉並区高円寺生まれで、神奈川県横浜市で育つ。
独特で軽妙なトークや雰囲気を持つ人物で、ぬこ大好きさん。

概要

1972年、アルバム『静かでいいな〜谷山浩子15の世界〜』とシングル『銀河系はやっぱりまわってる』をリリースし、1度目のデビュー。
その後(正確にいつからかは曖昧だが)NHKの音楽番組『ステージ101』にレギュラーグループ「ヤング101」の一員として1974年3月の最終回まで出演。
現存する最終回映像では個人としてピックアップされることはなかったが、初代うたのおにいさんや太田裕美と共に踊っていた。
最もその後複数回行われた「ヤング101」復活イベントには参加していないが。

1974年5月、第7回ポプコンつま恋本選で『お早ようございますの帽子屋さん』が入選、翌年に現・ポニーキャニオンで2度目のデビューをした。
そして、1977年、『河のほとりに』で正式にデビュー。2000年にヤマハミュージックコミュニケーションズへと移籍する。

『みんなのうた』や『おかあさんといっしょ』などNHKの番組に提供した楽曲は有名で、音楽・小説共にメルヘンチックでファンタジーのような作風を持つ。
擬音語擬態語を使うことも多く、子供から大人まで楽しめる番組との相性も良い。
曲数自体はそこまで多くもないのだが、いずれもその独特のテイストが視聴者に強烈なインパクトを与えている。

しかし一方で、聴いた者を恐怖させる楽曲や、歌詞の意味が本気でわからない楽曲なども多数存在する。

他者への提供曲でも基本的にブレない。

自分を熱いまなざしで見つめる少年に恋をした人形が、魔女に人間にしてもらって彼に会いに行ったら、
人形の君が好きだったのに、人間なんて寒気がするよ
と拒絶されて失恋する

なんて歌をアイドル声優に提供するくらいブレない。
その為、通になると歌手が違っても歌の内容だけで谷山浩子だとすぐに気付く。


過去、NOVELAのギタリスト・平山照継と文通していた時期があった。
その頃に発表された楽曲「人形の家」のテイストはNOVELAのアルバム「聖域〜サンクチュアリ〜」の収録曲に非常に似ており、
また平山のソロアルバム「ノイの城」のコンセプトや世界観が谷山の楽曲に酷似しており、
お互いに影響を与え合っていた事が窺われる。

近年ではロックミュージシャンのROLLYと共作でアルバムを出したこともある。
曲自体は全て谷山浩子のもので、谷山浩子をベースにROLLYの要素が入り込むというもの。
ファンシーな曲の伴奏にエレキギターが入ったり、谷山浩子の曲をROLLYが歌ったり、「KARA-KURI-DOLL」ではROLLYが合いの手を入れたり…。
個性的なテイストの曲がさらに個性的なテイストに仕上がっている。

インターネットに強いことも知られており、パソコン通信の時代からPCに触れてきたらしい。
更にニコニコ動画に無断でアップされた楽曲には、敢えて野放しにすると言う対応を取り、プロモーション効果を狙っているらしい。
ニコニコの運営側にも動画を削除するなと頼み込む徹底ぶり。
豊崎愛生への楽曲提供を依頼されたときは、構想を練るためのデータが不足していたため、ニコ動を活用して豊崎愛生のことを調べたと言う。
また、プロデューサーの石井AQ氏と共にニコニコのヤマハミュージックチャンネルで公式生放送を行ったことも。

主な楽曲

  • 『まっくら森の歌』
谷山さんを代表する、幻想的で不思議な楽曲。85年8-9月放送。
しかし、みんなのうたで使用された映像や曲のトーンから、トラウマを持つ人もいるらしい。
アニヲタ的には如月千早によるカバーVer.も存在。

ニコ動に投稿された替え歌『なっとく森の歌』(なっとくP)は谷山さん本人も納得の仕上がり。
この『なっとく森の歌』、コンサートで谷山さんへのリクエスト権をじゃんけんで勝ち取った人がリクエストしたところ、
本来なら持ち歌以外は却下されるにもかかわらず、その人物が作成者のなっとくPと発覚したため、驚きと納得の上で弾き語りが披露され、
楽曲に映像をつけたDVD「うたのえほん」にボーナストラックとして収録されているので、公認どころか公式の勢いである。

ちなみに、みんなのうたで放送された曲は他に『恋するニワトリ』(85年2-3月)、『しっぽのきもち』(86年8-9月)、『おはようクレヨン』(87年6-7月)、『空のオカリナ』(96年2-3月)、『そっくりハウス』(02年10-11月)、『ピヨの恩返し』(15年2-3月)、『花さかニャンコ』(19年4-5月)、『きみがいるから』(22年4-5月)がある。
(『空のオカリナ』『ピヨの恩返し』の歌唱は岩男潤子
ファンシーで正統派な曲もあるが、途中から意味が分からなくなる曲も相変わらず多い。

  • 『まもるくん』
谷山さんのカオス曲といえばコレ、っていうくらいカオス。
だんだんと規模が大きくなる謎の存在「まもるくん」の正体を巡って、あらゆる議論がなされている。

  • 『ねこの森には帰れない』
無数の猫ソングの一つ。
アルバム名にもなった。
谷山さんらしく、童話のようにファンシーな歌。
でもどこか淋しい内容。
2012年にはROLLYとのコラボVer.も発表。

  • 『COTTON COLOR』
可愛らしい曲に、どこの国のものでもない言葉の羅列。
その裏に、戦慄の真意。

  • 『ガラスの巨人』
地球滅亡三部作の一つ。
少年が悲しみに捕われる様を、美しく、はかなく歌いこむ。
バージョンが違うものもある。

ちなみに、谷山さんが地球を滅ぼすのは別に珍しい事ではないが、
意図せず同様のコンセプトの三曲ができた事から名付けられた。
他の二曲は『穀物の雨が降る』『粉雪の日』。アルバム『水玉時間』のレコードB面はこの三曲から始まる。
小説「猫森集会」では滅んだ理由は
「穀物を詰め込まれての窒息死」「狂って巨大化したビルに踏み潰されて」「雪が降り続けたことによる凍死」
とそれぞれ語られている。

  • 『ハートのジャックが有罪であることの証拠の歌』
日本語崩壊。
一応、歌詞は独創ではなく「不思議の国のアリス」の作中で出てくる詩の日本語訳。
元の詩からしてナンセンスなものなので、この歌もカオスなわけ。
といってもやっぱり翻訳センスは独特。
興味がある人は原文と歌詞を調べてみよう。日本語の代名詞の多彩さを感じられるだろう。
ちなみに、谷山さんは他にもアリスの劇中詩やアリスモチーフの歌を多く出していて、
この歌が収録された『月光シアター』には他にもアリスをモチーフにした歌が収録されている。

  • 『朝ごはんの歌』
ジブリ映画『コクリコ坂から』の挿入歌。歌は手嶌葵。
リズム良く軽快感のある雰囲気と擬音擬態語の多用が特徴。
作詞は宮崎吾朗との共作名義だが、全体的に谷山浩子らしさが溢れている。
宮崎吾朗のジブリ映画では『ゲド戦記』の頃から手嶌葵が歌う曲を多数、作曲している。

  • 『KARA-KURI DOLL』
豊崎愛生への提供曲。
時計の中のからくりドールは毎日自分を熱い眼差しで見てくる少年に恋をしていた。
といういかにもメルヘンチックな歌。
…だが、最後は魔女の力を借り、二度と人形には戻れないという代償を払ってまで人間になって彼に会いに行くと、「人間なんて寒気がするよ」と言われてしまい、人間として生きる意味を一瞬で失ってしまう。
それでも豊崎愛生版はまだ「甘く切ない」という仕上がりで、谷山氏本人のセルフカバー版『KARA-KURI DOLL 〜Wendy Dewのありふれた失恋〜』では徹頭徹尾寂しげな伴奏となり、最後にはガラスの割れる効果音が入るという完全なホラー仕様。
ROLLYらとコラボした「からくり人形楽団」*1バージョンでは伴奏こそ相変わらず寂しげだが、ROLLYが間奏のところでお茶目な合いの手やフランス小話を挟むため、全く異なる印象を受けるだろう。

  • 『無限マトリョーシカ』
上坂すみれの楽曲で、谷山浩子が歌詞のみ提供。
似たようなフレーズを繰り返す、恒例の言葉遊びが入っている一方、上坂すみれの曲らしくテンポは早め。
上坂すみれの楽曲を谷山浩子が提供というのもなかなかレアな組み合わせだが、谷山浩子によるセルフカバー版は編曲と伴奏・コーラスを「からくり人形楽団」の4名が手掛けており、こちらもこちらで貴重。



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最終更新:2024年03月21日 21:23

*1 谷山浩子に加え、THE 卍のROLLY、佐藤研二、高橋ロジャー和久、谷山浩子のプロデューサ石井AQによって構成されるユニット