替え歌

登録日:2011/10/29 Sat 01:45:03
更新日:2025/04/29 Tue 10:42:53
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替え歌とは、ある曲のメロディーは変えないで歌詞だけ改造したもの。

大きく分けて、

  • 元歌詞の一部の言葉だけ違う言葉に置き換える。
  • 元歌詞を無視してメロディーだけを考慮し完全に1から作詞する。

の2通りがあるが、前者のほうがメジャーと思われる。
と言うか後者はもはやプロの域なのでここでは扱わない(ヨドバシカメラのテーマソング等一部の洋楽カバー曲が後者の好例)。

要はその曲の言葉回しや雰囲気を維持したまま、意味だけ全く別のものに変えればいいというわけ
言葉を置き換える際は、なるべく響きが似ている言葉をセレクトできると望ましい。

(例)

粉雪舞う季節は いつもすれ違い

春厨舞う季節は いつもスレ違い

この場合、「舞う」という動詞に対応する「粉雪」を字数が同じである「春厨」に置き換えることで、元の歌詞のイメージ。

を壊すことなく自然に意味が変わっている。
「すれ違い」と「スレ違い」に至っては同音異義語


歌詞を変えるパターンとしては、

  • ポジティブな歌詞→超ネガティブな歌詞(曲調とのギャップを楽しむ)
  • あるあるネタ
  • 愚痴
  • 時事問題の風刺
  • 漫画やゲームのパロディ
  • ハゲをいじったネタ
  • 暗記事項を凝縮させたもの
  • ダジャレ
  • 応援歌

等豊富。

替え歌製作が流行しやすい時期としては、語彙が増え、授業中の暇潰しを欲し、皆と共通の音楽を聴くことの多い中学~高校頃だろうか。
ただし小学生も替え歌が大好きだったり、社会人を中心に替え歌を披露する替え歌選手権なんかも存在したりする。


因みにカラオケで替え歌を披露すると盛り上がりにくいので推奨しない。
(元曲を知らない、歌詞が聞き取れない、面白くない、そもそも人の歌は聞いてない等)


■有名な替え歌(文字数及び近年のルールの関係上、全歌詞を知りたかったらggrks。)
  • 嘉門達夫替え歌メドレーシリーズ
1991に第1弾が発売されて以来、2014年まで関連作品が発売され続けた、替え歌界のお御所。
1992年には替え歌メドレーで紅白出場も果たしている。
因みに権利関係はしっかりさせているとのことで、CDに収録された分に関しては権利者(作曲者・作詞者・歌唱者)は当然のことながら
歌詞に出てくる固有名詞(人名や施設など)にも許可を取っているとのこと。*1

有名な「ド・ド・ドリフの大爆笑」で始まる2代目オープニングテーマは戦時歌謡曲『隣組』の替え歌。
また「夜だ8時だドリフの時間」で始まる初代オープニングテーマは軍歌『月月火水木金金』の替え歌。

  • サザえさんの替え歌
サザエさんのOPをパロったもの。
「戦争しようと町まで出かけたが~」のフレーズで全国的に有名だが、地域によって細かい部分は異なる。
タラちゃんが箪笥の下敷きになり死ぬという歌詞もある。

  • 七つの子の替え歌
8時だョ!全員集合』で、志村けんがパロったもの。
「カラス~なぜ泣くの~カラスの勝手でしょ~」のフレーズで全国的に有名だが、PTAからの苦情が殺到した。放送を自粛したら番組を楽しみに見ている子供の親からの苦情が殺到した。

明かりをつけましょ爆弾に~」等、楽しいはずの雛祭りが一転してお葬式に。

  • 騎手の名前を覚えられる替え歌
元お笑い芸人の重政豊の持ちネタで、大塚愛のさくらんぼやmihimaru GTの気分上々↑↑などの歌詞を競馬の騎手に置き換えたもの。さくらんぼの替え歌では江田照男が何度も登場する。
なお重政は競馬サークルとも親交があり、松岡正海の結婚式で持ちネタを披露した他、後藤浩輝からは「何度も歌ってるのに、歌が下手なまま」とチクリ。

  • ジャスコで逢いましょう
かつてイオングループの総合スーパーだった『ジャスコ』の店内放送などで流されていた『ジャスコで逢いましょう』の替え歌で、大まかな流れはジャスコで万引き食い逃げ→逮捕。
地方ごとに(ジャスコ以外の)店舗が異なり*2、無駄に地域色が豊か。逆に言うと、この歌が流れていた頃にジャスコが無かった地域では元歌自体の知名度が低い。
死語臭いのは内緒。
また、この歌に関しては聴取媒体が店舗内スピーカー故の音質の悪さから空耳起因の替え歌も存在している。
こちらは、1番に出てくる「隣の奥さんがいそいそと出かける」内容の歌詞のうち「隣の奥さん→隣のおっさん」、「いそいそ→ひそひそ」と聞き間違えられた結果生まれたもので、明らかに不審者の歌詞になってしまっている。

  • ギザギザハートの子守唄の替え歌
「ちっちゃな頃から悪ガキで…」で始まるチェッカーズのヒット曲。
ドラマ『うちの子にかぎって…』や吉本新喜劇の池乃めだかなどが替え歌を発表している。
ちなみに元の歌詞が七五調で書かれているため、ギザギザハートの子守唄の歌詞を同じ七五調で歌詞が書かれている八代亜紀の『舟歌』のメロディーに押し込むことも出来る。あと、まんが日本昔ばなしオープニングテーマも歌詞が七五調なのでそれぞれの歌詞を入れ替えて歌える事が可能で、トリビアの泉で取り上げられた事がある。

  • ずっとウソだった
斉藤和義の「ずっと好きだった」セルフカバーならぬセルフ替え歌。
東日本大震災発生後の福島第一原発を風刺した歌だが、本人がYouTubeに挙げたにも関わらずレコード会社が削除したことがちょっとした話題に。

  • DAN DAN所得引かれてく
ドラゴンボールGT OPテーマFIELD OF VIEWの『DAN DAN 心魅かれてく』の替え歌。
2018年3月、Twitterに投稿されたある人のツイートが発端。このツイートにどんどん替え歌のリプライが続き、どれも多くのリツイートが為され、ついには元FIELD OF VIEWボーカルの浅岡雄也氏の知るところになり
ちょっと待てww普通に歌ってくれさい(゚∀゚)
と反応。1000RTを越えたらこの替え歌で歌うともツイートした。

  • これが本当のゴルフだ!!
吉幾三の俺ら東京さ行ぐだの替え歌。歌っているのは吉幾三本人。
ゴルフが下手な人を主人公に据え、ゴルフを辞めた後は土地を買って庭師になる。トラックを買って山から砂を運ぶ。居酒屋でパーッとやるの3つが示されている。

  • 誤解だらけ
堀江淳の『メモリーグラス』の替え歌。歌っているのは堀江淳本人。
所謂一発屋として知られており、「死亡説」だの「海外移住説」だのといった世の中の誤解を解くための歌。
『水割りが苦手で~』という原曲を全否定するような歌い出しは圧巻。

  • 兄と疎遠
兄弟デュオ狩人の代表曲『あずさ2号』の替え歌。歌っているのは狩人の片方(弟)加藤高道。
狩人は不仲説が度々囁かれており、この曲はその不仲説を面白おかしく歌ったもの。

  • ハゲのメモリー
松崎しげるの『愛のメモリー』の替え歌。歌っているのはオリジナルと同じ。
ネタ方面全振りの替え歌ながらきちんと全力で歌っている。

  • ビビる水木
アニメ『バビル二世』のテーマ曲の替え歌。替え歌のタイトルの通り、歌ってるのはオリジナル歌手であるアニキこと水木一郎
水木家は恐妻家である為、アニキは家で居場所がなく「今日こそは家に帰って家長の位を守る」という決意を示した歌なのだが、そこで出てくる3つの誓いがツッコミどころ満載なのがポイント。

  • モジリアン
葛城ユキの『ボヘミアン』の替え歌。歌っているのは葛城ユキ本人。
自身のヒット曲である『ボヘミアン』絡みのイジリを自虐した内容だが、エピソードの1つ1つを聴くとかなり失礼な目に遭っている内容となっている。

  • 自衛隊に入ろう
フォークソング『アンドーラ』の替え歌。歌っているのは高田渡。
自衛隊を皮肉った風刺ソングなのだが、防衛庁からPRソングとして使ってくれないかという打診が来たという。

激走戦隊カーレンジャーの劇中で使われたOP曲の替え歌。歌っている人はオリジナルと同じ。
歌詞の内容は愛と正義の激走戦隊と間逆で小物臭い悪のロマンを歌う。
2番まであったり、間奏で交通事故の音響効果が付いていたり、無駄に徹底されている。
公式が病気である。

R-18漫画くそみそテクニックをモチーフにした月島きらりの『バラライカ』の替え歌。
2007年頃から某動画サイトで流行り始めた。
ある時はこれの踊ってみたを学校祭で披露する猛者も現れる始末。

  • ぶっちぎりにしてあげる♪
初音ミク黎明期の名曲『みくみくにしてあげる♪』の替え歌。
ただ替え歌にするだけでなく、楽曲自体もユーロビート風にアレンジされている。
歌唱は鏡音リンで、内容はというと彼女がロードローラーに乗ってぶっちぎって峠を攻めるというもの。
そしてこの曲が鏡音リンオリジナル曲、並びにVOCALOIDが歌唱している替え歌として初のVOCALOID伝説入り曲*3である。

  • 鬼のパンツ
鬼のパンツの頑丈さを歌った童謡。元はイタリアのヴェスヴィオ山登山鉄道のPRソング『フニクリ・フニクラ』
なおフニクリ・フニクラは元がPRソングだからか、日本国内でもCMソングとして使われることが多い。
因みに作詞したのは初代うたのおにいさんの田中星児という説がある。当人は2番の歌詞を作った事は認めている*4が1番の作詞者は不詳の為部分的には正しい模様。因みに田中がうたのおにいさんを務めていた『おかあさんといっしょ』では、1番を2回繰り返して歌う構成にしており、作詞作曲者名なしで放送されている。

アニメ『みどりのマキバオー』OPテーマの『走れマキバオー』が有名。この他にはアニメ・ゲーム『ウマ娘プリティーダービー』CMソングの『走れウマ娘』がある。

  • やめてよして触らないで垢が付くから、アンタなんか嫌いよ顔も見たくない
小学生なら一回は歌ったであろう伝説の替え歌。『ビビデバビデブー』の曲に合わせて歌う。地方によって歌詞が違うらしい。

  • 日本全国酒飲み音頭
『ビビデバビデブー』の替え歌。留学生が日本の行事を覚えるために歌い継がれていた曲を元にメロディーの書き換えと補作詞したもの。

ゆうがたクインテットで放送された『鉄道唱歌』の替え歌。鉄道唱歌のメロディーに乗せて山手線の駅名を歌う。山手線の駅名を覚えたい人の強ーい味方。
番組では、東京→神田→秋葉原の順に上野方面に向かって順に進む内回りバージョンがよく放送されていたが、東京→有楽町→新橋の順に品川方面に向けて進む外回りバージョンも存在するので「歌と逆に進むんだけど…」なんて心配も無用な仕様だった。
しかし初出が2003年なので、2020年の高輪ゲートウェイ駅開業後は一駅欠けてしまうという欠点が生じてしまい、このままでは使えない替え歌になる…と思われていた。しかし、同系統番組の後継シリーズである「コレナンデ商会」で復活した際に半ば強引にねじ込む形で同駅を含ませたバージョンが放送されており、一応欠点は解消されている。

70年代終わりの広島で発祥した文化で、これが80年代に各チームの応援団に伝播すると多くの曲が替え歌され応援歌として使われた。
しかし90年代半ばになると、権利的な絡みもあってか個人曲はメロディーを1から作ることが多くなり、替え歌の個人曲は千葉ロッテマリーンズ以外ではほぼ消滅状態(ロッテ以外でもあることにはある)。

しかしチャンステーマについては阪神中日オリックスなどオリジナル曲をメインに据えている球団もあるが、現在でも替え歌が多め。
中にはゲームミュージックを応援歌にアレンジしていたりする。むしろアレンジbgmに近いか。
有名なやつだと月面BGM、クーのテーマ戦っちゃいますか?など。ドラクエ3は高校野球で使われている。

  • にんげんっていいな の替え歌
深夜ラジオ「伊集院光・深夜の馬鹿力」のコーナー「青春時代クソミュージックボックス」に投稿された替え歌。
その中で特に有名なもの。
他には公式がはっちゃけた替え歌なども…

  • 愛國戦隊大日本のテーマ
後にガイナックスを起こす事となるメンバーがアマチュア時代に製作した自主製作映画のOPテーマ。
太陽戦隊サンバルカンの替え歌となっている。 


2chで有名な替え歌(文字数の関係上ry)
  • VIPSTAR
VIP全盛期に作られたPOPSTARの替え歌。
内容は「それなんてエロゲ」「ブーンをさせてあげよう」等いかにもVIPらしい。
平井堅そっくりの声質を持つkobaryuのおかげで一躍有名に。
フレーズごとに当てはめてある分、通して歌うとさっぱり意味不明な歌詞になってしまうのはご愛嬌。

  • キューティーハニート
  • らいおんニート
どちらも2chにてレスの連携によって誕生した。
元ネタは前者がキューティーハニー、後者はらいおんハート。
キューティーハニートは「お願いー お願いー 親死なないでー」の部分が有名。

  • 耐震アミーゴ
2005年に起きた耐震偽造の風刺。
元ネタは青春アミーゴ

  • 残酷なニートのテーゼ
元ネタは残酷な天使のテーゼ。ニートの生活と不安が凝縮されている。

  • 檄! ニュー速VIP団
元ネタは檄!帝国華撃団。ネットで暴れまわるVIPPERの姿を描いている。

  • 韓国F5団
元ネタは↑と一緒。日本にF5攻撃して捕まった韓国人学生グループの歌。

  • 彼女をください
けいおん!の『翼をください』の替え歌。声がイケメン(笑)


とある声優が歌った有名な替え歌
  • 新婚だってどうなんだ!!
元ネタは神魂合体ゴーダンナー!!。嫁が出かけた刹那の時間、夫の悲しい頑張り。

  • めざせTENGA一
元ネタはめざせ天下一。オナホを掴み取りたいガチムチ達の戦い。


■即興替え歌
ガキ使の笑ってはいけないシリーズでも『地球防衛軍』から『名探偵』まで昼食メニューを賭けて出演者が即興で食べ物を讃える替え歌を歌うコーナーがある。『熱血教師』では即興俳句だった。
その年によってアニソンやら童謡やらテーマが変わるが、イントロ部分で指定された食べ物について歌わなければならない。
メロディや歌詞をとちっても詰まったりしなければそのまま続行する。
噛んだり歌詞をとちった場合テロップがそのまま反映され出演者と別の角度から視聴者の腹筋を襲う。


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最終更新:2025年04月29日 10:42

*1 逆に、その辺の問題がクリアされなかった曲は、製作はされてもリリースされていないとのこと

*2 例えば「ジャスコで万引き」の後に「ニチイ(後のサティ)」で食い逃げして捕まるのはダイエーと、店舗をはしごしているパターンなどがある。余談だがこのバージョンで取り上げた店は(ダイエーが辛うじてブランドを保持してはいるが)軒並み「イオン」と化している。

*3 ニコニコ動画において100万再生を達成したボカロ曲に与えられる称号。

*4 当時のレコードなどでも「2番補作詞」等の肩書で記載されている。