お注射天使リリー

登録日:2011/04/10 Sun 20:59:46
更新日:2025/03/28 Fri 12:36:34
所要時間:約 4 分で読めます





遊戯王OCGに登場するカード。
非常にロr……もとい可愛らしいイラストであり、小学生とかだとこれを使うだけで変態扱いされることもあるとか。


概要

効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻 400/守1500
(1):このカードが戦闘を行うそのダメージ計算時に1度、2000LPを払って発動できる。
このカードの攻撃力はダメージ計算時のみ3000アップする。

攻撃力400と貧弱だが、2000ライフポイントと引き換えに攻撃力3400の状態で戦闘を行うことが可能。
☆3のくせにあの《青眼の白龍》をもなぎ倒し、ダイレクトアタックに成功すれば初期ライフの半分近くを奪うことが出来る。
イラストの割に非常にぶっ飛んだカードであり、ハイリスクハイリターンな一枚である。

素のステータスが貧弱なのも利点で、豊富なサーチ手段からリリース無しで召喚し、ロックをすり抜けて攻撃するなどの活躍を見せる。
また効果処理の順番ではあのガチムチ天使の効果を使われても攻撃力を400アップされるだけにすることができる。
地属性・魔法使い族とサポート手段も豊富で、ライフと引き換えにアドバンテージを取りやすいアタッカーとして優秀な一枚だった。
さすがはかつて禁止カードに指定されたほどのパワーカードだけある。

攻撃力と効果のインフレが進みゲームスピードが異常に速くなった今となってはわざわざ召喚権とライフコスト払ってまで打点のみのアタッカーを用意する意義が薄れつつある。
ただ、《大天使クリスティア》《サモンリミッター》等の特殊召喚メタカードや元々の攻撃力によってロックをかける《平和の使者》に縛られず打点を確保できる利点ともいえる。
《地獄の暴走召喚》や《Ai打ち》、《進化する人類》といったサポートカードで素のステータスの低さやライフコストを逆手に取ることも可能。

特に膨大なライフゲインが見込める【キュアバーン】においては強力なアタッカーになりうる。
また【霊使い】でも《憑依解放》に対応するアタッカーということで活躍の余地がある。
イメージ的にもオイシイので是非採用したい。

ライフコストを使用するため、《DNA改造手術》でサイキック族を指定、さらに効果使用の際は《脳開発研究所》を用いることでライフコストを払わずに効果を使うことができる。

さらに、《脳開発研究所》がフィールドを離れた際に自分が受けるダメージはカウンターの数×1000。このカードのライフコストは一回につき2000なので、1000ポイント分お得だったりする。



アニメ

……とまあ長々と説明したが、こいつはむしろアニメでの活躍が有名。

DMのアニメオリジナルエピソード「乃亜編」にてBIG5の一人・大門が使用するのだが、

攻撃宣言の度に

プレイヤー「検診のお時間だ!!
リリー「お注射よ♪

とかいうやりとりをする。

この一連のシーンは遊戯王の中でも特にシュールな場面として名高く、特に108話・109話では彼のデッキマスターである《人造人間-サイコ・ショッカー》の状態で宣言するためなおさら不気味である。
(ついでに中の人はいい年こいたおっさんである)


112話では本田の格好で宣言するあたり幾分かマシだが(ある意味もっと嫌だが)このやりとりの後に「アフターフォローも万全だ!」とか言っちゃうので総合的な破壊力は上がっている。


さらにさらに映画でも地味に登場。
エキストラ的な活躍だが、今度はゴツい男性に愛用されている。

相変わらず「いけぇ、リリーちゃん!検診のお時間だ!!」とか言う。もうやめて!とっくに私達の腹筋のライフは0よ!!

ちなみにこの時は先攻1ターン目にダイレクトアタックという極悪な使われ方をしている(決闘の描写が省略されたためおそらく単なる演出)。
なお対戦相手の城之内はこの俺ルールによりケツを刺されたが、どうやらそこから勝利したらしい。
その後もモブ相手に連戦連勝するという凡骨の貴重な無双シーンである。

KC編でもレベッカに使われている(「検診(ry」は健在)が、あまり目立たない。
たぶん違和感が薄いからだと思う。
ちなみにたまに「検診のお時間」ではなく「診察のお時間」になる。どうでもいいけど

ラッシュデュエル

遊戯王ラッシュデュエルにおいては、2024年11月に発売された「灼熱のサラマンデウス」にてお注射リリーもラッシュデュエルに参戦した。

《お注射天使リリー》
効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻 400/守1500
【条件】2000LPを払って発動できる。
【効果】このカードの攻撃力はターン終了時まで3000アップする。

効果はOCGとだいたい同じだが、ラッシュデュエルにはダメージ計算に関するあれこれが存在していないため、効果の持続時間が長くなっている。
全体的にインフレが抑え気味なラッシュデュエルにおいて、リリースなしでいきなり3400打点が飛んでくるのは中々の脅威。

とはいえ効果はターン終了時までしか持続しないので、次の相手ターンでは低い攻撃力を晒してしまうのは注意しなければならない。

さらにラッシュデュエルでは「地属性・攻撃力400・守備力1500」というリリーと同じステータスをサポートするカードが登場している。

《アニマル・ドクター リリー》
効果モンスター
星3/地属性/獣戦士族/攻 400/守1500
【条件】このカードを召喚したターンに、500LPを払って発動できる。
【効果】自分の墓地のモンスター(地属性/攻撃力400/守備力1500)1体を選び、
自分フィールドに表側表示で特殊召喚する。
その後、自分フィールドの表側表示モンスター1体を選んで
その攻撃力を次の相手ターン終了時まで1000アップできる。
ナースから獣医に転職したリリー。
500のライフコストを支払うことでリリーと同じステータスのモンスターを特殊召喚できる。
しかもその後フィールドのモンスター1体をパンプアップする追加効果まで。
ずっと思ってたけどなんで医療関連のモンスターがこんなに殺意に溢れてるんだ……?

《リリーの注射器》
通常魔法
【条件】相手フィールドにモンスターがいる場合に発動できる。
【効果】自分の墓地のモンスター(地属性/攻撃力400/守備力1500)1体を選んで手札に加える。
さらにこのターン、自分が「お注射天使リリー」の効果を発動する場合、
効果の条件で払うLPを100にできる。
リリーが持ってるクソデカ注射器。こんな見た目だが装備魔法ではない。
リリーをサルベージする効果に加え、リリーが効果を発動する際のライフコストを100にするというラッシュデュエルでも中々珍しい効果を持っている。《お注射天使リリー》名称であれば対象は問わないのでリリーを複数並べればその全員が恩恵を受けられる。

相手フィールドにモンスターがいないと使用できないため、うっかり発動前に除去してしまわないように注意。発動後に除去するぶんには問題ない

《天使のお注射》
罠カード
【条件】相手ターンに相手がドローした時、
または相手がモンスターを召喚した時に発動できる。
【効果】自分フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る。
その後、自分の墓地にモンスター(地属性/攻撃力400/守備力1500)がいる場合、
相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる
単体では自分フィールドのモンスターを除去するだけのデメリットカードだが、墓地にリリーと同じステータスのモンスターがいると妨害効果を発揮できる。
攻撃した次のターンで元の攻撃力に戻ったリリーを除去しつつ妨害するカード。


余談

「お注射天使」なのに地属性かつ魔法使い族という矛盾した設定は「本業(勿論ナース)をサボりまくったせいで天界から追放されたから」らしい。
最近心療内科兼チューナーという就職先を見つけて「メンタルカウンセラー リリー」となった。しかし、以前のリリーたんのが良かったという紳士諸君の声は数知れず。
また「『お注射天使』なのに心療内科とはこれ如何に」という声もあるが、
これに冠しては同じく「精神」を意味する語を名に冠した某サイコハゲを意識したのではとも言われている。*1

因みに彼女の背景や服には現在ではハートマークがついてるが、初期版では赤十字マークだった。
ただしこの赤十字は本来ジュネーヴ条約によって衛生兵のみが使用を許可されており日本国内で使用されているのも
日本赤十字社が許可を与えたためでありこれ自体もかなり特殊な例である。

赤十字は2度のノーレアでの収録とBEGINNER'S EDITIONで再録されたある時期までは赤十字であったが
ある日を境にハートマークへと変更され以後はハート版での収録となっている。
このためBEGINNER'S EDITIONでは赤十字版とハート版2種類のウルトラレア仕様のリリーが存在している。

赤十字版は自主規制している例とは異なり今後も登場することはほぼないので赤十字版を持っている人は大切にしよう!

なお、リリーは元々はPS2専用ゲームソフト『継承されし記憶』で初登場したゲームオリジナルカードだったのだが、そちらではレベルや属性、種族に攻守こそOCGのものと同じであるが、効果については
このカードが表側守備表示で存在する限り、自分のターンが来る度にLPが50回復する。
というOCGとは効果の派手さも方向性も真逆そのものなものになっている。
なお、件のゲームでは『場に出したモンスターはチェスのように1マスずつ進めて攻撃対象に隣接しないとバトルを行えない』『任意のモンスターを破壊する効果を持つカードがないに等しい』という仕様になっているので、工夫して場に出せばそう簡単には破壊されない。とは言っても回復量が雀の涙過ぎるが……

追記・修正のお時間だああああああああ!!

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最終更新:2025年03月28日 12:36

*1 ちなみにこのカードは英語版が初出なのだが、そちらでは「カウンセラー リリー」という名前だった。つまり日本版は意図的に「メンタル」という語を付け足したわけで、この説を前提とすると何かしらの作為を感じなくも無い。