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お注射天使リリー(遊戯王OCG)

登録日:2011/04/10 Sun 20:59:46
更新日:2026/07/27 Mon 09:49:20
所要時間:約 4 分で読めます





《お注射天使リリー》とは、『遊戯王OCG』に存在するカード。

《お注射天使リリー/Injection Fairy Lily》

効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻 400/守1500
(1):このカードが戦闘を行うダメージ計算時に1度、
2000LPを払って発動できる。
このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ3000アップする。



概要

第2期第8弾パック『Mythological Age -蘇りし魂-』で登場した効果モンスター。
登場当時はまだ珍しい美少女風のイラストであり、小学生とかだとこれを使うだけで変態扱いされることもあったとか。

攻撃力400と貧弱だが、ライフ2000と引き換えに攻撃力3400の状態で戦闘を行うことが可能。
レベル3なのにあの《青眼の白龍》をもなぎ倒し、ダイレクトアタックに成功すれば初期ライフの半分近くを奪うことが出来る。
イラストの割に非常にぶっ飛んだカードであり、ハイリスクハイリターンな1枚である。

素のステータスが貧弱なのも利点で、豊富なサーチ手段からリリース無しで召喚し、ロックをすり抜けて攻撃するなどの活躍を見せる。
また、効果を発動できるのは「ダメージ計算」であるため、「ダメージ計算まで」しか発動できないあのガチムチ天使の効果を使われても、攻撃力を400アップされるだけにすることができる。
大天使クリスティア》・《サモンリミッター》等の特殊召喚メタカードや、元々の攻撃力によってロックをかける《平和の使者》に縛られず打点を確保できる利点ともいえる。
《地獄の暴走召喚》や《Ai打ち》、《進化する人類》といったサポートカードで素のステータスの低さやライフコストを逆手に取ることも可能。


特に膨大なライフゲインが見込める【キュアバーン】においては強力なアタッカーになりうる。
また【霊使い】でも《憑依解放》に対応するアタッカーということで活躍の余地がある。
イメージ的にもオイシイので採用を検討できるだろう。

ライフコストを使用するため、《DNA改造手術》でサイキック族を指定し、さらに効果使用の際は《念動増幅装置》・《脳開発研究所》を用いることでライフコストを払わずに効果を使うことができる。
《脳開発研究所》の場合は仮にフィールドを離れても、自分が受けるダメージはカウンターの数×1000。
このカードのライフコストは1回につき2000なので、1000お得だったりする。


ちなみに、「お注射天使」なのに地属性かつ魔法使い族という矛盾した設定は、「本業(勿論ナース)の仕事がいい加減すぎたせいで天界から追放されたから」らしい。おいおい。
しかし、地属性・魔法使い族という組み合わせはサポート手段が豊富であり、結果的にこれが功を奏している。


環境での活躍・制限動向

登場当初は現在ほど環境が高速でなかった事もあり、高打点アタッカーとして非常に影響力が大きかった。
そのため、登場から約半年後の2002年5月1日に制限カードへと指定。
2004年3月1日には《心変わり》・《ハーピィの羽根帚》などと並んで、遊戯王OCG初の禁止カードの一員となった。

しかし、当時はモンスターの攻撃力基準が徐々にインフレした事や除去手段の増加もあり、わざわざ召喚権と2000ライフの消費までしてパンプアップするのは非効率になったと判断された為か、たった半年後の2004年9月1日にあっさりと制限復帰。
これは初代禁止カード組の中では最も早い禁止解除であった。
2007年3月1日には制限解除へと至っている。

それからしばらくは目立たない存在となっていたが、第8期になって【魔導】が台頭するようになると、このカードが再び注目されるようになる。
種族サポートを共有できる点や、弱点である魔法カード封殺効果を持つ《ナチュル・ビースト》を単体で戦闘破壊できる点を評価された形である。
これは古いカードでも環境やメタ次第で再評価される『OCG』の面白い事例といえるだろう。

火力のみならずモンスター効果のインフレも進み、ゲームスピードが異常に速くなった昨今の基準で見れば強力な効果とは言えなくなったものの、戦闘で状況を打開したい場合は頼りになる存在といえる。


アニメでの活躍

……とまあ長々と説明したが、こいつはむしろアニメでの活躍が有名。

DM』のアニメオリジナルエピソード「乃亜編」にて、BIG5の1人・大門が使用するのだが、攻撃宣言の度に

大門「検診のお時間だ!!
リリー「お注射よ♪」

とかいうやりとりをする。

この一連のシーンは遊戯王の中でも特にシュールな場面として名高く、特に108・109話では彼のデッキマスターである《人造人間-サイコ・ショッカー》の状態で宣言するためなおさら不気味である。
(ついでに中の人はいい年こいたおっさんである)

112話では本田の格好で宣言するあたり幾分かマシだが(ある意味もっと嫌だが)、このやりとりの後に「アフターフォローも万全だ!」とか言っちゃうので総合的な破壊力は上がっている。

「KCグランプリ編」ではレベッカが使用。
「検診(ry」は健在だが、あまり目立たない。たぶん違和感が薄いからだと思う。
ちなみにたまに「検診のお時間」ではなく「診察のお時間」になる。どうでもいいけど


さらにさらに、映画『光のピラミッド』でも地味に登場。
エキストラ的な活躍だが、今度はゴツい男性に愛用されている。

相変わらず「いけぇ、リリーちゃん!検診のお時間だ!!」とか言う。もうやめて!とっくに私達の腹筋のライフは0よ!!

ちなみにこの時は先攻1ターン目にダイレクトアタックという極悪な使われ方をしている(決闘の描写が省略されたためおそらく単なる演出)。
なお、対戦相手の城之内はこの俺ルールによりケツを刺されたが、どうやらそこから勝利したらしい。
その後もモブ相手に連戦連勝するという凡骨の貴重な無双シーンである。


アニメ『GX』・『ZEXAL』・『ARC-V』にもそれぞれちょっとだけ登場。
古参デュエリストへのサービスシーン役としては結構息の長い存在であった。


余談

彼女の背景や服には現在ではハートマークがついてるが、初期版では赤十字マークだった。
ただしこの赤十字は本来ジュネーヴ条約によって衛生兵のみが使用を許可されており、日本では赤十字病院以外が使用することは禁じられている。
そのため、このカードの背景では(事情を知らずに)無許可で使用していたものと思われるが、まだ当時は大らかな時代だったのか大きな問題になることは無かった。
余談の余談だが、遊戯王界で「衛生兵」を唯一名乗る《衛生兵マッスラー》は、イラストの中で先んじて登場した《救護部隊》・《戦線復帰》の頃(2015年)からハートマークしか身につけていない。

赤十字版は2度のノーレアでの収録と『BEGINNER'S EDITION』で再録されたある時期までは赤十字版であったが、ある日を境にハートマークへと変更され、以後はハート版での収録となっている。
このため『BEGINNER'S EDITION』では赤十字版とハート版2種類のウルトラレア仕様のリリーが存在している。
他のカードで唯一リリーが描かれている《ふるい落とし》も同様で、初出版(2005年)のものは赤十字だが、再録版(2007年)のものではハートマークになっている。

赤十字版は自主規制している例とは異なり今後も登場する可能性はほぼ無く、公式データベース『遊戯王ニューロン』でも、あちらのイラストは事実上無いものという扱いになっている。
持っている人は大切にしよう!

なお、リリーは元々はPS2専用ゲームソフト『継承されし記憶』で初登場したゲームオリジナルカードだった。
そちらではレベルや属性、種族に攻守こそOCGのものと同じであるが、モンスター効果については
このカードが表側守備表示で存在する限り、自分のターンが来る度にLPが50回復する。
というOCGとは効果の派手さも方向性も真逆そのものなものになっている。

なお、件のゲームでは
  • 場に出したモンスターはチェスのように1マスずつ進めて攻撃対象に隣接しないとバトルを行えない
  • 任意のモンスターを破壊する効果を持つカードがないに等しい
という仕様になっているので、工夫して場に出せばそう簡単には破壊されない。とは言っても回復量が雀の涙過ぎるが……


派生カード

《メンタル・カウンセラー リリー/Counselor Lily》

チューナー(効果モンスター)
星3/地属性/天使族/攻 400/守1500
このカードがシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、500ライフポイント払う事で
このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターの攻撃力は、
このターンのエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。

「EXTRA PACK Volume 2」(2009年9月発売)で登場した効果モンスター。

心療内科兼チューナーという新たな就職先を見つけたリリー。
眼鏡をかけて大人っぽい雰囲気になり、天界へ戻れたのかは不明だが天使族に戻っている。
しかし、「以前のリリーたんのが良かった」という紳士諸君の声も数知れず。このロリコンどもめ!
また「『お注射天使』なのに心療内科とはこれ如何に」という声もあるが、これに冠しては同じく「精神」を意味する語を名に冠した某サイコハゲを意識したのではとも言われている*1
もしくは天界を追放される前の姿がこちらなのだろうか。

こちらもライフコストと引き換えにパンプアップする効果を持っており、自身をS素材としたシンクロモンスターが強化対象。
ライフコストもパンプアップ値も《お注射天使リリー》と比べて控えめに見えるのは、あちらの方が「天界を追放されて荒れ狂ってる」から……なのかもしれない。


ラッシュデュエルでは

ラッシュデュエルにおいて2024年11月に発売された「灼熱のサラマンデウス」にて、《お注射天使リリー》もラッシュデュエルに進出した。

《お注射天使リリー》

効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻 400/守1500
【条件】2000LPを払って発動できる。
【効果】このカードの攻撃力はターン終了時まで3000アップする。

効果はOCGとだいたい同じだが、ラッシュデュエルにはダメージ計算に関するあれこれが存在していないため、効果の持続時間が長くなっている。
全体的にインフレが抑え気味なラッシュデュエルにおいて、リリースなしでいきなり3400打点が飛んでくるのは中々の脅威。

とはいえ効果はターン終了時までしか持続しないので、メインフェイズ2も存在しないラッシュデュエルにおいて、次の相手ターンでは低い攻撃力を晒してしまうという点はOCG以上に注意しなければならない。


関連カード

同パックでは、「地属性・攻撃力400・守備力1500」というリリーと同じステータスをサポートするカードが他にも登場している。


《アニマル・ドクター リリー》

効果モンスター
星3/地属性/獣戦士族/攻 400/守1500
【条件】このカードを召喚したターンに、500LPを払って発動できる。
【効果】自分の墓地のモンスター(地属性/攻撃力400/守備力1500)1体を選び、
自分フィールドに表側表示で特殊召喚する。
その後、自分フィールドの表側表示モンスター1体を選んで
その攻撃力を次の相手ターン終了時まで1000アップできる。

ナースから獣医に転職したリリー。種族も獣戦士族となっている。
500のライフコストを支払うことでリリーと同じステータスのモンスターを特殊召喚できる。
しかもその後フィールドのモンスター1体をパンプアップする追加効果まで。
ずっと思ってたけどなんで医療関連のモンスターがこんなに殺意に溢れてるんだ……?


《リリーの注射器》

通常魔法
【条件】相手フィールドにモンスターがいる場合に発動できる。
【効果】自分の墓地のモンスター(地属性/攻撃力400/守備力1500)1体を選んで手札に加える。
さらにこのターン、自分が「お注射天使リリー」の効果を発動する場合、
効果の条件で払うLPを100にできる。

リリーが持ってるクソデカ注射器。こんな見た目だが装備魔法ではない。注射器の使い回し厳禁は現代医療の鉄則なのである。
リリーをサルベージする効果に加え、リリーが効果を発動する際のライフコストを100にするというラッシュデュエルでも中々珍しい効果を持っている。
《お注射天使リリー》名称であれば対象は問わないので、リリーを複数並べればその全員が恩恵を受けられる。

相手フィールドにモンスターがいないと使用できないため、うっかり発動前に除去してしまわないように注意。
発動後に除去するぶんには問題ない。


《天使のお注射》

罠カード
【条件】相手ターンに相手がドローした時、
または相手がモンスターを召喚した時に発動できる。
【効果】自分フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る。
その後、自分の墓地にモンスター(地属性/攻撃力400/守備力1500)がいる場合、
相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる。

単体では自分フィールドのモンスターを除去するだけのデメリットカードだが、墓地にリリーと同じステータスのモンスターがいると妨害効果を発揮できる。
攻撃した次のターンで元の攻撃力に戻ったリリーを除去しつつ妨害するカード。




追記・修正のお時間だああああああああ!!

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最終更新:2026年07月27日 09:49

*1 ちなみにこのカードは英語版が初出なのだが、そちらでは「カウンセラー リリー」という名前だった。つまり日本版は意図的に「メンタル」という語を付け足したわけで、この説を前提とすると何かしらの作為を感じなくも無い。