サモンリミッター(遊戯王OCG)

登録日:2011/03/08 Tue 20:19:16
更新日:2025/04/25 Fri 11:13:57
所要時間:約 3 分で読めます






概要


《サモンリミッター》
永続罠
①:このターン中にモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚に合計2回以上成功しているプレイヤーは、
このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、モンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できない。

LIGHT OF DESTRUCTIONで登場した永続罠。
効果は読めば分かる通り、召喚・反転召喚・特殊召喚の回数を制限するという至極単純なもの。


特徴


TCG的に言うところの「メタカード」で、お互いは合計2回までしか召喚行為を行えなくする。
登場当初の環境であった2008年2月時点では、そこまで大量の特殊召喚をすることはなく、またより凶悪なメタカードが禁止前だったこともあって、このカードの評価は「地味」の一言に尽きた。

しかし、展開力が凄まじく向上した現代では、「召喚と特殊召喚が合わせて2回までしかできない」というのはかなり辛い制約。

結果、このカードは一山いくらの地味くさいマイナーカードから遅咲きの〆の決め手に上り詰め、デッキへの投入が許されない禁止カードに指定される大躍進(?)を遂げた。


以下、細かい特徴。

召喚と反転召喚にも対応する
通常、この手の拘束系カードは「特殊召喚をさせない」「特殊召喚したモンスターを動けなくする」というのが主流だが、このカードは召喚や反転召喚もカウントし、拘束する。
特殊召喚メタが刺さりにくい【ふわんだりぃず】等にも効く……というかふわんだりぃずの場合、2体アドバンス召喚が主流なので、3体目の大型モンスターが出せずに詰むことになる。

なお、「自分と対戦相手合わせて1ターンに2回まで」ではなく、「1ターンに、自分は2回まで行える、相手も2回まで行える」であるため、このカードを発動した相手ターンに自分が特殊召喚をして召喚行為を封じるみたいな真似は不可能。
逆に言えば、自分が「相手ターンで特殊召喚できるデッキ」を使っている場合、自分ターンと相手ターン、合わせて4回まで召喚行為が行えることになる。
アーティファクト】や【水晶機巧】なんかがこの系統。


永続罠カードとしての特性

「ターンの開始時に発動しなければならない」などとはどこにも書いていない。
ゆえに、セットしたそのターンでさえなければ自分ターンだろうと相手ターンだろうといつでも発動できる。
早い話、相手が2体目を出して3体目を特殊召喚しようとしているその寸前に発動するなんて意地悪な使い方も可。

また、自分が召喚・反転召喚・特殊召喚を3回以上した後に発動するということも可能。
このことから、自分が好き放題モンスターを展開しきった後にこのカードを発動して相手にだけフタをするというえげつない使い方もできる。というか、この用途で乱用されたのが2024/7/1で制限指定された主な理由である。

ただし、罠である以上最初のターンに効果を使うことはできないので、基本的に先攻を取ってはじめて意味のあるカードでもある。
永続罠の宿命として、《サイクロン》や《ハーピィの羽根帚》《大嵐》といった除去カードに非常に弱いのは欠点であり、モンスター効果だろうと、破壊や除外を喰らえば普通に死ぬ。


ルールに干渉する永続効果

この効果はよくある「無効にし破壊する効果」ではなく、プレイヤーの行動そのものに対して制限をかける効果。
ゆえに、2回召喚行為を行ったターンはどんなモンスターだろうと出すことはできない。
罠カードの効果を受けない《アポクリフォート・キラー》であろうと、罠の効果をすべて無効化する《人造人間-サイコ・ショッカー》であろうと、この原則は変わらない。


場のモンスターに影響はない

すでに場に出ているモンスターに対しては全く意味をなさない。
【デュアル】などには影響があるかもしれないが……。
先に3回召喚ができるメリットであり、劣勢のときのまくりには使えないデメリットでもある。


歴史


2008年2月23日登場の歴史あるカードだが、当時は大した危険性などないという認識だった。

その理由は簡単。
当時の展開力はまだ低く、《王宮の弾圧》という更に凶悪なカードがあった為である。
S召喚登場の時期でもやはり《王宮の弾圧》の方が優れているという認識だった。

その後、《王宮の弾圧》が禁止カードになった時期からメタカードとして有用性が認知され始める。
この辺からインフレが加速し、1ターンで8000のライフを削り切るほどの数のモンスターが出ることも珍しくなくなった。
当記事作成時の環境上位に位置していた【BF】【六武衆】【クイックダンディ】にも威力を発揮し、大量展開からのS召喚を止めることができる。
ただし、当時は解除が容易で自分の首を絞めにくい《虚無空間》の登場や、より拘束力の強い《スキルドレイン》《群雄割拠》などで足止めする方が主流であった(当時はいずれも無制限カード)。
また、《サイクロン》などの投入率も高かったため、まだ地味な立ち位置だったのは否めない。

9期に入り、ゲーム性が大量展開による制圧やワンショットキルを中心とした物に変化してくると、本格的にメタカードとして注目されはじめる。
召喚を2回に制限してもあまり苦戦しないデッキもあるが、実の所特殊召喚を多用するL召喚などのソリティアデッキにとっては、かなり迷惑なカード。
しかし、当時はまだメタとしての役割もあったため、規制されることは無かった。

多重召喚への対策カードとしては手札誘発なのでセットが不要で割られる心配もない《原始生命態ニビル》もあるが、あちらは4回目までの召喚・特殊召喚は止められない上に6回目以上の召喚・特殊召喚を止めるには2枚目のニビルが必要となる。

11期に《虚無空間》が禁止カードになると、《虚無空間》の後継カードとしてさらに注目されるようになる。 
そして12期に突入してからは環境のインフレにより多くのロックカードが規制され枚数を減らした事から採用が増加。
中には【天盃龍】の様に後攻から捲り返してワンキルを狙ってくるデッキ、また【デモンスミス】【スネークアイ】等の自分の手番で片づけ自由に展開を続行するデッキも登場。
とうとう先攻で展開しきった後に発動して相手の動きを封じると言うかつての《王宮の弾圧》の様な先攻制圧要員として使われ始めてしまう。
これがきっかけとなったのか、2024/7/1に制限カード、2025/04/01には禁止カード指定を受けてしまう事に。
2024年の同じタイミングで禁止カードになった《カイザーコロシアム》共々、相手の展開力を弱体化させるカードに強い規制が加わることになった。


類似カード


サモンブレーカー
フィールド魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、ターンプレイヤーがそのターン3回目の召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、そのターンのエンドフェイズになる。
この効果はメインフェイズ1でのみ発動する。

《サモンリミッター》同様に展開の回数を抑制するカード。
展開の3回目で強制的にターンエンドに持ち込める。
《サモンリミッター》と違って奇襲性はないがフィールド魔法なのでサーチ手段が豊富。
メインフェイズ2では自由に展開できるため、相手にバトルフェイズを放棄させるカードととることもできる。
バトルフェイズでの一斉攻撃ができなくなるためそのターンでとどめを刺される可能性は低くなるが、メインフェイズ2で展開と除去と制圧を完成されてしまう危険はある。
《サモンリミッター》ほど単体での抑止力は強くないため、ほかのカードと組み合わせて制圧のダメ押しに向いているだろう。
3回目の召喚がチェーンブロックを作る場合、デッキからフィールド魔法を発動できる通常罠《メタバース》をチェーンして発動することで、《サモンリミッター》以上の展開抑止効果を発揮できる。
ただし3回目にしか反応しないため、チェーンブロックを組まない展開手段を持つデッキが相手だと、《メタバース》の発動タイミングを見極める必要がある。

デュエルリンクスではメインフェイズ2が存在しないために純粋な展開抑制カードとして使用することができる。
そのためリミット1(制限カード)指定されている。

サモンオーバー
フィールド魔法
①モンスターが特殊召喚される度にこのカードにサモンカウンターを1つ置く(最大6つまで)
②サモンカウンターが6つ置かれているこのカードは効果では破壊されない。
③このカードにサモンカウンターが6つ置かれている場合に、お互いのプレイヤーは、自分メインフェイズ1に発動できる。このカードを墓地に送り、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て墓地へ送る。
単純に言えば、6回特殊召喚したら次の相手ターンに全体除去が飛んでくる効果。
しかし破壊耐性はカウンターが6つ未満の際には適用されず、破壊されやすい。
なにより特殊召喚を防ぐ効果は持たず、そのターンにとどめを刺されたら意味が無い。
よしんば持ちこたえられたとしてもこのカードの発動を無効にできる制圧モンスターはいくらでもある。
タイムラグがあって発動条件のある《サンダー・ボルト》のようなものなので、この手の大量展開抑制カードの中でも採用価値は無いと言ってしまってよいだろう。

ちなみにイラストでは魔法陣から出ようとしているモンスターがネットで食い止められているが、このカードには上述の通り特殊召喚を止める効果は無い。

サモン・ゲート
永続罠
このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いはそれぞれ1ターンに合計3回までしかエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
《サモン・リミッター》のほぼ下位互換と呼んでいいカード。
EXデッキからの展開を抑制できるが、3回までという数が割と多すぎる。
例えば【相剣】などはEXデッキからの展開が主流だが、1ターンに2~3回のSモンスターの展開で終わるため抑制にならない。
ジャンクドッペル】【アダマシア】【十二獣】【サイバース族】などのように下級から上級へ積み重ねていくタイプには刺さるが、それらと都合よく当たるとは限らない。
効く相手と効かない相手が明確であり、サイドデッキ向きのカードと言えよう。

イラストでは《サウザンド・アイズ・サクリファイス》が、檻の向こうにいるモンスターたちに笑顔で別れを告げている。
禁止制限を「収容」とネタにしたカードの一枚。
このカードの発売数か月前に《サウザンド・アイズ・サクリファイス》が制限復帰され、
檻の奥にいる《Emヒグルミ》《ゴヨウ・ガーディアン》《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》《旧神ノーデン》は発売当時禁止カードであった。
前者二名は2025年4月現在禁止から解除されている。*1


《編集リミッター》
お互いにこの項目の追記・修正は1ターンに合計2回までしか行う事ができない。

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最終更新:2025年04月25日 11:13

*1 《ゴヨウ・ガーディアン》は2017年1月に、《Emヒグルミ》は2024年7月にエラッタされて釈放された