禁止カード(遊戯王OCG)

登録日:2010/03/23 Tue 21:46:48
更新日:2025/04/16 Wed 18:17:08
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遊戯王OCG界には、強すぎる力を持って生まれてしまったが故に1枚たりとも使う事を許されないカード達がある。

それが、禁止カードである。




●目次


【概要】

ゲームバランスを崩すと判断されたカードは、デッキに投入できる枚数を制限される。
準制限カードなら2枚まで、制限カードだと1枚限り。
だが、1枚でもなお強力すぎるとみなされると禁止カードに指定される。

他のTCGにも同様の概念のカードリストは存在するが、OCGの場合
  • 2014年(第9期)頃までコナミがエラッタ(テキスト訂正)での緩和に消極的だった*1
  • スタン落ち*2や発売時期によるレギュレーション分けがない
  • 長い歴史が生み出した10000種類以上ものカードプールと、数多のコンボやシナジー*3
  • 色やコストの概念が希薄なため、デッキ構築の自由度が高い
といった要素が組み合わさり、禁止カードの枚数が多い。
ただし、10000種類以上カードがある割には禁止カードの総数は少ない*4という指摘もあり、禁止カードの総数だけで現在の環境やゲームバランスの良し悪しを語れる物ではない点に留意すること。

これまた他のタイトルにもよくあることだが、
「発売当時はそれほど強力ではなかったカードが、新しいカードやルールの登場で間接的に強化された結果、禁止送りになった」
というケースも結構存在する。

基本的には制限カード化を受けてなお暴れた場合禁止される場合が多いのだが、
  • 容易に達成できる先攻1キルまたは突破困難なコンボのキーカード
  • 容易に達成できる無限ループコンボのキーカード
なんかは、著しくゲーム性を損ねるため、(環境で暴れなくとも)無制限から一発で禁止になることが多い。
理由については前者は「先攻有利環境の加速」、後者は「遅延によるマッチ勝利*5に悪用されないためだと思われる。

EXデッキのカードは1枚あれば十分な物も多く*6、制限では意味がないため一発禁止になる可能性が高め。

また、売上に関わるためか基本的に発売直後のカードやプロモカードは一発禁止に指定されることが原則としてない。
その場合は大抵コンボ成立に必要な他の古いカードが犠牲になるため、元から使っていたプレイヤーは涙を呑むハメになる。
最近だとコンボ成立に必要な古いカードを禁止にして出たばかりのカードを制限に留め、それでも暴れた場合は関連カード含めて禁止にする(場合によっては先に禁止にしたカードを復帰させる)といった措置が取られることが多め。

一定の周期で日本各地で行われている日本代表選考会出場者を決める店舗代表及びブロック代表戦では、現行のリミットレギュレーションに加え、特別に禁止指定されているカードが存在する。
現在は《レインボー・ライフ》《自爆スイッチ》《三位一択》《神秘の中華なべ》《非常食》の5枚。
《自爆スイッチ》は意図的に引き分けを起こすのを防止するため、他の4枚は遅延からのエクストラターンでの勝利を防止するためと思われる。昔はよく遅延勝利があったんですよ(今は無いとは言ってない)。

決闘者には、禁止カード扱いされることを「投獄」と呼ぶ者も多い。逆に禁止・制限を解除されると「釈放」などと例えられる。
そしてエラッタを施されて制限解除された場合の例え方は「去勢」
……なのだが、最近では去勢されて釈放された後、またOCGで無法をやらかして再度投獄される恐るべき問題児も誕生した。今度はどこが切られるかな?

あまりに強すぎてエラッタしない限り二度と制限復帰できないだろうカードは『永世禁止カード』と呼ばれたりもする。
とはいえ、禁止化当初は「エラッタ抜きでの復帰は無理」と囁かれていたカードが、環境の変化によってエラッタ無しで緩和されるケースもあるから恐ろしい。

その一方で、「同名の効果の発動回数制限」や「各種素材への使用制限」などを付け足せば(エラッタすれば)問題なく緩和できるカードも多い。
しかし、そうしたカードの緩和は商業的に魅力が無いのか、エラッタ版を出すコストが大きいのか、あまり積極的には行われていない。

また、後述(余談参照)するようにエラッタ自体も賛否両論はある。

ちなみに禁止カードはデッキに入れてはいけないだけでそのカード自体は『遊戯王OCG』のカードとして引き続き存在しているのでカード名を宣言する時には禁止カードであっても宣言できる。*7
《マインドクラッシュ》でわざと間違えたい時*8などに使えるテクニックなので覚えておいて損はない。


【原作・アニメにおいて】

原作では「バトルシティ編」で禁止カードの概念が登場する。
洗脳された城之内が禁止カードを使うのだが、その内容は《ファイヤー・ボール》や《ライトニング・ボルテックス》といった、モンスターを直接破壊したり、プレイヤーに直接ダメージを与える魔法カードだった。

……正直、現実の禁止カードに比べればずっとかわいい方である*9

原作を読んだことのない決闘者の中には「なんでこんなカードが?」と思う人もいるかもしれないが、これは主催者の海馬がこれらのカードの使用を禁じたからである。
バトルシティ編から初期LPが2000から4000になったものの、それでもOCGの半分の数値でしかないため、バーンダメージが実質2倍になっていたのだ。
そもそも、手軽な除去やバーン効果による決着は漫画的につまらないものであるため、その辺は仕方ないだろう。

当の海馬は《破壊輪》*10など、もっと性質の悪いカードを使っていたりするが、原作版《破壊輪》は攻撃誘発効果かつ罠カードであるため、前述のルールでは禁止カードには分類されない。
モンスターや罠カードが禁止対象でないのはトリガーのいらない魔法よりは危険ではないという判断かもしれない*11

アニメシリーズではこのような形で禁止・制限が語られることはあるものの明言される例は少ない。
実際には基本的に放送当時のOCGのリミットレギュレーションに合わせており*12、制限カードとなった《トリックスター・リンカーネイション》がアニメで3枚登場した際、製作者サイドからリミットレギュレーションと制作状況の関係について述べられたこともあった*13


【現在の禁止カード一覧(2025年4月1日から)】


効果モンスター





融合モンスター





シンクロモンスター




エクシーズモンスター





リンクモンスター






魔法







禁止カードをネタにしたカード

ものによってはその後緩和されており、ネタが上手く伝わらないことも。

  • 《魔界発冥界行きバス》
闇属性・悪魔族のリバースモンスターであり、光属性・闇属性以外の悪魔族をサーチする効果を持つ。
イラストでは《魔界発現世行きバス》に乗るはずだった《クリッター》が手違いで冥界へ向かうバスに乗ってしまう。
乗車しているのはいずれも過去に禁止判定を食らったモンスターばかり。
どうやら禁止カードの烙印を押されたら冥界に送られるらしい。

  • 《サモン・ゲート》
「禁止からの制限復帰」をネタにしたカード。
EXからの特殊召喚を1ターン3回に制限する永続罠。
イラストでは収容所らしき場所から荷物をまとめて出ていく《サウザンド・アイズ・サクリファイス》を、閉じ込められたままの《Emヒグルミ》《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》《旧神ノーデン》《ゴヨウ・ガーディアン》が見送っている*48
三体は恨めしそうな顔をしているが、《ゴヨウ・ガーディアン》だけ泣いているのは、《召喚制限-エクストラ・ネット》で一緒に捕まった縁だろうか?
その後《ゴヨウ・ガーディアン》と《Emヒグルミ》もエラッタされた上で釈放されている。

  • 《竜嵐還帰》
同じく制限復帰をネタにしたカード。
除外されたモンスターをフィールドに特殊召喚し、エンドフェイズ時に手札に戻す通常罠。
名前からして征竜の中で一枚だけ先に制限復帰した《嵐征竜-テンペスト》そのものずばりである。
征竜は特殊召喚されていると相手エンドフェイズに手札に戻るため、効果はそれを意識したものだろう。
《嵐征竜-テンペスト》は自己再生のコストで他のモンスターを除外するが、制限カードなので自身が除外された時の効果を使えずそもそも特殊召喚された後は自力で手札に戻るため他のカードで帰還させたい。
その後《焔征竜-ブラスター》も制限復帰し、現在は四征竜全員が無制限カードになった。

  • 《禁忌の壺》
メタモルポット》などよりも装飾が華美で中には凶悪な牙を覗かせている壺型モンスター。
最上級モンスターかつリバースという厳しい条件だが《強欲な壺》《ハリケーン》《サンダー・ボルト》《強引な番兵》の効果から1つを選択して使える。
「禁忌」というのは禁止カードの力が封じられていることを意味しているのだろう。一枚だけ溢れ出てるが

OCG史上唯一、強さやゲーム進行上の問題とはまったく関係ないところで禁止指定を喰らう経験をしたカード。
戦士族・獣戦士族・魔法使い族モンスターの攻撃力を0にし、コントローラーに500ダメージ与える装備魔法。
登場間もなくして、ほぼ上位互換の性能を持つ《魔界の足枷》が登場した*49……という歴史から分かる通りどこをどう考えても禁止カードのパワーでないし、何ならただの一度も環境から見向きされた事の無いシロモノ
ではどうしてこれが禁止になったかというとカード名だった。
疫病退散という狙いで《あまびえさん》の配布キャンペーンをするため、2021/2/20~3/31までの臨時禁止改訂という形で《疫病》も退散させられた。まさかの禁止カードを盛大にネタに使ったパターン。
他のTCGにも、社会情勢を鑑みてイラストやカード名の差し替えを喰らったり使用禁止措置を受けたカードはいくつか存在するが、純粋なゲン担ぎの為に禁止措置を喰らったカードとなれば恐らくこれくらいであろう。

……あれ?《疫病ウィルス ブラックダスト》は?



【有名な元禁止カード】

戦闘ダメージを与えると相手のドローを封じる効果を持つ風属性・悪魔族のモンスター。
ゲームスピードが遅い時代ではドローロックの拘束力は凄まじく、更には《混沌帝龍-終焉の使者-》が登場して【八汰ロック】が完成するとほぼ勝ち確定の状況が作れてしまう恐ろしいカード。
そんな凶悪な効果故に禁止カード第一号として規制されており、当時の惨状を知るプレイヤーからは永世禁止カードとまで言われていた。

しかし、ゲームスピードの高速化によるドローロックの相対的な弱体化*50、相性の良いカード達の規制・エラッタ、《エフェクト・ヴェーラー》などの対策手段が増加したことなどにより、2022/10/01にエラッタ無しで緩和され、その半年後には無制限カードに緩和されている。


墓地に送られたターン罠カードを手札から発動できるようになる闇属性・戦士族の下級モンスター。自分のターンでも罠カードを無制限に発動できるようになるため【三原式】のような1ターンキルを行うコンボデッキで活躍。当然永世禁止カードだった。

2020年4月にモンスターゾーンから墓地に送られた場合に発動可能かつ、手札からの発動は1ターンに1回限定とエラッタを受けて制限復帰。発動条件が厳しくなったことと回数制限が付いたことで現在は無制限カード。


第3期で登場した「カオス」モンスターの1つ。緩い特殊召喚の条件、LP1000というコストで全体除去と全ハンデスとバーンを行うという凄まじいカード。

あまりに強力すぎて遊戯王OCG環境を暗黒期に落としたため、当時の永世禁止カードの中でも特に忌むべきものとされていた。当然2015年1月にエラッタされた。現在は無制限カード。

効果は大幅に弱体化したものの、特殊召喚のしやすさは健在であり、各種素材にするなどの運用方法で用いられる。

同期で同じく禁止カード経験のある《カオス・ソーサラー》《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》は、エラッタ無しで無制限カードに緩和されている。


手札を1枚捨て、種族を1つ宣言し、その種族のモンスターを全て破壊する。
10年以上も禁止カード常連ではあったが、環境のインフレで2017年10月に釈放。現在は無制限カード。


ドラゴン族で構成された元シリーズカード。
様々な効果を内蔵しており、登場した当時としては非常にオーバースペックであった。
嘗ては2013年~2015年時の環境において《魔導書の審判》と共に大暴れした。

全盛期には「墓地は愚かデッキや除外ゾーンすら実質手札状態」などと皮肉られるレベルのぶっ壊れだったために段階を経て規制強化されても尚成績を残し続けたために、最終的に纏めて禁止化されたという経緯を持つ。
当時の基準ではとにかくそのカードパワーが凄まじく、「牙を抜こうが四肢を捥ごうが首を落とそうが環境に姿を現すゾンビのような奴ら」などと揶揄される程だった。

禁止カードの指定された当時は永世禁止カードとする見方も強かったのだが、そこから更に環境がインフレしていくにつれて徐々に規制緩和されていき、2024年10月には全てのキーカードがエラッタ無しで無制限となった。時代の変化を感じるものである。
2025年には新たな「征竜」やサポートカードも登場して強化されている。


モンキーボードは自身をペンデュラムスケールに置くだけでレベル4以下のEMをサーチでき、ヒグルミは相手にモンスターを破壊された時500LPと引き換えに自身を特殊召喚するペンデュラム効果を持つペンデュラムモンスター。
どちらも遊戯王最速の禁止日数記録「167日」の保有者として悪名高く、特にヒグルミは永世禁止カードとまで言われていた。

その後、ルール変更によるペンデュラム召喚の弱体化等といった環境の変化もあってモンキーボードは2023年7月にエラッタ無しで制限復帰、その1年後にヒグルミはモンスター効果に1ターンに1度のみとエラッタを受けて制限復帰。


モンスターをリリースするたびにレベル×200ダメージを与えるレベル7の闇属性機械族シンクロモンスター。メインフェイズに効果を使うことで簡単に1ショットキルを実現させていた。

あまりの汎用性と凶暴性、1キル性能に略称のDDBをもじって「誰がどう見てもぶっ壊れ」や「どこをどう見てもぶっ壊れ」と揶揄されていた。
もちろん当時は永世禁止カードとされるほどだった。
2014年3月にエラッタを受けて1ターンに1度、メインフェイズ1のみと弱体化を受けて釈放。TF6のボマーさんには間に合わなかった。


アニメ『遊戯王VRAINS』の主人公藤木遊作の(一応)エースモンスター。非常に緩い縛りでのバウンスと特殊召喚を併せ持ち、数多のループコンボの要として暴れ回った。
仮にも看板モンスターゆえか周辺パーツの禁止でやり過ごし続けていたが、それでも勢いは止まらなかったことを看過できなくなったのか、遂には『VRAINS』放送中に禁止というまさかの事態に。
アニメ放送中に主人公のエースモンスターが規制されるという事態は前代未聞の出来事であった。
その後(放送終了後)の2021年01月にエラッタされ、カード名ターン1制限や種族制限を最初から入れとけとつっこまれつつ追加され制限復帰。半年後に制限解除されて今に至る。


何のコストもなしに相手のモンスターを全て破壊できる通常魔法。その圧倒的な性能から長らく禁止カードとなっていた。

2019年4月にエラッタ無しで制限復帰。2022年4月に準制限カード、更にその3か月後の2022年7月に遂に制限解除となった。2023年1月に準制限に戻ったものの、2024年10月に再び制限解除された。

依然として効果そのものは間違いなく強力なのだが、ゲームスピードが上昇した2025年現在の環境では、1ターン目から巻き返しの困難な制圧盤面を作ることに重きが置かれている。
このカードに限らず自分のターンにしか使えない汎用除去カードでは先攻1ターン目に役に立たないため、後攻1ショットキルを狙うデッキやサイドデッキでの採用が主となっている。
同じく先攻1ターン目では活用しにくい《ブラック・ホール》《心変わり》《強奪》といったカードも多くが緩和されている。


こちらはノーコストで場の魔法・罠カードを除去できる。除去も兼ねて破壊されることで発動する効果とともに悪用されていた。
2024年1月に制限復帰。禁止カードルール施行後の環境で《ハーピィの羽根帚》との併用が初めて可能になった。

ノーコストで相手の場の魔法・罠カードを除去できる。2015年1月に制限復帰。
対となる《サンダー・ボルト》が無制限なのに対してこちらは1枚制限のままである。
おそらく罠カードを多用する低速デッキをある程度推していきたいのだろう。


  • 《魔導書の神判》
このカードを発動したエンドフェイズに、「発動した魔法カードの数まで「魔導書」のサーチ」「更にサーチした「魔導書」の枚数以下のレベルの魔法使い族をリクルートする効果」を持つ。
圧倒的なアドバンテージ獲得能力から、登場当時環境中堅だった【魔導書】をこれ一枚で環境トップに追い上げ、上記の「征竜」と共に「征竜魔導環境」を作り上げた元凶の1枚。

ゲームスピードの高速化や対策手段の増加などの影響もあり、2022年7月にエラッタ無しで制限復帰、その後段階を踏んで1年後の23年7月には無制限カードに緩和された。


《現世と冥界の逆転》
デッキと墓地を入れ替える豪快な効果を持つ罠カード。
かつては相手の墓地が0枚でも発動でき、事実上のデッキデスを行うことができた。
後に「お互いの墓地のカードがそれぞれ15枚以上の場合に1000LPを払って発動できる。」とおう発動条件にエラッタされ緩和。
その後は環境での目立った活躍はなく、2022年にはサポートカードが登場し、専用デッキを組むことで往年の動きが再現可能となった。
しかし、そのサポートカード達が高い汎用性から別のデッキで大暴れしてしまい、今度はサポートカードが規制されてしまうという事態に。



【海外での禁止カード】

2013年9月より海外(TCG)では日本と別の禁止・制限リストが適用されており、所々に差異がある。








2024年4月現在、海外のみで禁止指定されているのは上記のカードであり、日本より厳しい傾向にある。

最近の規制は日本に倣う傾向があるが、《マジカル・エクスプロージョン》(制限)《ライフチェンジャー》(無制限)辺りはまだ海外で使用でき、最近では《サイバーポッド》(制限)《BF-隠れ蓑のスチーム》(制限)《心変わり》(制限)といったかつてのパワーカードを制限復帰させている。
海外の方は禁止に限らず汎用カードを強く規制する傾向がある。(《増殖するG》、《チキンレース》など)。禁止カード以外も汎用カードが多く制限・準制限にされることが多い。
どちらのリストの方が良いかに関しては意見が分かれるところ。
また、上述の《破滅竜ガンドラX》の様にOCGとTCGでテキストが異なる場合もある事は念頭に置きたい。

ただしTCGではOCGのような決まった時期に行う禁止改訂というものが存在せず、改訂が行われるかどうかは完全に運営次第である。
【PePe】環境の時のように緊急改訂を行うときもあれば、強力なワンショットキルの台頭や一強環境の場合でもなかなか改訂を出さないこともある。



【余談】

さすがにコナミも禁止カードが膨れ続ける状況をどうかと思ったのか、永久禁止と思われていた「DDB」をまさかのエラッタによる弱体化で2014/04/01改定で禁止解除した。
これを皮切りに第9期からは禁止カードのエラッタ禁止解除が多くなった*51
これについては
  • 使えるカードが増えるに越したことはない
  • 印象を良くするために禁止カードの総数は減らした方が良い
  • 昔がおかしすぎただけ、このテキストなら堂々と使えるからむしろ嬉しい
  • 見る影もないほどに別物になるぐらいならそのままにしておいてほしい(どうせなら強いカードのままであってほしい)
  • 条件の厳しすぎるエラッタで見向きもされなくなったら事実上の永久禁止と大差ない
など賛否両論がある。
禁止カードを減らす目的でやってると考えたとしたら、その割には第9期以降も短期間で禁止になるカードを連発しているのだから意味がない。
一方で、あらゆるカードは基本的にプレイヤーがお金を出して買った物なのだから、ルールで使えないカード=購入者の無駄金を減らす目的でやってると考えたとしたら、そういうカードを減らす…なんだコナミっていいやつじゃん!となる。

そのためエラッタによる弱体化で上記のカードたちも復帰する可能性が出たため、制限緩和が絶望視されているカードにも希望が見えた。
実際、2015/01/01では《混沌帝龍-終焉の使者-》を始めとする6枚の禁止カードがエラッタにより緩和されたので他の禁止カード群にも復活の兆しが見えて来た。
その後多くの禁止カードのエラッタ復帰が見込めるようになってからは高レアリティのある禁止カードがレギュレーション発表前に値段が変動する珍現象も見られた。
かつて公式のショップデュエルの一つだったノーリミットデュエル*52では使用可能だったため
エラッタされるとノーリミットデュエルに多大な影響を与えることを嫌がる人もいた。
また一方でエラッタされて2017年01月のリミットレギュレーションで緩和された《王宮の勅命》が2022年4月に禁止入り、と、
前述したようにエラッタされたにも関わらずまた禁止に放り込まれる事例が出る事に。

一方で、《心変わり》と《洗脳-ブレインコントロール》のように、猛威を振るう心変わりの下位性能としてデザインされた洗脳であったが、それでも影響力が大きくなりすぎて共に禁止カード指定→洗脳だけ極端に弱体化エラッタされ環境に復帰→更に変遷を経て、エラッタ無しで心変わりが環境に復帰、結果的に割を食ったのはエラッタされた洗脳だけ……というケースもある。
上記2枚はカードの種類も全く同じという極端な例だが、同類の「禁止カードの劣化版として作られたカード」は無数に存在するので、古いカードほどそうした波及が大きい一面もある。
そうしたカードを改めてエラッタしてほしいという意見も少なからず存在しているが、混乱を避けるためか2025年3月現在までに「元のテキストに戻す」などの強化エラッタは行った例はない。
また《洗脳-ブレインコントロール》に関しては、《心変わり》の無制限カード復帰から約10ヶ月後(制限カード復帰から約2年後)に《ブレインコントローラー》というサポートカードを新たに出すことで《心変わり》との一応の差別化を図っている。

新マスタールール後はショップデュエルがスタンダードデュエル*53に一本化され、ノーリミットデュエルは廃止された。
現在禁止カードを使える場面は、ショップ独自のローカルルール大会や、相手の同意の上でやるフリー対戦(要は野良ルールで友達と遊ぶ際なわけで3枚制限やライフ量を変えても有の域)ぐらいで、
公式の試合・大会で使用できる機会は無くなっている。

更なる余談として上記のリストには儀式モンスターがいないが、実は儀式モンスターだけは禁止カードに指定されたことが一度もない。
環境を変えるパワーカード先攻ハンデスも制限止まりと意外と弱いバランスに秀でたカテゴリと言えよう。
もっとも禁止指定をされたことがないのはあくまでも「儀式モンスター」のみで、関連カードの規制例はある。




『追記・修正』の禁止を緩和する。

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最終更新:2025年04月16日 18:17

*1 2014年の《ダーク・ダイブ・ボンバー》のエラッタと制限復帰を皮切りに複数のカードがエラッタにより制限復帰している。

*2 発売から数年経たカードは特定のルールでは使用不可能になるルールの通称。MTG等がこのルールを採用している。

*3 俗に「悪用」と呼ぶ。

*4 参考程度に、2025年1月1日現在の禁止カードは84枚である。

*5 所謂TOD。「ワールドトランス(遊戯王OCG)」の項目を参照。

*6 低速デッキや特定のメタカードを警戒する場合は複数枚投入されることもある。

*7 世界大会優勝賞品などの使用不可カードは不可。

*8 暗黒界とコンボしたい時など。

*9 ただし原作仕様の《ライトニング・ボルテックス》はOCGの《サンダー・ボルト》と同効果。

*10 原作版は相手だけダメージを受ける。

*11 原作の魔法と罠の違いは「魔法=発動条件のないもの」「罠=トリガーを必要とするもの」。いわゆる「フリーチェーン」の罠は存在しなかった。

*12 GXでの三沢の発言などの例もある。

*13 製作時期とリミットレギュレーション発表の時期の問題。アニメは大体放送3ヶ月前に作るのでどうしてもズレが発生する。

*14 OCGの公認大会規定にはサレンダー(投了。原作では「降参」とも呼ばれる)のルールが無いので、相手がサレンダーしてきても拒否できる。それでもサレンダーをするにはマッチそのものをサレンダーするしかない。実際はゲームサレンダーを認めるジャッジも多いようで、それを見越した上でマッチキル側もサイドデッキを組んでいた。

*15 とはいえこの辺は、当時のマナー違反行為が針小棒大に語られ、伝言ゲーム化して、実際の記録が残っていないことも多い。さりとて当時からこのような話が全国的に流布されていた辺り、どれだけ嫌われていた戦法か知れたものである。

*16 《ラーの翼神竜-球体形》のアドバンス召喚によるリリースを防ぐために「ドラグーン」を呼び出した後、自分の《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の闇属性化効果を自分の「ドラグーン」でカウンターして破壊し、頭数を減らす念の入れようであった。

*17 規制経験のある射出カードは上記の共通点に加えて「自分も撃ち出せる」がある。イグニスはダメージが不定で球児は自分が撃てない。

*18 召喚権を使わずに《キングレムリン》を出すのに「十二獣」が使われたりしたがそれは別の話。

*19 トークン不遇のエクシーズ期やペンデュラム期でも十分通用した。

*20 例としては永続効果や誘発効果で破壊する《コトダマ》や《オシリスの天空竜》で破壊されるように場を整えるなど、理論だけなら可能という程度。

*21 採用する場合はビーステッドと混ぜて《烙印の即凶劇》を絡めて相手ターンシンクロも視野に入れるパターンが多い。

*22 https://x.com/Shockhearts777/status/1738905938202071234?s=20

*23 《外神アザトート》が先行登場していた韓国では日本より早く使えた。

*24 ランク5以上のXが特殊召喚された時に自己サルベージする効果を持つので、《永遠の淑女 ベアトリーチェ》で落とす→《迅雷の騎士ガイアドラグーン》を重ねてサルベージ効果を発動する、と言う流れで擬似的なサーチが可能な為。

*25 上記《血の代償》が【ガジェット】と組んで1ターンに3体並べてきたりしてたが。

*26 たとえば《スクラップ・リサイクラー》1枚からアウローラドンまで繋ぐ動きがあるにはあるが、召喚権を使う、枠を圧迫する、誘発に弱いなどの弱点がある。

*27 チューナーをリクルートできる、あるいはリクルート効果を持つチューナーが増加しているため

*28 一応2体目を出したほうが安定する、必要なルートもあるにはあったがごく少数

*29 実際に《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の登場後は“カード名に「融合」や「フュージョン」がつかない融合魔法”、“カード名に「融合」や「フュージョン」が付くが使いにくい・カードパワーの低い融合魔法”、“メインデッキに入らないモンスターを融合素材に指定する融合モンスター”と言ったカードが増えている。

*30 アニメ版では「この効果で特殊召喚したトークンはリンク素材にできない」という制約であったため、単体だけ見れば強化されている。

*31 《D・スコープン》は守備表示の場合☆4になる永続効果があり、《水晶機巧-ハリファイバー》の制約は“効果を発動出来ない”なので永続効果は無効にならない。

*32 多くのデッキではピン挿しが多かったものの、【オルターガイスト】の様な低速デッキでは複数採用されていた事もあるので全く効果が無い訳ではなかった。登場から3ヶ月未満での規制であり、かなり特殊な措置とも言える。

*33 ピーピングによって手札誘発の有無と枚数を見破れる。

*34 同じく手札誘発メタとして機能し、先攻1ターン目には後攻側が使えない弱点も共通する墓穴の指名者が2022年4月時点において準制限になっていることは、現環境においてこのカードの有用性が未だ潰えていない事を示唆している。

*35 手札誘発の蔓延による後攻側で打つ価値の上昇、デュエルの高速化により手札を把握できているターンの割合が増えた点、カード1枚辺りの価値が上がっている点、コンボデッキが当たり前になり特定カードを落とす事による生じる損害が増えた点など、挙げるとキリが無い。

*36 《カイザーコロシアム》が適用中は「使用者側のモンスターの数を超えてモンスターを場に出す行動もしくは場に出す効果を発動する事が出来ない」ため、「全てのモンスターをリリースし、自身を特殊召喚してから相手の場にトークンを生成する」《原始生命態ニビル》は、《カイザーコロシアム》側にリリース出来ないor効果を受けないモンスターが存在しない限り、「《カイザーコロシアム》側のモンスターが0なのに《原始生命態ニビル》が場に出ようとする 」状況が発生してしまうため、発動そのものが出来ない。

*37 他のカードにも何らかのコスト・デメリットがある。

*38 これらのカードも2枚引くことができるが、発動したカードとコストで手札を2枚消費するため、手札枚数が増えることはない。

*39 例えば《ハリケーン》のようなバウンスカードとのコンボ。

*40 ただし、こちらはこちらで強化されている面もある。

*41 2024年に「EX」の復刻版が限定販売されたが、当時ものをそのまま再現しているため、1期仕様のものである。

*42 例えば《キラー・トマト》《BF-蒼炎のシュラ》《ゴーズ》など、ダメステ中の特殊召喚は潰せず、《BF-大旆のヴァーユ》は無効化しても再び特殊召喚効果を使用できるので払い損に終わる。

*43 ちなみに《クリッター》もエラッタ後に禁止カード行きになった経験があるが、あちらはエラッタして釈放→禁止と言う道は通っていない為別の話。

*44 現在でも墓地リソース自体は重視されるが、多くのデッキでは枚数よりも質の方が重視されている。ドローこそできないが、確実にデッキトップを5枚墓地に送れる罠カードの《針虫の巣窟》ですら環境での採用率は低く、漠然と墓地肥やしする行為は強くないことが窺える。

*45 メインフェイズで相手がカードをプレイした時、「スタンバイフェイズで《マインドクラッシュ》を発動させるつもりだった」と主張して所謂「巻き戻し」を発生させる行為が多発した。通称:巻き戻しマイクラ。

*46 手札に持っていないことを確認するために、かつては発動者が相手の手札を確認することが認められていた。テキスト外行動のためしばしば揉め事の種となり、現在は裁定が変更されて「プレイヤー同士で確認方法を決め、決まらなかったらジャッジに判断してもらう」という形になっている。

*47 相手ライフを回復させる効果を《シモッチによる副作用》でダメージに変換してライフを削るデッキ。

*48 「サウサク」はこの時点で制限復帰済みだった。

*49 一応差別化も可能だが。

*50 このカードを使用するまでもなく勝ちに行ける状況が容易に作れるようになった。

*51 それ以前にも弱体化エラッタの例は少数あったものの、エラッタ+禁止カード解除とセットにする形はこれが初めて。

*52 禁止カード以外にも英語版なども日本語訳テキストを用意することで使用が認められた、OCGで未販売のカードや大会賞品のレプリカ、一部言語版などは使用不可

*53 その後ランキングデュエルへと変更