ケセルダ(FE)

登録日:2011/12/17(土) 19:36:35
更新日:2025/04/07 Mon 12:20:36
所要時間:約 5 分で読めます





お前らを踏み台に……俺は上へ行く。悪く思うなよ?


出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ケセルダとは、ファイアーエムブレム 聖魔の光石に登場するキャラクターである。

CV:大泊貴揮(FEヒーローズ)

クラス:勇者
性別:男
称号:【虎目石】
出身:ジャハナ
身分:グラド帝国六将
属性:雷


○容姿

茶髪のオールバックで、傭兵らしい分厚い革の服を纏っている。


○人物
グラド帝国が引き起こした戦争の中で、一介の傭兵から将軍にまで成り上がった設定上は実力者。ゼトからは「ヴァルターに並ぶ帝国六将屈指の強者」のように扱われた事も。
それまで礼儀作法とは無縁の泥臭い世界で生きてきた為か、未だに敬語を使うのが苦手。
性格は知り合い曰く「ずうずうしい」。しかも昔のまんまらしい。
いつかは一国の主になることを夢見ている野心家で殺しも厭わないが、彼の印象はルートや章の展開によってかなり異なる。
死にかけの兵士を殺すのは共通だが、さらにエイリーク編では無抵抗の女性だろうが容赦なく手にかけ、野望のためなら旧知の部下すら裏切り暗殺することもある。

本人曰くこれでも「女には優しい」方らしく、手当たり次第に殺しまくるヴァルターと同列に語られると怪訝な顔をする。
実際、上記の所業の中で無抵抗の女王イシュメアには聖石を渡せば見逃すと言っており、さらに拒否されても更にもう一度だけ猶予を与えているあたりまんざら嘘でもないらしい。
兵士殺害の時も遺言の暇ぐらいは上げてるし…貶すけど。

しかし、自分の副官であるアイアス(エイリーク編13章ボスの男)が生存した場合、冒頭で彼を「信頼している・お前以外に俺の副官は任せられない」とまで言っておきながら
実際は彼を捨て駒にした挙句に、ルート次第では「自分の過去を知ってるから」という理由で瀕死の彼を処刑したり
謀反を起こしたカーライルに向かってはイシュメアには手を出さないと言っていたにもかかわらず聖石を渡すのを拒否したために約束を無視して殺害したりと、
切り捨てるべきと判断した相手に対しては一切の情を見せないあたり、本質的には信用できない悪人であることには変わりはない。
マップ戦闘で兵士、アイアス、イシュメアと最大3回も殺害イベントがありFEでも最多である。
アイアス処刑については動機が妥当とは言い難い。彼がこいつみたいにいつ自分の欲の為に掌を返すか分からない輩ならともかく、アイアスは長年彼を補佐し必要以上の手柄や名声を求めない堅実な人物で、これからも末永く信頼出来そうなのだが…。
多分その後のマップの兼ね合いでこうなったのだろう。

味方となるヨシュアとは二年前まで傭兵としてコンビを組んだ仲で、ヨシュアの剣とケセルダの斧の前に敵はなかったらしい。
このため、ヨシュアとケセルダが戦う時には専用のかなり長い会話が用意されている。
エイリーク編の方ではイシュメアを殺害した張本人という事で、口調に反し非常に重い会話が繰り広げられる。
その為、お互いフランクな調子でありながら、ヨシュアの方からは静かな怒りと殺意も感じられるものになっている。
一方のケセルダも「ふざけやがって。その国一つ俺によこせよ。」と実に彼らしく、かつてコンビを組んだ者同士で殺し合うという飄々とした決戦になる。

なお、同じ面のもう1人のボスであるヴァルターにクーガーで攻撃すると専用の台詞が出るのだが、こちらも似た様な事になる(流石にフランクにとはいかないが)。
エイリーク編ではヴァルターはクーガーの兄・グレンを殺害した張本人という事になっている為、この2組のボスバトルは皮肉にも、主人公勢とボスが「肉親を殺された者」と「その肉親を殺した張本人」という構図になっている。

序盤から3度に渡って登場はするが、実際に戦うのは15章のみでヴァルターと共に出陣する。
なお、登場するたびのHPが減っていくことに定評がある。*1
各地での働きにより後一歩で夢の玉座に手が届くはずだったが、エイリークたちによって討ち取られた。

ただ、契約を反故にして女王を殺すわ、味方で部下のはずのアイアスの暗殺を企むわとやってる事は明らかに下衆寄りの人物ではあるのだが
前者は皮肉でもイシュメアの行動を評価していたりリオンを気遣ったり
後者は大抵ドロップ品やとある都合でアイアスがエイリークに倒されてしまうのでその展開になることが滅多になく
アイアス殺害ルートにならなかったプレイヤーから見れば 単に戦闘前に部下を激励しにきたいい上官となって終わってしまう
アイアスにとってはケセルダの本性を知らずに死ねる方が幸せかもしれないが…。

しかし邪悪な本性を持っているとはいえ、他の帝国の追加メンバーが危険思想と逆恨みのアーヴ
マジキチレベルの悪人で狂人なヴァルターな上、特にヴァルターは 確定で 同僚を殺してしまうため、あくまで「野心家止まり」の彼はマシに見える。
どちらかというとジョジョ1部のディオ・ブランドーのような、手段を択ばずに上に行きたがるタイプの、これまでFEシリーズになかった悪役である。イリオス?そんな奴もいましたね

一方でエフラム編では全く印象が異なり、そもそも殺害イベントがヴェルニの塔襲撃ぐらいしかなく非常に影が薄い。
特にヨシュアと戦闘させてしまうと、怒りと殺意どころかやたらとフランクにお互いの昔話に花を咲かせ始め、
しかも冒頭から「おめー酒場のツケ払ってねぇだろ(要約)」と暴露されるせいで
そのイメージは借金から逃げるまるでダメなオッサンと化してしまう…お前本当にエイリーク編の悪役か。


なおイシュメアを殺害する際、何故か最初の一撃をかわされることがある。
のちの2人のステを見比べるとかわされて当然ではある
ちなみに2回とも避けられることもあるが、なぜかイシュメアは死ぬ。
こうなるとヨシュアが戦闘会話で冤罪を吹っかけた挙句
ケセルダはやってもいない罪を認めてしまうという訳の分からない事態に。

作中で2個も聖石を壊しているが、そもそも帝国六騎で聖石を破壊してまともに仕事しているのは彼だけだったりする。
後述するが、なぜかシナリオ中でやたら弱体化するせいで、「他の将の仕事を押し付けられた結果過労で弱った」というネタまである。
まぁシナリオ見るとマジで一番まともに仕事してるんだよな……。途中で裏切るのが1人、疑問を抱いてあんまり働いてくれないのが2人、身勝手に動くのが1人……。

総じて足を引っ張るばかりのあいつや、純粋に悪役をしているあいつはもちろん、徹頭徹尾善人である一部の味方キャラよりも非常に強い「人間臭さ」を感じられるオッサン。
「殺しも厭わないがそれはあくまで己の目的のための踏み台にすぎない」「単に成り上がりたい、そのためには手段は択ばない」「まぎれもなく悪党なのだが、虐殺や魔王復活のような邪悪には手を染めない」「常に反笑いで余裕綽々」という、フィクションにおける「傭兵」の性格を濃く持った男。
立場が違えば仲間になったかもしれないという意味では、セライナに通じ……いや、さすがにこいつは悪人すぎるか。絶対寝首かいてくるし。
聖魔はもちろん、他作品の敵将にない渋い魅力を持つため、ニッチながら根強い人気がある。一昔前の抜きゲーに出てくる、催眠などに頼らずに国を簒奪する悪党主人公が近いかもしれない。
モブにもう少し小心者の多い世界だったら彼ならではの魅力も出ただろうに。


○ユニット性能
レベル-12
※右は「むずかしい」時のステータス。若干誤差あり。
HP-42→46
力-16→18
技-15→17
速さ-13→14
幸運-14→15
守備-13→14
魔防-13→14
体格-13
武器レベル-剣A/斧A

所持品
ぎんのおの
トマホーク
ホプロンの守護


ぎんのおの、トマホーク共に威力が高く、さらに必殺攻撃も効かないという何気に鬱陶しいキャラになっている。
しかし今までの疲れか8章でヴェルニの塔に現れた時は52程もあったHPはわずか42まで減り、速さ11のイシュメア様を追撃していたはずなのに実際の速さは13しかない。
それ以外も平均的…というより低いので、相当耐久に自信がないキャラを当てなければとくに問題はない。
前作でこれより早い段階で戦う同じ勇者かつ同じレベルのライナスに対し
「むずかしい」時でもかろうじて幾つかのステータスが若干超える程度で、まだそれ以上に ノーマルの ライナスに大事な力~速さ&守備が負けてる始末。
特に力で大きく差をつけられており、トマホークを装備した時の攻撃力はておの装備のライナスを1上回る程度という体たらく。
前作で四牙の設定に恥じないステータスを見てきたプレイヤーを逆の意味で唖然とさせた。
そもそもエフラム編の場合遥かに強いと戦っている上、勇者のくせにジェネラルのあっちと速さが同じ。
しかもトマホークを持つと攻速落ちする。実力者設定とはなんだったのか。

また、勇者で剣Aのくせに剣を持っていない。
因縁のあるヨシュアとのタイマンはCC後だとソードマスターの必殺も、アサシンの瞬殺も効かないにもかかわらず、3すくみで一方的にボコボコにされてしまう。
「悪いが・・・お前じゃ相手にならねぇ。」とヨシュアに宣言するが、初期ステで対決でもしない限り「お前じゃ(俺が)相手にならねぇ。」という結果になるだろう。
ヨシュアとの会話から昔から斧を使っていたとのことなので、おそらく傭兵ではなく戦士から勇者になったものと思われる。
…てかどこで剣Aになったのだろうか。

10ターン以上経過すると、射程範囲に入ると移動してくる。
初期位置は動きづらい砂漠に阻まれるので、あえてこちらから近づいてケセルダをおびき寄せ、近づいて来た所を袋叩きにすれば一瞬で終わる。
「聖魔」自体ライトユーザー向けな作りがあるとはいえ、幹部格の敵としては弱すぎである。
ヴァルターとAI入れ替わってない?


フリーマップではヴェルニの塔をクリアする過程で使用可能となる。

○初期値と成長率
勇者 レベル-12
HP-42(85)
力-16(50)
技-15(45)
速さ-13(45)
幸運-14(20)
守備-13(30)
魔防-13(20)
体格-13

イメージ通りHPや力が伸びるほか、勇者だけあってか技や守備など意外と全体的な成長バランスも良い
…が、他の帝国六将同様、高レベルで伸びしろが少ない割に初期パラメータが低すぎるのでそこまで強くならない。
本編で殺したイシュメア様と実際に戦うと一撃では殺せないばかりか、追撃するどころか追撃されなます切りにされる。
持ってる武器は優秀なので、それを回収したら後は拠点で「おするばん
ただしジストを移動力や速さの上限が高いフォレストナイトに、ガルシアやロスをステータスの高いウォーリア・バーサーカー・かげだし戦士にした場合は彼を使わないと勇者のグラが見られない。
…つまり勇者はステータス上限が低く使われない職業と言う訳だが。

ちなみにこの成長率、実は前作ヒースのHPを5%上げただけだったりする。

ステータスは低いながらも安定はしており、他の六将で悉く死んでる幸運はそこそこ高いので耐久力はある。ラグドゥ遺跡でも「ふつう」までなら他キャラと連携する事で頑張れない事はない。ケルベロス?勘弁してください。
「むずかしい」ではヘルボーンやマグダイル一体相手にも苦戦しかねず、深層だとケルベロスどころかデスガーゴイルの追撃を受けてあっさり死ぬことも。攻速落ちしているとゴーゴンにまで追撃を受けてあっさり狩り取られる事すら…。


ヴァルターともどもあまりにも弱かったため、北米版では大幅な強化が図られ
ステータスが向上(HP+5、力+3、 技-1 、運+1、魔防+1)し初期装備もトマホークに、そして足元に砦が追加された。
左半分はますます戦士のようなステータスになっているが、なぜか守備より魔防の方が高い。


ファイアーエムブレム ヒーローズ


ひとつ忠告しておいてやるか。相手とサシで飲む時は、両手をよく見ておけ。

どこに武器を隠しているかわからねえぞ?


出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


2020年12月の大英雄戦で実装。イラストは米子氏。
クラスは勇者基準で原作と同じ緑属性の斧・歩行ユニット。
アスク王国に来ても野心家は健在でエクラのことを大層お気に入りな様子。

武器スキルは敵から攻撃された時、戦闘中、攻撃+6の『反攻の斧+』
Bスキルは戦闘開始時、自身のHPが80%以上なら敵の奥義発動カウント変動量-1の『キャンセル3』
理由は原作におけるホプロンの守護の再現と思われる。
Cスキルは偶数ターン開始時、自分と周囲1マスの味方の守備+6(1ターン)(周囲1マスに味方がいなくても自分は強化される)『守備の波・偶数3』

反撃と防御主軸の所謂カウンター型。
耐えながら次の攻撃で重たい一撃を食らわす。
そのステータスもHPと攻撃共に高い。守備と魔防は特別高くはないがバランスは良い。

弱点は速さが低い故に追撃しにくいのと遠距離から攻撃が苦手。
自分から攻撃することは不得意なので攻撃を仕掛けるように仕向けよう。

2024年8月のアップデートから専用武器「虎目石の荒斧」が追加。
ターン開始時、自身のHPが25%以上なら最も近い敵とその周囲2マス以内の敵の攻撃、守備-7、【不和】を付与
戦闘開始時、自身のHPが25%以上なら戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+4、最初に受けた攻撃のダメージを30%軽減、かつ最初に攻撃を受けた時、戦闘中、軽減前のダメージの30%を自身の次の攻撃のダメージに+(その戦闘中のみ。同系統効果複数時、最大値適用)

攻撃のステータス強化数値は落ちるが全ステータスへ昇華。
…だけに足らずダメージカットを持ち、軽減した分を次のダメージに上乗せ。更なる反撃性能に磨きをかけた。
しかも状態異常とデバフを巻く野心家らしい徹底した性能に。

特殊錬成はHP+3
自分が【有利な状態】を受けている時、または敵が【不利な状態異常】を受けている時、戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+4、敵の攻撃、速さ、守備が減少
減少値は自分と周囲2マス以内にいる味方のうち弱化が最も高い値(能力値ごとに計算)
自分は絶対追撃、自分が与えるダメージ+自分の攻撃の10%(範囲奥義を除く)

条件を満たすと追い打ちに敵のデバフがさらに増加。
そして低い速さを大きくカバーする絶対追撃に反撃に足らず攻撃値に応じてまたダメージを増やす大英雄枠とは思えぬほどの大盛りな性能を獲得した。

うるせえ アニヲタだな。
追記・修正なら心配ねえっつったろ?
策はもう打った。
あとは待ってりゃいいだけさ。

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最終更新:2025年04月07日 12:20

*1 他のステータスも弱体化しており、初登場時のステータスは「むずかしい」だと「烈火」終章のライナスに匹敵する。