ベルリオーズ(AC4)

登録日:2010/02/05(金) 05:00:45
更新日:2024/03/20 Wed 11:58:29
所要時間:約 4 分で読めます




世界は私達が変える…!!


ARMORED CORE4に登場するレイレナード社所属のリンクス

CV:乃村健次

リンクスナンバー1のオリジナル国家解体戦争で圧倒的な戦果を上げた英雄



概要

搭乗ネクストは『シュープリス』。フランス語で苦痛・拷問・断頭台などの意味を持つ。
ちなみにAC4のパッケージを飾るネクストACでもある


シュープリスはレイレナード社の標準機AALIYAHをベースにしているが、武装には他企業の武装も装備している
合理主義者な彼は、任務に必要と判断したら敵対関係にある企業の武装であろうと躊躇いなく使用する
その他のリンクスとは違う柔軟性がベルリオーズがナンバー1に君臨する理由でもある。

本来企業に属するリンクスは自社(もしくは友好関係にある企業)の武装のみ使用する者が大半を占めており、その様な姿勢は異色でもある。
ベルリオーズは優れた結果を出すことで特例としてそれを認めさせているとされる。
本編では、リンクス戦争時同盟を組んでいたBFF社インテリオル・ユニオンが脱落していく中、レイレナード陣営の切り札となったネクスト部隊のリーダー格として登場
奇襲を繰り返し、GA本社を直接攻撃が可能な所まで戦局を盛り返す中、ピースシティーにてアナトリアの傭兵らと交戦する。


ミッション中の活躍


侮るな。優秀な戦士だと聞いている…潰すぞ。


作中ではChapter5の「ネクスト部隊撃破(MARCHE AU SUPPLICE)」において、レイレナード社最精鋭ネクスト部隊の一人として登場。ミッション内容の解説は個別項目に譲る。

増援として参戦したアナトリアの傭兵に対し、No.15のアンシールが『時代遅れ』と小馬鹿にした際、味方であるアンシールを咎めた上、『優秀な戦士』と評価している。
プライドが高く、相手を低く見がちなオリジナルの中で、主人公を認めていた数少ないリンクスの1人。
最終的にアナトリアの傭兵に敗北するが、敗れた際

良い戦士だ。感傷だが、別の形で出逢いたかったぞ。

と言い残し散っていった。
優秀な軍人でもあり、自分を倒した相手に対し敬意を払うその姿は、ナンバー1に相応しい人物であったと言える。 

なお没セリフとして『だが世界は私たちが変える。』というものがあり、続編で登場するORCA旅団が掲げる目的がレイレナードのものであったことを匂わせている。
なおその続編ではPV公開当初壊滅したレイレナード陣営の機体である04-ALICIAベースにフレアを搭載した機体が登場したためベルリオーズではないかと疑われた。*1


乗機

機体名 シュープリス
フレーム 03-AALIYAH
肩武器 051ANAM(フレア)
右背中武器 OGOTO(グレネードキャノン)
右腕武器 051ANNR(ライフル)
左腕武器 04-MARVE(アサルトライフル)

03-AALIYAHをベースに、武装を実弾武器で統一した中量二脚機。ベルリオーズが持つ合理主義の思考のため敵対企業の装備も混在しており、右背面の有澤重工製グレネードキャノン、コア左上部のGA製スタビライザーが該当する。

後述する立体物では、背面武器を省略し右手武器をプラズマライフル・SAMSARA、左手武器をレーザーブレード・02-DRAGONSLAYERに換装した「夜間戦仕様」なるものも存在する。

トップランカー・ベルリオーズの乗機にして、『4』のOPにも登場する看板機体。
パッケージを飾る看板機体としては初めてのダブルトリガー装備。
フォーミュラマシンを思わせる曲線主体、かつ鋭角・シャープなフォルムと、
複眼のようにカメラアイが集合して列をなしているという独特の頭部パーツは、今までのACにないカッコよさ、そして美しさを備えている。

OPは、こちらもシリーズ初の「一機の看板機体が敵部隊を一掃する」「敵AC(ネクスト)がいない」という異色の構成。
敵のMT・ノーマルの混成部隊をその機動力を活かして翻弄しながら、持てる武器をフル活用して撃破していった。
クイックブーストによる高速移動・急旋回(クイックターン)や細かくパターンを変える複眼カメラアイ、ダブルトリガーで別々の敵に狙いを定めて撃破するなど、細かな見所は多い。

だが、何より有名なのはラストを飾る、QBで敵のノーマルの攻撃をかわしながらのMARVEでの刺突。
確かにMARVEは鋭角なデザインで銃剣として使えそうな見た目ではあるが、劇中でこんなことはできないので注意。
また、逆関節MTに対してグレネードを撃った際は弾頭が貫通してしまったのかグレネード特有の派手な爆風が発生しておらず、
MARVEの刺突とは逆に「ゲーム中でできたことがOPでできない」という、逆フロムマジックとでも言うべき珍しい現象を起こしている*2

細かいことだが、実はOP前半のシュープリスはフレア(051ANAM)を装備していない。
フレア展開シーン以降はずっと装備しているが、どこから生えてきたのだろうか…。
なおOPの印象が強いため誤解されがちだがミッションで対峙する際には上記の装備以外にも肩などに各所にスタビライザーが追加されている。

立体化

プラモデル

コトブキヤからV.I.シリーズでOP機ということやAALIYAH自体のユーザー人気の高さからネクストでは一番最初に立体化された。
だが初期のV.I.シリーズらしくパーツ分割が凄まじいことになっておりプラモ初心者には難易度の高いことでも有名。
中でもI-13という脚部パーツは玄人でもパーツ紛失しかねない代物しても有名である。
またこのキットは前述のフレアは付属していないもので成型色も異なっている、そのためフレア搭載の見慣れたシュープリスを再現するには
宮沢流通限定キットとしてフレア以外にも新規造形装備が付属し成型色も変更された夜間戦闘verが必要となる。
キットは一度再販されたものの流通限定は性質上そのまま再販することが非常に難しくまたACシリーズの停滞などもあり一度しか再販されずプレミアがついていた。

2020年になり成型色をシュープリスと同じものに変更*3、装備もフレアを含めたシュープリス再現必須なものを完備、さらには夜間戦闘Verだけでなく
同様に流通限定でプレミアがついていたクラースナヤのスタビライザーなど装備も付属する豪華仕様が発売された。*4
…が一般販売だったにもかかわらず通販によっては購入制限が設けられたりと、近年のコトブキヤキットでは珍しい瞬殺ぶりをみせプレミアがついてしまった。
その後再販されたが初期出荷が試験販売的にあまり出荷してなかったのか再販はそれなりに長い期間市場に残っていたが2023年6月時点では再びプレミアが付いている。
しかしこのシュープリスでまだAC需要があるとみられ、AC6発売でAC人気が再燃するとみられてか長らく再販されていなかったACキットの再販などが決まったためこちらも再販されることを気長に待とう。

コトブキヤではこれ以外にもDスタイルというSD体系のシリーズでも立体化されている。
こちらではV.I.シリーズでは発売されなかった同じレイレナード陣営のアンジェのオルレアが発売されている。*5*6

アクションフィギュア

2022年にはAC6の発表より少し前に突如コトブキヤからDECOCTION MODELSというブランド第1弾の可動フィギュアとしてシュープリスが発表。
当初はAC4の15周年企画として2021年頃に発売予定だったが、世界情勢やAC6発売などの事情もあってか2023年6月に延期し発売された。
開発担当にはかつて上記のシュープリスを買っていた元ユーザー、既にコトブキヤ社員で自分から希望してACの武器の原型製作をしていたスタッフが関わっているためAC愛に溢れており
製作にはフロムも協力しコトブキヤも70周年という節目を迎え「今のコトブキヤの技術でどれだけのシュープリスが作れるか」という挑戦的な一面もあったと担当者は語っている。

全長は圧巻の30cm、劇中そのままのプロポーションを保ちつつ様々なアクションを可能にする手足の可動はもちろん、肩のグレネードのブローバックやライフルのマガジンの脱着、フレアやブースターの展開、頭部はOP仕様の赤いLED発光ギミックなど細部までこだわり抜かれたギミックが満載。
PA展開状態を表現するために色んな箇所が可動するようになっている他、アサルトアーマー展開を意識したコア先端部・腰部分・ふくらはぎ部分の展開などオリジナルギミックもある。
プラモ化の際ライフルを支える隠し腕の設定が追加されたのだが、プラモ製作時のコトブキヤの技術力で不可能だったものが再現されるなどいたるところにコトブキヤの本気が感じられる。
商品は合金を用いているとの触れ込みだったが、本体に合金を多用するとかつてコトブキヤが20年以上前に出した壮絶合金ガオガイガーガオファイガー二の舞になることを危惧してか*7
合金は関節部など強度が必要な箇所に使われており、本体の大半はABSなどで出来ており見た目・サイズの割には重量はない。
しかしつや消し塗装の黒と各部に見られる金色のPA展開パーツのコントラストで高級感抜群。
可動部が多い脚部に合金パーツ多用で重量は脚部に集中しているため付属台座を使わなくても安定性は抜群、ダイナミックなアクションをさせても高い保持力を維持できる。

不満点を挙げるとデザイン上仕方ないのだが、プラモに比べてかなりの可動するが干渉する部分も多いので破損の可能性、爪先・踵部分は各部独自可動するのだが動くのは縦だけで横には可動できないので足を広げた場合ぴったり足を接地させることが出来ない。*8
関節部の合金パーツは保持力のためにかなりきつくなっているため繊細に扱うことを推奨、またMARVEを持っている左腕は隠し腕もあって保持力に問題はないがANNRを持つ右腕は設定・オリジナルでも隠し腕で支えるための接続部が存在せず、銃自体もMARVEより大型なので将来的に経垂れる心配がある。
台座の支柱が武骨すぎてデザインセンス皆無だが、これをスタイリッシュな本体と対比で武骨なデザインと判断するか、素敵性能よりも実用性を重視したと判断するかは各々の判断に委ねる。
そしてなによりも定価52800円と超豪華仕様には流石のレイヴン・リンクス達の中には泣く泣く諦めた者も少なくない。
発売告知後待望のAC6の発表で刺激されたファンが多いのか、値段などもあり元々の出荷数もあまり多くなかったのか*9通販では発売前に予約完売した店も少なくなく、また今後を見越してか各部にスタビライザーやブレードを搭載できる箇所が設けられているため、発売時点で第2弾などの告知はないがシリーズが続くことを期待したい。

余談

原曲のMARCHE AU SUPPLICEの最後は主人公の死で幕が下ろされる。
ベルリオーズの幻想交響曲は、作曲者本人が失恋して見た夢をモチーフとし、5楽章まである。「MARCHE AU SUPPLICE」は4楽章にあたり、主人公(作曲者の夢の中の主人公)であるベルリオーズ本人が首を切られて終わる。

しかし、夢は終わらない。5楽章では、斬首され地獄に墜ちてからの話が描かれる。この場面は日本では「ワルプルギスの夜」と呼ばれる。

タイトルには「交響曲」とあるが、明確なモチーフがあり交響詩的な曲である。曲解説や話の内容の説明はこの項目において脱線でしかなく、この解説自体も本来の項目と関連が薄いのでざっくりとものにした。詳しくは別の項目・手段でお願いしたい。


『…良い追記・修正だ。感傷だが、別の項目でも出逢いたかったぞ…』
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最終更新:2024年03月20日 11:58

*1 勿論その機体は後のアンサングで搭乗者も別人、フレアもオミットされている

*2 現実の榴弾砲も誤射による被害を防ぐため、発射後一定時間は信管が作動しないようになっている。この場合も近すぎて信管が作動せず貫通してしまったものと思われる。

*3 夜間戦闘Verは厳密にはガンメタ塗装だったためシュープリスとは微妙に異なっていた

*4 特にこのスタビライザーは心無いユーザーが大量に部品注文したため、以後コトブキヤでは注文用紙のコピーでの注文不可や購入制限が設けられるほどになった代物

*5 パーツの大半は販売され再現は可能だがアリーヤ本体以外は SULTANが付属するアリシア・スタビライザーが付属する上記のシュープリスかクラースナヤ・絶版となった武器セット・頭部のスタビライザーは未販売で自作するしかないためシュープリスよりも難易度が高い、難易度Hardの月光2本に至っては武器セットがもう一つ必要なため更に跳ね上がる

*6 ちなみにシュープリスは劇中仕様でもアンサングで余るスタビライザーを流用できるため2020年に発売されたシュープリスとアンサングの余剰パーツで再現可能

*7 こちらは全体的に合金を用いていたがそのせいで上半身の重量が重く一部パーツはABSなどと混ざっていたことで露骨に出来の違いが浮き彫りになったほか、関節部が緩かったことでアクションポーズはおろか直立させるのも難しく、しかも強度が必要な股間関節部はABSを用いていたことで折れる可能性も高かったなど評価があまり良くなかった

*8 ただし前述のように脚部に合金が集中し足底は可動部分が多く合金パーツも豊富なので安定性と接地こそ出来ないが各部の調整で安定して立たせることは可能、そうでなくても台座が付属するのであまり心配する必要はない

*9 一部通販では二次出荷の予約もあったが完売した