国家解体戦争

登録日:2010/03/16 Tue 16:56:15
更新日:2025/02/25 Tue 17:18:29
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『国家解体戦争』とは、フロムソフトウェアのゲーム『ARMORED CORE 4』にて言及された事件。
ゲーム本編の4年前の出来事である。
なお「戦争」と呼ばれているが、実質的にはクーデター事件に近い。



■開戦までの経緯

現代からそう遠くない未来、南北格差の拡大と人口爆発による食料不足にエネルギー資源の慢性的な不足に伴う混乱により、国家はその統治能力を失いつつあった。
それにより世界中でテロや暴動が相次ぎ、それに対応するため軍隊は高度に機械化され、MTやACといった兵器が誕生・配備されて行った。
それらの兵器を国家に供給する企業は徐々に力を付け、次第に「企業武装権」を獲得、企業自体も自前の軍隊を持つようになった。
またいくつかの企業は強力な軍産複合体を形成し、その影響力を次第に強めていった。

次第に経済システムの存亡の危機に陥る程に国家は破綻、ここに至り当時の事実上の最高権力として存在していた六つの企業グループは遂に国家に見切りを付け、
全世界に対し宣戦布告を宣言、その一方的な奇襲攻撃により開戦した。


■戦争の経過

如何に弱体化したとはいえ国家の正規軍が、如何に力を付けたとはいえ企業の私兵に敗北すると予想した者は少なかった。
しかし企業軍はコジマ粒子と呼ばれる新物質を軍事転用し、その技術の粋を注ぎ込んだ新型AC、アーマード・コア・ネクストを投入する。
従来の兵器を全て「通常兵器」と帰せしめ、またACを「ノーマル/ネクスト」に区分する程の隔世の性能を持つネクストの威力は凄まじく、
国家軍は企業が投入した僅か26機のネクストを前に圧倒され成す術無く敗北、開戦から僅か一ヶ月で企業側の圧倒的勝利で国家解体戦争は終結した。


■戦後

戦後、名実共にその力を喪失した国家に代わり、六大企業群は新たな秩序、『パックスエコノミカ』(経済による平和)を構築する。
企業群は「限りある資源の秩序ある再分配」と称し、それが素晴らしいものであるかのように喧伝したが、
しかしそれは一般市民が期待した「今までよりも安定した平和な暮らし」を齎すものではなかった。
一般市民は『コロニー』と呼ばれる居住区に押し込まれ、そこで企業に働かされ、その見返りに糧食を配給され、自由な経済はコロニー代表以外には禁止され……と、
その実は国家統治時代と大差ないどころかより貧しいものだった。

他方、国家解体戦争に参戦した26名のリンクスは『オリジナル』と称され、歴戦のネクストパイロットとして企業群の切り札に位置付けられる事となる。
その一方で、4系世界にも国家解体戦争以前はPS2作品と同様にACを駆り依頼を遂行する「レイヴン」と呼ばれる傭兵が存在したが、
国家解体戦争以降は地味な存在となり、多くが企業の狗となるかはした金でコロニーの警備を行うなど、その価値を下落させる事となった。

AC4の主人公、「アナトリアの傭兵」も以前は伝説と謳われたレイヴンであったが、
国家解体戦争の折に瀕死の重傷を負い、コロニー・アナトリアの科学者フィオナに助けられ療養を開始する。
本編はそれから4年が経過した所から幕を上げる。
なお件のオリジナルは26名である筈だが、その内2名は何故かゲーム中では存在が一切描写されていない。
実は国家解体戦争で戦死した、その後に何らかの理由で死亡ないし戦闘不能になった等が原因として推測されるが理由は不明である。


■参戦企業

次回作のACfAとは様変わりしているが、この当時の企業とその関係性は以下の通りである。
この内、イクバールグループとオーメルは友好的な関係を結んでいた事が明らかになっている。
またGAグループはコジマ技術関係で出遅れていたため、コジマ技術のリーディングカンパニーであるアクアビットとオーメルの両方から技術を学習していたが、
後にアクアビットとは関係が悪化して行く事となる(具体的な時期は不明)。

●GAグループ
GA
GAE
有澤重工(名目上は独立企業)
クーガー
MSACインターナショナル

●ローゼンタールグループ
ローゼンタール
オーメル・サイエンス

●イクバールグループ
イクバール
テクノクラート

●レイレナードグループ
レイレナード
アクアビット

インテリオル・ユニオン
├レオーネ・メカニカ
├メリエス
アルドラ

●BFFグループ
BFF



■余談

ライトノベル魔法科高校の劣等生』の作者・佐島勤の『ドウルマスターズ』にも国家解体戦争というワードが登場する。
その他の設定にもACが元ネタと推測される要素はあるが、世界観はどちらかと言えば4系というよりV系に近い。










以下、壮絶なネタバレの為閲覧注意









続編、ARMORED CORE for Answerにてこの戦争の本来の意味が語られる。
上記理由もあるが、真の狙いは企業が宇宙進出を互いに妨害しあった末、宇宙への扉を閉ざしてしまった無差別攻撃自立兵器『アサルト・セル』及び企業が携わったその事実を覆い隠す為のモノ。

テルミドール曰くリンクス戦争もこの罪を隠匿するためにあったとのこと。前作にも登場したエーレンベルグがACfAにてとある目的で使用されていることや、レイレナードとORCA旅団の関係もそういうことなのだろう。
これより先はフロム脳を活用して考えよう。







粗製な項目の為、追記・修正を熱望します

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最終更新:2025年02月25日 17:18