エピソードシリーズ(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/02/15 Sat 12:32:40
更新日:2024/10/23 Wed 20:15:53
所要時間:約 3 分で読めます




エピソードシリーズとは、デュエル・マスターズにおけるシリーズ3つの総称である。

概要

デュエル・マスターズのシリーズ名は、「基本セット」を除いては長らく「○○編」という形であった(1年ごとに次のシリーズに移る)。しかし、覚醒編の次の弾は「エピソード1」という名前になった。当然のことながら、本来ならばデュエル・マスターズにおいて1つ目のシリーズは基本セットであるわけであるから、ここであえてエピソード1とつけたのには幾らかの理由があると思われる。ざっと考えられるなら以下の様なところだろう。

  1. 主人公が変わる
  2. 新枠になり、また新しいギミックが搭載される
  3. 今までのデュエマとは何かが違うよ!とイメージ付ける

エピソードシリーズは2013年度の「エピソード3」を最後に終わり、次段からは「ドラゴン・サーガ」に移ると予告されている。あえてこの時期にエピソードを持ってきたのには、やはり開発側がデュエマに変革を求めていたのかもしれない。

エピソードシリーズで導入された特徴

1.同一人物が前後の弾で姿を変えて収録される
「リュウセイ」「プリン」「鬼丸」「カツドン」「ブータン」などが顕著だが、それ以外の人物でも「ガイアール」「モエル」「オニナグリ」「修羅丸」「クロスファイア」「テスタ・ロッサ」「ニケ」「ロビー」「五朗丸」などが多く収録されている。またサブの人間でも「オニマネ丸」「ザ・クロック」なども再収録されているなど、キャラクターが数度クリーチャー化されている。
また《オニウッカリ 爆マル》や《紅き血の テスタ・ロッサ》などは背景ストーリー中で中心人物というわけではないがカードのフレーバーテキストではよく登場している。

2.今までになかったような能力を持つものがやたら多い
勝利宣言 鬼丸「覇」》をはじめとして、今までになかったようなカードが目立つ。《終末の時計 ザ・クロック》や《四十日鼠 チョロチュー》、《サイバー・N・ワールド》は驚きを持って迎えられたことであろう。

3.背景ストーリーがやや少年漫画のような路線になっている
今までのデュエル・マスターズの背景ストーリーは、子供向けとはいえややMTGの影を残しているためか少し複雑なストーリーになっていたが、エピソードシリーズは全体的にわかりやすい王道のストーリーを展開していた。基本的に敵との闘いを和解で終えるところも、互いを理解したうえで認め合う王道にあっているし、敵が最初から明確である点も今までのデュエル・マスターズからするとやや異端ではある。

4.カード名が独特
ドンドン吸い込むナウ》《すべってコロバナナ》など、カード名が独特なものが増えた。人によってはこのことからデュエル・マスターズに苦言を呈したりやめてしまったりした人も多い。《真実の名 ナッツ・スパゲッティーノ》《拘束の影メリコミ・タマタマ》など、実戦で使いたいかと言われると慣れた人でもカードショップに行って使うのは恥ずかしい物も多い。またエピソード3では《潜行する穿孔 ギーガ》《飛翔する啓示 ゼッツー》など、ややライトノベル寄りの命名も増えている。

5.カードをくっつけるギミックが多い
エピソード1のサイキック・スーパー・クリーチャーは、今まで単体での強さを求められたサイキック・クリーチャーに対して、揃えてリンクさせることで「超巨大な」(文字通り)切り札がバトルゾーンに出現するというサプライズがあった。またエピソード3のゴッド・リンクの再フィーチャーも、自由にリンクを付け替えながらバトルゾーンを威圧するようなカードが多かった。これらは他のTCGでは味わえないまさにデュエル・マスターズだからこそ実現したギミックとも言える。

反響

エピソードシリーズはその独特な方向性から既存のプレイヤーからは賛否両論ではあったが、新参や復帰勢にとっては、参入が楽であったことは否めない。なにしろ、買ったデッキが環境入りしない事が多かったりしたこともあったデュエル・マスターズが、明確にパワーカードを作って(その上で旧カードに新しい使い方を与えて)いたのだから。また小学生にとっては明確なヒーローがいたことでデュエル・マスターズにとっつきやすくなっている。やはりメインは小学生だから、そこに対してアプローチがなければいけないのは当然のことであり、それを実現した点ではエピソードシリーズは評価されるべきであろう。

また、今が昔と違う、という点がある。昔はTCGといえばマニア向けのものを除くとMTGと遊戯王、そしてポケモンカードしかなく(ライブオン?ドラゴンドライブ?ウズマジン?はて)、DMはMTGが難解で子供には理解しづらいために子供向けのわかりやすいカードゲームとして計画されたものである。しかるに当時のゲームでは一番デュエル・マスターズが簡単だったとも言える。MTGはカード文章が漢字だらけだし、ポケモンカードもややルールが面倒で、遊戯王はコンマイ語で書かれているので子供にはわかりづらいのである(それでも子供には売れていたのだから、カードゲームがまだまだ黎明期にあったとも言える)。
しかし、現在はバトルスピリッツやヴァンガード、さらにはバディファイトと子供向けのTCGが群雄割拠、という状況になっており、今までのデュエル・マスターズでは勝ち目がないことも否めない。バトルスピリッツもヴァンガードもよりわかりやすい方向性を打ち出しているからだ。さらにかつてからコンマイ語で書かれていた遊戯王もテキストがかなり平易になり、テキストが平易なTCGとしての位置づけは失われつつある。
ここで子供に向けて売り出していくにはどうすべきか考えた結果、エピソードシリーズでテストを行ったものと思われる。そしてその結果、デュエル・マスターズはカードの売上で他のTCGを抑え上位に君臨するようになった。今後もエピソードシリーズの影響は続くと思われる。


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最終更新:2024年10月23日 20:15