ボルケーノ・ドラゴン(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/06/07 Sat 15:52:24
更新日:2025/06/27 Fri 07:06:27
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新たな伝説と歴史が、君の未来に託された!



ボルケーノ・ドラゴンとは、デュエル・マスターズの種族。
新たな伝説と歴史を、僕らの未来に託し(てくれなかっ)たドラゴンである。

概要

闘魂編期において、戦争の続く世界を憂いたバーニング・ビーストが古代から蘇らせた龍。
同時期に、闇のドラゴン・ゾンビアース・ドラゴンも蘇っている。

が、このボルケーノ・ドラゴンはいろいろと登場時から問題を抱えていた。

1.文明初の「ドラゴン」ではない
ボルケーノ・ドラゴンの冠詞は「紅神龍」である。
これは、「光神龍」のアポロニア・ドラゴン、「蒼神龍」のポセイディア・ドラゴン、「黒神龍」のドラゴン・ゾンビ、「緑神龍」のアース・ドラゴンと同じ系列である。

だが残り4つが「文明初のドラゴン」であるのに対して、火だけは事情が違う。
DM-01の看板、ボルシャック・ドラゴンって種族はなんだっけ?

そう、アーマード・ドラゴンである。

要は登場時から既に文明初のドラゴンではなく、またデザイン的にも武装したドラゴンであるあちらに比べると地味。登場させる意義がそもそもあったのか、とすら言われることが多い。
一応軽量~重量級まで幅広く存在している事や自己完結した効果持ちが多い事からファイアー・バードに頼らず出張できるドラゴン、あるいはファイアー・バードとアーマード・ドラゴンとの間を埋める種族としてデザインしようとしていた節はある。

2.ポジションがやたら他の種族と被る
ボルケーノ・ドラゴンはアーマード・ドラゴンに比べて中量級から重量級のクリーチャーが多いが、火文明だけバリエーションの少ない能力の焼き増しが多い(昔の話。今はかなりバリエーションも増えた)ことが災いして、メルト・ウォリアービッグマッスルロック・ビーストとポジションが被る。優位性があるのは唯一「ドラゴン」を持つことだが、「だったらアーマード・ドラゴンでいいじゃん」で終わる話である。

そして悲しいかな、これら3種族とのポジション争いは、4種族全てが敗北するという結果に終わった。

フレイム・コマンドが登場したためである。

コマンドを持ち、アーマード・ドラゴンとも複合が多い彼らは、能力もかなり優秀なものが揃っていた。そのため、以上4種族のポジションを全てかっさらっていってしまったのである。

なお現在ではフレイム・コマンドもまたソニック・コマンドに立場を奪われている。諸行無常の響きあり。

3.新たなドラゴンの出現
コマンド・ドラゴンの登場以降、更に影が薄くなる。火文明にも、レッド・コマンド・ドラゴンキング・コマンド・ドラゴンガイアール・コマンド・ドラゴン、メガ・コマンド・ドラゴンが登場し、ボルケーノの優位性が完全に消失。もはや、ボルケーノを使う意義などどこにもなかった。

ちなみに、「コマンド・ドラゴン」登場以前において、種族にドラゴンを持つクリーチャーがサイクルを形成するときも、火文明は決まってアーマード・ドラゴンを輩出していて、ボルケーノがサイクルに組み込まれた例はかなり少ない(それも登場初期の闘魂編期にお情けのような形で)。多種族冠詞は「旋龍」だが「電磁旋龍アカシック・ファースト」くらいしか登場しておらず、知名度は低い。このアニヲタwikiにおいてすら、「ボルケーノに多種族冠詞は存在しない」とか書かれちゃってる場所もあるくらいで…涙拭けよ。

よくボルケーノの各ドラゴンを擁護する際に「種族が違うから完全下位互換ではない」というものが言われる(相手がアーマード・ドラゴンやフレイム・コマンドの時)。
だが、種族自体がアーマード・ドラゴンの下位互換的な存在であるとか言ってはいけない。

代表的なクリーチャー

紅神龍グリムゾンサンダー 火文明 (6)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン 4000+
パワーアタッカー+2000
W・ブレイカー
ページ上のフレーバーが付いている、転生編期のスターターセットの限定フォイル。
初代ボルシャックと比較してもだいぶ酷い。
というか、6コスト圏はGENJIという完成されたドラゴンがいる今の環境どころか、当時の環境でも通用しない。するわけがない。
こんなん出すなら1コスト待ってボルバル出しとけばよかったのである。
デュエル・マスターズ七英雄がひとり、メテオレイジ・リザード氏にも、実は上回っていなかったりする。

文明は違うが、緑神龍グレガリゴンにも負けている。あちらはコモンなんですがそれは…
あんまり過ぎたせいかデュエプレ収録時には火文明版グレガリゴンに能力調整された。
そこそこのスペックになったためSPルールマッチの火文明限定構築戦で使われることもあった。

紅神龍ガルドス 火文明 (3)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
自分のターンが終わる時、このクリーチャーを自分の手札に戻す。
火文明最軽量ドラゴン…だが基本奇襲用であり、進化元にはそれほど向いてない。
進化元にするなら、場に留まってくれたほうがいいわけで、その点では《霊峰竜機フジサンダー》が優先されるであろう。富士山には勝てなかったよ…
とはいえ、ボルケーノではだいぶマシ。
チッタ・ペロル》という相棒と共に相手の戦線をズタズタにする姿にトラウマをもつ人も少なくはないだろうし、《爆竜勝利 バトライオウ》との相性の良さから、ドラゴンズ・サーガシリーズ開始当初にあった、ビギニング・ドラゴン・デッキ10枚改造戦において、投入候補の1つとして挙げられたこともあった。
実はエグゼズ・ワイバーンの種族を変更した同型再販であり、もともと生産数の少ない限定パックに収録されていたカードだったりする。

紅神龍ガルワインド 火文明 (7)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン 6000
このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにあるクロスギアを1枚選び、持ち主の墓地に置く。
クロスギアがバトルゾーンから墓地に置かれた時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー
クロスギアメタ。ただし自身はクロスギアが使えなくなる上、アタックトリガー故の遅さも気になる。
しかし、クロスギア流行環境では割とメタとしていいカード。

え?クロスギアが環境とったのはごく少数の事例だって?言ってはいけない。

ちなみにこいつが登場してからセメルダインまで、ボルケーノは忘れられていた。

紅神龍バルガゲイザー 火文明 (6)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン 5000+
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せてもよい。そのカードがドラゴンであればバトルゾーンに出し、ドラゴンでなければ自分の墓地に置く。
パワーアタッカー+1000
嘗て連ドラ必須と言われていたドラゴン。今でも実はこの強みを生かせればだいぶ強い。
まずブレイク数が1なので、バルガライザーと違いトリガーは踏みにくい。また、バルガライザーと違ってトップを違った場合は切れるので、2枚目以降のバルガにつながる。

とはいえ、今の連ドラではむしろSAWBで自身もハイパフォーマンスなバルガライザーが優先されるのはしかたない。なおバルガ・ラゴンには割と勝ててる。

ちなみにバルガでは珍しく進化も出せる。

紅神龍ジャガルザー 火文明 (6)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン 6000
W・ブレイカー
ターボラッシュ(自分の他のクリーチャーがシールドをブレイクしたあと、そのターンが終わるまで、このクリーチャーは次のTR能力を得る)
TR-自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。
嘗ては火文明中速のフィニッシャーを担い続けた名クリーチャー。恐らくバルガゲイザーと並んで存在を知られているボルケーノ・ドラゴンである。
今の時代ではターボラッシュ能力がやや地味。居座ればSA化できる《永遠のリュウセイ・カイザー》がおり、更にマナを伸ばすことも昔より簡単になった現環境では、そちらが優先されてしまう。今の中速は、中量級が活躍するならそれはアタッカーであらねばならず、システムクリーチャーにはお呼びがかかりにくいのである。
どちらかというとコスト面で役割が被った《ボルシャック・大和・ドラゴン》の登場のほうが痛かったと思われる。
一応現在でも専用デッキでは出番があることを考えると、まだこの種族としては恵まれているカードといえるだろう。

紅神龍オグリストヴァル 火文明 (7)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン 0000+
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、このクリーチャーのパワーは、自分の手札1枚につき+3000される。
このクリーチャーは、パワーが6000以上のとき、「W・ブレイカー」を得る。
このクリーチャーは、パワーが15000以上のとき、「T・ブレイカー」を得る。
火文明という手札消費の激しい文明と、自分の手札の枚数を参照してのパンプアップがかみ合っていない。
デュエプレ版では能力調整が入り、強化された部分もあるため一概には言えないがデュエプレのルールも含めて実質弱体化に近い調整がされてしまった。

ミラフォース・ドラゴン 火文明 (7)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン 8000
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、バトルゾーンにある自分のドラゴン以外のクリーチャーはすべて「パワーアタッカー+4000」を得る。
アーマード・ドラゴンではない。アーマード・ドラゴンではない。大事なことなので(ry
命名ルールもイラストもどう見てもアーマードなのにこれをボルケーノと言い張る勇気。
パンプアップの数値はそれなりだが、付与するのがパワーアタッカーなので殴り返しに弱いことや、本人がWブレイカーを持っていないこともあり、他のパンプアップクリーチャーと比べるとどうしても見劣りする。
デュエプレ版ではアーマード・ドラゴンになりWブレイカーを獲得。
初期のカードプールでは使えないこともない性能だった。

紅神龍セメルダイン 火文明 (7)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン/ハンター 4000+
パワーアタッカー+7000
W・ブレイカー
このカードの収録の少し前に、かの有名な《ねじれる者ボーン・スライム》を輩出した古参種族である、リビング・デッドに7年ぶりの新顔が登場していた。
これにより旧来のファンは期待する。「そろそろ、ボルケーノ・ドラゴンも新規クリーチャーが登場してもいい頃合いじゃね?」と・・・。
そして満を持して登場した、《紅神龍セメルダイン》。
実に6年ぶりのボルケーノ・ドラゴン。当ページの中部にも記述がみられるが、一部では
ウィザーズ・オブ・コースト社から忘れ去られているのではないかと疑われるほどの
沈黙を破り登場したこの種族のこのクリーチャーのテキストを、
大きな期待を持ってじっくり読み込もうと思ったプレイヤーも少なくないのではないか。
しかし、そのテキストに書いてあるのは昔懐かしパワー・アタッカーとW・ブレイカーだけというシンプル極まりないキーワードたった2つ。
先に例に挙げた《紅神龍グリムゾンサンダー》を彷彿させる低スペックに、
ボルケーノ・ドラゴンのファンのプレイヤーたちの高まった希望は再び叩き落されたのだ。
いや、むしろこの6年の空白を経てなお不遇を受け続けるこの種族に、懐かしさと安心感をおぼえた人々もいたのかもしれない。

ちなみに、このセメルダインを最後に約9年間もボルケーノ・ドラゴンの新規は出なかった
真面目な話で言うとドラゴン・サーガ以降は火文明のドラゴン種族が激増しており、この種族を出す枠がなかったことが大きいと思われる。
例えば、セメルダインが登場したエピソード2時代に火文明ドラゴンの主力だったレッド・コマンド・ドラゴンですら大きく衰退しているという状況になっていた。
《紅神龍バルガゲイザー》や初心者用として《紅神龍メルガルス》が再録されたこともあったので、この種族を全く見ないという訳ではなかったのだが、バルガ主役のDMBD-05「クロニクル・レガシー・デッキ2018 究極のバルガ龍幻郷」では、新規バルガはアーマード・ドラゴンでバルガゲイザーも再録されないなど、前にも増してボルケーノ・ドラゴンの冬の時代となってしまった。

そして、2021年に3290日ぶりにボルケーノ・ドラゴンの新規カードが出た。それがこちら。

紅封混成 バルガ・アリタ 水/火文明 (6)
クリーチャー:ディスペクター/グランド・デビル/ボルケーノ・ドラゴン 6000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
このクリーチャーが出た時または攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。それがコスト5以下のクリーチャーかコスト5以下の呪文なら、コストを支払わずに使ってもよい。そうしなければ、そのカードを墓地に置く。
ディスペクターとしてグランド・デビルとの複合の多色クリーチャーとなっている。
《紅神龍バルガゲイザー》と《封魔ベルアリタ》が合体した設定であるため、新規のバルガともなっている。
cipとアタックトリガーで山札からコスト5以下のクリーチャーか呪文を踏み倒す。ディスペクターの専用能力であるEXライフも所有。
EXライフによる除去耐性を獲得しているため、アタックトリガーも比較的発動しやすいという点が便利。
ボルケーノ・ドラゴンとして見ると、セメルダインとは比べ物にならないまともな性能をしている。「実戦レベルのボルケーノ・ドラゴン」としては、かなり久々の存在ではないだろうか。

そんな感じで新ボルケーノ・ドラゴンが登場した矢先の2021年7月17日、とうとうフィニッシャー級のボルケーノ・ドラゴンが登場することになる。しかし、それは何度もサイクル形成にボルケーノ・ドラゴンが入ることを阻害していたアーマード・ドラゴンと融合しての登場であった。それが

龍騎旋竜ボルシャック・バルガ 火文明 (19)
クリーチャー:ボルケーノ・ドラゴン/アーマード・ドラゴン 17000
G・ゼロ:バトルゾーンに自分の火のドラゴンが4体以上あれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい
スピードアタッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手の「ブロッカー」を持つクリーチャーをすべて破壊する。
このクリーチャーが攻撃するとき、カードを1枚引く。その後、自分の手札からドラゴンを1体出してもよい。

19という凄まじいコストを持つため正規召喚はほぼ不可能だがG・ゼロでノーコスト召喚が可能なので基本的にこちらを使って出すか踏み倒しを活用する事になる*1
ブロッカーをcipで全破壊できるうえにスピードアタッカーを持っているため、紅神龍バルガゲイザーでドラゴンを並べた後に出したいボルケーノ・ドラゴンデッキのフィニッシャー。
まぁぶっちゃけると「ボルシャック」を冠しているためボルシャックデッキのフィニッシャーという趣が強い*2
それでもボルケーノ・ドラゴンに活躍の場を与えてくれる1枚には変わりないため、このボルシャック・バルガに新たな伝説と歴史を託したい。

……なんとなく察した人も多いかもしれないがセメルダインより後に登場したボルケーノ・ドラゴンは全て一番知名度の高いバルガゲイザーを意識したデザインになっており、ボルケーノ・ドラゴンの方向性がそちらに定まりつつある。

追記・修正は新たな伝説と歴史を託してくれる方がお願いします。

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最終更新:2025年06月27日 07:06

*1 公式の解説によると元々正規召喚を想定していないデザインだったためどうせなら今まで存在していなかったコストを当てはめようという経緯でコスト設定がされている。

*2 収録パックもクロニクルデッキとの連動を推しているので公式もDMBD-16の強化として使う事を想定していると思われる。