アットウィキロゴ

ジャック・ハンマー

登録日:2014/07/23 Wed 21:17:06
更新日:2026/08/01 Sat 12:09:45
所要時間:約 20 分デ読メマス


▽タグ一覧
お兄ちゃん オイディプスコンプレックス オーバーワーク グラップラー刃牙 ジャックシャ ジャック・ハンマー ジャック範馬 ステハゲ ドーピング ナポ… バキ バキシリーズ バキ界の宮沢鬼龍 バキ道 ピクルの餌 ファザコン フランケンシュタイン フランケンシュタインの怪物 マックシング ヤク中 三宅健太 不遇 不遇の強豪 人間じゃねぇ 保存食 兄 公園で本部と闘った命知らず 刃牙道 噛みつきサイボーグ 嚙道 坂口候一 大食い 完全主義者 巨人 強きを求めし者 愛すべきバカ 改造人間 早食い 明日を捨てた男 最強の遺伝子を継ぐ者 片言 異母兄 範馬一族 範馬刃牙 練習時間=1日30時間 血が薄い 鉄腕ジャック 食事シーンも最強



無知な科学者にはたどり着けぬ極地がある……
薬物と滅びゆく肉体とのせめぎ合いの果てッ
薬物を凌駕する例外の存在!!!

日に30時間の鍛錬という矛盾のみを条件に存在する肉体

10数年その拷問に耐え

俺は今ステロイドを超えた!!!



勇次郎の前に立つ!!!







ジャック・ハンマーはバキシリーズの登場人物。初登場は第1部『グラップラー刃牙』・最大トーナメント編。

CV:坂口候一(TVアニメ)/三宅健太(TVアニメ第二作以降)

●目次


◆概要◆

本名ジャック・範馬。地上最強の生物・範馬勇次郎の息子…彼の言う処の『世界中にバラまかれた俺の種』の一人であり、主人公範馬刃牙の腹違いの兄。


全ての生命活動を『強くなる』一点に向け、狂気の沙汰ともいえるハード・トレーニングを己に課す日々の中で人体強化の研究を続ける学会の鼻つまみ者・ジョン博士と出会い、互いの利害の一致から彼の研究の実験台となる。
博士の発明した特殊な筋肉増強剤=ステロイドの過剰投与を経て人外の肉体とパワーを手に入れたジャックはそれ以降も常軌を逸したトレーニングと違法薬物のドーピングを継続する『明日を捨てた男』となり、地上最強の生物へ近づいていく。

なお、ジャックとジョン博士の巡り合いはあくまで偶然だが、博士が狂気の研究に手を染めたのは、アザラシのホルモン採集の際に北極熊を素手で屠り去る勇次郎の超暴力を目撃したことがきっかけ。
つまりジャックとはお互い『勇次郎に人生を狂わされた者同士』ということになる。
しかし、やがてジャックの強さが悪魔の領域に達してしまったことに呵責を覚えた博士は、「これ以上神と喧嘩はできない」と東京・地下闘技場へジャックが旅立った後に自筆で遺書を遺し*3、拳銃自殺してしまっている。




◆人物像◆

身長193cm、体重116kg(いずれも1部時点。刃牙らへんでは身長243cm、体重211kg)。短く刈り込んだ頭髪。
カナダ国籍の母の血を継いでいるため、外見は金髪碧眼の白人(眉のみ黒い)。しかし骨格や顔立ち自体は刃牙よりも勇次郎に近いものがある。
普段はまるでサイボーグのようなシャープで無機的な顔つきをしており、基本、感情の起伏は全く読み取れない。
しかし、その『強さ』への執念は既に狂気の域に達している。

ジョン博士と会う前は、運動生理学に反したオーバーワーク*4の影響でさながら幽鬼のような貧相な体躯になりさらばえており、博士からは『世界一ハードなトレーニングをする世界一ひ弱な男』という第一印象を持たれるほどであり、当時通っていたジムのトレーナーからは「女抱いてるほうが強くなれる」と未来予知酷評されている。

しかし、これも『科学的に正しい』程度の生易しいトレーニングでは勇次郎に『近づく』ことはできても『超える』ことはできないという確信に由るもので、「今日強くなれるならば明日はいらない」と公言している。
だが、ジョン博士の見立てではこの状態でのジャックは余命わずか半年だったらしい。
明確な指導者がいないせいもあるが、当時のジャックのやり方は満足に食事・排泄はおろか睡眠すらも出来ないものであり、肉体が衰弱していくのも仕方ないレベルである。
実際に13歳の頃の刃牙も似たような脳内麻薬を利用したオーバーワーク・トレーニングをしたが、ガッツリ食べ、しっかり睡眠をとっている。
その徹底的に自分の体をいじめ抜くやり方は、刃牙と比べてやはり間違っていたとしか言いようがないだろう。
ジョン博士との出会いがなかったら、刃牙や勇次郎と会うことなく、栄養失調で一人寂しく衰弱死していた可能性が高かったと思われる。


博士の協力を得てからは人体の致死限界を超えた量を投与する異常なドーピングと、「日に30時間の鍛錬」と語るほどの密度のトレーニング量をこなすことで、はちきれんばかりの高密度な筋肉にその身を鎧い、ついには勇次郎が仕留めた以上のサイズの北極熊すら素手で屠り去るほどの強さを手に入れた。

こんな命の恩人とも言える人を半ば自殺に追い込んだ上に「無知な科学者」と暴言を吐いて切って捨てたジャックェ…

戦闘中に薬物の効果が出てくるとその影響で表情筋までもが不気味にパンプアップし、およそ人間の顔とも思えぬ名状しがたい相貌となる。


劇中博士や鎬紅葉から「このままでは死ぬ」という警告を何度となく受けているが、クスリの量は増える一方だというのに今日に至るまで副作用は愚か死相のひとつも見えない。
もっと言えば骨延長すら物ともしないほどの心身の頑強さといい、子豚の丸焼きを10秒で完食する旺盛な食欲といい、間違いなく健康そのものと言える。
これも執念のなせる技か、あるいは毒物に対して高い抵抗力を持つ範馬の血の加護か。
と言うよりは、「このままでは死ぬ」「君の体は既にボロボロに崩壊しているんだ」などの死の寸前だったジャックは決勝でマックシングを起こす前までの話であり、その後ダイヤモンドのような高密度へと変貌。
本人も「俺は今ステロイドを超えた」と語っていることから、あの時点でステロイドでボロボロの体は超越し、新生ジャックへと生まれ変わったと言える描写である。
その後刃牙の毒が裏返るなどの描写もあり、その先駆けとも言えよう。
ゆえにその後も死の気配すらなく健康そのものなのは当然であり、だがそれ故に明日を捨てた男も終わってしまい後の体たらくにつながっているとも言える。ジョン博士の呵責はやっぱり杞憂に過ぎなかった……のかもしれない。


絶望的なまでの腕力差や得意技・バイティングの性質上、彼のファイトはほぼ確実に凄惨な流血仕合となるが、主人公を含めて精神異常者だらけの本作の中では実は殊更残忍・卑劣な闘い方をするわけではない(最大トーナメント編でも一応対戦相手は全員存命している)。

ファイターとしては非常に純粋でストイックな精神を持っており、彼との野試合を経験したマホメド・アライJr.には『完全主義者』と評された。

向かってきた相手を徹底的に叩き潰すのはジャックにとっては当然の礼儀作法であり、弟とわかった刃牙にも澄んだ瞳で「エラいぞ その体格でよく上がってきた 心配するな 思い切り叩き潰してあげよう」と愛情に満ちた言葉をかけている。

孤独に己を鍛え続け、必要以上のコミュニケーションを取ろうとしないためにあまり他のキャラクターとの関わりは持っていない。
しかし、屈折しながらも異母弟の刃牙には素直な家族愛を抱いており、最大トーナメント決勝戦でも殺し合い同然の危険な兄弟喧嘩を繰り広げてなお、その内に殺意や悪感情は無く、マックシングで致命の攻撃を繰り出すことを悟った時には涙を流して「もう兄弟じゃない」と告げている。

第2部以降は若干心境の変化が起こったか、最大トーナメント編の時の陰が薄れ、フランクな面も見せるようになる。
以前から医者としての見地から自分に忠告をしてきた紅葉とは自身の骨延長手術を担当したことから食事をしながら談笑するほどの間柄となり、これ以降も何度となく世話になることになる。
通称THE☆お兄ちゃんズ。

最大トーナメント以降も日本に滞在しているようだが、法治国家の日本でピットファイトも無いもので、社会的には無職である。*5
おそらく母・ダイアン(ジェーン)がある程度仕送りしている*6か、シコルスキーへの報復を巡ってアントニオ猪狩あたりがパトロン(支援者)になっていると思われる。
また、凶器を持ったチンピラとの戦闘経験もあるらしく、もしかしたらチンピラ狩りで多少巻き上げている可能性も。こんな化物に挑むチンピラもチンピラであるが。




◆戦闘スタイル・実力◆


肉体改造以前からボクシングや柔道、レスリングといった一通りの格闘技ジムを掛け持ちしていたが、自己流の間違った鍛錬方法で迷惑をかけ続けたせいで鼻つまみ者として扱われており、正当な技術の蓄積はほぼ無きに等しい。
この事もあり、この世の全ての武術・武道等を根底から見下している傾向があった。
それは「明日を捨てている自分に、明日の為に生きる脆弱な分際が敵うはずはない」というもの。
達人・渋川剛気に対しても「長生き出来るトレーニングなどたかが知れている」などというとんでもない暴言を吐いている。
ぶっちゃければ『無敵の人論』である。

それゆえにファイトスタイルはほぼ我流のピットファイティング(喧嘩殺法)である。
しかしVS渋川剛気戦ではほんの数度の応酬で武道の奥義たる『合気』のタイミングを掴み、達人を相手に合気を決めて勝利するなど範馬一族に共通する天才的なラーニングセンスも見せており、技巧を弄さないのは単にジャック個人の信条に起因するものとも考えられる。

『己の人生を闘争に全振りしたかのような生き方』の齎した力はまさしく凄絶。
作中でも文句なしに上位に数えられる実力者である。そもそも生き物としての力の桁が全く違う。
純粋なパワー・スピード・タフネスといった要素のひとつひとつが完全に規格外で、2部以降は骨延長手術の成果で、俊敏性はそのままに、リーチの長さとパワーがさらに向上している。
真っ向からの身体スペックの比べあいになったら最後、人類に勝ち目はない。

得意技はカチ上げられた相手の身体がその場で水車の如く回転するほどの威力を持ったアッパーカットとドーピングでパワーアップした咬筋力を利用したバイティング(噛みつき戦法)。
特に噛み付きの殺傷力は凄まじく、複雑に繊維が密集したヤシの実を穴だらけにし、地下闘技場を囲う頑丈な木枠をチーズの如く歯形を残して食い千切ってしまうほど。
実戦でも相手の指やアキレス腱を噛み切って大出血させる凶悪な威力を見せ、食いついて捕捉した相手に全力のパンチをぶち込むなど、読者の精神的ダメージも計り知れない全篇切っての『痛そうな描写』が続出した。
まさに究極のマゾヒストであると同時に究極のサディストであると言えるだろう。

なお、通常人間の歯は乳歯→永久歯に生え変わればそれきりだが、ジャックに限らず刃牙ワールドのグラップラーの歯はサメやワニのように一生のうちに何度も生え変わる性質を備えているので、歯根も残らぬ程に粉々に砕けても時間を置けばいくらでも再生する。(もっとも本部戦で何本かの歯は義歯であったことが発覚したが)

破壊的な打撃力の影に隠れているが、タフネス及び頑強さも相当なものであり、作中で『打撃』にてジャックを戦闘不能に出来たのは論外枠の勇次郎と遍く恐竜をぶちのめして来たピクルのみである。
そのピクルですら白亜紀闘法を解禁して電光石火の4連撃を放つも、1撃で意識を失わせたものの3発までジャックの顎は耐えており*7、4発目でようやく粉砕出来た程に頑強。
作中で打撃以外でジャックを戦闘不能に出来たのは、鬼の貌を解放した刃牙のフロントネックロックと本部の拘束のみであり、刃牙がマッハ突きを叩き込もうが手裏剣で滅多刺しにしようが爆薬を爆発させようがジャックは止まることは無く、強制的に失神及び行動不能に出来る絞め技や拘束でない限りほぼ倒す事が不可能と言える。*8
おまけに失神していても反撃する程の執念を持っており、まさにバーサーカー。

巨体に似合わず敏捷性も高く、単純な走りですらギネス記録級の記録を出し、逃亡するホッキョクグマ*9を追い越す程の健脚。
マックシング状態では刃牙ですら反応出来ない程の速度で間合いを詰め、ダイヤモンド状態になった際には観客達ですら視認出来ない程のスピードを披露している。

明日を捨てたことで圧倒的な力を手に入れたジャックだが、薬物でブーストした膂力を叩きつけるのみというシンプルなスタイル自体が欠点ともいえ、勇次郎やピクルといった同スタイルの上位互換系キャラクターには勝ち目が全くなくなってしまう。技巧派系のキャラや肉体の頑強さがほぼ通じない武器などを使うキャラとも相性が悪く、武装した本部と対戦した際には、武器によるカウンターで重傷を負うこととなった。
メタ的にいうなら骨延長で『巨漢』キャラになってしまったのも板垣作品的には鬼門かもしれない。
良くも悪くもインフレの恩恵と禍害をもろに被るタイプのキャラクターといえる。
また、ドーピングの影響からか現在のところ範馬一族の中では唯一背面に『鬼』を出せていない。


第5部からは、本部に敗北し武蔵の戦いを見届けた後、バイティングを極めるべく修行し、台湾で完成させた我流の武術である『嚙道(ごうどう)』を完成させる。
嚙道を身につけてからはファイトスタイルは一転し、これまでドーピングでブーストしてゴリ押しするパワーファイトであったが、トリッキーで堅実なスタイルへと変わった。
今まで無かったコンパクトなジャブ、パンチの連打から蹴り等のコンビネーション、骨延長で異常な長さを得た脚で膝を着きそうな程屈んだ姿勢から頭部にハイキックを放つ変則蹴り、相手の攻撃に使用した部位を迎撃する形で噛み切る、相手の急所を着々と食い千切る事で身体能力を低下させる、裸絞めで絞め落とすなど。
かなり戦術的、実戦的なスタイルとなり、以前のパワーファイト程の打撃力は無くなったものの、弱点と言える大きな隙などが無くなっている。
また、相手の全身の血管を透視の様に把握するという事も出来るようになっており、奇しくも透視による負傷及び弱点看破能力を持つ勇次郎に似た能力を得ている。
なお、嚙道の完成以降からは、以前のような自分以外の武道家・武術家を見下す傾向はなくなった。
自分も『嚙道』という『武道』を身につけたが故の心境の変化だろう。

ドーピングをしている事から一部の読者に「薬で得た偽りの肉体」だの「薬に頼らなければ勝てない雑魚」だのと散々に言われる事があるが、ジャックの場合はむしろ逆と言える。
そもそもジャックがステロイドを使用するのは人類の身体では生理学上逆に衰弱する程のオーバートレーニングに肉体が着いて行ける様にする為のものであり、ボディビルの様に筋肉を肥大させるだけの様なものではない。
つまり、ドーピング後に手に入れた筋骨隆々の肉体こそがジャックに本来身に付くはずだった姿であり、ジョン博士の「君が今までやってきたことに肉体が確かな答えを出したのだ」という言葉や、ジャックの「更なるハードトレーニングを支える身体が必要なんだ」という言葉がそれを示唆している。
即ち、薬の力に補助されたとはいえ、ジャックの規格外の強さは人類の限界を超越した狂ったまでのオーバートレーニングによるものであり、衰弱するはずの肉体を薬物で無理矢理回復させ、更にその肉体でも衰弱するはずのオーバートレーニングを科して肉体を薬物で回復するという血を吐くマラソンの如き鍛錬の結晶と言える。
その地獄の輪廻も最終的に投薬による回復、トレーニング密度共に最大トーナメント参加前の時点で既に臨界点に達しており、鍛錬と薬物の両立は実質足踏み状態となっている。
試合時の一時的な強化を施すドーピングはその壁を一時的にでも突破する為のものと言えよう。
加えて、その強さを支えるのは単純な筋力のみならず、下地として様々な格闘技を納めており、それらの技術に関しても一流となる積み重ねがある事も忘れてはならない。
渋川流の合気もできるし。作者は忘れてそうやけど。
現在では骨延長による身体の巨大化や咬合力を重点的に鍛えるトレーニングでパワーアップしており、刃牙らへんの時点ではあの勇次郎にすら技を使わせた作中トップクラスのフィジカルを誇るピクルと同等以上のフィジカルを持つと刃牙に評されており、その打撃力はピクル本人にも強敵「Tレックス並」と評され、巨体のピクルの猛攻を真っ向から吹き飛ばしてみせた。*10

更に第6部からは、ジャーマンスープレックスや一本背負いといった投げ技も披露している。


◆活躍◆

◆最大トーナメント編

当初は参加選手の一人、カナダ出身のピット・ファイター(賞金稼ぎの喧嘩屋。ストリートファイターと同義)という触れ込みでかの有名な『全選手入場ッ!』においても特に注目されない、絶妙に地味な順番、標準的なサイズのコマで登場した。
紹介の口上も『闘いたいからここまできた』という非常にシンプルなものである。抽選結果はCブロック。

刃牙のファイトに興味を示したり、途中で乱入してきた勇次郎に己の素性を耳打ちして打ち明け、「そいつは(勇次郎に挑戦する)資格が大ありだぜ」と返されるなど、伏線自体は随所に挟まれていたため、決勝戦以前からも彼の正体に勘付いていたファンは少なくない。

自身の試合の度にトイレでドーピングの『仕込み』を行うのが慣例となっており、洗面台の前でビーカーに溢れんばかりに盛ったカプセルや錠剤のカクテルをピーナツかラムネ菓子でもそんな食べ方はしないというペースでゾロゾロと呑み込み、怪しげなアンプルの首を数本束ねてヘシ折りダバダバと胃に流し込むシーンは、静謐ながら禍々しい凶気に満ちている。

また、糸切り歯にひっかけた細い糸で溶解性のフィルムに包んだ薬をまるでソーセージのように絞り上げた挙句、食道にぶらさげたそれを試合開始と同時に糸を切ることで胃に送り込むという工夫も見せており*11、勝利に掛けるおぞましいまでの執念は読者を戦慄させた。

どの試合も流れは大体同じで相手の持てる力を出し尽くさせ、それを受け切った上でステロイドの効果が表れ始め、人外の力による圧倒的なまでのフィニッシュを叩き込んで完勝するという底知れぬもの。
主催者推薦として参戦した怪物・アレクサンダー・ガーレンとの闘い『怪物対決』では

「シベリアブリザードにも勝る格闘地獄を見せてやろう!」

という意味不明な口上を皮切りに愛国心という祖国の明日を夢見て闘う者と明日を捨て力を求めた者の強さの差を叩きつけ勝利。
準決勝では達人・渋川剛気の柔すら剛の力で叩き伏せ、最後は渋川流柔術をラーニングして血の海に沈めた。

それと並行し、この頃のジャックはステロイド摂取の限界によって肉体が崩壊する『マックシング』を控えた、いわば身体に爆弾を抱えた状態であり、刃牙との決勝戦の最中、明らかに胃の容積を超えた嘔吐物を延々と嘔吐し、肉体も筋のように萎んでしまう。

しかし、それはジャックが辛苦を重ねたことでステロイドを超えて手に入れた無駄なく引き絞られたダイヤモンドの如き完成体であり、目に映らぬほどの猛ラッシュで刃牙を死の淵にまで追い詰める。
しかし、刃牙が最後の力を振り絞り出した『鬼の貌』を発現してのフロントネックロックで絞め落とされる。
『明日を捨てた』はずの自分が、「刃牙に勝つ」という『明日を夢見た』事で、その矛盾と呼応するかのように自分で自分の歯を砕き割って破壊。
惜しくも敗れ去り準優勝となった。

戦いを終えた刃牙とは兄弟として強い絆を結ぶ。
チャンピオンベルトを受け取るも、これまでの多大な負傷と疲労からそれを持てない刃牙に優しく手を差し伸べるシーンは、最大トーナメント決勝戦を締めくくる名場面である。

その後、もう一つのエピローグとして駐車場で父・勇次郎に未だダメージの癒えない身体で挑むも、戦場格闘技であるバイティングにおいてもジャックの上を行く勇次郎に喉ごと頸静脈を噛み千切られたうえ、致命の一撃を受け返り討ちに遭ってしまう。
一命を取り留めたジャックのそばには彼の母ジェーン=ダイアン・ニールらしき女性がいたかのように見えたが、真相は定かではない。*12



なお、勇次郎は誰が優勝するかは100%決まっていると言った矢先に刃牙が優勝したのを見て「俺の予想を覆しやがった」と漏らしており、当初ジャックは刃牙よりも有望な『餌』として見られていたものと思われる。
その後日に二度負けたことから急速に興味が失せていったのかもしれないが、現金なオヤジである。


◆バキ

一命を取り留めたばかりか、地獄の淵から更なる力を得て復活した。
鎬紅葉の協力により激痛を伴う骨延長手術、それも両腕/両脚各2ヶ所ずつ都合8ヶ所切断による延長と言う非常識なものを敢行。『ブラック・ジャック』の某・往年の大スターの如き執念である
奇跡的な回復のみならず伸びた手足に正比例するように身体能力をも向上させ、ますます人間から遠ざかる。

最凶死刑囚との闘いには飛び入りであちこちにちょっかいをかけており、普通にドイルを倒せていた烈に麻酔薬を打ち込んで勝負を水入りにするなど意味不明なトリックスターぶりを発揮する(しかし、これがなければドイルと愚地克巳との友情も生まれなかった)。

ションベンロシア野郎への復讐に燃える猪狩の依頼でシコルスキー狩りに乗り出したこともあり、公衆トイレ、ひいては電話ボックスという特異すぎるバトルゾーンで闘いを繰り広げる。
この時点でもシコルスキーの頭をアッパーカットで電話ボックスの天井に突き刺すなど大暴れであったが、さらに徳川のクソジジイの考案した露助公開処刑ショーのために地下闘技場で対戦を続行、観客から奪った先の尖ったステッキで腹をまともに突かれてもダメージが通らず、投げつけられた釘を口の中で結んで吐き出すというパフォーマンスにシコルスキー(と大多数の読者から)『人間じゃねェ…』というもっともすぎる反応を返された。

それ以降はあまりにもシコルスが不甲斐ないので興味を消失してしまい、超軍人・ガイアへとバトンタッチしてしまった。

中国で親父と弟が暴れている間はフェードアウトしていたが、刃牙への挑戦に燃えるマホメド・アライJr.の野試合の相手に選ばれる。
愚地館長・渋川先生と錚々たるメンツを鮮やかに倒し華麗なる快進撃を続けてきたアライJr.だが、その技巧をモノともせずにコンクリ床への投げや顔面ストンピング、喋ってる途中のベロごとぶち切る顔面ブローなど執拗なダメ押しで土をつけた。なおJr.はこの敗北を境に凋落の一途をたどる。


◆範馬刃牙

怪物ジャックも、現代に覚醒した規格外の直立原人・ピクルの登場で斜陽の時を迎えてしまう。
他の闘士同様ピクルと闘いたいという本能的な欲望にかられ、gdgdやってた刃牙に先んじて烈・克巳に続く第3の挑戦者として最古VS最新の死闘に挑む。

ディープなホモKISSにしか見えない噛み合いに敗れ、鼻から下の皮膚を剥ぎ取られてしまうが、渾身のベストパンチを直撃させ、僅か2発の攻撃でピクルを本気にさせる。
薬が効き始めてからは全力の突進をもかち上げて回避し、ピクルの耳を噛み千切るなど健闘を見せる。
しかし、目にも止まらぬスピードのヒット&アウェイで相手の攻撃を完全回避するピクルの本領を見せられてからは登場以来見せたことの無い精神的な弱さをさらけだし、ついには神頼みをしながら殴りかかるもピクル会心の四連全力パンチで頭の下半分の骨格を粉砕されてしまう。
しかし、尽きぬ闘争本能で無意識な当身技『地上最強のファックユー』を予期したピクルがジャックを『死んでも危険なヤツ』と見なしたため、捕食は免れる。

が、ジャック本人はこれを中断としか認識しておらず、病院から脱走して再度ピクルに挑戦する。


 先生、打ち合わせと違うじゃないですかァァ~!!!(担当)


しかし結局は当然の流れで返り討ちになった挙句、モズの早贄の如く高所に吊り下げられ『保存食』扱いされるという屈辱に沈む。
死に急ぐようにピクルへ挑む兄を見かねた刃牙が心を鬼にして「ファイターとしては終わっている」ことを告げたことで完全な敗北を悟ったジャックは砕かれた顎を開き咆哮するのだった。
…なお、日に二度負けるのはこれで二度め。
この敗北からか、勇次郎には「見ての通り、あれは血が薄い」と斬って捨てられている。


地上最強の親子喧嘩はTV映像で見ていたようだが、
(親父(チチ)ヨ………) 「俺ダッテ出来ルンダ!!!」
と刃牙に先を越されたことにはかなりの憤りを覚えている様子だった。


◆刃牙道

上記のピクル戦や地上最強の親子喧嘩を期に再度精神的に病んでしまったのか、薬は増える一方、第4部・『刃牙道』ではさらなる骨延長に挑戦している。
しかし激痛の中でも『退屈』ゆえの欠伸が止まらない謎の症状に陥っており………

骨延長には成功して、無事2メートル43センチ・体重201キロにも及ぶ身体を手に入れる。この体格だとバスとかに乗るのも大変だろう
ピクルに剥ぎ取られた顔半分の皮膚も話が進んでいくごとに徐々に回復し、35話の時点では鼻の下やほおに痛々しい傷跡が残るのみで皮膚の色的には違和感はなくなった。
ジャックが言うには運動能力をギリギリキープできるサイズらしい(伸びるのではなくてキープなのか……)。

退院した彼は複数の注射器でドーピングをしていたが、その最中(ドーピング中の暇つぶし?)に見ていたニュース映像で宮本武蔵を目撃。
5人の警察官を一瞬で倒したその姿に、ジャックは天井に頭をぶつけながら大きく動揺する。
その男が宮本武蔵という事は理解していないようなセリフを吐いているが、彼は外人だから武蔵を知らないのか、本物が復活したとは常識的に考えて思っていないのか……。この世界の「常識」って何だっけ?っていうのはさておき

その後、烈と武蔵の武器解禁の地下闘技場に渋川や本部達と同じく客として姿を見せる。
目立つ身長になったためか、サングラスを着用しているがその姿は同じくサングラスを愛用する父親のようにも見える。
そのジャックは、武蔵の戦略の前に大きく動揺する姿を見せる。
烈が殺害された後は、他の闘士が烈の遺体に対面する中で唯一姿を見せなかったが、これは烈とジャックが友人関係ではなかったため空気を読んだのだろうか。
後に友人として武蔵を殴った渋川は、ジャックとは違って烈と絡んでいた描写は殆ど無かったが。

ここからしばらく出番はなかったが、本部とガイアが絡み合っている時に徳川邸についに姿を見せる。
『大きい者が勝つのは当然』と言ったことを語りながら、徳川のクソジジイに武蔵との対面を要求する。
……大きい人間ほどかませになる描写が刃牙シリーズにおいては多いのだが、ジャックは果たしてそれで良いのだろうか……。
徳川のクソジジイは、その大きさに圧倒されながらもジャックが武蔵と会うことを望まない男の存在を口にする……。

その後、二人は鯉に餌を与えながら本部以蔵について会話を交わし、クソジジイはジャックを本部の元へ送り込むことにする。
ジャック自身も闇社会で名前が知られているだけあって、刃物などで武装したチンピラとの戦闘経験があり自信満々だった。
こうして本部と戦闘することになったジャックは、夜の公園で本部と遂に対決することとなる。
(戦闘フィールドの時点でこの戦闘の結末に察しがついた読者が大半である)

しかし、戦闘開始直後から奇襲的に投げられた煙草で目に負傷を負わされた上にドロップキックや木刀の攻撃を浴びてしまう。
だが、ジャック自身はダメージをあまり受けておらず、武装した本部の実力を察して本格的な戦闘体制に入る。
この時、ジャックは本部の『競技者』では無く『戦士』としての実力を認める。

こうしてジャックは長身の体を生かしたキックで本部にダメージを与えるが、クナイによるカウンターを喰らうなど決定打を与えられない。
それどころか、高身長のカカト落としが仇になるような形で足首を切断寸前(過激すぎる内容であったためか、単行本版では修整)まで持ち込まれ、アキレス健断絶の大ダメージを負う。
(この際、本部の予想と違って完全に足首を切断できなかったほどの骨密度だったらしく、二回の骨延長でもジャックの骨には何らデメリットはなかったようだ)
それでも、ジャックは本部の肩に得意の噛みつきで決定的ダメージを与えた……

かのように見えたが、本部に対してはあまり効果はなかった。

本部の服はアラミド繊維を用いた特殊仕様となっており、逆にジャックの歯が全部抜け落ちる。
この時の噛みつき行為は、最大トーナメント終了後の勇次郎に頸動脈を噛みちぎられた際に送られたアドバイスを忘れた行為であり、多くの読者が呆れを覚えた。*13
なお、そこそこ分厚いジャケットタイプでありながらも幾らか毛羽立つ程には繊維を噛み切れている。
アラミド繊維の破断強度は347kg/mm²あり、人間の歯のサイズで考えるとこれを部分的にでも食い千切るには40t前後の咬合力が必要になる。
バケモンだ……。
ちなみに、この時抜け落ちたジャックの歯にはインプラントで固定した歯が存在することが判明した。
ピクル戦やもっと以前の戦闘で破損した歯の全てが再生していたわけでは無い模様。

ここでジャックも終わりか…と思いきや、怒りのあまりにジャックは顔をクシャおじさんのように醜く歪ませる。
本部曰く『歯を抜かれても爪が折れても猛獣は脅威(要約)』とのことで、ジャックが本部に対し怒涛のラッシュ攻撃。
本部はこの攻撃に手も足も出ず、戦闘を観戦していた一般人も警察に通報しようとするほどの威力を見せる。

さすがにフィジカルでは勝てないと判断した本部は、ここで刃牙や勇次郎に浴びせた煙幕をジャックにも行う。
ところが、刃牙や勇次郎が怯んだ煙幕は怒りで暴走しているジャックにはほとんど効果が無く、唖然となった本部はジャックを武蔵に渡さないことを決意。
ジャック自身も本部に火薬の匂いがしたことでラッシュ攻撃を止めてしまい、その直後に命の危機を察した本部による全力の反撃を許す。

手裏剣・分銅鎖という武器と柔術を生かした本部のラッシュにジャックは全く反撃できず。
最終的に荒縄を使う縛法でジャックは身動きを取れなくなってしまい、それどころか本部によって目の前に小刀を刺すアピールを見せられ、ジャックは敗北した。

そして『ジャックを守護る』と公園を去っていく本部だったが、致命的なダメージを負っているジャックは縛ったまま公園に放置された。おい。

放置されていたジャックだが誰かに病院にでも連れて行ってもらえたのか、後日に松葉杖を抱えた状態で武蔵の試合を観戦する観客枠の一人として登場。
武蔵が最終的に寒子の除霊で倒された際には、魂の消えた武蔵の亡骸を刃牙や渋川と共に担架で運ぶ作業を手伝った。


◆バキ道

第二代野見宿禰と零鵬との試合が決した後、徳川邸を訪れる形で突如として再登場。
この時勇次郎の例のカミングアウト直後だったため、弟に続いてジャックにも父親の本性が知らされるのではと読者から心配されていた
本部戦であれほど痛い目に遭ったにもかかわらずバイティングの鍛錬は未だに止めていなかったようで、世界各地を奔走して咬合力を改めて鍛え上げた上で全ての歯をチタン製の義歯に換え、台湾で完成させたという「嚙道」で宿禰に挑戦しようとする。
チタン製の歯は凶器じゃねぇのかとツッコミたくもなるが、恐らく普通の義歯ではパワーアップしたジャックの咬合力に耐えられないからで、最終的に行き着いたのがチタン製の歯であると思われる。

徳川の提案で虎すら斃す猛犬・チベタン・マスティフを相手に実力を見せるよう促されると、背中から組み伏せる事でマスティフの戦意を喪失させ、傷一つ付けず噛ませ犬にする事すらなく圧勝した。
流石はかつて北極熊をも屠った男である。

続く宿禰との初対面では、ぶちかましを顔面に食らったもの同時に左手の小指をバイティングしており、宿禰の目の前で小指をボリボリと貪りながら食感について解説するという奇行を見せた。
これには徳川も「小指は力士の命じゃぞ それをなに食ってるんじゃあぁッッッ」と苦言を呈するが、当の宿禰はちょうどいいハンデとして気にする素振りを見せず、正式な試合での対決が約束された。

来る地下闘技場の試合では、序盤の局面でジャックがバイティングによって両肩の僧帽筋を噛み千切り、宿禰は張り手をぶちかまし前蹴りを繰り出す一進一退の攻防を繰り広げ、ついには拳による殴り合いに突入するが、宿禰の投げによって頭から地面に突き刺さってしまう。
ピクル・本部戦に続いてまたまた負けてしまうのか…と思われたが、試合序盤に抉られた両肩からの多量出血によって宿禰の方が先にダウンしてしまい、ジャックが逆転勝利。
しかも宿禰から受けた数々の打撃もまるで応えていないようで、試合終了と同時に地面から跳ね上がって見事な着地を決める余裕を見せ付けた。
久々の白星にして、元ラスボスらしい強キャラっぷりもアライJr.戦ぶりに披露できたと言える。


◆刃牙らへん

事実上の主人公に抜擢され、記念すべき第一話から登場。
徳川のクソジジイが招いた「人斬りサブ」こと佐部京一郎と対戦。佐部の振るった日本刀を噛みついて粉砕。噛道の力を見せつけた。
その後、勇次郎と初めてプライベートで対面し、ドーピングに骨延長、噛み付きを技にまで昇華させるジャックの執念を認め、初めて褒められる。

続いて第2部以来の参戦となる鎬昂昇と対戦。
昂昇の刃の如き四肢から放たれる斬撃拳を耐え、かつてのパワーファイトから一転して軽快なコンビネーションで反撃。
流石の身のこなしで翻弄する昂昇の手を掴んで捉え、紐切りで左眼を視力を奪われるも冷静に肩の肉を食い千切り深傷を負わせた。
更に手を捕らえた状態から裸締めに移行し、締め落とす寸前まて追い込むも解放し、首筋を食い千切り致命傷を負わせた。
そのまま追撃してダウンさせ、かつて自身が渋川に受けたダメ押しを彷彿とさせる頸椎への蹴りを放って瀕死に追い込み、昂昇に降参を勧めるも、瀕死を装う昂昇の不意打ちの紐切りで残った右眼の視力も奪われてしまう。
しかし、冷静に昂昇の手を再び捉え、左上腕動脈を食い千切り失血で昂昇を戦闘不能に追い込み勝利した。*14

その後、勇次郎に会食に誘われ、かつて刃牙と共に食事をしたホテルのレストランで労いとも取れるもてなしを受ける。
人生で初めての酒、高級料理の数々、格式高さ故の注文の勝手の違いに戸惑いながらも感動し、想像を絶する美味さからオマールエビを手掴みで食べて良いか勇次郎に訊ね、夢中にかぶりつくなど、初めてハタチの青年らしい一面を見せた。*15
ジャックには初めてであり、勇次郎にもとっても刃牙との親子喧嘩以来の親子らしい仲睦まじい一時である。
ここで勇次郎からも正式に範馬一族として認められ、ジャックの苦難の20年間(21年間)はようやく報われたのであった。

そして、満を持してピクルと再会する。
恐竜期の戦士としての鳴りを潜め、現代社会に馴染んでホームレスの様な生活を続けているピクルと対峙し、ピクルにかつて受けた屈辱を返すと宣戦布告する。
人目を憚らず会話中に噛み付いてしがみ付くピクルから鮮やかに脱出し、ピクルを凌駕する巨躯を得てのパンチで吹き飛ばして双方戦闘態勢になるが、花山の介入により地下闘技場へ移行しての再戦が決まる。
刃牙の見立てではジャックは現在、かつてのピクルと同等以上のフィジカルを持ち、咬合力では互角と評されており、嚙道を極め技量面も高いなど、自身の上位互換であったピクルのほぼ上位互換へと達している事が匂わされる。
いざ開戦すると、過去にはベストパンチを以ってしてもさしたるダメージを与えられなかったが、序盤からピクルの猛攻を悉くカウンターで切って落し、ピクルの巨躯をものともせぬ打撃力でダウンさせ、ジャーマンスープレックスからのマウントポジションを取っての強烈な鉄槌打ちでピクルの意識を混濁させたのか僅かに生まれた隙を突いて顔面に噛み付く。
そして、かつて顔の皮を剥がされた借りを返すようにピクルの顔左半分の皮を食い千切り、ピクルにかつてのライバルTレックスに匹敵すると認められる。
更に追撃して背後を取り、闘技場の柵目掛けて強烈なスープレックスを放って後頭部を強打させ、一瞬生まれた隙を突いて左上腕に噛み付き、そのまま地面に投げ落として食い千切り深手を負わせるが、それがピクルの目を覚まさせ完全臨戦態勢となる。
完全に仕留める気になったピクルはジャックの背丈を越える高度で飛び付いてジャックの頭を掴み、そのまま足の爪を用いてジャックの胸から下腹部にかけてズタズタに引き裂き深手を負わせる。
散々ボコボコにしてくれた仕返しをして、したり顔になるピクル。
しかし、ジャックは怯まずピクルの腕を顎と肩で挟んでロックし、肘を打ち上げて関節にダメージを与え、ピクルが痛みで一瞬硬直した瞬間を狙って右上腕を食い千切り更なる深手を負わせた。
流石に無視出来ない負傷に焦りを覚えたか、ピクルは引っ掻きでジャックの腹部を深々と切り裂くがそれでも尚怯まぬジャックに再び背後を取られ、三連続のジャーマンスープレックスで後頭部を強打し、意識を失ってしまう。
ジャックは失神したピクルを見下ろし、手のエア噛み付きを披露して「何時でも何処でも噛み付ける」と生殺与奪の権を握ったとして勝ち名乗りを上げ、勝負ありとなる。
その直後、ピクルは起き上がりジャックに歩み寄るが怒りや恨みといったものは無く、笑顔で「ジャ・・・ク・・・カ・・・チ・・・(ジャックの勝ち)」と呟いて満足気な様子でその場を去って行った。


爽やかな決着も束の間、巨凶徳川はジャックの勝手な勝ち名乗りでの決着に不満気で、決着宣言をした実況をど突き、一緒に観戦していた花山を連れてジャックの前に下りて来ると、ジャックと花山の対戦を遠回しに提案。
それを聞いてジャックは今この場で戦うと花山を挑発するが、戦わせる為に連れて来ておいて徳川はこのドリームマッチをもっと大々的にやるべきだとして即座に試合開始することを拒否。
だが、ジャックは負傷している側に決める権利があるとして今この場での対戦を希望するが、花山はなんと

「血ィ・・・出てるじゃないスか 血が・・・苦手なもので」

と対戦を拒否。
それを聞いてジャックは

「ハァ!!? アンタ喧嘩屋ダロッッ!?」
「「街頭ルール」ノ専門家ダロッッ」

と激しく動揺して花山に問い詰めるが

「さァ それは他人が言ってることなので」

とはぐらかされ

「徳川サ~~~ン 何カ言ッテヤッテクダサイヨ~~~~~」

と面白外国人のようなコミカルな口調で徳川に縋るというシリーズ始まって以来のキャラ崩壊を起こす。
尤も、花山の言葉は手負いであるジャックとの対戦は美学及び礼儀に反するとして、対戦を一時保留にする為の冗談であり、徳川に花山の真意を教えられて花山やその対応に沸く観客の価値感に戸惑いながらも対戦は傷が癒えるまで保留となる。
帰宅後、アパートの玄関に掛けてあった花山及び木崎の差し入れを受け取り、どう見てもスジモンの名刺を見て「アイツノ会社・・・??」と天然ボケをかまし、同封されていたレバ刺し*16に舌鼓を打つのであった。 ※良い子は玄関に置いてある内臓の生食はしないように

その後、療養中に勇次郎の訪問を受けるなどした後、傷が回復し万全の態勢で木崎の送迎を受け花山の要望で「喧嘩」形式で戦う。早速先制パンチで攻撃しようとするも逆にカウンターパンチを受け吹っ飛ばされるが即座に固めた拳を噛み反撃する。
その後、侠客立ちの構えをとった花山に一本背負いやジャーマンスープレックスなどの組技と打撃に噛みつきを交えた「噛道」によりダメージを与えるも、花山もその超握力を使った肉ごと引きちぎるつねりや雑巾絞り、前蹴り等で反撃するという、部下とともに現場に駆け付けた園田が「対話」と評した一進一退の攻防の末、最後は花山が「噛道」の影響で出血多量が響いて立ったまま失神し病院に搬送されるという、相打ちに近い形で決着となった。

◆余談◆

★モデルは英国のプロレスラー、故ダイナマイト・キッド。

★ドーピングシーンを始め不自然・不健全極まりない印象のあるジャックだが、第2部・『バキ』以降は日常シーンも描かれるようになり、それに伴い『非常に旨そうな食事シーン』を描かれるかなりの健啖家としての一面も見せている。
特にナポ…と口いっぱいに肉をほおばりモニュ…と咀嚼するステーキの描写は飯テロ必至。
烈海王と中華料理店でばったり再会した時は烤乳猪(カオルウチュウ)(子豚の丸焼き)を1人かつ10秒足らずで完食している。
Tボーンステーキの骨をビスケットのようにサクサクと齧るシーンも妙に美味しそう。
刃牙完結後はグルメ漫画描けと読者に言われるほどの圧倒的筆致である。*17

★刃牙と同じ週刊少年チャンピオン連載のギャグ漫画『浦安鉄筋家族』の花園垣は名前は刃牙、キャラデザはジャックのパロディである。母親に性転換した範馬勇次郎としか言いようのない花園勇花を持ち、たまに喧嘩はするが親子仲は良好。

★あまり気付かれていないが、刃牙との年齢差は僅か2〜3歳である。*18
つまり、あの見た目でまだ20〜21歳である。
最大トーナメント時は刃牙が17歳であったことから、最低の場合19歳で花山と同い年ということになる。

★ジョン博士の晩年の回想回が最大トーナメント開催中でのものであった場合、ジャックと出逢ったのが『3年前』であるという事から、ガリガリだった当時のジャックは16~18歳程と思われる。
推定10歳の頃はまだ常人の子供程の身体であった事から、6年前後であそこまで体を追い込んでいた事になる。
弟の刃牙は同じ歳で地下闘技場チャンピオンに君臨していたというのに、努力のし過ぎで弱ってしまうとは……

★ピクルに敗れて保存食扱いされた事を一部の読者に「ピクルの餌」と揶揄されているが、ピクルはかつて無いご馳走として丁重に扱うというピクルなりのリスペクトであり、決してジャックを愚弄しているわけでもただの餌扱いしているわけでもなく、むしろジャックを稀有な好敵手と認めている。
しかし、戦いの果てに死す事を誉れとするファイターにとっては、殺されずに食料として丁重に保存される事は屈辱でしかない為、一撃KOされた挙句仲間に救出された分際で刃牙に事の顛末を聞かされてピクルの意図に関係なく慟哭する事となった。
この事から、『ピクルの餌程度の弱さ』と揶揄するのは正しくないと言えるだろう。

★ストイックな性格に外見も相まって気難しいタイプに思えるが意外にもフランクで礼儀正しく、目上の徳川に対しては正座して敬語で話すなど、弟の刃牙よりしっかりしている。
更には、かつて刃牙が勇次郎と食事をしたホテルにてジャックは勇次郎と会うが、刃牙と違ってしっかりジャケットを着用しており、カジュアル?系ながらドレスコードはクリア出来ている。*19尚、勇次郎は相変わらず普段の拳法着の上にジャケットである。
また、カナダ生まれなだけあって勇次郎に褒められる程にナイフやフォークの扱いは上手く、勇次郎曰く「刃牙より遥かに上」とのこと。
最凶死刑囚編では中華料理屋で箸を使って子豚の丸焼きを食べており(箸を使って10秒でどうやって食ったんだ・・・)、箸も使いこなせる模様。
乾杯時にも勇次郎に対して自分がグラスを下にするなど、下手な一般人よりもマナーが出来ている。
ただし、酒は一口で一気飲みするなど酒の飲み方は悪い。*20
なお、テイスティングの様に口を濯ぐように飲んだり、一口でスープの食材を無数に想像するなど、味覚は中々に鋭敏で多少の知識は持っている模様。
更に、しっかり食後に「ご馳走様でした」と会釈もする。
ガリガリだった頃はろくに食事も出来ない有様だったので、『新生ジャック』に生まれ変わってからはある程度グルメに目覚めたのかもしれない。
ちなみに刃牙は、生粋の日本育ちの日本人でありながら勇次郎曰く箸の扱いは下手で、食後も会釈をせずに踏ん反り返っていた。
母親の教育が良かったのだろうか? イヤミか貴様ッッ
他にも、タオルを噛んで庭の木にぶら下がっているのを見て、首吊りと勘違いして駆けつけた徳川に「ア……ドーモ…」と気の抜けた挨拶をしている。
食後にドーピング薬をボリボリ食べているのを徳川に問い詰められても、薬を頬張り妙に気の抜けた顔で「食事ダカラ」と答えており、何処となく年相応さを感じさせる。

★他人とのコンタクトは特別少なくないが、打倒勇次郎と刃牙やピクルといった黒星相手などしか意識していないのか、基本的に他人に関心は無く、合った事がある相手を覚えていない事もある。
最大トーナメントに参加し、刃牙と激戦を繰り広げた烈に対しても暫く考えてから「どこかで見た顔だと思った」と思い出したり、花山に至っては完全に記憶に無かった。
一応、花山は職業的に知名度は低く、他は大団体の空手家の総帥や武術の達人などの有名人の為、印象も関わりも少ない花山を忘れるのは無理も無いと思われる。(顔の傷も増えまくっているし、そもそも再会は作中時間でおよそ1年ぶり)
ぶっちゃけ、ジャックにとってはポッと出の腑抜けたロシアンレスラーに瞬殺されたどっかのヤーさんだし。

★刃牙道以降で身長は元よりも50cm伸びているが、伸ばしたのは脚と腕である為、胴体の長さは変わっていない。
仮に元の身長で股下比率が50%だった場合、現在の股下は146.5cmとなり、11歳の小学生が立ち歩きで潜れる程に長く、股下比率は約60.3%にもなる。
ちなみに、股下比率の長さのギネス記録は約65%であり、長さは135cmである為、脚の長さだけで言えばブッチギリの世界一である。*21
なんという美脚。

★ジョン博士と出逢った頃は就寝時にパジャマを着用するという意外な一面があった。
現在は木に噛み付きでぶら下がって寝ているが、Tシャツに短パンという運動着を着用している。
一方弟の刃牙は就寝時にはパンイチである。

★ジョン博士と出逢った当時のジャックは金銭が無かったのか、廃墟と思わしきボロボロのアパートで生活していた。*22
当時はアルバイトをしてる様子もないので、その当時は上記のように母・ダイアン(ジェーン)の仕送りで生活してたと思われるが、同時に複数の格闘技ジムに通っていたため、生活費の大半をジムの月謝に費やしていたのかもしれない。
部屋がボロの割にはベッドは綺麗で、しっかりとしたパジャマを着ており、意外と文化的な面がある模様。
また、親子喧嘩編の頃に生活していたアパートも中は綺麗であったが、刃牙道ではややボロい地下室らしき部屋で生活しており、内装も大分貧相になっていた。
資金が無くなったのか、はたまた刃牙の様にトレーニング用に購入した部屋なのだろうか?
パトロン疑惑のある猪狩は入院していたからその所為だろうか?
尚、刃牙らへんでは再び親子喧嘩編と同じアパートで生活している様子。やはり刃牙道の部屋はトレーニング用なのかもしれない。

★第6部の刃牙らへんにて、ジャックが使用している薬の一つの名前が『CRONVITER LIQUID』と判明した。
アンプルに入っている事から、おそらくアナボリックステロイド系の薬かと思われる。
現実には似た名前の『CEROVITE LIQUID』というビタミン及びミネラルのサプリメントがあり、モデルの可能性がある。
他にも瓶のラベルに書かれている「~~tine」文字から『クレアチン』と思わしきものも飲んでいる様子で、単にステロイドを乱用しているだけでなく様々なサプリも使用している可能性がある。
なお、ジョン博士のパソコンから、使用したステロイドの成分表を(半ば強引に)教えて貰っており、自分で薬物調合する事も出来るようである。
一つの瓶に複数種類の錠剤が入っているものを飲んでいたりすることから、様々な薬をミックス及び計量調合して一つに纏めている可能性もある。

★『巨漢=噛ませ犬』という扱いをよくする板垣氏の作品の中で、唯一勝ち星を挙げ続けるという偉業を成している。
それどころか主人公にもなっており、作者のお気に入りキャラでもあるなどかなり恵まれている。

★レバ刺しを食べて、そのとろける食感を例えるのに綿飴が過っていることから、過去に綿飴を食べた事があると思われる。
もしかしたら幼少期に母親に買ってもらっていたのかも? 今のガタイで食べていたとしたらそれはそれで面白いが
また、食べる際に醤油、胡椒、胡麻油、焼肉のタレ(醤油味)といった調味料を持っており、意外と自炊している疑惑がある。
ある程度味には拘るのだろうか? まぁ、味気ない食事ばかりじゃキツイだろうし

★NETFLIX制作のクロスオーバーアニメ「範馬刃牙VSケンガンアシュラ」では地下闘技場戦士vs拳願仕合闘技者の対抗戦メンバーに選出されて呉雷庵と対戦。
雷庵はドーピングで作り上げたジャックの強さを「偽物」と断じ、それを完膚なきまでに叩き潰すため、ジャックは対抗戦そのものに興味を示していなかったが、あくまでもこの戦いは通過点であるという光成の説得でそれぞれ参戦を決めた。
「外し」とマックシングによってお互いにリミッターを破壊した激闘の行方は…



追記・修正は明日を捨ててからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年08月01日 12:09

*1 ただ、ダイアン(ジェーン)の任務はあくまで勇次郎の護衛と監視であり、上官は彼女を裏切って二人纏めて重機関砲で殺すつもりだった。ひでぇ。

*2 流石に軍刑務所の中では子供は育てられないので、最低でもジャック10歳の頃まではダイアン(ジェーン)の故郷の教会に預けられている。

*3 アニメではパソコンに研究データと共に入力している

*4 そもそも人体は過剰な運動を想定していないので、適度に休めないと脂肪どころかタンパク質まで消費してしまう。早い話が筋肉ごとダイエットしてしまうのである

*5 そもそもドーピング常用者でどう見てもカタギに見えそうに無い風貌なので、スポーツなどもってのほか、雇う人からして居そうになく、真っ当な仕事など出来ないであろう。社会的には本当に明日が無い……

*6 一度投獄されたとはいえ、「あの勇次郎を敵に回して生き延びた」奇跡に近い人間として、軍籍から外れてもそれなりの金で生活を保証されていても不思議では無いだろう。

*7 3発目で「ガチャッ」と音がしている為、骨に亀裂が入った可能性はある

*8 クロスオーバー映画では同じく怪物が対戦するも最終的に全力で絞め落すまでまるで打撃が堪えていなかった。しかも、絞め落とすも即座に目覚めた

*9 時速40km

*10 他に同じくTレックスの尾の攻撃並と評されたのは、克巳の真マッハ突きだけであり、単純に考えればジャックの打撃力は真マッハ突き並ということになる。

*11 アニメでは描写の難しさと生々しさのせいか、口いっぱいに含んだ錠剤やカプセルを試合開始直前に飲み込むものとなっている

*12 アニメ版の「最大トーナメント編」ではこのシーンが無くなった代わりに病室で眠るジャックを見舞うジェーンと思しき女性の姿がある

*13 ただし、闘技場の柵をも食い千切る咬合力を持つことから、普通の衣類であれば難無く食い千切れたと思われる。防刃繊維まで考慮しろと言う方が無理があるだろう。

*14 ちなみに、この時のジャックはトランクスに手足のテーピング、半身で脱力した構えをとるなど、刃牙と同じスタイルである。

*15 これまでジャックが通っていたレストランはおそらく自分で選んだそこそこの店であり、注文も骨付きのステーキや子豚の丸焼きなど顎のトレーニングを意識した様なものばかりで、飲み物も水であるなど、上品なマナーなど無い特別美食でもないものばかりであった。

*16 炙ってるということから、レバ刺しというよりは『レバーのたたき』と思われる。ちなみに、実際に『和牛レバーのたたき』という料理があり、結構な高級品である。尚、現在ではレバーの生食は規制されているが、調理法を工夫することで合法で提供している店も多くある。だからといって、屋外に放置されたレバ刺しなんて食ったら下手すれば病院だよゥッッ!!

*17 作者の板垣氏はインタビューにて「刃牙シリーズが完結したら描いてみたい」との返答をしている。

*18 ジャックが産まれたのが勇次郎が17歳頃(ジェーンとの出会いが16歳300日)、刃牙が産まれたのが勇次郎が19歳ぐらいの頃。

*19 一応、普段着でも時期に寄るのかジャケット姿で外出したりしている。

*20 恐らくは人生初の酒であり、それまではジョッキで水を飲んでいた

*21 公式に記録に残っているもので史上最長身の故ロバート・ワドロー氏でも股下比率が50%なら脚の長さは136cmになり、約54%でようやくジャックと同じ長さになる

*22 ひょっとしたら、ジョン博士から貰ったステロイドの副作用の苦しさで暴れて部屋の中がボロボロになったのかもしれない。