神野明影

登録日:2014/08/21 (木) 00:20:03
更新日:2021/07/22 Thu 06:28:15
所要時間:約 7 分で読めます





「きりやれんず、きりすてれんず、きりやれんず」


「おおおおおおおおお、ぐろおぉぉぉりあぁぁぁぁす!!」




相州戦神館學園 八命陣』の登場人物。



夢界六勢力の一つ、べんぼうの首領。
六勢力で唯一配下を持たない。ぶっちゃけセージや空亡も配下を持たないが、セージは必要ならば配下を増やせるし、空亡も本人がどうあれ、最大規模の軍勢を持っている事は間違いないので例外。

無貌、じゅすへる、黒い放射能、鬼天狗等様々な異名を持ち、神祇省からは空亡と並ぶ第八等指定廃神・蝿声厭魅(さばえのえんみ)として認定されている。

真っ黒な僧衣に乱れた金髪、漆黒の肌に明らかにヤバい目をした異形の男。一応人型をしているが、こいつを見て人間だと思う奴はまずいない。

その基本的な行動原理は「絶望」。人間を貶め、心の傷を暴き、絶望に叩き落とす事を趣味と言ってはばからず、神野の全ての行動は、最大の絶望を相手に与えるための演出に他ならない。
原作者の正田崇曰く、「メルクリウスは脚本家だったので表に出張らず裏で操る感じだったけど、神野は演出家なんでがんがん絡んで引っ掻き回しにくる感じ。
歴代のルネ山キャラ的な性質を持ってる水銀と思えばいいかな。あと、煽り技能が波旬より上かも。最低だな」との事。

口にする言葉も大半が煽りや人を小馬鹿にするようなもので、調子外れのトーンで放たれる台詞は聞いているだけで腹が立つこと請け合い。


■関連人物


本人曰く、「僕の恋人(まりあ)」。彼女を穢す事に涎を垂らす程の快感を感じている。


本人曰く、「友達」。最高の絶望を見せるという契約を交わし、同盟を結んでいる。
とはいえ、聖十郎が思い描く絶望と、神野が彼に見せようとしている絶望は全く異なるものなのだが。
しかしそれも当然、悪魔の契約というのは常に人間を騙し、陥れるためにあるのだから。


主。
神野の行動を人間への試練として捉えており、唯一神野を止められる存在でありながら、大体OKを出す為、神野は好きに行動している。



以下ネタバレ












「愛しているよ、水希」

「今の僕は強いだろう?強くなったよ、約束通りに」

「だから今度は君の番だ。愛してくれよ、愛してくれよ、愛して愛して愛しているんだッ!」

「きひっ、ひひはは、あーはっはっはっはっはっは!」


その正体は水希の弟、世良信明

正確にはその死に際の絶望に甘粕が召喚した悪魔たちが引き寄せられ、融合した結果誕生した廃神。それがシンノカゲリこと神野明影の正体である。人を憑代にするその成り立ちゆえに顕現すると行動原理が憑代になった人間の人格に強い影響を受ける性質がある。

信明は幼い頃から体の弱い自分の面倒を見てくれていた実姉に想いを寄せており、ある時彼女に告白するが、「強い人が好きだから」と振られてしまった。
しかし話はそこで終わらない。
その言葉を受けて強くなろうと一念発起した信明だったが、元々病弱な信明では劇的に強くなることなど出来ず、目標としていた戦真館への入学も叶わなかった。

そして自分が決して水希に届かないことに絶望した信明は、いつか水希を憎んでしまう前に自ら命を絶とうとした。

しかしその最悪のタイミングで甘粕による悪魔召喚が実行され、信明を取り込んだ神野は彼が思い描くことに恐怖を感じていた「自分が強くなれないなら、水希を堕落させてしまえばいい」という考えを、悪魔らしく甘言を弄して信明に認めさせ、その絶望を核として力を発揮している。

そんな発生の経緯もあって、神野は基本的に水希以外に興味がなく、他の人間への干渉は暇つぶしのようなもの。


ベースとなっているのはカクレキリシタン。
日本においてキリスト教は禁教令によって信仰を禁止され、信徒達はあえて信仰対象を歪める事で幕府の目を誤魔化していたが、世代を経ていく内に元々の信仰が失われ、全く別の宗教に変わっていったという背景がある。
そして「信仰を忘れ、歪める」という行為は廃神を発生させる条件であるため、神野はキリスト教における悪魔をベースとした存在として実体化している。
時々、「オラショ」の一節を歌い上げるのはその名残。
それ以外にも、蝿の王・ベルゼブブやら第6の魔王・悪五郎日影やら、這い寄る混沌やらスラヴの黒い神やら世界中の悪神が凝縮されている。
公式サイトでは、悪魔という概念が凝縮したような男と書かれているが、ようなどころかそのものである。


その能力は、悪魔らしく穢れを撒き散らすことに特化している。
ただそこにいるだけで周囲を便所の如く穢れた空間に変えていき、自身の体を無数の害虫に変える存在自体が害悪な男。
廃神である神野は自分の権限を何の制約もなく使うことができ、邯鄲法のルールや協力強制のルール等完全に無視で自分に設定された力を行使出来る。
え?楯法の活と解法の崩を組み合わせた能力?そんな設定はなかった。





とまあ、なんだか大層な存在ではあるのだが、本編での活躍はなんというか地味。
とりあえず各ルートの行動をまとめてみると、

√………剛蔵との殴り合いで多少真っ当になりかけたセージを外道に引きずり戻す。

歩美√……泥眼の心の傷を見抜く。が、別に何もしない。

鈴子√……鳴滝百合香宗冬の愛憎劇に放り込む。


以上。
それ以外は大体甘粕と一緒に四四八達の戦いを楽しく見物しているくらいである。

まあ、セージは神野に引き戻されたせいで希望(と書いて絶望)の中で死に、百合香が暴走を始めたそもそもの原因はこいつが百合香に記憶を失った戦真館の面々を引き合わせた事が原因なのだが、いかんせん正田卿の過去作において裏で暗躍していたニートや波旬に対して、やってることの規模が小さすぎるためショボく感じてしまう。

まあそれというのも水希以外の人間に興味がないからで、ある意味徹底しているとも言えるのだが。


そして肝心の水希√では、遂に実現した水希との最終決戦でここぞとばかりに水希を責めまくる。

水希の体を虫に変えたり、信明の言葉を利用して言葉責めしたりと好き放題やっていたが、犬田小文吾悌順による仲間達の激励によって気力を取り戻した水希にブチ切れ、自身の真の力で水希を葬り去ろうとする。

だがしかし、神野にとってそれは敗北宣言に等しいものでもある。
そもそも、人間が設定した悪魔というキャラクターである神野にとって、全力を出すなどというのは有り得ない事。
悪魔とは、人間を貶め、絶望させる存在。
だというのに圧倒的な力で相手に絶望を突きつけるなどという安い手段を取るのは、言ってしまえば自分のイメージを捨て去ることであり、キャラをぶれさせる結果になる。

結果、水希からは「その情けなさはさすが悪魔」と一笑に付され、その強さに気力を取り戻した信明と水希の間に協力強制が成立。犬飼現八信道による時間の逆行が始まった。


「戦真館にも入れなかった落伍者が、無駄な色気を出すなよ信明ィィ!」
「お前の努力や根性なんて、何の役にも立たないことは知ってるだろォ!」

「そう思ってるのは────」
「あなただけよッ!」

そして信明の絶望が晴らされた事で神野が実体化したという事実そのものが消えてなくなり、無意識の海へと落とされ現実から消え去った。

しかしこの戦いも、直後の四四八VS甘粕の最終決戦に持っていかれる形になってしまった。


とはいえ、神野はあくまで存在を保てなくなっただけで、無意識の海には未だべんぼうが漂っている。









【万仙陣】


鎌倉住人が追体験している甘粕事件の夢で登場。
甘粕の影として存在しているため、普通に観客の存在を認識しており、信明を煽ったり、妄想が形になって変な方向に向かおうとした歴史を「はいカットー」とやる気なく修正したりしている。

万仙陣によってかつての夢界六勢力が続々とタタリとして登場する中、一人だけさっぱり姿を現さなかったが…






「人の意志、そは無限なり!諦めなければ夢は叶う!」

「努力を怠り、虚構に逃げる子羊たちよーーー我が審判の火を知るがいい!」

「ハレルヤ、オオオォォゥーーー」


「グロオオオリアアアァァス!」





( ゚д゚) ・・・


(つд⊂)ゴシゴシ


(;゚д゚) ・・・


(つд⊂)ゴシゴシゴシ
 _, ._
(;゚ Д゚) …!?


天神野、降臨である。




■明けの明星

「今の俺は世界を守る側」というノリと、かつて神野明影を誕生させてしまった信明と、セージの後継である南天が愛によってその業を乗り越えた事への惜しみない祝福から甘粕が召喚してしまった神格。
つまるところ、また甘粕がノリとテンションで生み出した神である。

元々神野を構成する悪魔の中にはじゅすへる=堕天使ルシファーが含まれており、この姿はその堕天前のものとなる。
天使であれ堕天使であれ、どちらにせよ甘粕の属性である審判との親和性が高いため、このような芸当も可能になるのである。


完全にふざけているとしか思えないが、本人達は大真面目である。
龍神の上に荒ぶる親友のポーズで仁王立ちするツインテールの魔王(♂)が、セクシーポーズの天使(♂)と共にヒャッハーし放題という訳のわからない状態だが、至って大真面目である。


画像出典:相州戦神館學園 八命陣・相州戦神館學園 万仙陣
© light・greenwood・正田崇


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 相州戦神館學園 八命陣
  • 相州戦神館學園 万仙陣
  • べんぼう
  • トリックスター
  • 悪魔
  • 廃神
  • 天神野
  • 彼と彼女の愛に万歳ッ!
  • 山田
  • 正田崇
  • 一条和矢
  • 煽り屋
  • 蝿声厭魅
  • その名べんぼう、地獄なり
  • オラショ
  • 下劣跳梁
  • 悪魔→天使
  • 明けの明星
  • 天使

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年07月22日 06:28