旧魔王軍(ダイの大冒険)

登録日:2011/04/29 Fri 17:41:15
更新日:2025/03/20 Thu 19:11:14
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アバンめ 束の間の平和をせいぜい楽しんでおけ・・

新生魔王軍が誕生したら・・真っ先に殺してやる・・!!



漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の過去において語られる敵集団。

●目次

【概要】

かつての魔王ハドラーに率いられ世界を脅かすも、かつての勇者アバンやその仲間達にハドラーが倒されたことで勢力を失った。
時折その戦いが回想などで描かれるが、そのエピソードは断片的なもの。
ちなみに旧魔王軍の侵略が開始されたのは21年前、ハドラーが倒されたのは15年前である。
地上国家は徐々に生存圏を削られながらもどうにか抵抗を続けており、特にカール王国は手強くハドラーにとっては目の上の瘤だったという。


スピンオフ漫画「勇者アバンと獄炎の魔王」にて、組織の構成など詳細が語られている。
後の六大団長よりは格段に劣る戦力である*1ことを意識して描写されているが、地上侵略を目論むだけあって、いずれも曲者が揃っている。
またあちらと異なり、幹部同士の関係が比較的良好*2

野心に燃えるハドラーは自分が最強という自負の元、勢力を拡大しつつ世界征服に向けて邁進していた。
地上には他にも地上支配を目論む魔物やその集団が存在したようだが、ハドラー魔王軍の実力と権勢に気圧されており、機を窺う者が大半だったらしい。
後の新生大魔王軍では部下になる者達とも、この時期からの知己である。
ザボエラとは互いに一目置く取引相手という間柄。
クロコダインは名誉に執着せず武者修行の旅を続けており、地上制覇に挑戦するハドラーに敬意を寄せる武芸者だった。
後のハドラーがザボエラの実力には期待と信頼を寄せしつつも人柄は信用せず、クロコダインに全幅の信頼を寄せていたのもこうした事情故であろう。


【メンバー】

魔王ハドラー

魔界の神……か……
面白い。ならば見ていてもらおうではないか
この地上を獄炎に焼き尽くす我が覇道を!

詳細は項目参照。
当時はフードを被る魔道士然とした風貌。
初戦では後のように闘気を使う場面は見られずアバン相手に肉弾戦で梃子摺ったことから、呪文による戦いに長じている印象が強かった。
だが、実際にはアバンとの邂逅時は人間を見くびり過ぎて面食らっていただけのこと。

本編における神の化身や、神を超越すると謳われる超常の存在達。撫でるような手刀で鋼鉄が粉砕するのは当たり前だったり、あまつさえ切断された腕を瞬く間に生やせる彼等と比べれば、魔王ハドラーが見劣りはしてしまうのは否めない。
だが、この当時のハドラーもこの世界において傑出した存在であるのは間違いない。
意図的にその脅威を隠す超常の存在を除けば、その覇気と魔力によって世界中の魔物に影響を与えるのは魔王ハドラーのみ。
闘気の中でも特殊とされる暗黒闘気を無意識ながらも行使することが出来る他、時間さえかければ切断された腕が生えて、深々と刻まれた傷も癒える再生力は魔族の中でも突出している。

この頃から、幹部のガンガディアと並ぶ怪力で卓越した格闘術を振るい、ただの拳の風圧で前方2メートル程の石畳が砕けてしまう。
掌に微弱な爆裂系魔法を纏わせて敵の剣戟を受け止める等、魔法も器用に駆使し、技巧も卓越している。
そして何より、慢心したままなんでも喰らうのではなく、明敏に危機を察知して的確にダメージコントロールを行う。
直感と洞察で致命傷を避けて敵の攻撃を受け流すか回避する戦闘センスと、高い治癒力で多少の傷は闘いながら再生させる体質がもたらすしぶとさが、ハドラーを難攻不落な強豪足らしめている。


「勇者アバンと獄炎の魔王」時代は大魔王バーン・竜の騎士の存在も知らないようで、後の保身や自分より強い部下に怯える中間管理職魔軍司令時代と違い、魔王として威風堂々と振る舞う。
上述の通りダイの大冒険本編に比べるとハドラー自身の実力もまた落ちるものの、自分が最強と信じつつも飽くなき上昇志向を抱き、より強くなることに余念が無い*3

強い部下にしか興味はないと言い放ち、力を失った部下は容赦なく冷遇するが、これもその部下が這い上がって来ることを期待してのこと。
失態を犯せば即座に処断するような短絡さはなく、曲者揃いの部下達に対しても寛容さと器の大きさを見せていた。
皮肉なことに「成長を期待して敢えて冷遇する」という処遇受けて怯える立場に、後年になって自分が陥ることはこの時知る由もない……。


地上国家の中で最も激しく抵抗していたカール王国から希望の芽を摘むべくフローラ姫の拉致を目論み、アバンにそれを阻止されて以降、5年間遅々としながらも進行していた地上侵略が一変した。
アバンのことを有望な玩具と看做していたハドラーだったが、旅を経て力を付けたアバンへの興味を抑えきれずにつまみ食いの為に襲い掛かり、決死の粘りを見せたアバンの手で想定外の重傷を負ってしまう。
その騒動の終着時に、格下の相手に敗北しかねない体験で抱いた産まれて初めての恐怖と、尊崇しつつも実在はしないと諦観していた魔界の神が実在する事実への高揚を同時に抱え込んだ。
以降、その感情を鎮めるか、自身の鍛錬を魔界の神に見せつけるかのように、魔界の神より下賜された石像の前で鍛錬を続けた。
そうして鍛錬を続けて1月以上を経た折に、アバンが挑戦状を突き付けてきた。
気力充溢していたハドラーは当然決闘に応じたが、この決闘はアバンの仕掛けた一世一代の罠だった。
「仲間の未来を守れるならば魔王と心中しても望むところ」と告げるアバンの様子は清々しくすらあり、その態度と未知の呪法を前にしたハドラーは、未知の現象と相手を前にして恐怖と動揺に浸りながら封印されてしまった。

この封印はガンガディアによって1年後に解かれたが、想定外の副作用をハドラーにもたらした。
未知の現象と相手による恐怖と動揺。その感情に浸ったまま1年間凍結し続けたに等しいハドラーが精神に負ったダメージは深く、かつての覇気と自信はすっかり鳴りを潜めてしまった。
その最中に、これが好機と見たアバン一行が地底魔城に強襲を仕掛け、ハドラーは絶不調のまま最終決戦に臨む事態に陥ってしまった。

「たかが人間に言い知れぬ感情を植え付けられた」という現実を受容出来ないことに由来する恐怖心に翻弄されるハドラーだったが、いよいよアバンが迫る段階に至って、
「自分や手下と同じく、アバンも帰属する種族からは隔絶した突然変異の強者。ただの人間ではないから自分が梃子摺るのも当然」と理屈立てることで恐怖心を呑み込むことに成功。
ある程度精神状態を立て直したハドラーは、「自分達同様の突然変異の強者ならば、仲間に加える価値がある」として、「自分の軍門に下るなら世界の半分をやる」と勧誘した。
対するアバンは、自分のことを皆に支えられて成り立つ一介の人間だと自負するが故に、ハドラーとは価値観が相容れないことを確信。
その勧誘を拒絶し、とうとう決戦の火蓋が切って落とされた。



決戦の末アバンに敗れはしたが、死の直前に魔界の神に命を救われて生き長らえている。
それでも力を蓄える為に長年の休眠を必要とし、十数年の後に再び姿を現すまでは世界は平和が保たれた。


幹部

『地獄の騎士』バルトス


我が名は 地獄の騎士バルトス!
魔王ハドラー様の御前である地獄門の番人だ!

CV:平野正人(1991年版)、渡辺いっけい(2020年版)

ハドラーの禁呪法によって生まれた「地獄の騎士*4で、旧魔王軍最強の騎士。
戦火の中で捨てられていた人間の赤子を拾い、魔界の伝説の剣豪の名である「ヒュンケル」と名づけ、わが子同然に数年間、地底魔城内で大切に育てていた。
アバンに敗れた際にヒュンケルのことを彼に託し地獄門を進ませたが、死の淵から蘇ったハドラーの怒りを受け裏切り者として処刑されてしまう。
しかしヒュンケルは「アバンこそ父の仇」と誤解*5し、これが後に新魔王軍不死騎団長ヒュンケル誕生の原因となってしまう。

「勇者アバンと獄炎の魔王」でも登場。
本作ではフード付きのマントを纏い、6本の剣を背中に背負っている。
この時は人間を育てることについてハドラーにも「酔狂をする」笑って許されていた


『鬼面道士』ブラス


人間の子供を育てる……か……
いやいや ワシには縁のない話よ

CV:田の中勇(1991年版)、緒方賢一(2020年版)

本編開始時点で182歳。
本家ではダイの育ての親として登場し、過去に旧魔王軍に所属していたことが語られていた。
モンスターでありながら個人名があったり、強力なモンスターを封じた「魔法の筒」を魔王から受け取っていたり旧魔王軍でも比較的高い地位にあったのでは?と思われていた。
そして、アバン主役の物語となる「勇者アバンと獄炎の魔王」にて、幹部級の地位でありブラスという名前も幹部に昇進した際に授けられたものと判明。
他の幹部と比べると大分見劣りする感も否めないが、破壊衝動に目覚め呑まれていた頃のブラスは、魔法に頼らない空中浮遊能力等の鬼面道士が会得する筈の無い特殊能力を複数備えた稀少な存在だった。
その逸脱した能力がハドラーの興味を引いたらしい。


『亜人面樹』キギロ


力量の低い奴をいたぶっただけでぼろ儲けだ
きっと妬まれることだろうなぁ
また出世してしまうから

スピンオフ漫画「勇者アバンと獄炎の魔王」に登場。
種族は数百年に一度、突然変異で生まれるじんめんじゅの亜種「亜人面樹」
魔物の棲家となる「魔の森」を徐々に広げており、後に百獣魔団の拠点にもなっている。

樹木の幹に顔が貼りついたような通常の人面樹と違い、頭はハドラーに支配されていた頃のブラス同様に凶悪な顔つきの人面樹だが、その下には胴体や手足があり肩章付の軍服を身に着けた人間のような出で立ちをしている。
この体に見える部位の正体は異常発達した木の根であり、この根こそが亜人面樹の特徴でもある。
通常の人面樹と同等に備わる本来の小さな二本腕は服の中に隠している。


『デストロール』ガンガディア


まあ頭脳だけ優れていても勝てんな
やはり……『力』がなくては!

スピンオフ漫画「勇者アバンと獄炎の魔王」に登場。
当時のハドラーの側近にして旧魔王軍の参謀格。
彼もまたキギロ同様、同族の中から数百年に一度産まれる希少種「デストロール」である。
巨漢だが他のトロルと違い引き締まった体型で、常人の背丈の倍程もある杖のような柄の長い特別仕様の巨大棍棒を持ち、眼鏡をかけ知的な雰囲気を纏っている。
ハドラーから「粗暴なトロル一族の異端児」と評されている。

その他戦力

巨大マンイーター

各地に配したキギロの腹心にあたる存在にして支配の要。
地中の魔力を吸い上げさせて、そこを中心とした魔物の森を生み出す能力を持ち、通信葉を介して部下の人面樹からの情報を得られる。
この独自に構築した情報網によって、侵入者の技能や特徴を観察してから戦法を練るのが、キギロの基本的な立ち回りである。

エビルマージ

ガンガディアにとって大切な憩いの場だったヨミカイン遺跡の魔導図書館にて当館の管理を任されていた、彼の腹心にあたる魔物。
エビルマージ当人は館長を自称するが、実際には番人である。

魔王軍幹部の副官という地位は伊達ではなく非常に多芸で戦闘慣れしている。
メラゾーマをはじめゲームでは覚えていない多種多様な魔法も扱えるどころか、10発程のイオを宙空に発生させて降り注がせる魔界の神の真似事も披露し、アバンの剣戟も物理バリアを展開して咄嗟に防いでのける。

とある呪文を求めてヨミカイン魔導図書館を訪問したアバン一行を阻むべく交戦。
ガンガディアに任された蔵書を傷つけないように強力な呪文は使えない縛りプレイを強いられていることを看破したアバンに苦戦を強いられた。
どうにか手下と連携して彼を追い詰めたものの、ロカとレイラの援護によって傷を負い、暴発した魔法によって自ら蔵書を傷つけてしまった。
自尊心を傷つけれた怒りとガンガディアの制裁も恐れから、火炎の息で増幅した巨大メラゾーマで諸共に消滅させようとするが、剣士として覚醒し始めたロカの必殺技・豪破一刀によってメラゾーマごと両断されて散った。

悪魔の大目玉

後述のザボエラからハドラーが購入した魔物。
普段監視カメラよろしく常用する悪魔の目玉に、魔界の魔物として知られる大目玉を合成した生物の試作品。
悪魔の目玉特有の催眠効果のある甘い香りや大目玉の格闘能力が合わさっただけでなく、全能力が大幅に強化されている。
触手を対象の頭部に当てて脳に干渉することで、記憶の読み取りや幻覚を見せて情報を引き出すことも可能。悪魔の目玉特有の広角カメラのような視野も活用し、極めて高い諜報能力を発揮する。
購入したハドラーは、修行の為に世界各地を転々と移動するアバンの所在を掴む為に利用。数日で容易くアバンの所在を掴んでハドラーに報告した後に、サババの港町にしてアバン一行と交戦。
尾行に気付いたレイラを誘い込んで捕縛しあと一歩のところまで追い詰めるも、アバンが駆け付けてレイラの無力化には失敗。
そのまま二人同時に相手取って互角の格闘戦を演じるも、アバンとレイラの巧みな連携によって撃破された。

キラーマシン

勇者抹殺の目的で開発されたとされる、ドラクエシリーズお馴染みの遠隔型の無人殺戮兵器。
基本デザインはシリーズ従来通りだが、本作においては人の4倍はある巨体であり、装備も相応に長大。
モノアイが受信機になっており、そこで魔王ハドラーの邪悪な魔力を受信することで活動する。
静養の為にパプニカ王国に滞在していたレイラとロカを狙って、ようやく完成した1機をガンガディアが派遣した。

キラーマシンの運搬は最早二階建て家屋を移設するに等しい大仕事の筈だが、パプニカ王都の中心にキラーマシンが
襲来した際には、4本足を収納したボール状に形態で空から飛来した。
どうやらキラーマシンを地底魔城から射出する、投石器さながらの設備も開発したらしい。

その性能は「この1機だけでパプニカ王国を攻略せしめる」とガンガディアが太鼓判を押すほど。
まず何より厄介なのが装甲の魔法耐性。
パプニカの賢者達による中級魔法くらいでは、雨霰と撃ち込んでものけぞるだけで傷一つつかない。
そればかりか物理への耐久力もあり、ロカが繰り出す剣戟さえも闘気剣以外は弾き返してしまう。
そして、侵略兵器なので当然ながら攻撃面でも秀でている。
ロカに勝るとも劣らぬ馬力でもって、巨大剣を振るい石畳を踏み砕き、クロスボウからは人より大きな矢を放つ。
頭部モノアイにはレーザー砲まで搭載しており、石造家屋二軒分をレーザーで軽々焼き切る。

最終的には、パプニカ賢者達による魔法の弾幕によって生じた隙をロカとアバンが見逃さず、
二人の繰り出した豪破一刀が頭部を切断。受信器を失ったキラーマシンは沈黙した。

防衛手段を魔法に頼るパプニカ王国にとってこのキラーマシンが今後絶大な脅威になる。
そう確信したパプニカ王は即刻行動に移り、キラーマシンを鹵獲して側近のテムジン大臣を中心とする解析チームを発足した。
当然ながらこの脅威の兵器の弱点を解明することが使命である。
だが、テムジンは魔王の魔力を受信する代りに人の魔法力で稼働させる改造を施した上で悪用することを思いつく。
それが結実してひと騒動起こすのは16年後のことになる。

パプニカ王都襲撃の時は、レイラの妊娠を契機に即刻魔王を封印して無力化するとアバンが決断して、その計画実行の目途が立った直後のこと。
それからほどなくしてアバンはウロド平原にてハドラーとの決戦に臨み、決闘の末にハドラーは封印されてさながら氷像のようになってしまったばかりか、勇者一行によって拉致された。
結果、魔王軍は一年間以上に渡ってハドラーの捜索や封印の解呪方法の研究に忙殺される羽目になった。
仮にこの封印騒動が無かった場合、キラーマシンの大量生産と全世界への大量展開はつつがなく進行したことは疑いの余地が無く、人類の生存圏は一気に削り取られて窮地に陥ったことだろう。

グランナード

地底魔城を形成する花崗岩から禁呪法によって生み出された禁呪生命体。
アバンとの最終決戦の際にハドラーの手により急遽生み出された。
後に生み出されるフレイザードのプロトタイプとも言える存在であり、追い詰められたハドラーの精神状態が反映されている影響か、人間という種族に対して強い敵意と嫌悪感を持っている。

地底魔城を形成する花崗岩から生み出された為、地底魔城を構成する岩と同化し自在に操る事が可能。
生まれて間もない故に戦闘経験はゼロで技術的にも粗削りだが、鋭利な花崗岩の肉体は堅牢で、繰り出す徒手空拳は並の鎧くらいは易々と砕く。
岩を取り込んで肉体を強化するのみならず、岩の中を移動し潜んだり、岩の壁を生やして敵の攻撃を防いだり、戦法も多彩。
地の利の有る地底魔城で門番として戦う限りにおいては、キギロやガンガディアといった幹部たちにも匹敵する実力者である。

【拠点】

『地底魔城』

旧魔王軍の本拠地は地下へと広がる迷宮、地底魔城である。
本編の登場人物の一人であるレオナ姫の母国・パプニカ王国の付近にあるヴィオホルン火山の中に建造されている。
ハドラーが倒されてから15年後には、ヒュンケル率いる不死騎団のアジトになっていた。

なお、本編においては「死火山」と表現されるが、2023年時点ではこの表現が見直されているのを受けてか単に活動停止の火山としている。

地底魔城がこの地にあるのは本編においては周知の事実同然だったが、その16年前時点では死火山に近付く人間が少なかったからか、地上国家は魔王軍の本拠地を突き止めるのに苦労していた。
堂々と屹立する火山なので場所が分かってしまえばすぐにでも向かえそうだが、外観よりも攻略は難しい。
火口周辺には魔法力を持つ人間を阻む結界が設置されており、ルーラは使えずトベルーラを使うと不発に終わるか弾かれるので、魔法を使わず徒歩で一旦結界の内側に入ってから、維持装置を壊す必要がある。
術者の力量で結界を強引に突破可能かは不明だが、大魔導士マトリフでも強行突破は不可能なので、人間の魔法使いには実質不可能と断じるのが妥当であろう強固さ。
加えて、並の鉄の武器は弾く魔のサソリは山肌から地中を掘って現れ、山頂からはドラゴンフライが飛来し魔物の群が駆け下りて来る。
駄目押しとして、元々活火山だったために登山道が整備されていないので、登山が可能なルートは溶岩が流れ落ちた軌跡が形成した一本道に限られる。
こうした行軍が困難な地形と手数を活かした警戒態勢故に、地底魔城を攻略しようにもおのずと少数精鋭での行軍になってしまう。

そして、山頂に到着して結界を無力化しても、地底魔城の本番はそこから。
本編においてはダイとポップは後述の地底魔城深層までスムーズに踏破出来たが、これは彼らの兄弟子にして魔王軍軍団長のヒュンケルが、因縁の弟弟子と決着をつける為に部下達に敢えて誘導するよう命じたからである。

ヴィオホルン火山の頂上から内壁に沿って続く螺旋階段を降りて、迷路構造の地底魔城に入る。
城内は幹部の居室や一部廊下を除くと、如何にも火山を掘って造ったという風な通路が多く、魔物が4、5体並べば通路が塞がってしまう狭さ。螺旋階段も然りである。
地底魔城を攻略せんとする侵入者が現れても、通路一杯に敷き詰められた雑魚魔物の群を延々と相手にし続けながら延々と迷路を生き続ける必要がある。
本来、地底魔城を攻略するのは容易くはない。

火山の中腹の外縁部には、屋外に突き出した闘技場が設置されており、地底魔城をある程度深く降りるとそこに行き着く。
元々は魔王軍の兵士同士が腕を競い合う練兵所だったようだが、ハドラーは闘技場で魔物と捕らえた人間を戦わせる悪趣味な遊びもしていたらしい。
本編においてはヒュンケルが思う存分決着をつけるべくここを決戦の地としたが、この闘技場から更に下に降りると、かつて魔王ハドラーの玉座だった場所へと辿り着く。



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最終更新:2025年03月20日 19:11

*1 六大団長は最低一つはハドラーに勝る長所があったのに対し、ハドラー四天王はガンガディア自慢のパワーでもハドラーと同等止まり。また空裂斬を意識すらしていない出来損ないのアバンストラッシュですら、魔王ハドラー当人が「カール城襲撃時点の自分が喰らったら腕を両断されていた」と語っている他、三条氏当人が「大地斬や海波斬が凄まじい必殺技に見えるよう留意している」と述べている

*2 策士タイプのキギロでも仲間を踏み台にはしないためかザボエラのように嫌われてはいない

*3 ロカに不意打ちで腕を両断された対策として、食べると骨が金属化していく魔鉱石をザボエラから仕入れて常食している等

*4 ゲーム版ドラクエ3にも登場する、骸骨剣士の強化版

*5 禁呪生命体であるバルトスは創造主であるハドラーが死ぬと同時に死んでしまうため