登録日:2012/06/26 Tue 10:04:05
更新日:2025/02/16 Sun 15:04:45
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愛や優しさだけでは必ずしも他人を守れない時もあるのです
目次
【概要】
主人公である
ダイの師匠。「アバン=デ=ジニュアールⅢ世」が本名で、普段は「
アバン」と略されている。
自称『勇者の家庭教師』であり、弟子達からは「アバン先生」と呼ばれている。
年齢は31歳。
青の巻き毛と黒縁メガネが特徴的な男性。目立たないが、かなりの美形でもある。
その正体は、
過去に魔王ハドラー率いる旧魔王軍を壊滅させた勇者。
彼の正体を知った上で自称を見直すと、『勇者の家庭教師』は
勇者を育成する家庭教師であると共に、
勇者であった家庭教師も意味する事になる。
怪しげに見える黒縁メガネは、実は度の入ってない伊達メガネ。
名前そのものはあまり広まっていないのか、弟子の
ポップや魔王軍の幹部だった
ブラスですら気がつかなかった。
ただし、でろりん達は知っており、その名を聞いて「本物の勇者じゃないか」と漏らした。
【人物】
性格は温厚で、ややひょうきんな一面も目立つが、その人柄から彼を慕う者は多い。
家庭教師としての腕も確かで、人の才覚を見出すのは抜群に上手い。
趣味は料理。腕前は王宮付きの料理当番の女性たちに味付けのコツを語れるほど。
また、新しい町や村に着くたびに住民全員に話しかけるように心掛けており、RPGにおけるプレイヤーの定番を再現しているといえる。
稀代の天才学者だったジニュアール1世の血を継ぐ学者の家系の産まれで、元々はカール王国所属の騎士だった。
両親を早くに亡くしたアバンは祖父であるジニュアール1世と執事ドリファンによって育てられた。
当時は王女だったフローラをモンスターから救った事がきっかけで、フローラに推薦されカール騎士団へ入団したものの、騎士団では味噌っ粕扱いを受けていた。
ジニュアール1世はその超抜した科学知識でもって天変地異を驚異的な精度で予測しカール国民を救ったが、突出し過ぎた技能は異能同然と受け止められて、ジニュアール一族は国民から気味悪がられて距離を取られていた。
アバンもまた、そのジニュアール家に生まれた者として、昼行燈に徹して騎士団の恥晒しの汚名を甘んじて受け入れていた。
それでも持前の人当たりの良さと要領の良さのお陰でカール王国時代は王宮勤めの女性たちからも人気が高く、フローラ王女にも密かに惚れられていたのだが、魔王ハドラーのカール城襲来を契機に状況は一転。
隠していた実力を発揮して魔王を辛くも一時的に撃退した直後に、魔王討伐の為の修行の旅に出た。そして見事ハドラー討伐した。
だが、彼はある夜突然、再びカール王国を去ることになる。
ただし、後に…
【劇中の活躍】
パプニカ王国からの依頼で、ダイの才能を磨くべく、弟子の
ポップと共にデルムリン島に上陸。
彼に7日で勇者になれるという『スペシャルハードコース』を課す。
しかし、スペシャルハードコースの特訓3日目。
ダイが海破斬を習得した時、ハドラーが島に上陸。
バーンに力を与えられたハドラーに追い詰められた(特訓のドラゴラムでMPを消費していたこともあるが)アバンは、ダイとポップにアストロンをかけ、
「やっぱり修業で得た力というのは他人のために使うものだと私は思います。たぶん私の力はこの日のために… あなたたちを守るために神様からさずかったのでしょう…。いつかあなたにも必ずわかる日がきます」と諭して卒業の証『アバンのしるし』を託す。
自己犠牲呪文『
メガンテ』を唱え、ハドラーを道連れに光の中へと消えていった――
上記が起こるやいなや現実世界の読者からは批判の嵐が巻き起こった。
登場回数が少ないにも関わらずその後も読者人気は衰えしらずであった。
それは作中でも同じであり、以降も「アバンの書」を介してアバンの使徒のみならずアバンを直接は知らない仲間たちまで勇気づけ鼓舞するなど、退場してもその存在感は大きく精神的支柱となり彼らを支えて行った。
このように、絶大な影響力を持つ人物であり、彼の存在は死後も、登場人物の成長を促してきた。
クロコダインも、武人として一目会いたかったと敬意を表していた。
おやおや まだ編集中なのに そんな感動してもらっちゃこまりますよ
これからもブリバリ追記・修正してくれないと それにふさわしいアニヲタになれませんからね!
以下、ネタバレ
心配かけてまことに申し訳ありませんでしたが…
ここにいる私は…幽霊でも…ニセモノでも…幻でもありません。無論他人の空似でも…!!
本物の… 私です!!
後半、ハドラーとの最終決戦の後にてまさかの復活。
過去フローラから貰っていた「カールのまもり」が、彼の命を救っていたのである。
カールのまもりは「命の石」と同質の効果を持った身代わりアイテムであり、メガンテがハドラーを仕留めきれなかったように不完全に終わっていた事もあって、即死を免れて生存していた。
生還した後、ダイとポップの船出を物陰から見届けていたアバンは自分がいてはダイの成長の妨げになると考え、いずれ大魔王と相対するであろう彼らを助けるために「自分にしか出来ない力」を求めることを決意。あえて自身の生存を隠したままデルムリン島からこっそり離脱し、カール王国にある破邪の洞窟で修行を開始。
バーンとの初戦を経た後のマァム含むパーティでも地下25階で苦戦するダンジョンをソロで150階まで踏破する廃プレイに邁進。
結果
魔法力を増幅する破邪の秘法、二種類のフェザーを引っさげて戻ってきた。
ハドラーとポップを絶体絶命の窮地に追い込んだ卑劣な
キルバーンの罠を破邪の秘法で極大化したトラマナであっさりと消し去り、
完全に力を使い果たして崩れ行くハドラーの最期を自らの腕の中で看取った後は、アバンの使徒のパーティーに復帰。
激しい死闘と老獪な騙し合いの末に狡猾なキルバーンを撃破。
再登場してすぐにキルバーンの罠を破っているのだが、この時からキルバーンを挑発している。
これは、初見で「キルバーンの罠は術者が直接発動命令を出さなければ作動しないタイプ」である事を見抜き、
倒せるかどうか以前にキルバーンを自分にかかりっきりにさせていれば罠は全て実質的に無効化できるということを狙ったものである。
結果、キルバーンはアバンに執着して「ジャッジ」まで使い、アバンを倒さない限り自分も出られない異空間に入ってしまい罠の操作ができない状況にされてしまう。
キルバーン撃破後はそのままモシャスでキルバーンに扮して
ミストバーンから大魔王バーンの情報を掠め取ろうとしたり、
マァムに取り憑いたミストバーンを追い払うなど要所要所で活躍を見せる。
最終決戦では最初の鬼眼の洗礼には耐えてバーンに相対するメンバーには残ったものの、戦いの中でカイザーフェニックスを受けて負傷したことでバーンの「瞳」に屈し前線を離脱することになる。
バーンパレスから脱出できた際は、ようやくフローラと再会。
…出来たが、どうやらフローラは「カールのまもり」の真の力を知らなかったようで、アバン死亡を信じ切ってしまっていた彼女は当然のように自分の隣に立っているアバンを見て
その場で失神してしまった。そりゃそうだ。
バーン撃破後、ダイを労っている最中には、フローラが駆け付けてきた場面でも説明なくしれっと混ざっていたため、
アバンがとうに死んでいると思っていたフローラはアバンの姿を見て卒倒してしまった。
生死にかかわる説明が済んでフローラが落ち着いた後も、フローラから「勇者なんて事が片付いたらすぐどこかへ消えてしまう」と釘を刺されて冷や汗を流しながら
ポップとクロコダインに「男として責任取れ」とおちょくられるという、これまでにない情けない姿を見せてしまう事に。残当。
最後の戦いの後は、本当にフローラに捕まったらしく、付け髭みたいな髭を生やし2人で玉座に並んで座っていることから、王配(女王の配偶者)になったと思われる。
彼がカール王国で指導していれば、
超竜軍団を撃退出来ずとも、世に聞こえるカール騎士団員の犠牲を大きく抑えられたと惜しむ声もあったことと、これまでの功績を鑑みれば王様になって
フローラ様の尻に敷かれても全く不思議ではない。
自身の魔王討伐に加え、弟子たちによる大魔王討伐という揺るぎない実績、
更には女王フローラ自身の強い意向が揃っていれば、今更表立って反対するものも少なかっただろう。
彼とフローラならば、王国の再興もそう遠くない未来に成し遂げられるだろう…。
ハドラー討伐後にアバンがカールを出奔した理由は本編内では特に語られておらず、
フローラ以外の王国重鎮がその能力故に疎んじて汚職の濡れ衣を着せて追い出しを図り、アバンはそのことをフローラに打ち明けて助けを乞うことは決してしなかったためとこの項目でも長らく語られていたのだが、
『勇者アバンと獄炎の魔王』勇者編エピローグに当たる43~44話にてその真相が明らかになり、
結論から言えばフローラ以外の王国重鎮はアバンを追い出す気なんてなかったし、ハドラー討伐後は国力増強のためにフローラと結婚させようとまでしていた。
「魔王ハドラーの時とは違い、大魔王バーン侵攻時は王国が実際に一度壊滅した復興途上で強い指導者が求められていたために結婚に誰も反対できなかった(意訳)」ともこの項目で説明されていたのだが、
まさかそれを書いた人もハドラーの時と違うどころか、むしろハドラーの時にそれをやるはずだったという梯子外し喰らうとは思わなかっただろう
しかし、ハドラー討伐後のある日、アバンはカールとは全く無関係の謎の勢力に命を狙われ、勇者である自分の存在はカールに危険を及ぼす可能性があると実感。
そこにジニュアール家に引き取って養子にしようと考えていたヒュンケルの「おれに欲しいのは父親ではなく、自分を強くしてくれる先生だ(意訳)」という言葉に天啓を得て
「やがて来るであろう次なる脅威に備えて次代の勇者を育てる」という自分の生きる道を見出し、ヒュンケルを伴ってカールを出奔する決意を固める。
当初フローラにも相談せず、彼女に預けていた眼鏡だけ拝借して黙って旅立つつもりだったが、
即バレて取っ捕まってしまい、事情を説明。
そしてアバンの新たな生きる道を聞いたフローラは辛い本心を隠しつつも笑顔で「いってらっしゃい、アバン先生!」と自分にとって唯一人の勇者を送り出す決断をするのであった。
その際、「私がただの町娘だったら連れて行ってと言っただろうけど、それが出来ない立場である事を理解していたから黙って姿を消そうとした(意訳)」とどこかの夫婦が聞いたら物凄く耳が痛くなるような事も指摘された
…そんな感じで、それまで推測されてたのとは異なる意外と円満な出奔であり、そしてある意味バーン討伐後にフローラがアバンをとっ捕まえたのはある意味15年前やらなかった事を果たしただけだった。
【能力】
勇者の名に恥じない力を持ち、
剣、
槍、
斧、
弓、鎖、牙の全ての技と奥義を極めている。
「武芸百般」を自称しており、更に上記の6系統に対応する独自流派
「アバン流殺法」の開祖。
特に必殺技である
アバンストラッシュは、作品の代名詞とも呼べる技であり、ダイに受け継がれて以降は、様々な派生技も完成した。
呪文も魔法使い顔負けのレパートリーを巧みに操り闘気技も使用できる。
賢者限定の呪文であるマホカトールを使える事から、彼の職業は賢者で、勇者と呼ばれるのは行動からつけられた称号ではないかという考察もある。
劇中で登場した人物では魔法と闘気の両方を使える「人間」は彼と
ノヴァの二人だけである。
心理戦にも長けており、話術で相手のペースを乱したり精神的動揺を引きだして相手の隙を作ったり自分のペースに引き込む老獪な戦法も使いこなす。誰が言ったか「アバン流口殺法」。
おまけに魔弾銃を作り出すほど機械技術にも精通し、本来学者ゆえに古代の文献や伝承にも造詣が深く、家事万能で知識も豊富、作中で一番の頭脳明晰と文字通りの完璧超人。
アバンの使徒の証である「アバンのしるし」も、文字通り彼にしか精製できない代物。
シルバー及びゴールドフェザーも、彼の独自の発明品である。
なにこのチート
愛弟子のポップや
ヒュンケル曰く
『あの人は特別製』『恐るべき達人』と讃えられている超人ではあるが、自身認めるとおり戦闘能力は大魔王に挑んだ中では決して高くはない方。
物語終盤ではダイやヒュンケルはおろか、ポップにすら劣る戦闘能力しか無い。
とは言え、ダイに修行をつけていた作中最初期の時点で、ゲーム的に表現したパラメータ上のレベルは36。
実戦を離れたとはいえ他所のシリーズでならラスボスに挑めるくらいの実力は維持している。
初期のハドラーに圧倒されメガンテでも倒すことはできなかったが、魔王時代のハドラーを倒した時から15年のブランクがある上にドラゴラムで魔法力を消耗した状態だった。
更に先述の修行によって鍛え直し、最終決戦時点における十分な脅威の一人であったキルバーンを倒してもいる。
要は単に、ダイ達や挑もうとしている大魔王バーンがアホみたいに強過ぎるだけである。それも、DQ的に言えばステータスの数値的な意味で。
そのため、最大破壊力ではダイ達に劣り、デタラメな力を持つ大魔王に有効打を与えるのはダイの役目、とレオナに語るシーンもある。
それでもアバン自身は劇中登場人物の中でも最強クラスの実力者であり、現にマァムやクロコダインが耐えられなかったバーンの「瞳」に一度は耐えて見せた。
しかしアバンの最大の強みは
- 持ち前の聡明な頭脳と豊富な知識・経験
- 独自技術による新兵器や魔法のアイテムを個人の力で発案し開発・完成させられる技術力
- 数手先を見透かすかのような冷静沈着な判断力と洞察力
- 時と場合によっては敵味方問わず平然と欺き騙し抜けるダイにはない老獪さと冷徹さ
- 命の危機に直面しても揺るがず、マイペースに余裕を演じる底知れない演技力
- 有望な若者の才能を見出し、超一流の戦士に育て上げる人材育成力
- 「魔王を倒した勇者」としての圧倒的なカリスマ性及びずば抜けた統率力
などから来る戦闘力以外での多方面に渡る優れた才覚である。
放っておけば何をするのか分からず、単純なレベルやステータスの強弱だけでアバンの強さを表すのは不可能な、正しくワイルドカード(ジョーカー)的存在。
それ故にアバンの事をよく知らないミストバーンが「今更アバン如きが我々の脅威になるとは到底思えないのですが…」と大魔王バーンに語った際に、「たわけ!!」と怒られる羽目になってしまった。
これがミストバーンが大魔王バーンに怒られた唯一の場面というと、大魔王バーンのアバンに対する警戒心の高さがわかろうものである。
その底知れなさと総合的な実力はあの大魔王バーンでさえ、遥かに力が劣るはずの彼を
「もっとも厄介な男」「何をしでかすか分からない地上一の切れ者」と危険視し、
竜の騎士であるバランより先に抹殺を命じていたことからも彼の存在感がうかがえるだろう。
最終決戦において瞳の中に彼を封じ込めた際にも
「安心したぞ、アバン。お前が早々いなくなってくれて」とまで言わせてしまう程である。
かつて彼の仲間であった
マトリフは、
「なんでもできるがなんにもできないのが勇者」だと勇者の器用貧乏さを指摘したが、アバンに関して言えばそれはあてはまらない。
一応以前パーティーを組んでいたロカやブロキーナ、マトリフは、それぞれの得意分野で当時のアバンをしのぐ実力者だったようだが、僧侶であるレイラは引退している事もあり、当時のアバンと比較してどの程度の実力だったのかは不明だが、たとえば剣の腕前ひとつをとってみても、ロカが死亡している本編の時間軸で純粋な人間でまず間違いなく彼よりも上だろうと思われるのはヒュンケルくらいのものであり、
器用貧乏どころか地上屈指の実力なのである。
わけても破邪系の呪文に関して言えば文句なしで地上最強の使い手であり、破邪の秘法を習得したことで、大魔王バーンの施した封印さえも打ち破るほどの力を見せている。
ポップの評したとおり、正しく勇者の中でも特別製の人物であり、「器用万能」とでもいうのがふさわしいだろう。
究極武器と超必殺技に恵まれなかったので最大破壊力で一歩譲った、というのが実情か。
逆に言うと当時すでにその道では有名人だったブロキーナ、マトリフと並んで得意分野ではアバンより実力が上とされるロカのヤバさである。
弱点
そんな彼の欠点は、
自己犠牲の精神が強すぎること。
そして、独りで抱え込んで自己完結しがちな気質にある。
傑出しすぎた自分の力を自覚しているのか常に浮かべる笑顔の裏でどこか悲観的に物事を見ている節があり、「平和な世界では自身(勇者)の存在は害である」(バーンもダイに対して同じ趣旨の指摘をしており、ある意味正しい判断ではある。)と考え表舞台から身を隠したり、実力的に敵わない相手には自己犠牲的な攻撃手段を取ることも厭わない傾向がある。
「自身があくまで先代の勇者であり、既に役目を終えた身である」という考えもそれに拍車をかけているのか、若い世代であるダイ達を助けるためなら自身の命を削り、時には犠牲にしようとすることにも躊躇がない。
彼が生きて行動しているだけで敵にプレッシャーを与える資質を持っている人物なのだが、
その現実を知ってか知らずか、自分の生死を軽く扱って行動していた側面が、かなりあるのだ。
また、親友のロカだけでなくレイラやマトリフとの出会いを通じて緩和されたものの、表向き人当たりは良くても出自故にどこか人間不信めいたきらいがある。
アバン当人の大概のことは独力でこなせる能力の高さ故に、本当に限界を迎えるまで他者に助けを求めずに何でも独りでこなそうとしてしまっていた。
良くも悪くも「典型的な勇者」らしい人物なのだが、最終話で再会したフローラにその事を上記の通り咎められる羽目になってしまった。
フローラの咎めはあくまで彼を愛する女性としての立場からのものであり、アバンがもし彼女の傍に留まって家庭教師業をしていなかったら世界は滅びていただろうから、より大きな視点から見れば批判を受けるようなものではないだろうが。
まぁ、未来の勇者を探すというアバンの考えを聞いて快く送り出す苦渋の決断をしたのもフローラである事が『勇者アバンと獄炎の魔王』で判明したため、
フローラからしたらまさかこの15年一度も顔を見せないとは思わなかったというのが正直なところだろう。
そこから死んだと思ったらシレっと生きていて、何事もなかったかのように自分の横に立っていたら……そりゃあ嫌味の一言くらい言いたくもなるよ。
ちなみに上記の通り最終的にはフローラと結ばれる結末を迎えたが、そもそもフローラがカール壊滅の際に死亡していてもおかしくはなかった事を考えると、
かなり綱渡りなハッピーエンドだった事もわかる。仮に破邪の洞窟にこもっていた間にフローラが死んでいたらアバンは悔やんでも悔やみきれなかっただろう…
また、ハドラーからも最期に忠告された通り、どうしても非情になりきれず甘さが露呈する場面も多い。もちろんそれがアバンの魅力の一つでもあるのだが。
いつでも始末できたピロロを見逃したせいで、後々に大きな禍根を残してしまった件については、明確にこの甘さが招いた事態であると非難されても仕方ないかもしれない。
ただ、あそこでアバンが本気でピロロを殺そうとしていた場合、彼だけでも道連れにしようとピロロがその場で黒の核晶を起動させるなどの行動に出ていた可能性も高いので、結果論ではあるがベターな行動であったと言えなくもないだろう。
もしもアバンがこの時点で死んでいれば、その後のミストバーン戦に彼が駆けつけることもなくなり、もちろんバーン戦にも参戦できず、戦いの流れが大きく変わって、最悪ダイ一行は全滅していたかもしれないのだから。
使用技
本家本元にしてアバン流における動の奥義。当時の全国の小学生が一度は真似した技。
最初はひのきの棒で披露し、ダイにその威力を伝えた。
元々はカール王国を襲ったハドラーに対し無我夢中で放った技で、これを安定して使用できるように開発したのがアバン流殺法であるらしい。
キルバーン戦では、ジャッジの鎌の残骸の棒というガラクタ同然の代物で槍版のアバンストラッシュを使用し、勝利している。
「大地を斬り海を斬り空を斬り、そして全てを斬る技」とも称され、下記のアバン流殺法の3つの技を全て会得して初めて完成する技。
アバン流殺法の3つの技を全て会得していなくてもアバンストラッシュ「らしき技」は撃つ事はできるが、その場合は威力の劣る不完全版にしかならない。
(とはいえ竜の紋章の力があればコンディションが万全ではないクロコダインを倒す程度の威力は発揮するので不完全なアバンストラッシュでも単純に大地斬や海破斬を放つより威力は上がるようだ)
アバン流殺法が6つの系統の武器に存在する事からアバンストラッシュも全ての系統にあるはずだが、作中では剣によるアバンストラッシュしか登場していない。
剣によるアバンストラッシュは剣を逆手に持ち、上半身を捻って後ろから一気に前に振り抜く。
後に、同じ動作で闘気の刃を前方に飛ばす飛び道具の「A(アロー)タイプ」と、刀身を直接相手にぶつけて切り裂く「B(ブレイク)タイプ」の2パターンが存在する事が明らかになった。
この2タイプの使い分けは本編ではダイしか行っていないが、本家であり闘気技も会得しているアバンも両方使用可能。
しかしこれを交差させて放つアバンストラッシュX(クロス)は竜の騎士の身体能力だからこそ成せる技なので流石のアバンも使えないだろう。
剣・槍・斧・弓・鎖(鞭系武器の意)・牙(手甲・鉤爪系武器の意)の6つの系統が存在し、それぞれに「大地の技」「海の技」「空の技」が存在する。
大地は形のある物をパワーで切り裂く技、海は形のないものをスピードで切り裂く技、空は目に見えないものを捉えて討つ技・
剣はそれぞれ「大地斬」「海破斬」「空裂斬」、槍は「地雷閃」「海鳴閃」「虚空閃」という名前が判明している。
十字状のものを媒介として闘気を放つ。
ただし大地に底が見えないほどの巨大な亀裂を入れるヒュンケルのものに比べると、せいぜいが身長の2~3倍程度の岩を破壊する程度の威力しかなく、本家でありながら威力で大幅に劣る。
これは、アバンが見出した闘気放出技は「闘気とは即ち生命力であり、力いっぱい解き放つと技後に行動不能になって自爆になってしまう。ゆえに、できる限り小さく制限して放つべき」というレベルのものだったため。アバンがヒュンケルに実演してみせた技もそうやってかなりセーブされた状態で放たれたものだった。
闘気放出技でこんなバカげた威力を出して死なないヒュンケルの方が異常なのである。
最大限に闘気を放出しながらも自爆にならず生き残るには類い稀なセンスが必要で、ヒュンケルにしかできない芸当。
厳密に言えばアバンでもやろうと思えばできるが、やればヒュンケルと違ってほぼ間違いなく死ぬ。
バーンパレス心臓部からの脱出の際には「魔法でなく、かつ心臓部の壁を吹き飛ばすほどの大規模な技」としてグランドクルスが候補になったが、
「本家」として技を放つと名乗り出たアバンは、瀕死のヒュンケルに却下されている。
アバン自身は「軽くやってやりましょう」程度のノリで発言していたが、それがただの強がりで死の危険がある行為であるとヒュンケルにすぐバラされてしまった。
と言うか、「少なくとも技だけは確実に成功するオレがやるべきだ」とのヒュンケルの発言から、アバンでは心臓部の壁を破壊できずに終わってしかも死ぬという結末まであり得た模様。
あるいは、自己犠牲をいとわないアバンの性格からして、確実に心臓部の破壊を成功させるため自分の安全を度外視して威力を高めることだけに注力し、結果的に間違いなく死ぬだろうと彼のことをよく知るヒュンケルが見抜いていたか。
結果、どちらにも任せられないと判断したヒムが「オレもまた不死身だァーーーッ!!」と叫んでぶっ放した見様見真似グランドクルスは見事に心臓部の壁を十字に切り裂いて脱出路を開くに足る威力を出せたものの、彼のオリハルコン製のボディをもってしても多大な反動を受けて両腕が全壊・消失している。
これを見るに、闘気(生命)を使い切って瀕死になる危険性とは別に正しい媒介物を準備しないと破壊力の反動で使用者の身体がヤバいという危険性が示された。
なお、アバンがこの技を編み出すに至った経緯は
勇者アバンと獄炎の魔王で描かれた。
剣を封じられ呪文も効かない相手に水中に沈められ、このままでは溺死を免れないという決死の状況に追い込まれた際に、闘気を最後の武器とすることに思い至って敵の鎖を交差させ、そこに全闘気を集中させて放っている。
この際に使用したのはヒュンケルと同じような高出力版であり、重厚な金属鎧でできた敵の体をはるか上空まで吹き飛ばした上に消滅させるほどの威力を見せた。
しかし、咄嗟に編み出した技だったために闘気の制御ができておらず、生命エネルギーを激しく放出したために体力が尽きて水中から浮上する力もなくなってしまい、ロカが駆けつけてくれなければ危うくそのまま溺死して相討ちとなるところだった。
おそらくはこの時の経験を踏まえて、アバンは自爆技にならない範囲に出力を抑えて放つ技として確立させたものと思われる。
ヒュンケルがあの最大開放に至ったのは、ヒュンケル自身の発想と適性によるものだろう。
アバン流、裏の究極奥義。
闘気をゼロに鎮め、さらに攻撃意識自体をゼロにするために武器を放り捨て、無防備・脱力状態で敵の最大攻撃を誘い、直撃をもらいつつダメージを受け流し、隙を晒した相手に必殺技を打ち込む捨て身のカウンター。
アバンストラッシュを動の奥義とするなら、こちらは静の奥義。
勇者時代は、この技とアバンストラッシュのコンビネーションでハドラーを打ち破った。
後にヒュンケルもバランとの戦いの際にこの技を記憶を頼りに使用している。
なお、この技の原形のようなカウンター攻撃が、
勇者アバンと獄炎の魔王に登場した。
凍れる時の秘法から解放された直後に、状況が把握できていないところを間髪入れずに不意打ちで仕留めようと狙った刺客に斬りかかられた際に、かわす余裕がないと悟って咄嗟にダメージを最小に抑えるようにして受け流した上で、カウンターの海波斬を放って撃退している。
また、脱力しきった体で敵の攻撃の直撃を受ける事で威力を流すというディフェンスはブロキーナが対ミストバーン戦で披露していた。
カール騎士団正統の型の初撃。
元々はロカの必殺技だが、
勇者アバンと獄炎の魔王のキラーマシンとの戦いでロカとの剣撃を合わせるために自身も使用した。
しかし昼行燈に徹していた頃は騎士団の修行をよくサボっていた為、ロカほどには威力、ないしは精度が高くないらしく、ロカが一撃でキラーマシンの頭部を両断して機能停止に追い込んだのに対して、アバンのそれは頭部を半壊させる程度に留まった(本人曰く、「大地斬なら負けなかった」とのこと。ロカは負け惜しみと捉えていたが)。
装備
色々特殊な道具を製作しているが、弟子たちが自分の力を活かせる専用の武器を求めていったのと逆を行くかのように武器に全く拘らない。
劇中で彼が使用した武具は、後述のように基本ダイパーティの用いる武器のように特殊な逸話や伝説、大それた肩書き、特筆すべき特徴が存在しない所謂『無銘の武具』である。
自分の力を出せるなら市販品で問題ないようで、終盤参戦でメイン武装は鋼鉄の剣という圧倒的ショボさ。
これも途中で折れてしまったため、最終決戦中なのに目まぐるしく武器を変えていく。そもそもその気になれば素手でも戦える人であるけど
おまけにこの時の服装も金属部が左肩の肩当てくらいしか見当たらず、大魔王との最終決戦だというのにかつてのハドラー戦よりも明らかに軽装だった。
さすがにポップみたいに旅人の服とかで参戦したという事はないと思われるのでパプニカの闘衣と同系統の防具とは思われるが、本編では詳細は一切明かされていない。
彼はそのようなありきたりの武装でもって、キルバーンと対等に渡り合っている。
もしもアバンが鎧の魔剣などの、他のメンバーに引けを取らない強力な武器防具を装備できていたら、罠などは別として、純粋な剣の勝負では圧倒出来ていたはずである。
特筆すべき装備や武具は後半で持ってきた各種フェザーや、ラーハルトから一時的に借りた鎧の魔槍ぐらいのもの。
時にはただのガラクタでさえも一流の武器に化かしてしまう事もあり、アバンが敵に回った際の恐ろしさを感じさせてくれる。
そうしてダイの大冒険の世界上やどんな武器でも使いこなせるから問題ない?とするには…
ダイ一行はもちろんのこと、ハドラーやバーン、魔界最強の剣士ロン・ベルク、圧倒的な戦闘経験の竜の騎士などの強者が軒並み装備の重要性もしっかり考えている対比がある。
強者・魔法と闘気を使える・投げナイフですらオリハルコンを傷つけてみせるなどした北の勇者ノヴァは装備の拘りを見せてはいないが、こちらも展開と尺の都合の可能性もある。
武芸百般は確かに大きな武器だが、拘らないと言うよりは悪い意味で装備に無頓着と言った方が正しいだろう。
尤も、そもそも状況からこれ以上の武器を調達する時間がなかったとしてもおかしくはない。
キメラの翼やルーラを使えるのだから事前にツテを準備していても良かったのでは…とも思えるが、
鋼鉄の剣以上の刀剣となるとベンガーナのデパートでもドラゴンキラーを一つしか入荷できなかったくらいなので、これは仕方ないと言えるだろう。
ロン・ベルク製の武器が売られているランカークスなんてレア中のレアだし、アバンがポップと出会った時点ではジャンクもロン・ベルクとの付き合いがなかったので思いつきようがない
ダイの大冒険でもドラクエと同じく呪いの装備(マトリフがポップに譲った変なベルト)はあるので、周囲の物を利用しようとして運悪く掴む危険性もある。
「勇者アバンと獄炎の魔王」では専用武具を手にして最終決戦に臨んでいた。
こちらも譲ってもらっており、やはりこちらでも自分の戦力向上のために伝説級の装備を調達するなどの発想や準備はあまりない。
(専用武具を貰った時は速攻を期すために自ら調達する時間はなかったが、それ以前の修行時代からも上記の感じである)
家庭教師時代、ガーゴイルと交戦するダイに貸し与えた剣。
「名剣ですよ」と吹き込んでいたが、本当は古道具屋で10Gの捨て値で買った中古品。ガーゴイルを真っ二つにし、海を割る事が出来たのはダイの力である。
大地斬の練習中に折れてしまったが、マホカトールの魔法陣を描くのに使用したり、ガーゴイルを海ごと断ち割ったりと、値段に見合わぬ活躍を見せた。
「弘法筆を選ばず」なアバン先生を現すエピソードだが、「命を預けるものだからもうちょっと良い値段の剣買おうよ」とか「一応真っ当な剣が10Gで買える古道具屋があるの?」とか突っ込みどころは多い。
そもそも、ひのきのぼうと大差のない価格の剣とか存在しているほうが珍しい
まあ、本編ゲームではこの次に高い剣が銅の剣とか兵士の剣とかで100G前後なので、このクラスの武器が中古でしかも投げ売りされていると来たらこのくらい安くなることもあるのかも知れない。
バーンパレスに乗り込んだ際は普通の剣を身につけている。特に素材などには言及されていないが読者からは鋼鉄の剣として見られている。
決してなまくらと言うわけではないようでキルバーンとも互角に打ち合っている。しかし、キルバーンとの戦いで破損した後は異次元に放棄されてしまった。
復帰したアバンの新武器で金色の羽根。
主に投擲武器として、手裏剣のように投げて使用する。
魔法の威力を増幅する「輝石」を宝玉に使用しており、呪文や破邪の秘法と合わせて使うことで絶大な威力を発揮する。
作中では破邪の秘法に用いたほか、おそらく何らかの呪法が込められていると思われるキルバーンの投げたトランプを相殺したり、ピロロのヒャド系呪文ではまったく歯が立たないほどのキルバーンののボディの魔界のマグマ成分に引火した業火を一瞬で消し止めたりしている。
また、この武器自体の機能なのか何がしかの技なのか判然としないが、刺さった相手を短時間動けなくさせることができ、これは相当な実力者である上にまともな生命体ではないキルバーンに対しても有効だった。
ゴールドフェザーの兄弟武器でこちらは銀色の羽根。
魔力を蓄積する「聖石」を宝玉に使用しており、一枚だけでも並みの魔法使いならば二、三人魔法力を全回復できるとんでもない魔力を内蔵している。
そしてこれの魔力を全部使ってもなお全快できなかったポップがいかにチートであるかが分かるだろう。
そして、実はダイ達は大魔宮突入の際、回復アイテムを一切持参しなかったという非常にシャレにならないミスを犯している。
もしもこのアイテムがなかったら、アバンが本当に死んでいたら…
まず老人状態の大魔王バーンとの決戦時には、戦闘の真っ最中にフェザーで回復したお陰でダイは僅差で競り勝ったため、このアイテム抜きではダイの敗北は確定していた。
それどころか、ダイ達はバーンと戦うどころかキルバーンの『死の罠』で全滅していた可能性が非常に高い。
破邪の洞窟で手に入れた眼鏡型装備アイテム。
装備することであらゆる罠を見破るという強力な効果を持つがデザインが致命的に悪趣味でダサいのが難点。
ミエールの眼鏡とセットで取り出された、大きな木づちのような形をしたハンマー。正式名称は不明だったがアニメ版で名付けられた。
罠を潰すのに使われたが、何らかの魔法的な効果を持った逸品なのかただの木づちなのかは不明。
ミエールの眼鏡ほどではないが、デザインはわりとダサめ。
ルラムーン草を材料にアバンが自ら調合した物で、名前はまだ決めていないらしい。
これを振りかけておけば、たとえ空間を隔てた場所だろうと相手をリリルーラで追跡できる、という代物。
キルバーン戦で使用し、ジャッジのメガンテに巻き込まれそうになった際、彼の身体に振りかける事で異空間からの脱出に成功した。
そのまま使ってしまったのではキルバーンに気付かれてしまうので、この砂を仕込んだ手袋をわざと斬らせてから手を素早く引っ込めるという手法で振りかけた。
かつてアバンがカール王国を旅立った際にフローラから贈られた物。
中央に宝玉の嵌まった逆三角形のペンダントで、炎か翼を思わせる切れ込みの装飾がある。
実は「所有者の危機に、一度だけ身代わりになる」という原作の命の石の効果を持っていて、メガンテで命を散らしたはずのアバンが生きていたのは、カールのまもりの効果によるもの。
この効果はアバンに渡す時に説明されなかったようで、アバンもメガンテ後にペンダントが砕けた事で初めて効果を察したように語っている。
また、渡したフローラ本人もアバンが生き延びていた事を知らず、再会した時にはショックのあまり気絶している。
アバンに渡す際にあえて黙っている意味も無さそうなので、少なくともフローラが継承した時点では身代わりアイテムであることは失伝していたようだ。
外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」ではフローラが地底魔城へ援軍に来た事に反応していたり、気絶したアバンに同じく気絶した仲間達と会話させていたりと割と多機能な模様。
ミストバーンに憑りつかれたマァムを救うために空の技を撃つ必要があったためラーハルトから借りて使用。
アバンはおそらく素手でも空の技を撃てると思われるので、作中唯一の強い武具に頼った場面である。
アバンが鎧の魔槍の強さを把握していたのかは不明だし、槍自体を当てたわけではなく槍先から放った闘気を当てただけなので、実際には武器の強さはあまり関係なく単に素手では心もとないから何か武器がほしいと思って借りたというだけかもしれないが。
また、バーン戦の際には鎧に仕込まれている小型の剣をさりげなくラーハルトから渡されている。
ジャッジのメガンテに耐え抜いて異空間から生還した後に、折れてしまった剣の代わりにジャッジの残骸から鎌の柄の部分を取って、槍として使用。
即席の代用武器だが、これを用いたアバン流槍殺法でキルバーンを追い詰め、最後にはアバンストラッシュまで放って見事勝利している。
外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」でオトギリ姫に囚われたとき、壁面にあった貝殻を集束させたギラで溶断し、両拳につけて手甲のような即席武器にした。
外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」で、魔王ハドラーとの最終決戦に挑む際にジュニアール家の執事であるドリファンから渡された。
フローラからの依頼を受けた彼がカール王家に伝わる秘宝を勇者アバンの装備として鍛え直したもので、ジュニアール家の紋章が刻まれている。
盾はドラゴンのブレスをも無傷で弾くことができ、ガンガディアとの一騎打ちに臨むマトリフにアバンが託して彼の命を救ったが、その戦いで全壊し失われている。
とはいえ、魔王ハドラーと互角の腕力を誇るガンガディアがドラゴラムを用いることでさらに強化したパワーによる猛攻を幾度となく防ぐなど相当な強度があることがうかがえ、この盾がなければマトリフの勝利はあり得なかった。
剣は巨大ドラゴンフライの体を真っ二つに斬り裂くほどの切れ味を誇る。ハドラーとの一騎打ちでもこれを使用。
鎧は
グランナードの襲撃によって損傷し、バルトス戦の直前に打ち捨てている。
本編の回想と食い違っちゃうししょうがないね
アバンの父親が生前学会の時に着ていた正装一式。本編初登場時に着ていた服もこれと思われる。
「勇者」から「教師」になる決意をしたアバンが仕立て直して着ることになる。
この際、髪型も亡き父とお揃いにしている。
使用呪文
勇者でありながら攻撃、回復、補助の全てをオールマイティに使いこなせる
挙句は
魔法使いしか使えないドラゴラムや、賢者にしか使えないマホカトールといった、本来勇者のジョブでは専門外であるはずの呪文すらも素知らぬ顔で使用可能。
呪法に関しても優れた知識を有しており、本人の性格から好んでいないが
やろうと思えば魔族顔負けの呪法も使える様子。
若き日のアバンがハドラーとの初戦で使用した。
ハドラーには片手で簡単に弾かれてしまい、ダメージを与えることはできなかった。
「勇者アバンと獄炎の魔王」では、まだ刀殺法が完成していなかった頃の主要な攻撃手段の一つとしてたびたび使用している。
本作のオリジナル呪文。
光の五芒星の魔法円を地面に描くことで円内の邪悪な力を祓い清める。
魔法円はそのまま聖なる結界となって残り、外部からの邪悪な力の侵入を阻む。
本来は賢者の呪文だが、アバンはカール王国近郊にある「破邪の洞窟」の15階で習得した。
アバンには破邪呪文に対する類稀な適性があり、正式に習得していなかったとはいえ対クロコダイン戦の時点のポップがマジカルブースターの補助を得た上でMPを放出しきってようやくブラス一人を囲える程度の範囲にしか発動できなかったこの呪文による結界を、デルムリン島全域を囲むほどの広範囲に張り巡らせることができる。
ダイに海波斬を修得させる為に使用。
使用者が眼鏡を掛けたアバンだった為か、眼鏡を掛けたドラゴンという変わった姿になっている。
通常であればドラゴンに変化すると知性が大きく後退して非常に雑な戦い方になるらしいが、
アバンはやはり特別製なのか、彼の場合は理性を完璧に保ったままドラゴンになる。
なお、この呪文は旧魔王軍の幹部であったガンガディアからマトリフを介してアバンに託された呪文書から習得したものであり、彼とは「眼鏡を掛けたドラゴンになる」「理性を保ったまま変身できる」という点が共通している。
その呪文書には下位呪文である「ドラ(腕が竜化し腕力が強化される)」「ドゴラム(腕に加えて頭部も竜化しブレスを吐ける)」も記載されていたため、それらも習得しているのではないかと思われるが、実際に使用された描写はない。
デルムリン島に襲撃してきたハドラーとの対決で使用。
直撃させたが、ギラとイオの呪文を得意とし、それらに対する高い耐性を備えているハドラーには通用しなかった。
「勇者アバンと獄炎の魔王」では、まだ刀殺法が完成していなかった頃の主要な攻撃手段の一つとしてたびたび使用している。
デルムリン島に襲撃してきたハドラーとの対決で使用。
強化復活したハドラーに対して、修行で消耗したまま挑むことになったアバンは勝つことは出来ないと悟りメガンテでの相打ちを狙う。
その際、決死の戦いと大爆発に巻き込まないようダイ達に足止めと保護を兼ねアストロンをかけた。
任意のタイミングで解除することもできるようで、「勇者アバンと獄炎の魔王」では自分自身にかけることで、戦闘中に敵の攻撃を防ぐ防御手段として用いていた。
キギロ曰く「レアな呪文」らしい。
前述の通りハドラーを道連れにすべく使用した。
アバンは死を覚悟していたものの、身代わりアイテムの「カールのまもり」を所持していたため、死なずに済んだ。
後にポップが使用した際に語られた所によると、メガンテの呪文は「使うだけなら」魔法が使える人間なら誰でも簡単にできるらしい。
ただ、神の祝福を受けた僧侶でないものが使うと、肉体が粉々に砕け散って蘇生不能になる。
毒の沼地やバリアー等の害のある領域の影響を遮断する呪文。
「破邪の秘法」で威力を極大化する事でキルバーンの「◇の9(ダイヤ・ナイン)」を打ち破った。
鍵のかかっている扉を開ける呪文。
「破邪の秘法」とセットで使用する事で大魔王バーンの超魔力で閉ざされたバーンパレスの正門を開いた。
先行させたパーティーに追いついた時と、異空間に置き去りにされたアバンが異空間から帰還する際にキルバーンを目印に使用した。
ダイ大世界でのルーラは高速飛翔なのだが、このリリルーラはそれとは違う地形無視のテレポート。
本来は仲間とはぐれた時などに使う「合流呪文」だが、アバンはある種の粉薬を使って「狙った敵に空間を超えて追いつく」という極悪な応用を披露してみせた。
キルバーンとの対決を制したアバンだったが、ダイ達の所に駆けつけようとするとミストバーンが重要な話をしているところだったので、モシャスでキルバーンに化けてあたかも「決闘はキルバーンの勝利であり、彼だけが戻ってきた」事を装う事で、ミストバーンからより深く情報を聞き出そうと目論む。
最初のうちはマァム達だけでなくミストバーンさえもそれがキルバーンだと信じていた様だったが、アバンが「キルバーンだけが使う呼び名」を失念してミストバーンのことを「ミスト」ではなく「ミストバーン」と呼んだ為にミストバーンに偽者である事を見破られて失敗した。
大魔王が愛用している古代の秘術。
皆既日食の力を利用し、相手の時間を止める。レベル不足で不完全だったとはいえ、人間の身でこれを操れたのは流石の一言。
ハドラーの一度目の討伐で使用したが、アバン自身も巻き込まれてしまった上、1年ほどで効力が消滅してしまった。
なお、「勇者アバンと獄炎の魔王」で描かれた詳細によると、1年ほどで効力が切れたのはバーンの命令によって介入したミストバーンから知識を得た当時のハドラーの重臣ガンガディアが秘法の解除儀式を取り行ったからであり、本来ならばもっと長く効果が持続していたようだ。
破邪の洞窟での再修行の末に会得したアバン先生最大の術。
それ自体が威力ある呪文なのではなく、呪文の持つ破邪の力を最大限に増幅・強化する術。
その力はバーンの超魔力で封じられたバーンパレスの正門の扉を『アバカム』で解放するなど、通常の呪文ではあり得ない威力を引き出す程。
ただし発動の前準備として、アバンのしるしの原料にもなる「輝石」を五芒星の頂点に5ヶ所配置しなければならない為速攻性が低く、
加えて他の呪文とセット運用が大前提の為、使い手の発想に大きく依存する所があるなど難点もチラホラある。
対象の鏡に血文字でメッセージを送る、魔族が使用する呪法。
ウロド荒野にて決闘を申し込む際、初めてハドラーと対峙した際にフローラにした時の意趣返しも兼ねて使用した。
ちなみにハドラーにピンポイントに送るには本人の血が必要になるらしいが、アバンはサババでハドラーを斬った時の返り血を「こんなこともあろうかと」と言わんばかりに保管していた。
こんな事もあろうかと思わんでしょ普通…!!
外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」にて使用。
レイラのバギマと力を合わせることでかろうじてながらハドラーのイオナズンを凌ぎきるなど、主として防御的な用途に用いていた。
外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」にて使用。
ハドラーのメラゾーマによる炎を消し止めようとしたが、彼の使う地獄の炎には力及ばず、消火しきれなかった。
旧アニメの劇場版「起ちあがれ!!アバンの使徒」でも使用。ポップがマジカルブースターを持ち出し暴発させてしまったメラミの炎を消火した。
外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」にて使用。
本編でのポップのように集束させて放つことができ、それによって貝殻を溶断することで、両拳につける手甲のような即席武器を作った。
etc…
代表的な製作品
アバンが「銃」についてのうわさと書物だけで作り上げてしまった武器。
弾丸に呪文をこめて装填することで遠距離に発射し、命中した対象にその呪文効果を発動し攻撃する。
高い汎用性が最大の売りで、補助呪文や回復呪文を装填すれば撃ち抜いた対象にその効果を与えられる便利武器。
弾数は10発。一度発射すると魔法の弾丸に詰められた呪文はなくなるが、呪文を詰め直せば何度でも弾丸を再利用できる。
ただし、魔法そのものを封じ込められる状況下に置かれると、魔弾銃も起動せず無力化されてしまう点が弱点となる。また1つの弾丸に複数の呪文を詰めてしまうと負荷に耐えきれず銃そのものが破損してしまう。
総じて極めて精巧に作られたワンオフ品であり、真空の斧すら修復したバダックをして「これを作った者は天才じゃよ」と言わしめ、構造がまったく判らず終いのまま修理できなかったトンデモ武器。
なお弾丸の素材には魔法力を蓄積する力がある「聖石」という宝玉が使われており、後のフェザー系アイテム作成の礎になったと考えられる。
また、新アニメ版ではハドラーとの初対決時に試作品の魔弾銃を使用している(使用した銃はすぐに壊れてしまった)。
余談であるが、作中に「本物の銃」は最後まで登場しなかった。
進んだ技術を有している大国ベンガーナにも、大砲を備えた戦車部隊はあっても銃はないようだし、魔族が使っている様子もない。
そのくせ、ロモスの片田舎に住んでいた幼いころのマァムでさえ、魔弾銃を見ただけでそれが銃=武器だとわかったようなのだが……。
一体、本物の銃は世界のどこに存在しているのだろうか?
一応、公式本によると「機械科学のレベルが低くて小型化ができない」から大砲があっても銃が普及していない理由とされている。
今後の発展具合はともかくとして、ダイ大当時の銃はそれこそよほどの職人でなければ作れない高価なワンオフ品で、軍隊に配備できる代物ではないことがうかがえる。
じゃあなんで片田舎に住んでた子供の頃のマァムが見ただけで分かったんだという話だが、たまたま何かの縁で見聞きしたことがあったのかもしれない。
なお本家ドラクエのほうでもボウガンは別として現在なお銃系統の武器はほとんど登場しない。
ライバルのFFのほうが早いシリーズから銃どころかミサイルやはどうほうなんて登場させたのとは対照的である。
アバンが教え子たちに卒業の証として贈る青く透き通った涙滴形のペンダント。
『輝聖石』という貴重な石を磨き上げて呪法で凝縮したもの。
錬成方法はジニュアール家に代々伝わっているもので、その製法はアバンしか知らない。
完成させるには時間がかかるが、呪文の効果を増幅させる「輝石」と、魔法力を蓄積する「聖石」の特性を併せ持ち、聖なる力を高めて邪を退け、敵から受けるダメージをある程度減らし、持ち主の力を高める効果がある超一級品のアイテム。
ヒュンケルがチェーン部分でラーハルトの槍を受け止めていたり、チェーン部分も含めて地味に耐久性も高い。
アバンが後世のために記した手書きの本。
世界にこれ一冊しかなく、アバンの母国であるカール王国の図書館で宝箱に入れられ保管されていたが、カール王国が壊滅した後にマトリフによって回収され、ダイたちに手渡された。
- 武芸について記された「地の章」
- 闘気の技や呪文について記された「海の章」
- 心について記された「空の章」
の三章からなる。
この書にはアバン流殺法の極意も記されており、ヒュンケルはそれをもとにアバン流槍殺法の修行を行った
【主な人間関係】
カール王国の女王でアバンの想い人。
フローラの存在は自己犠牲の精神が強いアバンにとって唯一にして最大の未練でもあったようで、新アニメではハドラーにメガンテを仕掛ける直前に在りし日のフローラの姿がフラッシュバックしてメガンテを躊躇しかけている。
長年戦い続けた宿敵だったが、ハドラー自身もアバンからは多くのものを学び取り、ダイ達に「アバンの使徒の何たるか」を逆に教えている。
元来、横暴で部下を平気で身代わりに使う残酷な魔王であったハドラーが、後にあそこまでの武人となれたのは、彼へのライバル意識があったからこそと言っても過言ではない。
アバンが散ってからも度々対峙することになる彼の弟子達との闘いは、その後ろにいるアバンとの闘いでもあった。
度重なる死闘で肉体は強化されてゆき、死への階段を一歩一歩上りながらも、その精神は武人へと変化。
キルバーンの罠にはまり、心が折れかかったポップにアバンの使徒のなんたるかを大喝して立ち直らせ、誰よりもアバンの使徒にこだわって見せた。
今際にアバンの弟子を庇いあまつさえ涙をみせ、そしてその散り際は追い求めた宿敵アバンの腕の中であった。
彼はそのことに人間の神に感謝まで示し、消えていったのである。
そして死した後も、彼は灰となってアバンの命を何度も救った。
残忍な魔王としてではなく、誇りある武人として最後を遂げたハドラーの生き様は、ある意味アバンの影響力を物語るものだったと言えるのかもしれない。
わずかなやり取りから、キルバーンはダイのパーティーにとって相性最悪の敵であると判断。挑発の意味をこめて仮面を半壊させキルバーンのヘイトを全て自分に向かわせる事にした。
また、キルバーンに武人の心を踏みにじられ続けたハドラーの無念を晴らしたい思いもあり、仮面を割った一撃は「ハドラーへの手向け」と称している。
その後、えげつない舌戦や騙し合いが交錯する搦手合戦を経てキルバーンを討ち取った。これは基本的にまっすぐなダイ達には難しい仕事で、「私にしか出来ない事をやる」というアバンの狙いは見事達成された。
余談だが、キルバーンに変装した際は、キルバーンとまともに話したのはこの対決の最中くらいなのに、キルバーンと長年親しかったミストバーンが一時は本物だと完璧に信じ込むほど精度の高い外見・人格両面の模倣に成功するという地味に訳の分からないことをしている。
多分アバンが愛称の呼び間違いという初歩的なミスをしなかったら、そのままミストバーンから何かしらの情報を引き出せていたであろう。
なんなんだこの人…!!旧アニメで声が同じだったからってやりたい放題である
アバンの祖父にあたる人物。『勇者アバンと獄炎の魔王』の時代の数年前に他界しているが、それまでは若くして亡くなった息子夫婦に代わって孫息子のアバンを育てていた。
アバンと同じく知識が豊富で、その知識を国の役に立てようとしたものの、地震や竜巻などの天変地異を言い当てる様子に人々から気味悪がられてしまい、迫害されてしまう。
アバンが自身の能力を無暗にひけらかしたりしないのは、そういった事情があったからこそのようだ。
勇者アバンのパーティー
主人公であるダイが生まれる以前、地上の平和を脅かしていた魔王ハドラーと彼が率いた魔王軍を倒して平和を取り戻した者達。
だが『勇者』というくくりが有名な一方で、意外にも彼ら自身の名前はあまり知られていなかったりする。
2020年のアニメ放映に合わせてVジャンプで『
勇者アバンと獄炎の魔王』の連載が開始。
これまで謎に包まれていた彼らの冒険譚が語られている。
勇者アバンのパーティーの第1号となった人物でマァムの父親。
元はカール王国騎士団の団長で、当時表向き人当たりが良くても深層心理で心を閉ざしていたアバンにとって、唯一と言って良い親友だった。
性格はアバンと正反対ながらも面倒見のいい彼は、昼行燈を演じるアバンにも積極的に構い続けたことで胸襟を開いて接せられる関係を築けた。
娘であるマァムにも受け継がれた尋常ならざる膂力の持ち主で、ちょっとした鉄の盾程度なら拳で粉砕してしまう。
この膂力はロカを騎士団長の座にまで導いてくれたものの、単なるメリットとは呼べなかった。
適当に剣を振るうだけで他の剣士を圧倒してしまう過剰な怪力は、苦労して技量を磨き上げる機会をも奪ってしまったために、剣技は歴代騎士団長に比べると未熟なまま。
アバンと旅に出た直後は、万能選手のアバンと自分を比べて苦悩していた。
本編の時代には既に故人。ダイ大本編では死亡した時期や死因については記述されていないが、獄炎の魔王でその原因が断片的に明かされた。
初登場は13巻に掲載された読み切り短編「勇者アバン」。また、33巻にもブロキーナ老師の回想シーンとして少しだけ登場している。
元勇者アバンのパーティーの一人でマァムの母親。
ロカと恋仲にあり、アバンが凍れる時の秘法でハドラーを封印する事を提案した時には、既にマァムを身篭っている状態だった。
それを察したアバンはパーティーを一時解散しており、アバンとハドラーが共に時間凍結している間にマァムを出産した。
ハドラー撃破後は現役を引退しており、夫の死後は女手一つでマァムを育て上げた。
本編でうかがえる姿はいかにも温厚で絵に描いた女僧侶といった感じであったが、「勇者アバンと獄炎の魔王」で判明したその素性は…
元勇者アバンのパーティーの一人。
ヨミカイン魔導図書館での一件を経てパーティ入りした賢者…いや大魔導士。
当時から表面上こそひねくれたちょい悪い親父的な言動をしていたようだが、上記のロカとレイラの離脱期にも彼らに負担を掛けないようにと人一倍奮闘してアバンを支えており、その実秘めていた仲間への思い入れの強さが見て取れる。
アバンの方も冷静な判断力と多くの呪文を使いこなす彼のことは殊更に信頼していたようで、最終決戦では多くの戦いを経て成長したポップの姿に彼の影を重ね合わせていた。
元勇者アバンのパーティーの一人。厳密には一時的な助っ人といったところか。
元々は武術の神である彼に師事して体術を学ぶつもりだったが、老師の助言で大地斬が完成したため、その必要がなくなりそのまま次の目的地へ旅立つことになった。
その後は凍れる時の秘法を使うための決戦で参戦。
奥義である閃華裂光拳を用いてもハドラーを倒すまでには至らず「やはり魔王は強い」と認めながらも、彼を自分との勝負だけに集中させ釘づけにしておくことで、アバンが秘法を用いるまでの足止めをすることに成功した。
アバンの使徒
勇者アバンの弟子であるダイ、ポップ、マァム、ヒュンケルら4人を指す。後にレオナもこの中に加わっている。
最初にこの呼称を使ったのは意外にもクロコダインであり、クロコダインとの初戦時に、ダイがアバン流刀殺法を使いアバンは自分の先生だと名乗ったことから名付けられた。
以降は敵味方を問わずこの名前が使われるようになり、本人たちもそう名乗るようになった。
一番弟子。
「あなたにとって…オレはなんですか?」とのヒュンケルの問いに、「…決まってるでしょう…誇りです…!」と答えた。
彼の養父である
バルトスの遺言に従い、彼を立派な戦士にすべく鍛えるが、バルトスの命を奪ったのは間接的であっても自分であるという負い目があった事から「どんな慰めの言葉も彼の耳には入るまい」という諦観もあり、
「憎しみは全て私が受け入れよう」と
バルトスとの間に起きた出来事を一切ヒュンケルに明かさなかった。
これにより内心ではアバンを慕いながらも憎しみを捨てきれなかったヒュンケルはアバンに仇討ちを挑んでしまい、既に手加減して勝てる相手でもなかったのでアバンも本気で応戦せざるをえず、
結果川に落とされたヒュンケルはミストバーンに拾われて魔王軍へ流れ着き、アバンだけに向けられるはずだった憎しみは人間全てに向けられてしまい、
不死騎士団を率いてパプニカを攻め滅ぼすという不幸な偶然も重なったとはいえヒュンケルの将来に大きな影を落とす大ポカをしてしまった。
結果として、
勇者であるアバンがヒュンケルに真相を明かす勇気を持てなかったために最悪の結末を招いたというのは皮肉としか言いようがないだろう。
ヒュンケルに言い訳できないというアバンの気持ちは尤もだし、当時のヒュンケルが素直に話を聞いてくれたかは微妙かもしれないが、アバンを信じてヒュンケルを託したバルトスは怒ってもいいと思う。
なお、
原作では川に落としたヒュンケルの捜索をあっさり諦めているというツッコミどころがあったが、新旧両アニメではアバンも即座に川に飛び込み、必死にヒュンケルを探す様子が描かれた。
パーティーの仲間だったレイラとロカの娘。
彼女には回復呪文、防御呪文、武道を教え、卒業の日に『アバンのしるし』と『魔弾銃』をプレゼントした。
銃なんて使えないと言うマァムに対してアバンはその優しさを愛しみつつも「優しさだけでは必ずしも他人を守れない時もある。正義無き力が無力であるのと同時に力なき正義もまた無力」と教えた。
ランカークス村を訪れた際に弟子入りを志願され、主に攻撃呪文を教えていたが、真剣に授業を受けようとしない彼に頭を悩ませていた。
これに関してはアバンの指導方針と当時のポップの性格の相性が悪かった面もあり、後に師匠としてマトリフがスパルタ指導をしたおかげで一人前の大魔導師へと成長を遂げた。
とはいえ、ほんの一年ほどの修行期間でずぶの素人をメラゾーマが使えるまでの魔法使いにしたのだから、おそらくはポップ自身の才能もあっただろうが、アバンの指導力の高さがうかがえる。
後にバーンパレスにて再会した際は、策略面での自分の後継者と認めていた。
ちなみにマァムの卒業からポップの弟子入りまで4年ほど時間が空いているが、この間何をしていたかは不明。
師事したのはわずか三日間だったが、ダイに剣術と勇者としての心構えを教えた。
大魔宮にて「全ての戦いを勇者のためにせよ」という言葉と、呪法のトラップの壊し方を教える。
ちなみに師事期間は約一時間。
【余談】
ちなみに「アバン」という名前の由来は、「アバンタイトル」(ドラマやアニメなどで、オープニングの前に行われる簡単なあらすじ紹介)から。
ダイの「前の」勇者という意味でつけられた。
長ったらしいフルネームは、当時小学生に人気だった
アバンテJr.(
ミニ四駆)をフランス語っぽくしたもの。
なお、微妙なツッコミどころとして、貴族の「◯世」というのは同名の人物を区別するためのものなので、本来フルネーム・家名の後につくものではない。
仮にジニュアール家の当主の名前が代々アバンだとしても「アバン3世」となるべきだし、3代目というだけで名前が異なるなら「アバン=デ=ジニュアール」で十分である。
よく「アバンの復活が唐突」という指摘もあるが、作者の三条陸氏によれば「キルバーンの登場から既に復活を決めていた」そうである。
勿論、女性読者からの支持もそれに後押しさせただろう。
「敵のジョーカーに勝てるのは味方のジョーカーだけ」であり、実際にキルバーンの罠を破り、彼に勝つ事が出来たのはアバンただ一人であった。
1991年のアニメ版ではアバン役の田中氏はナレーションも兼ねているほか、前述のようにキルバーンも担当している。時には魔王軍の悪魔の目玉役なども担当してハドラーに敬語を使って喋る場面もあった。
2020年の新アニメでもアバン役の櫻井氏がナレーションを兼ねている。キルバーンや悪魔の目玉役の声優はさすがに違う
ナレーションの方はインタビューによれば、「吟遊詩人のような感じでやってくれ」とディレクションが入ったとの事。
- 力至上主義のバーンからするとバランは竜の騎士で戦いの遺伝子持ちと強い理由がわかりやすいからな。 ただの人間なのに格上に通用する対抗手段用意してくる達人のアバンの方向性のが不気味すぎて自分の物差しで計れないもっとも怖いやつなのだろう。 現にアバンの発想(メガンテ、無刀陣)を弟子が真似したときは、戦いの遺伝子持ちのバランですら負け筋が生まれたことにビビってた。 バーンの主な敗因も、アバンは警戒してたけど同じタイプに成長したポップのほうを侮ったせいだしな。 -- (名無しさん) 2023-07-23 20:18:50
- バーンとは違う意味で「何を握っても強い」タイプ。もしロン・ベルクが色んな武器の性能を引き出すアバンを見たらどう思うんだろう -- (名無しさん) 2023-08-07 06:47:06
- ↑バーンはある意味バグめいた魔力で強引に最強武器に仕立ててるだけだからな。こっちは武器の持つ性能を十全に引き出しきってくれる最高のテスターだからむしろ嬉々としてやる気出しそう。 -- (名無しさん) 2023-08-27 19:50:38
- ↑ でも「こいつ何でもAランクに取り扱うけど、適性Sがどのジャンルかわかんねぇ」って困りそう。 -- (名無しさん) 2023-09-10 23:16:48
- 言うてアバンって武器を選ばないけど選べる状況なら真っ先に剣を選ぶから結局剣を渡すんじゃないかな -- (名無しさん) 2023-09-10 23:25:00
- この人ならどたまかなづちも真価を発揮できるか? -- (名無しさん) 2023-09-11 11:38:01
- ロン・ベルクが魔弾銃に興味を持ってアバンと改良型を作る、なんてこともあったりして -- (名無しさん) 2023-09-14 12:19:17
- 創造力とか失われた技術とかそういうものを武器にするタイプ。別にアバンを恐れたのはバーンが特別ってわけでもない。ジニュアール家は祖父の代で気象予測などの飛びぬけた研究技術から、周囲の人間には異質の存在として恐れられてる。言ってしまえば中世の魔女狩りの一歩手前だろう。アイディアによって予測不能の事態を巻き起こすというのは力がどうこうとかそれ以前の恐怖だろう。 -- (名無しさん) 2023-09-30 11:18:03
- 大魔宮を脱出した時の描写からしてルーラも使えるんじゃないかな。ポップがヒムを助けてアバンが残り全員を……やっぱチートだわこの人 -- (名無しさん) 2023-10-07 06:12:13
- そりゃリリルーラが使えるんだからルーラも使えるでしょう。というか獄炎で契約してるシーンあるよ。その時点ではレベル不足か何かでまだ使えなかったみたいだけど、本編までの間には当然使えるようになったでしょうね -- (名無しさん) 2023-10-07 09:13:38
- 実質ラストバトルで使った武器が「ほぼゴミな棒きれ」って……伝説の武器とか使ったらどうなっちゃうんだろう? -- (名無しさん) 2023-10-11 21:51:16
- ↑バーンとは違う意味で「なにを使っても強くなっちゃう」タイプなんじゃないかな。そりゃ伝説の武器のほうがいいだろうけど達人すぎて普通の武器でも遜色ないからあえて必要ないと -- (名無しさん) 2023-10-11 22:22:28
- バトル面ではヒュンケルらに劣るとされている以上、おそらく期待はできないと思う。柔は剛を制すって言葉のようにアバンストラッシュなどテクニックで戦い抜くタイプだが、それにも限界はあるからな。ある程度の工夫をすることで性能を引き出しても例えばアバンの魔力でバーンのカイザーフェニックスを放てるかと言えばまず無理だろうし -- (名無しさん) 2023-10-11 23:29:22
- アニポケのフリード見ると真っ先にこいつが思い浮かぶわ -- (名無しさん) 2023-10-25 15:00:31
- アニメ初見勢がcv櫻井で怪しむ→旧アニメのcv田中秀彦の時点で怪しかった→そもそもアバン先生は胡散臭いと言われてたの好き。うん、勇者の家庭教師なんて確かに胡散臭いよね。 -- (名無しさん) 2023-10-31 15:37:03
- ↑4ロン・ベルクと顔を合わせたらどんな反応するんだろうな…白けるか武器を上手く扱えていると喜ぶのか… -- (名無しさん) 2023-11-05 12:44:59
- ↑ロン・ベルクがバーンを嫌ったのは何を使っても一流だけど、光魔の杖で満足しちゃったのが大きいからな。実際に魔界最強となって反論できなかったからね。アバンは発明家だから逆に気が合うだろうな -- (名無しさん) 2023-11-05 19:19:17
- アバンとロンが組んだらメドローアも発射できる新型の魔弾銃とか色々ヤバい武器が作れそう -- (名無しさん) 2024-05-03 14:51:21
- なんというか、そりゃアバンからしたら「何を言っても慰めにはならないだろうから、ヒュンケルの恨みは全部自分が受けよう」ってなるのは分かるんだけど、それはそれとして「ちゃんと言えー!言えっ!言えーっ!言えーっ!!」とノスタル爺みたいな気持ちががが -- (名無しさん) 2024-05-21 00:19:56
- 憎しみを糧にしてでも生きて欲しかったんだと思う。ふさぎ込んで死なれでもしたらバルトスに顔向けできないからなぁ…。 -- (名無しさん) 2024-05-21 01:41:54
- ヒュンケルもそこで恨み爆発させてたらまた違ったんだろうけど、賢い子すぎたわね…しょうがないけど -- (名無しさん) 2024-05-21 23:07:41
- これからカール王国を出ていった経緯(勇者に待ち受けるのは権力者による迫害)も描かれるのかな… -- (名無しさん) 2024-05-21 23:38:18
- ×フローラ姫以外の王国重鎮がその能力故に疎んじて汚職の濡れ衣を着せて追い出しを図った ○王国重鎮「なんか勝手に出てった……????」 -- (名無しさん) 2024-07-20 12:49:00
- 勇者として敵を迎え打つだけの人生ではなく、未来の担い手を創る先生になる…知らずの内に全部一人で抱え込もうとする竜の騎士のあり方に疑問を感じているようだ -- (名無しさん) 2024-07-20 13:07:18
- カールの人たち、割とアバン先生に好意的かつフローラ様の心情を汲んでいたりで、フローラ様と結婚しても割とうまいこといけてたんじゃないかなあ、と思わないでもない。 -- (名無しさん) 2024-08-22 14:17:03
- 敵が槍術の達人だからってその場で剣技のスキルレベルを槍術にコンバートするのなんなの…… -- (名無しさん) 2025-01-21 21:08:55
- パーティに加わってからのアバンは、役割的には勇者というよりは盗賊キャラだったね。罠外し(キルトラップの解除)、鍵開け(アバカムで開門)、罠設置(ファントムレイザー逆用)、変装(モシャスでミストバーンを騙す)と、盗賊が担当する事を色々やってのけたし。盗賊キャラって、移動能力専門で戦闘はイマイチなタイプと、技術と機転で戦闘も強いタイプがいるけど、アバンは後者って感じか -- (名無しさん) 2025-01-25 16:47:34
- 勇者アバンと獄炎の魔王は先生編もやるらしいので打ち切りが無ければマァムとポップの間の空白の4年間にもう一人か二人アバンの弟子がいるとか判明しそう -- (名無しさん) 2025-02-16 15:45:12
- ↑ -- (名無しさん) 2025-03-20 09:44:47
- ↑3 DQの世界観ではシーフの役割がなかなかフォーカスされないが、あんなヤバい城に這入るには練達のシーフが絶対に要るもんねぇ -- (名無しさん) 2025-03-20 09:46:48
最終更新:2025年02月16日 15:04