一条総司令(鳥人戦隊ジェットマン)

登録日:2015/05/27 Wed 05:06:39
更新日:2025/04/14 Mon 21:49:47
所要時間:約 6 分で読めます





一条総司令は『鳥人戦隊ジェットマン』の登場人物。
演:手塚秀彰


【概要】
40話「命令!戦隊交代せよ」、41話「変身不能!基地壊滅」に登場したスカイフォースの幹部を務める男性。
フルネームや来歴は不明で黒い軍帽とチョビ髭、サングラスが特徴。某マーシーに似てるとか言ってはいけない。

バードニウム鉱石から作られたバイオ次元獣・隕石ベムに苦戦し変身能力を失ったジェットマンの前に5名のサイボーグ戦士、ネオジェットマンを引き連れて登場。隕石ベムを撤退に追い込み、ジェットマンを窮地から救い出した。

軍人としての責任感を胸に一条総司令のもと戦うネオジェットマンこそ、ジェットマンに代わる新たな戦士として、バイラムに挑むに相応しいと言えるだろう。



追記・修正お願いします。












































   *   *
 *   + うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *

確かに高い戦闘力を持つネオジェットマンではあるが、彼らは民間人*1のジェットマン達を徹底的に見下している。
いや、それだけならまだいい。問題はこの一条総司令が



ぐうの音も出ない程の小物



である点に尽きる。

前述の通り、フルネームや素性などは不明。
地球防衛組織の高官でありながら民間人を強く見下し、防衛そのものよりも自分の名誉欲やプライドを満たすことばかりに腐心している俗物。
ネオジェットマンをはじめとする部下の扱いも酷く、罵声を浴びせたり鉄拳制裁を喰らわせたりといったパワハラまがいの行為はもちろんのこと、捨て駒扱いして彼らの命を危険に晒すことにもためらいがない。
そしてその割に小心者で、我が身に危険が及ぶ状況になると途端に逃げ腰になり、自分が体を張って戦うことはとことん避けようとする。
まあ軍のトップが前に出たがらないのは別に悪くないというか小田切長官がアグレッシブすぎるのだが、彼の場合保身しか考えていないのが見え見えな行動ばかりするので、無為に反感を買い人望を損ねている。

こんなのでも指揮官としての能力が高いならまだいいのだが、劇中での行動を見るにそちらもあまり褒められたものではない。
話の進行上仕方ない部分はあるが敵の攻撃に対し場当たり的にネオジェットマンを迎撃に向かわせることしかしておらず、それがうまく行かなかった場合も次善の策を練るでもなく彼らに責任転嫁して罵倒するだけ。
部下の命や民間人への被害を軽視する一方、感情論抜きで合理的な判断を下せている……といったことも別になく、むしろ個人的な感情から頑なにジェットマンの出撃を許さず、その結果ジェットマン・ネオジェットマンの両戦隊と2機の巨大ロボットをまとめて喪失しかけるというとんでもない事態を引き起こしてしまっている。

身も蓋もない言い方をしてしまうと創作における「無能な軍隊の高官」のテンプレを30分×2話の尺に全部詰め込んだようなやつ
これで敵ならまだしも味方で、しかも総司令という責任のある立場に就いていたのだから始末が悪い。スカイフォース上層部も何を考えていたのだろう。
こんな体たらくであるため、
  • バカ司令
  • 小田切長官ひとかけらの人間らしさもない」「見下げ果てた人間
  • アンタに指揮官としての資格はない!
  • ネオジェットマン「総司令のヤツ
等々、劇中でもとにかくボロクソ言われまくっている。
私情100%で無茶苦茶な指揮や人事を繰り返しているあたりは、むしろ悪い意味でとても人間らしいような気もするが。

ぶっちゃけて言えばたかだか2話しか出てこず、ジェットマンの物語の本筋には大して関わっていない脇役なのだが、
2話という短い出番の中ものすごい勢いで無能上官ムーブを連発し株を下げていく姿がかえって視聴者には強烈な印象を残しているらしく、多くのヘイトを買ったキャラとして結構知名度が高い。
細かな表情や仕草でゲスっぷりをこれでもかと表現してくる手塚氏の名演にも注目したいところ。


【作中の動向】

スカイフォースが新たに開発した、無尽蔵にエネルギーを供給するバードニック反応炉を持つサイボーグ戦士・ネオジェットマン。
一条総司令は彼らの指揮官としてやって来るや否や、基地の指揮権の掌握を宣言した。

そして再び地上を攻めてきた隕石ベムに対し、ネオジェットマンたちをジェットイカロスのパイロットとして出撃させる。
だが実戦経験に乏しいネオジェットマンは隕石ベムを相手に苦戦。ジェットイカロスも片腕を喪失する大ダメージを負わされてしまう。
ジェットマンは彼らを救うべく出撃しようとするも、一条はなんとそれを妨害。そして一時撤退を呼びかけようとする小田切長官から通信機をひったくり、ネオジェットマンにこう言い放った。



忘れるな!お前達の代わりなどいくらでも作れる!負け犬に帰る場所など無い!!



改めて強調しておくと、この時点で既にジェットイカロスはバードニックセイバーを折られ片腕を失くした満身創痍の状態であり、一方で敵の隕石ベムはほぼ無傷。
こんな状況で援護もなくジェットイカロスが勝てる道理などないのだが、あろうことか一条は加勢も撤退も許さずネオジェットマンに戦わせ続けるという度し難いにもほどがある判断を下した。
部下を見殺しにするも同然の行為に、それまでは上官として敬意ある対応をしていた竜も激昂。
殴打を食らわせながら痛烈に糾弾し、他のジェットマンのメンバー共々ジェットガルーダでネオジェットマンの元へと向かった。

こうして加勢に駆けつけた竜達とその後にやってきたテトラボーイとトランザの横槍のおかげで、何とか危機を脱したネオジェットマン達。
しかし命からがら帰投した彼らに対し一条は…


私の指揮に敗北の文字はない!
その上、民間人のあいつらに助けられ、それでも貴様達は戦士か!?
二度と無様な姿を曝け出すな!!


などと罵倒しつつ鉄拳制裁を加えた(一応女性であるJ5には手を上げなかった)。


その後一条は治療中のジェットマンのもとへ赴き、先刻の命令違反を理由にジェットマンの解散と基地からの追放を宣言。
小田切の反論にも聞く耳を持たず、ダメ押しとばかりにジェットマンの変身能力は回復不可能だと告げる。
……実際のところ彼らの変身能力は回復可能だったのだが、それを知っていたのは分析結果が出た際にその場に居合わせていた一条とネオジェットマン達だけ。
分析結果は文字通り一条の手で握りつぶされてしまったのだ。

いくら命令違反という軍規上大きな問題を犯したとはいえ、やむを得ない状況での緊急出撃に対し問答無用で解雇・追放という無茶苦茶な懲戒人事。
これを明らかに自分に対するあてつけだと察した小田切は、竜達を解雇するなら自分も解雇する様にと要求するが、一条は


君を追い出す?ハハハ……とんでもない。
上層部が君を鳥人戦隊の長官に任命した時、君は最高の栄誉と祝福の中にいた。だが、私のプライドは深く傷付いた……。
上層部の馬鹿どもに何が分かる!? 鳥人戦隊の長官には私がなるべきだったんだ!そう簡単に辞めさせはしない。
一生私の下で働き、私と同じ苦痛を味あわしてやる!ハハハハハ……!


…と、ここまでの小田切とジェットマンに対する露骨な冷遇が『自分を差し置いて鳥人戦隊の長官に選ばれた小田切への意趣返し』であった事を暴露。
ジェットマンを追放した今、小田切を自分の指揮下に置くことで同じ屈辱を味わわせようという目論見をご丁寧にも本人の前で言い放った。

だがその直後、トランザの策で核を抜き出されていた隕石ベムが基地内に潜入し活動を再開。
司令室が狙われることを予期した小田切に戦いに参加することを要求されるも一条は取り合わず、ついさっき自分が追放したジェットマンを呼び戻せと命じた上、迎撃に向かったネオジェットマンと小田切を見捨て自分1人司令室に閉じこもるという小心ぶりを晒す。
リーダーのJ1が先刻の暴言を聞きつけていたこともあり、これにはとうとうネオジェットマンも愛想を尽かし、一条の秘匿した分析結果を明かしてジェットマンの変身能力を回復させることを選択。
そして当の一条は、司令室に突入してきた隕石ベムに帽子やイスを投げつけるというみっともない抵抗しかできず、一方的に叩きのめされた挙句目の敵にしていたジェットマンに助け出されるという無様を晒すこととなった。

その後隕石ベムは倒され、ジェットマンとネオジェットマン達も最後は爽やかに和解して、物語は大団円に終わるも、一条総司令がその場に現れる事はなかった…

というか隕石ベムにボコボコにされた時点で、彼の出番は終わってしまったのだ


和解の場に来なかったことを一応気にしてか竜は「総司令は?」と口にするも、小田切は清々したような笑顔を浮かべながら、

命に別状は無いけど、二度と立ち直れないでしょうね。

と軽めの一言で片付けてしまい、他の面々も同じような笑顔でそれを聞き流すだけであった。

結局小田切の言葉の通り、一条はその後二度とジェットマン達の前に現れることもなかったのであった。


【ネオジェットマン】

一条総司令が率いる第2の鳥人戦隊。立場上はスカイフォースの正規兵に当たる。ジェットマンとは対照的に黒と銀で統一され、各隊員は番号で呼称される等軍隊色が強い。ジェットマンとの最大の違いは体内にバードニック反応炉を埋め込まれたサイボーグ戦士であり、理論上エネルギー切れが存在しない。
正規の訓練を受けたプロの軍人であり上記の能力もあって一度はベムを退ける事ができたが、実戦経験が乏しく次第に遅れをとってしまう。
当初は上官である一条の影響なのか悪い意味での軍人主義に染まっていた節があり、元民間人のジェットマンを露骨に見下していた上生身でトレーニング中の彼らにバーベルを投げつけるなどあまり褒められたものではない言動を繰り返していた。
しかし隕石ベム戦でジェットマンに救われた事、その後一条が小田切を一生コキ使う発言をしたところを立ち聞きして彼の本性を知った事がきっかけで、リーダーのJ1が改心。竜達にこれまでの非礼を謝罪し、感謝の言葉を送った。
その後、スカイキャンプを襲撃した隕石ベムとの戦いを通して、残りのメンバー達も自分達の非を認め、一条を見限る。反応炉の全エネルギーをジェットマンに与え、変身能力を復活させた。

映像作品の後日談を描いた漫画作品『鳥人戦隊ジェットマン 時を駆けて』では、戦いを終えたジェットマン達の正式な後任となって地球の平和を守る任に就いている姿が描かれた。

ゲストはいえ、全員サイボーグ戦隊は『ジャッカー電撃隊』以来である。



【余談】

ネオジェットマンのリーダー格であるJ1を演じたのは、次回作の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』にてティラノレンジャー/ゲキを演じた望月祐多氏である。またJ2を演じたのは、あの『のりスタ』のドン・ファン役でお馴染みの笠原竜司氏である。

このネオジェットマン登場の前後編は、初期以来久しぶりに「正式な軍人である竜」と「一般人だった4人」の対立が見られたエピソードである。
とはいっても、ギスギスしていた初期とは違い、ジェットマンのリーダーとして、ネオジェットマンには終始丁寧に接したり、一条達の傲慢さに腹を立てた4人に「自分たちが問題を起こせば小田切長官に迷惑がかかる」と咎めたりと、あくまで常識的にメンバーをまとめている。
その分、軍人としても人間としてもダメすぎる一条に真っ先にキレたのも竜であり、上記の殴打シーンでは、ジェットマン一の短気野郎である凱を差し置いてぶん殴っている*2
このあたりからも、一条のポンコツぶりがうかがえる。

演じた手塚氏は元々俳優出身であり、声優としてその名が知られた現在では「『ジェットマン』に俳優として出演した事を知って驚いた」という声も。
ちなみに小田切長官役の三輝みきこ氏とは現実でも同じ劇団「青年座」所属であり、ある意味広義の中の人ネタだったのかも知れない。
スーパー戦隊シリーズでは本作から25年後の『動物戦隊ジュウオウジャー』にて、ジューマンの亀男役で声優として出演している。
また、後に声優として手塚氏と共演する事になる甲斐田裕子氏も「一条総司令のイメージが強烈だったために、もっと怖い方かと最初は思っていた」とか。


なお、『鳥人戦隊ジェットマン』はTVとはストーリーが大幅に違うノベライズ版が存在しているが、こちらには一条総司令本人は登場しないもののスカイフォース上層部自体がゲスになっており、
民間人だったジェットマンに義務だけ押し付けて権利や対価は一切やらない*3という連中になっていた。
…まだジェットマンたちまでこき使おうとはしなかっただけ、一条総司令の方がマシだったかもしれない。

トランザ「無能な追記・修正の下では、どんな項目でも輝きを失う。所詮お前達は見世物小屋の道化師だ!」

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最終更新:2025年04月14日 21:49

*1 同じく職業軍人である竜もいるのだが

*2 一方で、竜は凱が一条に殴りかかろうとしたのを制止してから一条を殴りつけており、恐らく『民間人』である凱が一条を殴ってしまえば、『追放』以上の厳罰を下されていた可能性もある為、敢えて立場的に唯一一条に異見しても当たりがキツくない自らが汚れ役を買って出たとも解釈できる。

*3 本編で被害が確認できるのはアコだけだが「授業中に出動命令が来た場合、公欠どころか、授業を抜ける理由すら与えられずアコが自力で学校をさぼって出動する。」という描写や、親が夜逃げして自宅に住めなくなった際、軍事組織なら宿舎があって当然なのにアコを入れさせたりはせずに、仲が悪い叔父の家に住まわさせるなど。