登録日:2015/10/01 (木) 15:18:11
更新日:2024/12/22 Sun 22:17:08
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ピクセルとは、2015年公開のアメリカ映画。日本ではソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの配給で2015年9月12日に公開された。
2010年にパトリック・ジャンが監督、ティム・ハーリヒーが脚本を務めた短編映画が原作となっている。1980年代に世間を圧巻したゲームキャラクターたちが地球を侵略してくるという物語であり、現代でも誰もが知っているであろうキャラが大勢登場する。
日本でおなじみのテレビゲームが盛り込まれているおかげか日本での評判は悪くはなかったが、そういう色眼鏡抜きで見ているアメリカでは滅茶苦茶評判が悪く、ワースト映画賞であるラジー賞にノミネートされてしまった。
同じレトロゲームを題材にしているディズニー映画「
シュガー・ラッシュ」と混同されがちである。どちらもQバートが重要な役周りを果たしており、日本ではマイナーゲームであるQバートの知名度を上げた。
[あらすじ]
1982年、子供たちがアーケードゲームに夢中になっていた時代。サム・ブレナーはゲームの腕を磨き、『センチピード』と『
ギャラガ』の世界チャンピオンにまでなり、『ドンキーコング』の世界大会に出場したが決勝戦で敗北し、ゲームの道から遠ざかってしまう。
時は流れ2015年。サムはホーム・シアターの取り付け業者として暮らしていたが、大統領となった親友のウィルに呼び出され、そこで信じられない映像を目にする。それはグアムの米軍基地が『ギャラガ』に襲われている光景だった。さらに同じく親友のラドローから「ヴォルーラ星人」を名乗る人物が地球に宣戦布告をする映像を見せられる。
実は1982年に
宇宙人への友好のメッセージとして送った映像の中に
ゲームの世界大会の映像も入れられていたのだが、それをヴォルーラ星人は「挑戦状」と受け取ってしまい、ゲームキャラをピクセルで実体化させ地球人に勝負を挑んだのであった。
この前代未聞の危機に、かつてのレトロゲーマー達はチーム「アーケーダーズ」を結成し立ち上がる。
[登場人物]
サム・ブレナー/アダム・サンドラ― 吹き替え:柳沢慎吾
本作の主人公。
かつては『センチピード』と『ギャラガ』の世界チャンピオンだったが、現在はホーム・シアターの取り付け業者として生計を立てている。
事件発生によりウィルに呼び出され、ヴォルーラ星人との戦いに挑むことになる。
ゲームのパターンを読み取れる実力を持ち、『センチピード』と『ギャラガ』もこれで制覇したが、パターンが無いとされる『ドンキーコング』は決勝戦での敗北の
トラウマから苦手としていたが……。
ウィル・クーパー/ケヴィン・ジェームズ 吹き替え:木村雅史
サムの親友。どうしたわけかアメリカ大統領になったが
小学校で本を何度も読み間違えたり、妻とじゃれあいながらケーキを食べている映像をスクープされたりと史上最大のバカ大統領とみなされ、支持率も最低だったが今回の事件で支持率を回復させていく。
クレーンゲームが大得意であり、終盤ではこれを生かした活躍を見せる。
ラドロー・レイモンソフ/ジョシュ・ギャッド 吹き替え:かぬか光明
サムの親友。過保護に育てられた上
陰謀論者であり、友達もいなかったがサムと出会ったことで友達を得る。
現在ではほぼ
ニートと化していたが、ヴォルーラ星人のメッセージにいち早く気づき、彼も戦いに出ることになる。
本作に登場する架空のゲーム『ドージョークエスト』の主人公であるレディ・リサにゾッコンであり、最終決戦では彼女に刃を向けられるが……?
エディ・プラント/ピーター・ディンクレイジ 吹き替え:神谷明
サムの
ライバル。自称「ファイヤー・ブラスター」を名乗る。
『ドンキーコング』の世界大会でサムを負かした。
現在では様々なスキャンダルを起こし刑務所に収容されていたが、今回の事件で協力を要請される。
挑発的な言動かつ傲慢さが目立ち、協力の際には色々と法外な要求をした。トレードマークであるサングラスにはある秘密が…
日本語吹き替え版では中の人のせいか
「もっこり」だの
「お前はもう死んでいる」だの聞いたことがある台詞を言う。
ヴァイオレット・ヴァン・パッテン中佐/ミシェル・モナハン 吹き替え:本田貴子
本作のヒロイン。
当初はサムがシアター取り付けのため訪れた家の女房だったが、実は軍の中佐だった。
旦那に浮気された挙句逃げられてしまい、泣きながらヤケ酒を煽っていた。
事件発生により対宇宙人用の兵器「ライトキャノン」を作りサム達をサポートし、決戦では息子のマティが攫われたことで彼女も戦いに赴く。
マティ/マシュー・リンツ 吹き替え:沢城みゆき
ヴァイオレット中佐の息子。ゲーム好きでありそれがきっかけでサムと仲良くなる。
FPSゲームが得意であり、「ラスト・オブ・アス」などのバイオレンスなゲームも好む。
決戦でヴォルーラ星人に攫われてしまうが、宇宙船に潜入したサムに33年前の真実とアドバイスを送り、サムのトラウマを払拭させる活躍を見せた。
Qバート
1982年にゴッドリーブから発売された同名ゲームの主人公。
「
パックマン」をクリアしたサム達に「
トロフィー」として贈られ、サム達の仲間となる。
身体はピクセルで構成されているが、砕かれても再生する。
ヴォルーラ星人がメッセージを勘違いした原因を「戦争ばかりしていて、争うこと以外頭になかったから」と説明した。
最後ではなんと……。
ポーター大将/ブライアン・コックス 吹き替え:浦山迅
アメリカ海軍提督で、ヴァイオレットの上司。
典型的な軍人……というか反ゲーム派で宇宙人の攻撃も他国の侵略と決めつけたり、サム達の事も認めず、彼らの活躍に不満を抱くなど終始信用しなかった。
ヒル伍長/ショーン・ビーン 吹き替え:田中正彦
イギリス軍伍長。サム達を信用しなかったが、結局何もできなかった。
とはいえ宇宙人の攻撃に際し事情をカモフラージュしながら市民を遠ざけるように誘導しているあたり、そこまで頭の固い人ではない。
バグショー首相/フィオナ・ショウ 吹き替え:一城みゆ希
イギリスの首相。宇宙人撃退のためアメリカ軍に協力する。
小難しい単語や言い回しを使って話すため、ウィルは殆ど理解できていなかった。妙にテンションが高く、印象に残る。
岩谷徹/デニス・アキヤマ 吹き替え:原康義
パックマンの生みの親。
パックマン戦で助っ人として呼ばれ、息子であるパックマンを説得しようとするが通じず、右手を食べられてしまった。
その後、右手は最終決戦後に元に戻った。
ちなみに岩谷氏ご本人は序盤のゲームセンターでナムコのエンジニアとしてちらりと登場している。
(以下ネタバレあり)
【登場ゲーム】
・ギャラガ(1981年/ナムコ)
ヴォルーラ星人の1度目の攻撃としてグアムの米軍基地を襲撃する。
宇宙に送られた映像が1982年の物だったためか、サムは1981年の物だと見抜いた。
また、ヴォルーラ星人の宇宙船はボス・ギャラガの形を模している。
・アルカノイド(1986年/タイトー)
2度目の攻撃としてインドを襲撃し、タージ・マハルを破壊した。
・センチピード(1980年/アタリ)
3度目の攻撃として
イギリスを襲撃し、サム達の訓練を受けた米軍が迎撃したがほぼ何も出来なかった。
サムとラドローが米軍に代わって攻略し、見事クリアに成功する。
ちなみに一匹街に逃げた
ムカデは、何故かエアロビクスをしている老婆のマネをしていた(直後サムに仕留められた)。
・パックマン(1980年/ナムコ)
4度目の攻撃としてニューヨークを襲撃し、サム達は対パックマン専用に改造した4台の車「MINI・ゴースト」で追い詰めようとする。
パワークッキーを食べるとパワーアップしゴーストを食べれるようになる点も再現されており、これにサム達も苦しめられる。
エディのテクニックとサムの機転でクリアするが……?
後に別の映画でも敵キャラとして登場した。
・ドンキーコング(1981年/任天堂)
ヴォルーラ星人の宇宙船に潜入したサム達への最後のゲームとして用意された。
他のゲームと違いパターンが無いことと、過去のトラウマからサムは苦戦してしまうが、マティの助言を受けてトラウマを断ち切り、クリアに挑む。
マリオも最終決戦で一瞬だけ登場している。
・テトリス
現テトリス・ホールディング管理。どこが販売したテトリスがモチーフなのかは不明。
最終決戦でビルの周りにテトリミノを並べていき、消していった。
・ドージョークエスト
本作オリジナルの架空のアクションゲーム。
盗賊ピディーとドラゴンから道場を守るため女剣士レディ・リサ(演:アシュレイ・ベンソン)が立ち向かう……といった内容。
レディ・リサにはラドローをはじめ多くの少年たちが魅了された。
最終決戦では敵として現れ、ラドローに刃を向けるが……。
映画の公開に合わせて、実際にスマホで遊べるレトロ風ゲームとして配信されていた。
この他にも、
・ディフェンダー(1980年/ウィリアムス)
・ミサイルコマンド(1980年/アタリ)
・フロッガー(1981年/コナミ)
・ジャウスト(1982年/ウィリアムス)
・ディグダグ(1982年/ナムコ)
・バーガータイム(1982年/データイースト)
・ロボトロン2084(1982年/ウィリアムス)
・ダックハント(1984年/任天堂)
・ペーパーボーイ(1985年/アタリ)
・スマーフ
など、一瞬だが数多くのレトロゲームのキャラが登場している。
追記・修正はQバートとの間に子供を設けてからお願いします。
- なぜかコンシューマゲームからダックハントが登場している。有名なゲームとはいえ、アーケードゲームではないのにヴォルーラ星人はなぜ存在を知ったのだろうか。 -- 名無しさん (2015-10-01 15:43:29)
- ↑しかもダックハントは84年リリースと宇宙に飛ばした2年後なのよ… -- 名無しさん (2015-10-01 16:32:56)
- 一番感動したのは冒頭のゲーム大会シーンで「」 -- (2015-10-01 17:10:46)
- (続き)ATARIのロゴを見たとき -- (2015-10-01 17:11:13)
- ド◯えもん「アルカノイドド聞いて、中の人が疼いてる」 -- 名無しさん (2015-10-01 18:08:05)
- ↑5 一応アーケード版はあるからそのためかも -- 名無しさん (2015-10-01 18:16:55)
- 英国首相のわけわからんテンションに吹いたわ -- 名無しさん (2015-10-01 18:47:54)
- 一体どうやって旧世代のアーケードゲームにチートコードを入力したのか…… -- 名無しさん (2015-10-01 19:13:47)
- オタクの見せ方になんとなく悪意を感じた。多分この監督オタク嫌いだろw -- 名無しさん (2015-10-01 19:28:30)
- ↑海外におけるギークの扱いなんてこんなもの -- 名無しさん (2015-10-01 20:49:21)
- 吹き替えはどうだったの?よかった? -- 名無しさん (2015-10-01 22:18:30)
- ↑中々のものだった。 -- 名無しさん (2015-10-01 22:41:54)
- ↑声優ネタオンパレード -- 名無しさん (2015-10-01 23:00:14)
- ↑4あんなんまだ優遇の方だ、米国ではギーグの扱いはもっと酷いんだぞ -- 名無しさん (2015-10-01 23:05:06)
- AVGNエピソード化はよう! -- 名無しさん (2015-10-02 20:02:58)
- ↑2 スピルバーグとかタランティーノとかデルトロとか、ギークな世界的映画監督もたくさんいるのにまだそんな扱いなのか… -- 名無しさん (2015-10-21 12:12:51)
- 色んなとこで叩かれててびっくりしたくらいには好きだよこの映画w -- 名無しさん (2016-04-29 00:15:46)
- エグゼイド&ゴーストのMOVIE大戦がまんまこの映画っぽいけど、ゲスト声優で神谷明さんが出演したら笑うかも。ってか柳沢さんもドライブ映画に出てたよね -- 名無しさん (2016-10-10 00:02:38)
- ちょっと大味で幾分か突っ込みたいところもあったけどなかなか面白い映画だと思う。偏見だけどアメリカらしいノリと内容なところとか。俺は好きだよ -- 名無しさん (2017-04-03 20:38:53)
- 地上波で見た時は結構面白かった。これがアメリカでは滅茶苦茶評判が悪いのは理解出来ないな・・・。 -- 名無しさん (2018-09-16 16:03:10)
- 吹き替えの方が魅力を増させてるのかもしれない。 -- 名無しさん (2018-10-23 12:53:08)
- 慎吾ちゃん悪くないよね?声優じゃなかったり、抑揚の抑えた演技を棒と決めつける風潮は何とかならんものか。 -- 名無しさん (2020-04-14 19:07:17)
- 「ゲームセンターを含む80年代後半の子供文化」が好きなのであって、ゲームそのものは別にどうでもいい人が作っていると感じた映画 -- 名無しさん (2021-09-12 01:23:21)
- 『トロフィー・ワイフ』というオチが奇麗に決まりすぎているのでそれで許さざるをえない映画 -- 名無しさん (2022-01-15 11:04:40)
- 相談所に報告のあったコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2022-02-22 21:33:53)
- ディグダグはファイガがいたのに、プーカがいなかったのが謎 -- 名無しさん (2022-03-06 10:11:07)
- 「日本人はゲームのシナリオを重視するがアメリカ人は気にしない、故に日本ではクソゲー扱いでもアメリカでは評価高い」とよく言われるが、映画だとこれが逆転する好例。アダム・サンドラーは90年代にウケてたことを2010年代になっても進歩せずに延々続けてた人だから本国では特にウンザリされてたみたい。この後にはちゃんと良い映画にも出てるけどね。 -- 名無しさん (2024-02-24 07:20:04)
- 最近ではアメリカ人の間でも、ネットでの意見を見るに再評価されつつある……っぽい?続編作って欲しいって声もチラホラ -- 名無しさん (2024-12-22 22:17:08)
最終更新:2024年12月22日 22:17