不知火(遊戯王OCG)

登録日: 2015/11/03 Tue 00:06:54
更新日:2025/04/10 Thu 22:15:44
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「不知火」とは、遊戯王OCGで登場したカード群である。


▼概要


属するモンスターは全てアンデット族の炎属性モンスターで、守備力が0である点が共通している。
Sモンスター2種類とカテゴリチューナー1種類を擁しており、主な戦術はアンデット族の豊富な展開手段をフルに生かしたアンデシンクロ

全ての「不知火」モンスターはゲームから除外された場合に発動する誘発効果を持っており、他のアンデット族にはない積極的に除外を利用して展開していくという大きな特徴を持っている。

デザインは武士や鍛冶師、妖刀の精霊など、一見するととてもアンデット族には見えない外見をしている
カード名から考えると「不知火」とは架空の剣術の流派であり、不知火モンスターはその剣術に関わる一族、という事なのかもしれない。

▼所属カード


下級モンスター


不知火の師範(いくさのり)
効果モンスター
星2/炎属性/アンデット族/攻 600/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、自分フィールドに「不知火」モンスターが2種類以上存在する場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。
(2):このカードが除外された場合、自分フィールドのアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで600アップする。

「師範」と書いて「いくさのり」。
自己再生効果を持っており、不知火の非チューナーの下級で唯一レベル4以外のモンスターであるため、不知火単独で《業神-不知火》のシンクロには必須。
自己再生すると除外デメリットが付随するが、(2)の効果のトリガーになるのでぶっちゃけデメリットとして機能していない。

不知火の鍛師(かなち)
効果モンスター
星4/炎属性/アンデット族/攻1000/守 0
「不知火の鍛師」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「不知火の鍛師」以外の「不知火」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが除外された場合に発動できる。
このターン、自分のアンデット族モンスターは戦闘では破壊されない。

「鍛師」と書いて「かなち」と読む。鍛師とは刀鍛冶のこと。
S素材にされるとサーチ効果が発動…というと聞こえはいいが、サーチできるカードはそのほとんどが《ゴブリンゾンビ》と被っているのであまり優先度は高くない。
魔法・罠カードもサーチできる点や、《カメンレオン》によって釣り上げられる守備力0のモンスターである点などで差別化を図って行こう。
変わったところでは炎属性なので《炎王炎環》にも対応している。
除外されるとそのターン自分フィールド上のアンデット族を戦闘破壊から守ってくれる。

不知火の宮司(みやづかさ)
効果モンスター
星4/炎属性/アンデット族/攻1500/守 0
「不知火の宮司」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
自分の手札・墓地から「不知火の宮司」以外の「不知火」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
(2):このカードが除外された場合、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

「宮司」と書いて「みやづかさ」と読む。
召喚に成功すると手札または墓地から同名カード以外の不知火モンスター1体を展開できる。
迅速な大量展開が重要なアンデット族において、ノーコストでモンスターを追加展開できる効果は非常に重要。
大抵の場合は《妖刀―不知火》を特殊召喚してそのままS召喚に繋げることになるだろう。
除外時の効果は表側表示限定であるもののカード種別も問わない万能除去であり優秀な効果。

不知火の武士(もののふ)
効果モンスター
星4/炎属性/アンデット族/攻1800/守 0
「不知火の武士」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地のアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで600アップし、
このターンこのカードがモンスターと戦闘を行った場合、そのモンスターはダメージ計算後に除外される。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが除外された場合、
「不知火の武士」以外の自分の墓地の「不知火」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

「武士」と書いて「もののふ」と読む。
効果は墓地コストと引き換えの自己強化と、戦闘を行った相手をダメージ計算後に除外する除去効果。
墓地リソースが重要なアンデット族で墓地のカードを除外するというのは中々に痛い出費だが、不知火モンスターを除外することによって損失を抑えられる。
特に戦闘破壊を防止する《不知火の鍛師》と相性が良く、併用することで相手だけを一方的に除外することができる。
除外された時の効果は墓地の不知火モンスターのサルベージ。
アンデット族は《ゾンビ・マスター》などの存在によってハンドアドバンテージを急激に消耗しがちなので、消費した手札アドを回復できるこの効果が有効に活きる場面も少なくない。

不知火の隠者(かげもの)
効果モンスター
星4/炎属性/アンデット族/攻500/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのアンデット族モンスター1体をリリースして発動できる。
デッキから守備力0のアンデット族チューナー1体を特殊召喚する。
(2):このカードが除外された場合、
「不知火の隠者」以外の除外されている自分の「不知火」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
フィールドに「不知火流 転生の陣」が存在する場合、この効果の対象を2体にできる。

強力なリクルーターで、特に《ユニゾンビ》を出してくることによって、《馬頭鬼》を落とし、このカードを蘇生させてそのままレベル8Sやランク4Xにつなげることができる。
中でも《PSYフレームロード・Ω》をシンクロすればバトルを封じられてしまうものの《馬頭鬼》の再利用ができるため非常に有効。
(2)の効果を無視して他のデッキに《ユニゾンビ》と《馬頭鬼》といっしょに出張要員にされることもある。
もちろん(2)の効果も展開力は高いためデッキの中核として活躍できるだろう。

不知火の武部(もののべ)
効果モンスター
星4/炎属性/アンデット族/攻1500/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
手札・デッキから「妖刀-不知火」モンスター1体を特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。
(2):このカードが除外された場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
その後、手札を1枚選んで捨てる。

ナギナタを持った10期の新入り。
召喚トリガーの妖刀-不知火のリクルート、除外トリガーの手札交換効果を持つ。
召喚権を消費するため、《不知火の宮司》とどちらを優先するかは構築の段階からよく考えたいところ。こちらは墓地が肥えていない序盤で役に立つ。
バックストーリー的には魔妖と不知火を繋ぐ存在であり、不知火側の新たな主役ポジ。
《逢華妖麗譚-不知火語》では《麗の魔妖-妲姫》と睦まじい様子が描かれている。
ちなみに成長した姿の《麗神-不知火》を見るに女性のようだ。

妖刀-不知火
チューナー・効果モンスター
星2/炎属性/アンデット族/攻 800/守 0
「妖刀-不知火」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在する場合、チューナー以外の自分の墓地のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターとこのカードを墓地から除外し、
その2体のレベルの合計と同じレベルを持つアンデット族Sモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

不知火の刀の精。
どっかで見たような墓地シンクロ効果を持っている。
展開などの下準備無しにいきなりSモンスターを出せる点は中々に強力な効果。
代わりに自身を含む墓地のアンデット族2体という重いコストを要求し、出せるモンスターもアンデット族限定。
しかし裏を返せば不知火モンスターの効果を任意のタイミングで発動できるという事でもある。
さらにレベルさえ合っていればS素材の指定を無視できるので、本来非チューナーモンスターを2体以上要求する《アンデット・スカル・デーモン》もそのまま特殊召喚できる。
ただし、この効果での特殊召喚はS召喚扱いにならないため蘇生制限に引っかかってしまう点に注意。

逢魔ノ妖刀-不知火
チューナー・効果モンスター
星3/炎属性/アンデット族/攻 800/守 0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードをリリースし、「逢魔ノ妖刀-不知火」以外の除外されている自分のモンスターの中から
「不知火」モンスターを含むアンデット族モンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。

《妖刀-不知火》の対になると思しき新たなる妖刀。
こちらは自身をリリースコストとする、不知火2体の帰還効果を持つ。
不知火はとにかく墓地と除外を肥やさないと始まらないため、発動機会に困るということはまずないだろう。


魔法・罠カード


逢華妖麗譚-不知火語
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手フィールドにモンスターが存在する場合、
手札からアンデット族モンスター1体を捨てて発動できる。
捨てたモンスターとカード名が異なる「不知火」モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選んで特殊召喚する。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。

不知火流 (つばくろ)の太刀
通常罠
「不知火流 燕の太刀」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのアンデット族モンスター1体をリリースし、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
その後、デッキから「不知火」モンスター1体を除外する。

「燕」と書いて「つばくろ」と読む。
その効果はまさしくアンデット族版《ゴッドバードアタック》。不知火モンスターをデッキから除外する強制効果を持っているのでどんなデッキにでも気軽に入る訳ではないが、不知火にはアンデット族全般に対応する汎用効果を持ったカードがいくつかあるので、組み込むこと自体はそう難しくない。
その荒らし能力の高さは言わずもがなだが、これも任意のタイミングで好きな不知火を除外できる効果だと捉えることもできる。
特に《不知火の宮司》との相性は抜群で、あちらの効果も含めると全部で3枚ものカードを一気に除去することができる。

不知火流 転生の陣
フィールド魔法
「不知火流 転生の陣」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
手札を1枚墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分の墓地の守備力0のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
●除外されている自分の守備力0のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地に戻す。

手札コストと引き換えに墓地リソースかボードアドバンテージを追加する。
特殊召喚するカードは不知火以外でも良く、守備力0の《ゾンビ・マスター》を蘇生すれば連鎖的に更なるアンデット族をフィールドに呼び込む足掛かりとなる。
墓地に戻す効果は守備力0限定故に《馬頭鬼》に対応していないのが悔やまれるが、使用済みの妖刀や《ゾンビキャリア》などを戻すのに利用できる。

不知火流 才華の陣
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはフィールドから離れた場合に除外される。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのアンデット族モンスターは自身以外のカードの効果を受けない。

不知火流 伝承の陣
永続魔法
(1):このカードは魔法&罠ゾーンに存在する限り、カード名を「不知火流 転生の陣」として扱う。
(2):1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分の墓地からアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。
このターン、自分のアンデット族モンスターの召喚・特殊召喚は無効化されない。
●自分フィールドのアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
その後、デッキから守備力0のアンデット族モンスター1体を墓地へ送る事ができる。


シンクロモンスター


戦神(いくさがみ)-不知火
シンクロ・効果モンスター
星8/炎属性/アンデット族/攻3000/守 0
アンデット族チューナー+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上
自分は「戦神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、
自分の墓地のアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、除外したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(2):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合、
除外されている自分の守備力0のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地に戻す

「戦神」と書いて「いくさがみ」と読む。
効果は2つあり、第一の効果は召喚成功時に墓地のアンデット族1体を除外して攻撃力を上げるという物。
コストが重い上に得られる効果も一時的なパンプアップのみだが、こちらも任意のタイミングで不知火モンスターを除外する事ができる効果だと捉えられる。
発動してしまえば大抵の場合は攻撃力4000程度は確保でき、そのターン内のみだが超大型アタッカーとして機能できる。対になる《刀神―不知火》を除外すればなんと最大で攻撃力6000のモンスターまで単独で始末できるようになる。
第二の効果は破壊された場合に除外されている守備力0のアンデット族モンスター1体を墓地に戻す効果。
除外されたきりの不知火モンスターを墓地に戻すだけでなく、運悪く奈落の落とし穴を踏んでしまった《ゾンビ・マスター》なども回収できる。
一方レベル8なので《妖刀―不知火》からのS召喚には工夫が必要。
レベル6のアンデット族を素材にするか、自身の効果でレベル4になった《ユニゾンビ》と《ゾンビ・マスター》でS召喚しよう。

刀神(かたながみ)-不知火
シンクロ・効果モンスター
星6/炎属性/アンデット族/攻2500/守 0
アンデット族チューナー+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上
自分は「刀神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、除外されている自分のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻し、
その攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを全て守備表示にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが除外された場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は500ダウンする。

「刀神」とかいて「かたながみ」と読む。《戦神-不知火》と対になるSモンスター。
第一の効果はフリーチェーンの表示形式変更効果。参照するのは攻撃力なので、相手モンスターの攻撃を抑止するためにはそれなりに高い攻撃力のモンスターをデッキに戻す必要がある。
使いどころに困る効果だが、妖刀-不知火の効果で除外した蘇生制限を満たしていないアンデット族シンクロモンスターを回収したりする目的で使用できるかもしれない。
第二の効果は除外時に相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を500下げる効果。
考え無しに使ってもほぼ意味のない効果でしかないので、《戦神-不知火》や《不知火の武士》などのバンプ効果発動のコストにして攻撃力変動を助けるのが主な使い道か。
むしろこのモンスターは妖刀の効果を使って簡単に特殊召喚できるレベル6の不知火Sモンスターである点の方が重要で、布陣が整っていない序盤を支えるアタッカーとなってくれる。

業神(わざがみ)-不知火
シンクロ・効果モンスター
星5/炎属性/アンデット族/攻1900/守 0
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分は「業神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、
その(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの表示形式を変更する。
(2):このカードが除外された場合に発動できる。
自分フィールドに「不知火トークン」(アンデット族・炎・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。

「業神」と書いて「わざがみ」と読む。10期にサベージ・ストライクで追加された不知火シンクロ。
第一の効果は特殊召喚時の表示形式変更。リンクでないアタッカーを蘇生から止めたり、このカード自体で殴り殺したりと割と活用できるシーンは多い。
第二の効果は除外トリガーによるトークンの生成。主に麗神のL素材に使うことになるだろう。
イラストは《妖刀-不知火》を持った《不知火の宮司》だが、この2体だとレベルが合わない。

妖神(あやかしがみ)-不知火
シンクロ・効果モンスター
星7/炎属性/アンデット族/攻2100/守 0
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分は「妖神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、
モンスター1体を選んで除外する。
その後、その種類によって、以下の効果をそれぞれ適用できる。
●アンデット族:自分フィールドの全てのモンスターの攻撃力は300アップする。
●炎属性:フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊する。
●S:フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。

「妖神」と書いて「あやかしがみ」と読む。《逢魔ノ妖刀-不知火》を装備した《不知火の武部》。
レベルに比して攻撃力が低いが、不知火シンクロを降下で除外することによって全体強化・サイクロン・サンダーブレイクを3つまとめて撃てる。最悪自身を除外することもできるので、効果が使えないという場面はそれこそ除外封じとなるだろう。
ちなみに《不知火の武部》は《麗の魔妖-妲姫》とかつて友達だったようだが、その本性である《麗の魔妖-妖狐》も「炎属性のアンデットシンクロ」なので、除外すれば3つの効果を発動できる。

炎神(ほむらがみ)-不知火
シンクロ・効果モンスター
星10/炎属性/アンデット族/攻3500/守 0
アンデット族チューナー+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上
自分は「炎神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、
アンデット族Sモンスターを任意の数だけ選んでエクストラデッキに戻す。
その後、戻した数だけ相手フィールドのカードを選んで破壊できる。
(2):自分フィールドのアンデット族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、
代わりに自分の墓地の「不知火」モンスター1体を除外できる。

「炎神」と書いて「ほむらがみ」と読む。9期のラストに追加されていた不知火の切り札。
実体化して馬に乗った妖刀-不知火、というかあちらに宿る霊魂の生前の姿と思われる。
S素材がアンデット縛りなので、特化しないとシンクロ自体がかなり狙いづらい。その分効果も豪快で、特殊召喚トリガーによるアンデシンクロの回収と対象を取らない除去、墓地の不知火をアンデットの身代わりにする永続効果を持ち、戦闘には強い。
瞬間火力と出しやすさでは《戦神-不知火》が上なので、こちらは基礎打点の高さと除去効果をメインに立ち回りたい。
ちなみに不知火は魔妖とは敵対しているが、あちらは自身の効果で墓地にアンデットシンクロがどんどこ溜まっていくことからこのカード自体との相性は良い。


リンクモンスター

麗神(うるわしがみ)-不知火
リンク・効果モンスター
リンク3/炎属性/アンデット族/攻2300
【リンクマーカー:上/左/下】
アンデット族モンスター2体以上
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドのSモンスターは効果では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分の炎属性モンスターは戦闘では破壊されない。
(3):相手ターンに、除外されている自分のアンデット族Sモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。

「麗神」と書いて「うるわしがみ」と読む。才華の陣で才能を開花させた武部=妖神がさらに成長した姿。
シンクロへの効果破壊耐性付与、焔属性への戦闘破壊耐性付与、相手のターンでのアンデシンクロの帰還効果を持つ。不知火のシンクロならば破壊耐性はほぼ完全となり、このカード自体も炎属性なので戦闘で破壊されない。
帰還効果は相手のターンにしか使えないが、《業神-不知火》や《炎神-不知火》を呼び戻して不意打ちをかけてやることも考えられる。ただしリンク先にしか呼べないのと、マーカーの向きの関係でリンク先が1か所しか取れないことに注意。
なお《逢魔ノ刻》や《逢華妖麗譚-魔妖語》ではかつての友である《麗の魔妖-妖狐》と戦っているが、得物であるナギナタは最終的に《零氷の魔妖-雪女》に奪われている。


▼デッキとして


冒頭でも述べた通り、戦術に除外を組み込んで積極的に利用していくというアンデット族では類を見ないような独特の戦術で攻めるデッキである。

基本的な流れはシンクロアンデットと同様。《ゴブリンゾンビ》や《ユニゾンビ》などといったモンスターをフル活用して墓地と手札にモンスターを溜め込み、準備が整ったら《ゾンビ・マスター》などを介して一気にアンデット族を展開してS召喚し、そのまま切り込んでゆく。

ここまでならただのシンクロアンデットでしかないが、ここに除外を利用する不知火が絡んでくるとまた違った様相を呈してくる。
《不知火の鍛師》や《不知火の武士》の効果でハンドアドバンテージを稼いだり、《不知火の宮司》の効果で相手の場を荒らしたりなど、普通のアンデット族とは異なるトリッキーな搦め手が使える点がこのデッキの強みで、除外されたアンデット族を再利用する手段が複数用意されているので継戦能力も高い。

《不知火流 燕の太刀》の存在から場を荒らす能力も高く、こじ開けた戦線から《戦神-不知火》のダイレクトアタックを叩き込めば場合によっては1ターンキルさえ可能となることも。

弱点も大凡の面でシンクロアンデットおよびアンデット族デッキと重なるが、除外封じにも弱い点に注意が必要。
アンデット族故の初動の遅さも難点で、戦士族の《増援》のように能動的に使いやすいサーチカードが存在していないせいでどうしても行動が後手に回りがち。
ようやく墓地を肥やし終わってS召喚しようと思ったころには既にデュエルが終わっていたなんてことも。
《不知火流 燕の太刀》や《不知火の宮司》などを使って墓地が肥えるまでの時間をいかに稼げるかがこのデッキの要になってくるだろう。


▼相性の良いカード


大抵のアンデット族サポートと相性が良いので、ここでは特に不知火と相性が良いものに焦点を絞って挙げる。

■封印の黄金櫃
デッキから任意のカードを除外。2ターン目に手札に加える。
どうしても欲しいカードを手札に呼び込めるが、来るのが2ターン後と遅いので、除外ゾーンに直接デッキからカードを送れる点を利用して不知火カードの効果を任意のタイミングで発動するためのギミックとして利用する。

■異次元からの埋葬/奇跡の発掘
《馬頭鬼》を再利用するために良く用いられるが、このデッキは除外ゾーンにモンスターカードが貯まりやすいので、2枚目・3枚目以降の《異次元からの埋葬》として《奇跡の発掘》も採用圏内に入る。

■炎王炎環
不知火は炎属性なので、このカードによる蘇生にも対応する。
相手の除去カードに対して発動しサクリファイスエスケープに繋げるのが主な用途になるのだが、その場合は《禁じられた聖槍》などもあるのでどちらを利用するかはデッキと相談しよう。

■龍の鏡
一見すると何のために入っているのか分からないカードだが、《冥界龍ドラゴネクロ》の融合召喚によって墓地の任意の不知火モンスター2枚を能動的に除外できるという点を利用する。

■カメンレオン
不知火は守備力0なのでこのカードによる蘇生に対応する。
一気にレベル8のSモンスターかランク4のXモンスターに繋がるものの、そのターン内での特殊召喚に制限が付き、下手に発動するとその後の展開を妨げてしまう可能性があるので注意。

■冥界騎士トリスタン
召喚成功時に守備力0のアンデット族モンスターをサルベージする。
墓地に送られた《不知火の宮司》を手札に戻せば、次のターン再び《不知火の宮司》の蘇生効果を利用できる。
ただし《不知火の宮司》や《ゾンビ・マスター》と通常召喚権の食い合いになるので採用枚数には気をつける必要がある。

■炎の精霊イフリート/インフェルノ
どちらも墓地の炎属性モンスターを除外しながら特殊召喚できるレベル4モンスター。
墓地の不知火を除外しながらS素材を用意できる。

■蘇りし魔王 ハ・デス/アンデット・スカル・デーモン
どちらもレベル6のアンデット族Sモンスター。チューナーに《ゾンビキャリア》を要求するが、妖刀の効果による特殊召喚ならばその点を無視できる。
《蘇りし魔王 ハ・デス》は守備力が0なので不知火関連のカードのサポートを一部受けられる。
《アンデット・スカル・デーモン》は自分フィールド上のアンデット族に強力な耐性を付与でき、不意の一撃による戦線の崩壊を回避できる。

PSYフレームロード・Ω
除外されているカードを墓地に戻す効果を利用する。
除外されている不知火はもちろん、効果使用済みの《馬頭鬼》も戻せるので相性が良く、
フリーチェーンの除外効果によって生存率もかなり高い。


遊戯王デュエルリンクスでは

2019年12月、ミニBOX「ソウル・オブ・レザレクション」にて参戦。


???「OCGではそこまで強くないテーマが環境を独占できるわけがない。そう思っての評価だった。」






「だが、不知火は  弾 け た





龍亞「俺のターン!俺は、手札から《不知火の武部》を召喚!」

龍亞「《不知火の武部》のモンスター効果発動!デッキから《妖刀-不知火》を守備表示で特殊召喚!」

クロウ(おっ、いきなりレベル6のシンクロモンスターを呼ぶのか?)

龍亞「そしてスキル『レベル上昇』を使用!俺は《不知火の武部》を指定し、手札の《不知火の武士》を見せる!これで《不知火の武部》のレベルは、《不知火の武士》のレベル4だけ上昇し、レベル8になる!」

龍亞「レベル8の《不知火の武部》に、レベル2の《妖刀-不知火》をチューニング!シンクロ召喚!」

龍亞「来てくれ!《炎神-不知火》!」

クロウ「レベルを上げて、先攻1ターン目からレベル10のシンクロモンスターをシンクロ召喚だと!?インチキ効果もいい加減にしろ!」




なんと、エースモンスターである《炎神-不知火》を軽々と出せる事が発覚。
理由は、スキルの「レベル上昇」と「レベルコピー」。
レベル上昇の効果は先述したデュエルの通りで、レベルコピーは自分フィールドのモンスター1体のレベルを手札のモンスター1体のレベルと同じにするという効果。
どちらもデュエル中に一度しか使えない制限があるものの、これにより高レベルモンスターを用いずに《炎神-不知火》をS召喚できるのだ。
そして、《炎神-不知火》は戦闘・効果の破壊耐性を備えているため、序盤から出して相手を制圧する戦術が主流となり、【不知火】は瞬く間に環境に君臨する。

後にキーカードの《不知火の武部》がLIMIT2、妖刀がLIMIT3、相性が抜群だった隣の芝刈りが禁止カードに指定されるもその勢いは全く収まらず、ランク戦で使用されたモンスターカードトップ3が不知火で独占。
その結果、2020年12月15日をもって、《不知火の宮司》《不知火の隠者》《炎神-不知火》がLIMIT2に指定。
約1年間に渡って環境を牛耳ってきた【不知火】も遂に弱体化するのだった。ぶっちゃけもっと早く規制してほしかったという声も少なくない。
《不知火の宮司》と《不知火の隠者》は単体の効果も強力なのに加え、同じアンデット族テーマであるヴェンデット魔妖での出張も目立っていた為規制されたと思われる。
メジャーではなくなったとはいえ、魔妖などとの混合デッキでの爆発力は今なお健在。

なお、レベル操作系のスキルがナーフされたのはこの約半年後だった。

現在ではトラップを積みまくった「罠不知火」が一般的だが、現環境(2021年8月)トップのオノマトの前では制圧力が圧倒的に差が生まれているためさすがに環境トップとまでは言っていない。




追記・修正お願いします。

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最終更新:2025年04月10日 22:15