禁じられた(遊戯王OCG)

登録日:2014/05/02 Fri 14:19:54
更新日:2025/04/24 Thu 00:32:23
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遊戯王OCGのカード群。

聖遺物をモチーフとしており、イラストで同じ女性が毎回描かれている。
長らく名前が共通するだけでサポートカードの存在しない所謂「シリーズカード」であったが、第10期パックの「SOUL FUSION」にて後述の《失楽の魔女》が登場しテーマ化。
同カードによるサーチができるようになった。

いずれも速攻魔法で、モンスターに対して影響を及ぼす効果。
《禁じられた聖典》以外はフリーチェーンで、さらにモンスターの攻撃力を増減させる効果を持つためダメージステップにも発動可能。
戦闘補助とカード効果への対処を同時に行えるため汎用性が高い。
ちなみにどのカードも初出のパックではスーパーレア。



《禁じられた聖杯》
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が400アップし、効果は無効化される。

モンスター効果を無効にし、攻撃力をアップさせる。

相手モンスターに使えば厄介な効果を無効にできる。
同じ効果を無効にするカードとしては、永続で効果を無効にした上に攻撃まで封じる《デモンズ・チェーン》、
伏せる必要なく手札から発動できる《エフェクト・ヴェーラー》などがあり、相手ターンに使うのならこれらのカードの方が使い勝手は良い。

だがこちらは速攻魔法のため引いてすぐ使うことができ、《大天使クリスティア》などこちらに制約をかけるカード、
スターダスト・ドラゴン》など耐性を持ったカードを突破するのに使える。

ダメージステップに使うこともできるので、相手の裏守備モンスターがリバースした後使い、
マシュマロン》など戦闘破壊耐性を持ったモンスターや、リバース効果モンスターを無効にできるのは、このカードの大きな利点。

攻撃力をアップさせるのでコンバットトリックとして使用もできるが、
上昇値は400ポイントと少なめなので、このカード1枚で逆転することは少ない。
ミラーマッチや下級ビート同士だとこの400の差で倒せたり倒せなくなったりすることはあるが。

しかし《トラゴエディア》などの効果で攻撃力が決まる相手モンスターに使えば、このカードの上昇値よりも大幅に弱体化できる可能性もある。

自分のモンスターに使用した場合、通常は効果無効がデメリットとなるが、
神獣王バルバロス》や《フォトン・スラッシャー》のようなデメリット効果を持つモンスターに使えば、
それらのデメリット効果を無効にした上で少しながら強化もできる。

ライバルは《デモンズ・チェーン》や《ブレイクスルー・スキル》、《エフェクト・ヴェーラー》辺り。
このカードはダメステ発動可能な点や引いてすぐ使える速攻魔法と言う点を重要視したい。
十二獣では《十二獣ドランシア》のフリーチェーン除去を回避しつつ、《十二獣ヴァイパー》を使わせてからステータスを0にした上で効果も無効化できるので有効なメタカードだった。

初出のRAGING BATTLE以後も、
それを含むパックをまとめたDUELIST EDITION Volume 3、さらにGOLD SERIES 2013やウィング・レイダーズに再録されておりノーマルが大量にばら撒かれているので、入手はしやすい部類。



《禁じられた聖槍》
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が800ダウンし、他の魔法・罠カードの効果を受けない。

モンスターの攻撃力をダウンさせるかわり、魔法・罠への耐性を持たせるカード。
《突進》よりも100ポイント多く攻撃力差を広げる上に効果にも対処できるため、あちらの存在をほぼ無にした。

《トラップ・スタン》やカウンター罠と比べると伏せる必要がなく、相手の罠カードが多く伏せられている状況でもモンスターの召喚を通しやすくなる。

自分のモンスターに使うと攻撃力がかなりダウンするのが欠点だが、
戦闘せずとも強力な効果を持ったモンスターや、S・X素材などに用いる際に使うといい。

ただし、《聖なるバリア −ミラーフォース−》や《次元幽閉》のような攻撃宣言時に発動する罠には、
無効にしたところで戦闘の巻き戻しが行われなければ下がった攻撃力で戦闘に入ってしまうので若干苦手。

また攻撃力減少値がそこそこあるため、単純に相手モンスターに使用すれば、《禁じられた聖杯》よりも攻撃力を上回る場面は多い。
また耐性を逆利用して装備魔法やRUMのようなカード効果を無効化(というよりは不発に)することもできる。

汎用性のある効果が多い禁じられたシリーズでも、なかなか強力な効果を持っているため、
STORM OF RAGNAROKのものはそこそこの値段だったが、GOLD SERIES 2014に再録されたため手に入れやすくなった。
その後トライブ・フォースやスターターデッキ2017にも再録されているため現在は入手はそこまで難しくはない。


《禁じられた聖衣》
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時までそのモンスターは、攻撃力が600ダウンし、
効果の対象にならず、効果では破壊されない。

攻撃力をダウンさせ、破壊耐性と対象に選ばせない耐性を持たせる。

メインに使うのは破壊耐性。
罠から守るなら《禁じられた聖槍》、フィールド上のモンスター効果なら《禁じられた聖杯》でも事足りるが、
こちらはそれらと比べて破壊以外に弱くなったかわりにモンスター・魔法・罠の種別に関係なく対応する。
また墓地で発動する《暗黒界の龍神グラファ》や《海皇の重装兵》などにも適用できる。

破壊以外の効果に対しては、対象を取る効果ならば防ぐことができる。
ただし既に対象に取られた効果には無力なので、こちらは相手の効果が発動する前に使っておかなければならない。
このカードにチェーンして打たれる《強制脱出装置》や、対象をとらず破壊ではない《氷結界の龍 トリシューラ》には無力。
《エフェクト・ヴェーラー》の回避に使うにもメインフェイズに使うとチェーンされてしまう。
この効果は強力そうに見えるが案外使いどころが難しい。

効果を無効にせず破壊耐性を持たせられるため、除去としての破壊効果から守る他、
リミッター解除》など効果の副作用として自壊するデメリットも防ぐことができる。

速攻魔法の破壊対策カードとしては相手を破壊してしまえる我が身を盾にがある。
ライフコストが不要でダメステでの発動が可能かつ、いざとなったら戦闘補助にも使える点を見てどっちを採用するか決めたい。

攻撃力の減少は《禁じられた聖杯》と《禁じられた聖槍》の中間の600ポイント。
だがコンバットトリックとして使う場合、本来の効果も同時に活かせる場面は少ない。
A・O・J カタストル》や《エルシャドール・ネフィリム》などのダメージ計算を行わず破壊するカードには有効的に使えるだろう。

再録はマスター・オブ・ペンデュラムの1度のみ。
案外器用貧乏な所があり採用が見送られやすいカードなので、値段はそれほどでもない。




《禁じられた聖典》
速攻魔法
(1):お互いのモンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
ダメージステップ終了時まで、このカード以外のフィールドのカードの効果は無効化され、
その戦闘のダメージ計算は元々の攻撃力・守備力で行う。

フィールド上の一切の効果を無効にし、モンスターの元々の攻守で対決する。

ダメージ計算時にしか発動できず、特殊な効果のため、他と比べると汎用性は著しく落ちている。

このカードを使うなら単純に攻撃力の大きいモンスターが有利なので、
デメリットで攻撃力の下がっているモンスターの戦闘時に使うと良いが、モンスター自身の効果なら禁じられた聖杯でもできるし、
それ以外では相手がコンバットトリックを使ってきた時か、戦闘破壊耐性モンスターぐらいにしか用途がない。
そもそも戦闘補助の効果なのに素の打点で勝っていることが前提なのが苦しい。

しかし効果は対象を取らず、しかも後半の効果はモンスターに効果を付与するわけでもないルール介入効果。
そのため《禁じられた聖槍》と併用すれば、モンスター効果を無効にされず、下がった攻撃力も元に戻る。
フィールド外から戦闘を補助してくる《オネスト》などには滅法強く使わせた上で無力化し殴り倒せる。
また、あの無敵の毒蛇神ヴェノミナーガ》も攻撃力0扱いとなる。もっとも、こちらは自己再生効果までは防げないが。

他の禁じられたシリーズと毛色が違い、イラストも他のカードでは屋外で聖遺物を持っているのに対し、
こちらは屋内で聖典を持ちだしているところ。しかもよく見ると部屋の奥から《神の宣告》のイラストに登場する神がその様子を見ている。
ちなみに《神の宣告》の派生カードである《神の忠告》と《神の通告》では神の所持物の持ち出し行為への叱責や処罰が下される様子が描かれている。



このシリーズに登場する女性は神の通告での処罰を経て、楽園を追放される。
その後は《失楽の聖女》となり、宝具に触れたことでその身に宿った神の力全て消えるまで許される事はなく、地上をさまよっているという。

《失楽の聖女》は《禁じられた聖典》が登場したのと同じPRIMAL ORIGINで登場している。

《失楽の聖女》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 100/守2000
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分は相手ターンに速攻魔法カード1枚を手札から発動できる。

ちなみにこちらの効果は微妙。
守備力は高いが、攻撃力が低すぎるためにコンバットトリックするにしても使いにくく、しかもデュエル中に一度しか使えない。
たった100の攻撃力のモンスターを棒立ちにしてまでセットした速攻魔法の破壊を対策するほどのものでもないだろう。
そもそも速攻魔法はセットしておくだけで相手ターンに発動できる罠のような奇襲性も売りのため、これを立たせることにより速攻魔法の存在をアピールしてしまう事になる。

HEROのストラクではこのカードで手札から『チェンジ』速攻魔法カードを使おう! と書かれているが、
チェンジカードは基本的にHEROが対象のためこのカードが棒立ちになる。
《マスク・チェンジ・セカンド》の場合は伏せ除去を気にせずに戦闘にめっぽう強い《M・HERO 光牙》を出せるので悪くはないが、
そこまでしてこのカードを某立ちさせる必要があるかと言われれば……


《失楽の魔女》
効果モンスター
星4/闇属性/天使族/攻 100/守2000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「禁じられた」速攻魔法カード1枚を手札に加える。
(2):相手メインフェイズに、このカードをリリースして発動できる。
デッキから「失楽の魔女」以外の天使族・レベル4モンスター1体を特殊召喚する。

《失楽の聖女》が地上を彷徨った末と思われる姿。
神の力が抜けた為か闇属性に変化しているものの、効果からして神の聖遺物に対する執着がより増した姿と思われ、《魔女の一撃》のイラストからして自身を追放した神を逆恨みしている模様。

召喚時に「禁じられた」速攻魔法をサーチ出来る様になっており、《失楽の聖女》の時より使い勝手が向上している。
《失楽の聖女》の時と同じく相手に低攻撃力を晒す事になるが、(2)の効果でリリースして逃げつつ同名以外の☆4天使族をリクルート出来るので、タイミングが遅い事以外はそこまで気にはならない。
光属性を使ってこない相手には《閃光の結界像》、相手が召喚権を消費したタイミングで《オーロラ・アンギラス》を出すなどの妨害が可能。


なお、《魔女の一撃》をぶつけたものの神から返り討ちに遭ったのか《失落の魔女》は更に堕ち、とうとう神に敵対する堕天使となった。
神の忠告で神の両サイドに居た元同僚もいつの間にか仲間に引き込んでいる模様。逆恨みとは言えこの女の執念が恐ろしいのか、神がただ単に人望がないのか…


《禁じられた一滴》
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・フィールドから、
このカード以外のカードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。
その数だけ相手フィールドの効果モンスターを選ぶ。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が半分になり、効果は無効化される。
このカードの発動に対して、相手はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードと
元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を発動できない。


《失楽の堕天使》が《堕天使マスティマ》へ制裁を食らわしている様子。*1
今までの「禁じられた」シリーズと違い自分のカードをコストにする必要があるが、コストにした分だけ相手モンスターのみ効果無効・攻撃力半減と非常に強烈な効果を持ち、
更にコストにしたカードと同じ種類のカードを相手はチェーンできなくなる。
とは言え近年のデッキは複数のモンスターを並べてくるのが普通なのでコストは決して軽くなく汎用性は意外と低め。また、発動時にこちらが墓地に送ったカードより相手の効果モンスターの数が減ってしまった場合は不発となる点にも注意したい。

ただ、それを踏まえても対象を取らない複数体の効果を無効にできる速攻魔法(チェーン不可あり)という点は魅力的。例えばモンスターと罠をコストに混ぜれば《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》のような強力な効果モンスター複数体をカウンター罠に怯えずに無効化することができる。
またコストに関してもすでに発動したカードや墓地で発動する効果を持つカードを使う、サクリファイスエスケープに用いるなど、ディスアドバンテージを軽減することも可能。

ただし、コストが「墓地に送る」になっている都合上、一番撃ちたいタイプである《M・HERO ダーク・ロウ》などの墓地封じが立っていると使用不可能になるのが玉に瑕。




wiki上に表側表示で存在する項目1つを選択して発動できる。
ラグナロクまで、選択した項目の字数は400字アップし、荒らしは無効化される。


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最終更新:2025年04月24日 00:32

*1 堕天使の中で唯一翼が白く、堕天使の戒壇や神属の堕天使のイラストからして天界の神に仕える間諜の可能性が高い。そもそもマスティマの元ネタ自体、人間を害したり誘惑したりする事で神への忠誠心を試みる存在で「悪魔でありながら神に仕える存在」「天使でありながら人を惑わす存在」と言う異色の存在である。