ゴッドバードアタック(遊戯王OCG)

登録日:2021/01/13 Thu 00:12:46
更新日:2025/03/19 Wed 20:23:27
所要時間:約 8 分で読めます





レベルの低い者の足掻きも、そこまでだ


ゴッドバードアタック

通常罠
(1):自分フィールドの鳥獣族モンスター1体をリリースし、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

《ゴッドバードアタック》とは、「ENEMY OF JUSTICE」で登場した遊戯王OCGのカードである。
通称「ゴドバ」。

目次

概要

自分フィールドの鳥獣族モンスターをリリースすることで、フィールドのカードを条件問わずどれでも2枚破壊する。

カードの種類・表示形式に関係なく破壊できるため、面倒くさい永続効果から逃れたり
EXデッキのモンスターを召喚するために素材を並べたところで発動して展開を妨害したりと、活躍の幅は非常に広い。
極めて高い妨害能力を持っている一枚である。

このカードが登場したGX期は、カードプールの狭さもあって「鳥獣族は不遇種族」という今では考えられない評価がなされていた。
そんな中で優秀な妨害能力を備えたこのカードは「鳥獣族の確かな強み」としてカウントされるようになる。
直後に発売されたストラク「烈風の覇者」や翌年に登場した《風帝ライザー》の活躍もあり、鳥獣族という種族の発展に一役買っている。

時は流れて、アニメ5D'sが放映された時期。
極めて強力なデッキと恐れられた闇属性鳥獣族【BF】デッキが登場する。
ただでさえ高い展開力と戦闘能力を持っていたデッキであったが、
鳥獣族モンスターで構成されていたため《ゴッドバードアタック》による妨害まで会得してしまい、隙のないデッキに仕上がってしまった。

当時「BFをメタるのは無理」という評価もあったが、その大きな要因の一つにこのカードが挙げられる。
スキルドレイン》を始めとする永続メタカードはこのカードが突破でき、さりとてこのカードを止める《王宮のお触れ》を貼るとこちらのメタカードが止まる。*1
黒い旋風》で持ってきた下級アタッカーで殴りつつ、隙があれば《ゴッドバードアタック》を撃ってれば大概の布陣は突破できるので「致命的なメタカード」と呼べるものがなかったのだ。

そうしたこともあって、一時期は準制限カードにも指定されていた程である。
(ただし【BF】に対する過剰規制と判断されたのか、早い段階で無制限に戻っている)


そうした非常に便利な効果ではあるものの、以下の欠点もある。

1.無効にされた時の損害が大きい
このカードは自分のカード2枚(《ゴッドバードアタック》とコストの鳥獣族)を失う代わりに相手のカードを破壊する効果だが、
効果を無効にされると破壊もできずコストの払い損で2枚のカードを失う大損害を被ってしまう。
そのため除去カードでありながら、事前に伏せてある罠カードにビビるジレンマを抱えている。

2.必ず2枚破壊しないといけない
このカードを発動するからには、相手のフィールドにカードが1枚しかなくてもピッタリ2枚のカードを必ず対象にしないといけない。
そのため相手のカードが2枚未満の時は、自分のカードを破壊しないといけなくなる。

3.発動には《ゴッドバードアタック》と鳥獣族がそれぞれ必要
つまりどちらかが欠けると発動できなくなるので、「発動前に除去される」方法で発動を阻止されやすい。
また発動条件があるということは、必要なカードが揃わず腐るリスクもある。
特に肝心の《ゴッドバードアタック》が《トラップトリック》くらいしかサーチ手段がないこともあり、こうした懸念が付きまとう。


時が経つにつれてこうした欠点を無視できなくなり、今では採用率は減っている。
とは言っても弱くなったわけではなく、或いはEXデッキへの依存度が上がったことで妨害能力は更に高まっている。

アニメでの活躍



お前を「死の風」から守る壁は消えている!

シムルグの効果で、完全に終わりだなッ!!

遊戯王GX 132話』の「十代vsバードマン」戦にてバードマンが使用。
《トルネード・バード》をリリースし、十代のセットカード《融合》《フェイク・ヒーロー》を破壊することで《神鳥シムルグ》の効果をアシスト。
更に「このターン中に破壊されたカードの枚数×500」の効果ダメージを発生させる罠カード《エクスプロージョン・ウィング》の大ダメージに繋げる活躍を見せた。

その他、『遊戯王ZEXAL』では観月小鳥のデッキ(エースは天使族)になぜか搭載されていた。名前ネタ?


おまけ・類似カード

「自分フィールドの特定の種族のモンスターと引き換えに、複数枚除去を行う罠カード」という括りで以下のカードを挙げる。

毒蛇の供物

通常罠
(1):自分フィールドの爬虫類族モンスター1体と、相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
その自分の爬虫類族モンスター1体と、その相手のカード2枚を破壊する。

「PHANTOM DARKNESS」で登場。
こちらは自分の爬虫類族を捧げる。

《ゴッドバードアタック》と同じ2:2交換だが、大きな違いは自分の爬虫類族モンスターも効果で破壊する点。
無効にされても《ゴッドバードアタック》と違ってモンスターは犠牲にならずに済む。
そしてこれを活かして、例えば《ラミア》の効果を受けた爬虫類族モンスターや、効果で破壊されない《レプティレス・メルジーヌ》を対象にすることで
自分のカードは破壊されず、相手のカードだけを破壊する1:2交換が可能になる。
他には《エーリアン・ソルジャー M/フレーム》等の「破壊された」ことをトリガーにした効果を発動させることもできる。
イラストに描かれている《毒蛇王ヴェノミノン》も破壊されることで《蛇神降臨》のトリガーになり、《毒蛇神ヴェノミナーガ》を特殊召喚できる。
《毒蛇王ヴェノミノン》の属する【ヴェノム】とは比べるのも烏滸がましいくらいの利便性を持っている。

ただし自分の爬虫類族を「コストでリリース」ではなく「効果で破壊」するばかりに不都合な問題も露わになっている。
それは「効果解決時に破壊するはずのカードが一つでも欠けると一切破壊できなくなる」という部分。
つまり《毒蛇の供物》にチェーンして(破壊対象となる相手のカードのみならず)自分の爬虫類族を除去される、
或いは《月の書》で裏側守備表示にされる、《DNA改造手術》で爬虫類族以外の種族に変更されるなど
このカードを不発にさせる方法が《ゴッドバードアタック》以上に存在している。



E.M.R.

通常罠
(1):自分フィールドの機械族モンスター1体をリリースし、
リリースしたモンスターの元々の攻撃力1000につき1枚まで、フィールドのカードを対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

「BLAZING VORTEX」にて登場。
エンタメイト」ではなく、「エレクトロ・マグネティック・レールガン」と読む。
こちらは機械族をリリースする。

他のカードと異なり、破壊枚数は不定で「リリースする機械族の攻撃力」にて決定され、場合によっては大量除去も可能。
破壊枚数は「まで」なので暴発の危険も少なく、機械族モンスターは元々ステータスに恵まれているものが多いため使い勝手は悪くない。
破壊枚数を決めるのは「元々の攻撃力」なので、何らかの効果で攻撃力が下がっていても破壊枚数が減ることはない。
例えば妥協召喚した《深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト》を使っても3枚破壊できる。
アド損にならない2:2交換は攻撃力2000以上のモンスターが必要になるが
それでも《サイバー・ドラゴン》や《ギアギガントX》など出しやすく使いやすいモンスターがいる。
ドライトロン」儀式モンスターであれば最大2:4交換が可能となり、
更に墓地からも降臨させられる性質上、リリースした後でもう一度降臨させ直すといった芸当も可能。

とはいえ、攻撃力2000未満のモンスターをリリースするとアド損になる(攻撃力1000未満だとそもそもリリースに選べない)という欠点はさすがに小さくはない。
手間をかけて出した攻撃力2000以上のモンスターでは気軽にリリースするわけにはいかず、腐るリスクは《ゴッドバードアタック》よりずっと高くなってしまう。
実質的には上記のカードのような妥協召喚などで「攻撃力2000以上の機械族を気軽に供給できるため《ゴッドバードアタック》感覚で使える」デッキ専用のカードと言える。


崩界の守護竜

通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのドラゴン族モンスター1体をリリースし、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

「SAVAGE STRIKE」にて登場。
こちらはドラゴン族をリリースする。

遊戯王トップクラスの数と力を備えている種族なので使用する機会は多い…かというと案外そうでもない。
十分な展開力を活かした盤石の盤面を構えられるだけのパワーを元から持っている種族なので
「別に弱いとは言わないけど、ドローしないと使えないコレをわざわざ使う場面が無い…」という状況になりかねないくらいなのである。

リリースされることで効果のトリガーになる【聖刻】であれば一考の余地はあるが
主要な展開を終えた後にリリース用の「聖刻」モンスターがフィールドに残っているかは別の話。


相剣暗転

通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの幻竜族モンスター1体と相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):このカードが除外された場合に発動できる。
自分フィールドに「相剣トークン」(幻竜族・チューナー・水・星4・攻/守0)1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したトークンが存在する限り、自分はSモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

「BURST OF DESTINY」にて登場。
自分の幻竜族と引き換えに破壊効果を発動。

《毒蛇の供物》と同様に自分のカードを破壊する効果なので、「破壊された時」をトリガーにする効果や破壊耐性を持ったカードと組み合わせた運用が可能になる。
更に《毒蛇の供物》の泣き所だった「効果処理時に破壊対象が一つでも欠けると効果が適用されない」弱点が改善されているのも嬉しい。
このカードが除外された時にトークンを生成する第二の効果もあるので、仮に破壊効果を狙えなくても腐ることがない。

最大の特徴は、このカードが「相剣」カテゴリーに属していること。
そのため《相剣大師-赤霄》を始めとするサーチ・除外手段が存在している。
また破壊対象に《相剣大公-承影》を選ぶことで、自身の効果で《相剣大公-承影》は破壊を免れつつ
その際の墓地除外による「相剣」魔法・罠カードの効果に繋げ、更に追加で相手のカードを除外するまでのアドバンテージを稼ぐこともできる。
「《トラップトリック》以外に使いやすいサーチ手段が存在する」点は大きく、安定して戦術に組み込むことが可能。
その《トラップトリック》も、デッキからセットと除外を一手に行えるので相性が良い。


ヴァーチュ・ストリーム

通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの魚族海竜族水族モンスター1体と相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):墓地のこのカードを除外し、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターが水属性の場合、このターン、対象のモンスターは1度だけ効果では破壊されない。
それ以外の場合、対象のモンスターは水属性になる。

「RAGE OF THE ABYSS」にて登場。
自分の魚族・海竜族・水族と引き換えに破壊効果を発動。この手のカードにしては珍しく3種族に対応している。

こちらも《毒蛇の供物》と同様に「破壊された時」をトリガーにする効果や破壊耐性を持ったカードと組み合わせた運用が可能で、更に《相剣暗転》と同じく《毒蛇の供物》の弱点が克服されている。

最大の特徴は、このカードが《リヴァーチュ・ドラゴン》でサーチ可能であること。 《リヴァーチュ・ドラゴン》自身が海竜族なのでそのまま発動条件を満たせるのも大きい。
オマケにサーチ効果は特殊召喚時に発動するため、1枚目で破壊した《リヴァーチュ・ドラゴン》を蘇生させて2枚目を確保する、と言った動きが出来る。

更に墓地効果で水属性モンスターに1度だけの効果破壊耐性を付与出来るため、使用後も水属性の魚族・海竜族・水族に付与して相手だけ2枚破壊と言うコンボに繋げられるのも便利。


オメガの裁き

通常罠
(1):自分の魔法&罠ゾーンの表側表示のモンスターカード1枚と相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

「WORLD PREMIERE PACK 2022」にて登場。
「特定種族」ではないが、自分のカードを巻き込む2:2交換除去ということでこれも記載する。
要求するのが「魔法・罠ゾーンのモンスターカード」とやや特殊で、宝玉獣やPモンスターなど「永続魔法・装備魔法・永続罠扱いになれるカード」が必要になる。
《サクリファイス》系統とコンボすれば吸収効果と合わせて実質1:3交換となり、対象にした自分のカードは特殊召喚すれば破壊を回避できるため、
この系統ではそれなりに応用性が高い一枚である。

元々は海外先行カードであったが、来日して与えられた日本語名はデュエルターミナル11弾のタイトルとなっている。
看板モンスターの《ヴァイロン・オメガ》を切り札とするヴァイロンは装備魔法になれるモンスターを多数擁するため、イラスト・効果も両方マッチしている。


次に追記修正されるときは、より高いレベルの記事になることを期待するのだな。



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最終更新:2025年03月19日 20:23

*1 妨害系手札誘発はヴェーラーとクロウ程度、さらに今ではメジャーな「カウンター効果搭載のフィニッシャー」もいない時代であり、妨害は罠か速攻魔法が基本だった