登録日:2015/12/12 Sat 01:48:01
更新日:2024/12/16 Mon 12:01:55
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AC195年――
宇宙に進出した人々は、大いなる戦乱の後に恒久的平和を勝ち取った
そして終戦の日から1ヶ月後…地球圏統一国家は全世界規模、まさに人類史上最大の平和記念式典を開催したのだった…
しかし、その頃…
作品の評判なのだが、一言で言うと致命的に知名度が低い。
大事な事なので2回言いました。
本作が掲載されている書籍自体も知名度が低いマイナーな代物であり、現在はほぼ絶版の状態。
そのせいか、スパロボはもちろんであるが、Gジェネにすら参戦していない。
【ストーリー】
アフターコロニー196年。来るべき地球への宣戦布告に向けて、ロームフェラ財団の戦争推進派陣営は、かつてアフターコロニー195年で活躍した5機のガンダムのデータを元にそれらの派生型と呼べるMSの開発を行っていた。
だがそんな時、来るべき地球への宣戦布告に向けて戦力を整えつつあるマリーメイア軍の少年少女で構成された『新教聖歌隊』に所属する少女、ティエル・ノンブルーが、仲間達と共に行方不明の兄を探す為、量産型のガンダムを奪取する。
【用語】
ロームフェラ財団の戦争推進派陣営が極秘に開発していたMS。
前大戦時に活躍した5体のガンダムを原型として終戦直前に生産されていた。
ウィングとヘビーアームズの場合は原型の一部をオミットした
量産機らしいデザインなのだが、残りの3体はのちの
ガンダムビルドファイターズを彷彿させるワンオフのカスタム機のような機体に仕上がっている。
ヒイロ達が知ったら、真っ先にブッ壊しに行きそうである(笑)
主人公が所属していたマリーメイア軍の特殊部隊。
その名の通り、聖歌隊のガウンのような白と黒を基調とした制服が特徴。
少年少女で構成されているが、作中で登場したのはティエルとクルングの2人のみで他のメンバーについては詳細不明である。
ラグランジュポイントをさ迷う大戦中の兵器が集まって形勢された小惑星のような廃棄プラント。
そこには開発に失敗した兵器や試作MSが眠っており、
G-UNITシステムを搭載した機種にとっては格好の緊急改造工場にもなる。
【登場人物】
「お願い、ガンダム あたしを“戦士の墓”へ連れていって!」
本作の主人公。14歳。
新教聖歌隊の一員であり、典型的なブラコンの妹キャラである。
行方不明になった兄のカールを探す為に聖歌隊を抜け出してX-1872コロニーの格納庫にあったウイングガンダムセラフィムに乗り込み、兄がいる“戦士の墓”へと向かった。
元OZ宇宙軍兵士の青年。17歳のロシア人。
左手の負傷で退役していたが、戦友だったカールの行方を追う為、ティエルと共に量産型ガンダムを奪取した。
物語が開始する以前はティエルにMSの操縦を教えていた。
ティエルに思いを寄せており、追手のと刺し違えた今はの際に告白する。
「あっきれた! 軍事プラントつぶして聖歌隊のコンサートホール作りましただって! 全然ウソ!」
ティエルの幼馴染。彼女からは「クルン」と呼ばれている。
ティエルと同じ新教聖歌隊の一員であるタイ系の
褐色娘。15歳。
本作におけるムードメーカー。
「ごめんね、ごめんね、ティエル…これもマリーメイア様が世界の頂点に立つためなの…」
彼女の正体は決起を目論むマリーメイア軍創設の為の工作員であり、ティエルの知らないところで接触していた
デキム・バートンの思想に深く共鳴していたのであった。
トライノイが操縦を教えたのはティエルだけで、にもかかわらず彼女まで操縦していることから彼に疑われていることを知り、
唐突な形で本性を露わした後は仲間であったティエルに襲いかかったが、
ゼロシステムが起動したセラフィムの自己防衛で返り討ちにされて戦死した。
彼女もまた、のちのEWの本編で
トロワが語ったような
「己の存在意義をデキムの口車で踊らされた者」の1人だったのかもしれない。
「財団の暗部を知る民衆なんてイレギュラーなんだよ!!」
ロームフェラ財団に所属している女パイロット。
「
常識外」というものを極度に嫌っており、ロームフェラ財団の暗部である量産型ガンダムに接触したティエル達に襲いかかる。
ベリーショートと口元に付けた
ピアスが特徴でおまけに
巨乳。
…なのだが、
作画ミスしたんじゃないかってくらい男前で、むしろボーイッシュを通り越して胸以外は男にしか見えない。
ロームフェラ財団に所属しているパイロット。ある意味本作一番の被害者。
セミスと共にティエル達と敵対する。
ちなみに全編通して声のみの登場で姿を確認できず、それどころかセリフが上記の一言のみという不遇っぷり。
2人でさ…本当に平和な世界を作ろうよ…
戦いを起こすのは人類…人類のいない世界を…ゼロも協力してくれるって…
失踪する前はゼロシステム試験機であるガンダムルシフェルのテストパイロットを務めていたが、機体に搭載された「ゼロシステムVer2.0」はパイロットの目的に対して出した解答を強制的に精神へフィードバックして洗脳してしまう危険な欠陥プログラムであり、平和を愛するカールに出した解答は、
戦争を起こす生物の完全抹殺だったのだ。
……と、ここまで書くと本作のラスボス的なキャラと言えるが、乗っている機体のせいで読者から見れば、
ただの厨二病の引きこもりに成り下がっているとしか言いようがない。
そして、最後は戦士の墓で再会した妹のティエルの手で機体が大破、ゼロシステムを停止させられて無事に救助された。
【登場機体】
量産型ガンダムの1体で、ティエルの乗機。
詳細は項目参照。
トライノイの乗機である首都防衛用の砲撃機。
大戦時に量産されながら、実戦配備されなかった
ヘビーアームズの
量産機。
長距離移動の必要がないという理由で頭部のブレードアンテナがオミットされている。
見た目がぶっちゃけV字アンテナの無い
アーリー版ヘビーアームズ。
(この当時アーリー版はまだ描かれておらず、頭を大きく見せるための配色だったようだが)
クルングの乗機である白い
アルトロン。名称のティエンロンは「天龍」を意味する。
太陽光が直撃する戦場でも戦えるように開発されたシェンロンの
量産機であり、全身が光熱反射材で構成されている、
外見的にEW版アルトロンをベースにしているようであるが、両肩アーマーがTV版アルトロンになっており、折りたたみ式アームの先にEW版のドラゴンハングとアームブロックが接続されている。
また、本機に搭載されたゼロシステムの応用で
モビルドールを遠隔操作できる。ぶっちゃけ
Gビットが使えるアルトロンと言える。
マリーメイア軍の試験型モビルドール。ぶっちゃけティエンロン用のGビット。
本来は有人操作が基本の機体であるが、“戦士の墓”の調査のためにあえて無人仕様にしている。
見た目が緑色の
サーペントといった感じで両腕の付け根には
ヒートロッドらしきアームが付いている。
頭は
ヴァイエイト/メリクリウスで、胴体と頭の両方に
ミサイルが装備された構造になっている。
ちなみに本機の名称は「山羊座」を意味しているが、TV版にも同じく山羊座の意味を冠したトラゴスというMSが登場している。
セミスの乗機。
デスサイズヘルの量産化を目的に開発されたMS。
全身にプリズム粒子がコーティングされており、標的から見た角度に対してのみ、装甲の構成面レベルで自機の姿を完全に消す事ができる。…つまり
光学迷彩のようなものである。
全体的にEW版デスサイズヘルをベースにしているが、同機と同じ黒を基調としながらところどころの部分が赤で胸のアーマーが白く塗られており、頭部がTV版デスサイズヘルのものに差し替えられている。
最大の特徴は背中から腰サイドアーマーに移植されたアクティブクロークであり、デスサイズヘルが
「悪魔の翼をマントのように羽織った死神」なら、
デスサイズギルティは
「悪魔の翼をローブのように纏った断罪者」と言ったところか。
ちなみにキットの作例とコミックのカラーリングがかなり異なっており、キットでは黒であるのに対し、コミックではワインレッドになっていた。
ドッペルトの乗機。
ガンダムサンドロックの量産化を前提に開発された量産型MS。
見た目がヒートショーテルとバックパックをそのまま腕部に移植したEW版サンドロックであるが、機体色がブラウンと黄土色を基調としたデザインは
マグアナックを彷彿させる。
最大の特徴はヒートショーテルの代わりに装備されたハイコールドショーテルというメイン武装。
その名の通り、攻撃対象の装甲を
絶対零度に凍らせて一切の柔軟性を奪って破壊するという奇しくもサンドロックのヒートショーテルと対極を為すトンデモ武器。
また、素手による格闘戦でも高い性能を発揮する。
ティエル達との戦闘で戦死の墓に墜落したセミスが、
ハイドラガンダムの試験用パーツをサルベージして緊急チューンナップした改造機。
デスサイズギルティにハイドラの肩アーマーが移植され、更にウイングパーツ(キットの作例ではハイドラのサイド―マーを流用)がもう2枚追加された。
肩アーマーに装備されたショルダークローにより、射撃戦にも対応できるようになり、その姿は「4枚の翼と4本の腕を生やした悪魔」を思わせる。
最期はデリンジャーアームズと相打ちする形でサンドレオンと共に爆散した。
ティエル達との戦闘で戦死の墓に墜落したドッペルトが、
ガンダムアスクレプオスの試験用パーツをサルベージして緊急チューンナップした改造機
サンドレオンにアスクレプオスの肩アーマーと足が移植されており、デスサイズギルティカスタムと比べるとやっつけ感漂う外見である。
格闘戦モードには変形できないが、肩部のラピッドショットで射撃戦にも対応できる。…つーか、ハイコールドショーテルが邪魔になってるし。
上述の通り、最期はデリンジャーアームズとの相打ちで爆散した。
ゼロシステムVer2.0が搭載された「セラフィムの量産
試作機」とも言えるMS。
本作の
ラスボス的な機体であるが、作中ではただのマトと化している。
詳細は項目参照。
我慢して、お兄ちゃん!
その項目、追記・修正してあげる!!
- 色々アラはあったよねw そういうの含めてビルドファイターズ向けな本だったよ -- 名無しさん (2015-12-12 09:51:50)
- 当時このコミックが厨二回路にギュンギュン来ちゃって買っちゃったんだよね俺w 正式なアーリータイプが発表される前にウィングガンダムのEW版(見た目はほとんどゼロカスの武装違い(大剣持ち))載せてたり、ある意味時代を先取りし過ぎた本だったのかも -- 名無しさん (2015-12-12 13:40:38)
- どうでもいいけど本文中の(笑)がくっそ気になるな… -- 名無しさん (2015-12-12 20:09:09)
- デスサイズギルティのプリズムコーティングはフローズン・ティアドロップに逆輸入された模様 -- 名無しさん (2015-12-13 22:17:52)
- 機体(ガンプラ)の部品が思いっきり使い回しにしか見えんが、MO-Vいや、Dr.ペルゲが機体データを横流ししたなら違和感が無いかも。 -- 名無しさん (2015-12-13 22:33:27)
- ティエル可愛い -- 名無しさん (2016-09-07 15:29:39)
- Gジェネに出してほしいな -- 名無しさん (2016-12-07 17:56:11)
- 当時めっちゃワクワクした思い出。この本もガンプラは自由だ、って趣旨で書いてたんだよな。 -- 名無しさん (2017-06-08 22:02:41)
- ヴァストレイの先輩みたいな感じか -- 名無しさん (2018-08-13 10:54:48)
- Gジェネクロスレイズに参戦したらどうなってたのだろうか -- 名無しさん (2019-11-10 18:12:04)
- Gジェネクロスレイズですら完全スルーされたあたりSATANAS 創世の闇とかコミックジャパン版G-UNITばりに忘れられてる気がする -- 名無しさん (2021-01-26 01:19:46)
- 消去法で考えるとディズヌフ・ノイエンハイムが一番怪しいんだよな。コロニー事情に精通しててバートン財団でもホワイトファングでもなく、ロームフェラ主流派(デルマイユとツバロフ)とも異なる派閥…Gユニット対応型だからペルゲも関わっている、と -- 名無しさん (2021-03-01 19:14:55)
最終更新:2024年12月16日 12:01