清原の悲劇(アイカツ!)

登録日:2016/03/23 Wed 05:00:00
更新日:2025/01/24 Fri 02:24:08
所要時間:約 3 分で読めます





女児アニメにはかつて様々な逸話が存在してきた……

ミンキーモモやマイメロディの最終回では地震が発生し……

カードキャプターさくらでは単独項目にまでなった武蔵丸の悲劇が起こり……

そして今、女児アニメの世界に新たな逸話が刻まれた



「清原の悲劇」


清原の悲劇とは、『アイカツ!』176話「いばらの女王」放送中に起きた悲劇である。


▽目次

【経緯】


2016年3月17日の夕方、現実社会とアニメ「アイカツ!」内で二つの出来事がまったく関係なしに起きていた。

現実社会のほうで起きていたのは、「清原和博の保釈」
少し前に違法薬物所持で逮捕されていた野球界のレジェンドである清原氏が保釈されるということで、「テレ東以外」のテレビ局は全て生中継に切り替え、
保釈された彼の動向を一挙一投足カメラを回して見守っていた。

そのテレ東が何をしていたかといえば、「通常通りのアイカツ!の放送」である。
この時アイカツ!は最終回に向けてスターライトクイーンカップという大会が開催されて盛り上がっていた。
特にこの回のAパートでは数話に渡って暫定1位を死守してきた紅林珠璃が彼女の一番の親友である新条ひなきの渾身のライブによって1位の座を奪われて
「心から喜ぶ」というドラマチックな展開が起き、女児とアイカツおじさんたちは「尊い……ひな珠璃の絆尊い……」と感動の涙を流していた。

そして迎えたBパートではいよいよスターライトクイーンの本命と目される氷上スミレのライブが始まろうとしていた。
彼女は登場当初から主人公のあかりたちと一線を画する「実力者」として描かれ(昨年のスターライトクイーンカップで一回戦落ちしたのは見なかったことにしよう)
これまで似たようなパターンを見てきたアイカツおじさんたちも「これは圧倒的なパフォーマンスを見せますわ」「スミレママがプレッシャーなんかに負けるわけねーだろ!」
「これはスミレが理論上最高得点を出したところであかりがスペシャルアピールドリームを出して計測不能になって優勝する流れだな」
と、ひなきの得点を遥かに上回って暫定1位の座を奪取し、あかりに負けることを誰もが疑わなかった。

出会うはずのなかった二つの出来事が、不幸な出会いを果たそうとしていた……。


【その時テロップは動いた】

ついに迎えたスミレのライブ。曲はこの回のタイトルにもなった「いばらの女王」
期待に違わず素晴らしいダンスを見せるスミレ、だがそのライブにはどことなく不穏な空気が漂っていた……。

いよいよ得点を左右する最大の要素である「スペシャルアピール」を出す時が近づいた、その時。





TXNニュース速報

清原和博被告が保釈され警視庁本部を出た。逮捕以来44日ぶり





最大の見せ場となる場面で空気を読まずにテロップが入ったのである。
これには女児も保護者もアイカツおじさん・おばさんたちも狼狽し、「おいやめろ」という声が実況勢から上がる。
だが本当の悲劇はその直後に待っていた。




テロップが流れたその直後、スミレは尻もちをついてスペシャルアピールを失敗したのだ。




どう見ても「急にテロップが出たことによりスミレが動揺しスペシャルアピールを失敗した」ようにしか見えない奇跡的なタイミングであった。
そしてアイカツ!176話は気まずい雰囲気が流れたまま放送を終え、明るいEDが空しく響くのだった。


【反響】

当然のごとく実況は大荒れ。「スミレママーーー!」「なんてことだ……なんてことだ……」「清原絶対許さねぇ!(フルーツ武者顔)」
とガチで憤慨する者とネタで騒ぐ者が入り混じり、放送が終わってもしばらくの間大騒ぎとなった。
アイカツ!の監督である木村監督も本放送こそ見ていなかったものの今回の出来事を受けて「清原……」とつぶやく事態に。

一方メディアによる報道では、今回の事態に対する認識の度合いの違いが浮き彫りとなった。
放送翌日のスポーツ新聞では「スミレのスペシャルアピールが清原のせいで失敗したように見えたためアイカツおじさんたちが憤慨」と正確に今回の事態を報道したものがあった一方で、
某ネットニュースサイトは「アニメにテロップが入ったため苦情殺到」と表面的なことしか書かず、アイカツおじさんへの偏見が目立った。

だが問題の本質は「あのテレ東がアニメに特に緊急を要さないようなテロップを入れた」ということであり、ひいては他局にも言える問題である。
近年増えているこうした過剰なテロップ問題に一石を投じたという意味で、この出来事は重要な事件……なのかもしれない。
また逆に言えばこんな漫画が描かれるほど当時の世代にとって清原氏の存在が大きかった、ということでもある。


【余談】

実はこのタイミングでテロップが入ったのはテレビ東京「だけ」であり、他のテレ東系列局はテロップの表示時間がズレたことで今回の悲劇を回避していた。

スミレが「いばらの女王」のライブを行ったステージには女神像が設置されてあるのだが、以前のライブではスミレの背後で見守るような配置だったのに対しこの回では逆方向、向かい合うような位置に存在していた。
これはその後起きるスミレのライブ失敗を暗示していた演出なのではないかと言われている。まさかアニメの外でこんな事が起きるとは思っていなかっただろうが


後の2020年、バンダイのTCGバトルスピリッツに、アイカツ!コラボカードとして『[ブルーエンプレスコーデ]氷上スミレ』が登場。
あかジェネコラボ専用効果『フィーバーアピール』をこのカードも持っており、イラストもカード名の通りのブルーエンプレスコーデ…スターライトクイーンカップでスミレが使用したコーデである。
アタックした際にデッキの一番上のカードを破棄し、それがコスト2/4/7のカード(アイカツコラボでルミナスをはじめあかジェネ勢に割り振られているコスト帯)のカードであればライフダメージが発揮。
さらに続く『フィーバーアピール』で同じ条件をクリアすれば相手の使用できるコア(コストのようなもの)を大幅に削ってゲームエンドを狙いにいける。
しかし、もしも『フィーバーアピール』の判定に失敗した場合はスミレ自身のコアがボイドに送られるという痛烈なデメリットが発生してしまうというハイリスクな一面を持っているカードでもある。
フィーバーアピールを含めアピールにこのような判定を用意されているのはこのスミレのみ。原作ネタの再現に定評のあるバトスピコラボだが、元ネタはこの項目で解説されている通りの出来事で間違いないだろう…。

単独では運任せだが、他のカードでサポートすればフィーバーアピールを確実に成功させることができる。ファンなら是非とも「清原の悲劇」を乗り越え、運命を覆したい。




追記・修正は突然のトラブルにも尻もちをつかない人にお願いします。

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最終更新:2025年01月24日 02:24