バンディット(ニンジャスレイヤー)

登録日:2016/05/12 (木曜日) 22:15:00
更新日:2025/01/18 Sat 19:13:37
所要時間:約 5 分で読めます




バンディットとは、Web小説ニンジャスレイヤーの登場人物である。
CV.広瀬淳


概要

暗黒メガコーポ、『ソウカイヤ』の組織である『ソウカイ・シックスゲイツ』の一人であり、斥候ニンジャとして動いている。
ソウカイ・シックスゲイツとは『ソウカイヤ』における威力担当部門のことを指すが、
バンディット=サンはさらにその中でも、ラオモト・カンから選ばれた、ソウカイヤの最高幹部「ソウカイ・シックスゲイツの六人」の一忍である。

ソウカイ・シックスゲイツの六人」はソウカイヤにおける最高幹部というだけあり、その構成員は油断ならない実力者が多数存在する。
ネオサイタマ最強のハッカーニンジャであるダイダロス=サン
最盛期にはキョートの一大ニンジャ組織ザイバツの大幹部と互角の勝負を演じたインターラプター=サン、
半身不随で車椅子での移動を余儀なくされている身でありながら、危険なジツを使いこなすビホルダー=サンなどなど…。

また、六人かどうかの描写はないものの、シックスゲイツの中には危険なスカウト任務をこなす元ヤクザのソニックブーム=サンなど名だたるニンジャも所属している。

そんなヤバイ級のニンジャが揃うソウカイ・シックスゲイツ、その中でも精鋭中の精鋭である六人に選ばれたバンディット=サンの実力も自然とうかがえるものである。


特徴

ニンジャ装束の色は。カタナを武器として扱う。

ニンジャソウルによるユニーク・ジツ(特殊能力)は常人の三倍近いニンジャ脚力
三倍といっても単に走る速さが三倍になるだけではない。
筋力とは筋肉の断面積に比例する。もし3倍になるならば足の直径は1.73倍。
これが全身に及ぶとしたら身長も1.73倍、体重はその3乗の5.19倍になる。

もしPCの前の貴方が身長170cm、体重65kgだった場合、バンディットの能力は見た目は貴方と同じでもその強さは身長3m、体重340kgの大巨漢と同等。
一般人では歯が立たずあっという間にネギトロとされるだろう…(*1)

三倍の脚力を生かした「ビルからビルへ飛び移っての奇襲攻撃、スリケンの正確な命中」という戦い方が彼の得意分野だと物理書籍の解説で語られた。


活躍

作中では『レイジ・アゲインスト・トーフ』にて登場。
「ニンジャスレイヤーの調査及び暗殺」と「企業襲撃計画のマキモノ(書類)輸送」という重大な任務二つ同時に行っていた。

輸送中にニンジャスレイヤー=サンと遭遇、交戦する。
彼の殺気にも怯まず攻撃を仕掛けようとするも、惜しくも及ばず敗北する。

だが、情報を求めるニンジャスレイヤー=サンに屈する事無く彼は迷わず自爆
その身を挺してソウカイヤの機密情報を守る、それが彼の最後の行動だった。


出番こそ少ないが、強豪揃う初期シックスゲイツの六人の一員であること、そして作中での行動から多くのヘッズ(読者)の記憶に残るニンジャであった。



追記・修正お願いします




















   *   *
 *   + 欺瞞!
  n ∧___∧ n
+ (ヨ(*▼(忍殺)▼)E)
   Y    Y 



「何故俺の名を? 貴様は、もしや、ニンジャスレイヤー=サン!」



バンディットとはニンジャスレイヤーに登場するニンジャである。
そして作品屈指の情けないニンジャである。

シックスゲイツ所属は本当、斥候ニンジャなのも本当。


ただし、弱い。
とにかく弱い。


とんでなく弱い。


ではどれだけ弱いのかを見ていこう。


ニンジャ真実

輸送中に尾行されていることを悟り、不安を抱きながらも路地裏に移動。
が、そこでニンジャスレイヤーと遭遇する。
お互いアイサツを済ませ、戦闘態勢に入る…


~~~~~~~~~ここまでがバンディット=サン全盛期~~~~~~~~~









ニンジャスレイヤーに己の名前を当てられ、驚愕するバンディット。
上記のセリフを吐いたとたん…


バンディットが驚きとともに声を発した瞬間、気勢とともにニンジャスレイヤーの右腕がムチのようにしなり、目にも止まらぬ速度で2枚のスリケンが射出された。
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
スリケンがバンディットの両目に突き刺さる! 両目から血が噴出した!


ビビったせいでいきなり致命傷。
なんとか反撃しようとするも、努力虚しく股間にもスリケンを刺され満身創痍


瀕死のバンディットにニンジャスレイヤーは容赦なく拷問(インタビュー)しようとするが、機密保持のためにそのまま敢え無く爆発四散
マキモノごと消し炭になった…
















と思いきやマキモノはバッチリ残っていた
情報を得たニンジャスレイヤーは次の標的を狩るべく闇へ消えていった…


以上がバンディットの活躍(?)である。

威力担当部門のシックスゲイツ、さらにその中でも精鋭中の精鋭である六人において、群を抜いた弱さを見せたことでヘッズのニューロンには強く刻まれることとなった。

個別の能力を見ていくとしても、特徴である「三倍の脚力」も微妙。上記の解説だけ見れば確かに凄い。
が、ニンジャにとってあの程度の能力は朝飯前である。
走って車に追いつく、目視で弾丸を避ける、素手で人間の首を紙切れのように引きちぎるなどの怪物めいた強さ程度はニンジャにとっては基本的なスペックであり、それをわざわざユニーク・ジツ扱いで記すほどのものではない。
しかも「常人」とあるが、この言葉が一般人を指すかニンジャを指すかで大きく意味合いが異なる。
後者ならまぁ確かに強いだろう。前者だった場合はニンジャになってようやく3倍ということになる。もしかして前者だったんじゃ…?

ついでにこの能力持ちのニンジャは後々割と出てくる
別のユニーク・ジツも持ってるニンジャまでいる。
というか大抵3倍の脚力=噛ませの法則が成り立ってしまう。通称三倍族味方レギュラーであるディテクティブが持っていたりもするが。

さらにさらに上記の得意戦法も自分から路地裏に移って不利になった結果、全く生かすことは無かった。悉く噛み合わない…

彼の役割である斥候も、ニンジャスレイヤーにあっさり見つかってる時点で優秀とは言いがたい。
もしかしたらここで三倍の脚力を活かしてたのかもしれないがその結果がアレである。
止めとばかりに、最後の爆発四散も、機密保持でもなんでもなくただ死んだから爆発しただけで、機密保持というのはニンジャスレイヤーの勘違いという始末。
彼は「使い捨ての効く便利なニンジャ」扱いだったのかもしれない…


以上の様に作中の描写が全てマイナスになっている。
その清々しいまでのサンシタっぷりから、ヘッズからの人気はむしろ高い。
日夜バンディットについて議論がなされている…かもしれない

なお、情けないことこの上ないバンディットだが、彼よりも弱いニンジャもそれなりに存在する。
例えば第3部のあるエピソードに登場したニンジャ「スカラムーシュ」はその活躍から人気のあるゲストキャラだったが、公式に「バンディットよりも弱い」と言及されている。
実際バンディットが弱すぎるというよりは、ニンジャスレイヤーが強すぎるのだ。

また精鋭部隊シックスゲイツだが、バンディット以外の所属ニンジャ全てが精鋭・強敵かというとそういうわけでもない。
確かにインターラプターやヒュージシュリケン、フロストバイトといったニンジャは劇中でも屈指の恐るべきニンジャであった。
しかし両腕が蛇になっているという一芸をあっさり破られのたうち回ってスレイされた「コッカトリス」、丸くなって転がるしか能がないデブの「アルマジロ」、劇中では瞬殺、名鑑では「割とそれだけ」呼ばわりの「デビルフィッシュ」など、しょうもないニンジャも割といる。
てかデビルフィッシュやアルマジロら末期のシックスゲイツは、ニンジャスレイヤーの活躍でソウカイヤのニンジャの質が暴落していた時期のニンジャではあるので、そのサンシタっぷりは仕方ない面もある。
ソウカイヤの壊滅以降に登場したソウカイヤ出身のニンジャには、末期のシックスゲイツよりも強そうなニンジャもいるそこは触れないように。

メディア展開


物理書籍版

彼の登場するエピソオドーは記念すべき第一巻に収録されている。
そして第二部最終巻においてバンディット=サンは我々の想像を遥かに超えた再登場を果たすことになる。
今は多くは語らない、「キョート・ヘル・オン・アース(下)」を決断的に購入しよう。

ニンジャスレイヤー(キルズ)

漫画版ニンジャスレイヤー、「ニンジャスレイヤー殺」にも出演
「ネオヤクザ・フォー・セール」のプロローグ、エピローグに彼のエピソードが挿入されている。
プロローグでは「貴様の殺忍記録もここで打ち止めだ!!」と挑発。
原作よりカッコイイ!と評判である。




そしてエピローグでは両目にスリケンを受け爆発四散。僅か二コマの出来事だった…
ただしニンジャスレイヤーは結構なダメージを受けたような描写がなされており、
キルズでは描写が省かれただけで油断ならぬ強敵であった可能性が高いことを本忍の名誉のために書き残しておく。
なおエピソードにはキルズ得意のアレンジが為されており、マキモノの中身は「ドラゴン・ドージョー放火計画」を記していた。

ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン

問題作話題作のアニメ版にも登場。
第5話「レイジ・アゲインスト・トーフ」にて登場する。
カットが多いシヨンであるが、彼の出番は序盤の移動を除くとほぼカット無し
その優遇っぷりにヘッズたちは慄いた。

そんな好待遇の彼だが、出番はわずか30秒
流れるような殺戮であった…



なおスペシャル・エディシヨン版こと地上波放送時には尺の都合か丸々カットされるというオチがついた。
配信版を視聴していないニュービーや見逃したヘッズ諸君はBD版を決断的に購入だ!

【ニンジャマスターKAI】サツバツマキビシデュエル!!! 第1話「謎のデータ重箱」

2020年エイプリルフール企画。架空のホビー作品の主人公マスラダ・カイの持ちキャラだが、冒頭で爆発四散。
カイはカードの声が聴けるという設定があるため断末魔の叫びは各媒体版バンディット中でも最もカッコいいかも知れない。

余談

◆ニンジャネームのバンディット(Bandit)とは、山賊盗賊といった意味を持つ。
今一関連性が掴みづらいが、「盗賊のように素早く動き回る」ような意味合いか?
もしくは「創作であっけなく倒される盗賊めいたポジション」という意味かもしれない。


◆プロトタイプ版ニンジャスレイヤーでも登場。
本編とは設定が異なり、『ブンシン=ジュツを始めとする「ゲン」ジュツに長け、不意打ちを得意とする』ニンジャになっていた。

無論その能力を活かせることは無く、フジキドに背後から手刀で貫かれ、「反撃らしい反撃もできぬまま」インタビューを…
さらにそのインタビューも


(忍殺)<「情報を言え」
(`・ω・´;)<「言わない」
(忍殺)<「では殺す」
(´;ω;`)<「分かった言う」


というコントか何かと言いたくなるような流れ。
最終的には仲間であるウォーロックに口封じとして呪殺された。ナムアミダブツ!
ちなみに「もともとのボンド&モーゼズのプロトタイプにおいては、雑魚ニンジャは全てバンディットの色違いキャラのように処理されていた」ことを根拠に、
「えんため大賞 自作ゲーム部門 素材集」では※他のサンシタ・ニンジャの代用としても幅広く使用が可能だ。の文言が追記された。


追記・修正は何者かにつけられていないか確認してよろしくお願いし…




「Wasshoi!」












ただのサンシタがシックスゲイツに選ばれますか?
おかしいと思いませんか?あなた



実際、本編で描写された彼の活躍は上記の通りである。
だが、そんな彼は本来どのようなニンジャだったのか?
逆になぜシックスゲイツまで成り上がったニンジャがこれほどまで瞬殺されたのか?
それを紐解くことで、彼の新たな一面が明らかになる。


プロフィール

本名:ロク・スズガケ(鈴懸 六)。
危険生物ハンターの家に生まれ、彼自身もまたプロフェッショナルのハンターだった。
彼は時代と心境の変化により狩る相手を危険生物から裏社会のヤクザに変え、そのさなかにシノビ・ニンジャクランのグレーター級ソウルが憑依した。

ニンジャとなった彼は暗殺クエストを次々と成功させ、その難易度のエスカレーションの先に一つの依頼を受けた。
ラオモト・カンの暗殺である。
ラオモト・カンを風呂場でアンブッシュ殺することを試みたが、ニンジャでもあった彼に返り討ちに遭う。
その辛抱強さとプロフェッショナル精神を気に入ったラオモトは、ロクにバンディットの名を与えて重用。
バンディットもまた、ラオモトの強さに忠誠心を抱くことになった。
その経緯は、古事記に記されたシノビ・ニンジャによるカツ・ワンソー暗殺未遂にも符合するとも噂される。

戦闘スタイル

シノビ・ニンジャクランの隠密のワザとハンターとしてのフーリンカザンの知見を生かした斥候および暗殺を得意とする。
常人の三倍の脚力はステルス・ジツと組み合わせて急速接近からの攻撃にも使えるが、その本領はジツを保ちながら長距離の移動が可能な点にある。
また、彼のニンジャ装束は特注品であり、常人には扱えぬ仕様の光学迷彩によりステルス・ジツの発動を助けている。
加えて、彼はニンジャ第六感にも長けており、実際に遠方や地面からのアンブッシュに対応して無傷で切り抜けている。
万一ステルス・ジツを突破して近接戦闘のイクサとなったとしても、アサシネイト・ドーのワザマエにより並のニンジャならば寄せ付けない戦闘力を持つ。

ヒサツ・ワザ:ブラインドシャドウ

攻撃を仕掛けた相手にあえて接近、体当たりを仕掛けて相手の攻撃を無効化すると共に脇腹の横を通して相手にカタナを突き立てるヒサツ・ワザ。
相手は刺されるまでカタナの存在を認識できず、仕込みカタナと誤認したまま無惨に死ぬだろう。

メディア展開2(再評価後)


バトルグラウンド・サツ・バツ

本編とは別次元のストーリーで、本編で爆発四散したニンジャたちがバトルロイヤルを繰り広げる群像劇。
まさかの主人公格の一人に抜擢。本編では瞬殺されて明かされなかった彼の戦闘描写が現代準拠の高解像度で描かれる。
本編ではいいところのなかったバンディットだが、この次元のバンディットは本当に強い。
シックスゲイツの本領発揮である。

ニンジャスレイヤーTRPG

note版限定のサプリメントめいたコンテンツである、データ重箱にて実装。
同時に、彼の生い立ちもここで明かされた。
NPCとしての能力値は、ステルス・アンブッシュを生かしたワザマエ戦闘と4種類の移動に関するスキルによる高機動をハイブリッドしたニンジャ。
回避ダイスが多くステルス・ジツもあるので生存性は高く、シックスゲイツとして十分な強さを持っている。
電光石火を活かすために連続側転し、10マス以上移動するとステルスが解除されるのは禁句な

なぜバンディットは瞬殺されたのか?

そんなバンディット=サンだが、小説本編で瞬殺されたのは事実。
その理由については単にバンディットが弱かったからだけではないのは上述の通りだが、これについて詳しく考えていきたい。

ナラクのソウル感知との相性

バンディットを殺したのはもちろんニンジャスレイヤー、すなわちナラク・ニンジャの憑依者だが、バンディットとの相性は最悪の一言。
ナラク・ニンジャは邪悪なニンジャソウルを検知する能力に長けており、(第一部時点での技術では)ソウルの痕跡を消すことが難しいテックとのハイブリッドであるステルス・ジツはほぼ無にも等しい。
結果としてニンジャスレイヤーの追跡を撒けずに正面からイクサをする羽目になったのだ。
彼も正面でのイクサである程度戦えるワザマエは持っていたのだが……ニンジャスレイヤーがカラテモンスターであったことに加えて、他にも理由はある。後述。

憔悴によりフーリンカザンを捨てたこと

彼の強さはハンター時代に培われたフーリンカザンと我慢強さの2つに依るところも大きい。
だが、ニンジャスレイヤーはニンジャをどこまでも追跡して殺す狂人。彼よりも我慢強く、超長時間にわたって追跡されていたことは想像に難くない。
加えて、ステルス・ジツを看破されたことがプレッシャーとなっていたことも言及されている。確かに、第一部ではまだまだニンジャの数はそれほど多くなく、破られることはそれほど考慮せずにいられたのだろう。
結果として憔悴からフーリンカザンを得られぬバックストリートに降り立ち、スリケンの連射を受けて死んだのだ。

描写の解像度

最後はメタ的な話になるが、ニンジャスレイヤーという作品においてイクサがどの程度描写されるかは、そのエピソードや部のアトモスフィアに依存することが語られている。
これを公式側は解像度と読んでおり、第一部では特に描写の解像度が低く設定されていることが明言されている。
そしてバンディットが爆発四散したのは第一部の中でも『ゼロ・トレラント・サンスイ』の次、2番目に公開された『バックストリート・ニンジャ*1』。
あくまでニンジャスレイヤーの世界観紹介めいたエピソードだったのだ。



追記・修正はステルス・ジツを破ってからお願いします。

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最終更新:2025年01月18日 19:13

*1 『レイジ・アゲンスト・トーフ』の第2セクション。初出時は独立性の高い『バックストリート・ニンジャ』のみが先行公開され、他のセクションは後ほどの公開となった。