盗賊

登録日:2017/12/31 Sun 11:46:16
更新日:2024/03/20 Wed 19:14:11
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盗賊とは、いわゆる泥棒のことである。
特に窃盗・略奪行為を生業とし、集団で犯行に及ぶ者を指すことが多い。
主な活動拠点によって独自の名で呼ばれることもあり、例えば山を拠点としていたら山賊、海を拠点としていたら海賊
創作の世界では空を飛ぶ空賊や、宇宙で活動する宇宙海賊なんてのも。

創作作品では一人でも盗賊と名乗る(呼ばれる)例は多い。
基本的には英語の「thief(シーフ)」の訳語として使われる。


創作作品における盗賊

「ヒーロー的な盗賊」というのは古今東西意外と多数存在する。
代表的なのは義賊であるロビン・フッドやねずみ小僧だろう。

上記のような事情もあり、泥棒よりはファンタジー寄りかつ綺麗なイメージのある称号。
基本的には「泥棒」と呼んだら悪人であるが、「盗賊」と呼んだら善玉であることもある、という感じ。

没落した貴族や簒奪された王族が義賊に身をやつし活躍して名誉を取り戻すとか、
「盗賊とプリンセスの隠された恋」なんてのは使い古され過ぎた定番の展開である。

なお、「盗むこと」それ自体にロマンを感じるような劇場型盗賊だと怪盗になる。

多くの場合、盗賊は仕事の最中に心身両方で人を傷付けてしまうのを嫌う。
またあくまで狙うのは裕福な相手であり、貧しい者にも手出しはならぬとされている。
代表的なのが鬼平犯科帳などの、時代劇に登場する正統派の盗賊らに守られている「盗人三か条」の「犯さず、殺さず、盗まれて難儀する者には手を出すまじ」の言葉だろう。
これを破った盗賊は同業者から外道のレッテルを貼られ白眼視されるようになる。

中には単なる集団ではない組織として「盗賊ギルド」が存在する場合もある。
秘密結社的な場合も多いが、作品によっては公的機関である場合も*1

役割としては、メンバーの支援と管理。あるいは万が一の際の保護などの場合が多い。
それらの活動のために情報を多く集めているため、実質的な情報ギルドとして重宝されていたり、
他に情報ギルドが存在している場合は第二の情報ギルドと呼ばれることも。

他には勢力範囲の秩序を守るための治安維持活動を行っている場合もあったり(その派生として外交関係の問題に介入する場合も)、
所属メンバーを(シーフ技能を必要としている)依頼先に派遣する、などの例もある。

盗賊が盗賊ギルドに所属していない場合、官憲につかまっても助けてもらえなかったり、
逆に盗賊ギルド側から目の仇にされる場合もある。

盗賊と言ってもギルドに保護料等を支払っている商人・貴族・場所からは盗まなかったり、
利害関係が一致すれば協力してもらえることから、「盗賊ギルドは税務署的な組織」という見方をする意見もある。

なぜかフィクション界隈だとやたら雑魚扱いされやすく、集団で徒党を組んでいても主人公にあっさりと蹴散らされることが大多数(恐らくスレイヤーズの影響だろう)。
しかし、実際のところ、「徒党を組んで武装したゴロツキの集団」は周辺住民にとっては真面目に村を捨てる決断を迫られるレベルの大災害だったりする(もちろん盗賊も人がいなくなれば収入も無くなるので生かさず殺さずのバランスは取ろうとはするが)。
地の利や立ち回りを心得た盗賊団だと、小規模な戦士団相手だと自分のテリトリーにおびきよせて多くの罠やゲリラ戦法などであっという間に壊滅させ、例え完全武装した騎士の一個中隊レベルの討伐隊が派遣されようが彼らの死角で息を潜めてやり過ごし、騎士がいなくなってから改めて略奪活動を再開する…なんてこともザラであり、非常に厄介な存在である。
あくまで、主人公がチート能力だの専用補正持ちだから噛ませ犬にされるだけで、無力な一般人は勿論多少腕のある戦士にとっても脅威的な存在なのは間違いない。
ちなみにそのスレイヤーズでは「悪党(盗賊)に人権はない!」と断言されているが、実は史実でも大体こんなノリで、盗賊団はまともな裁判を受けることを許されないまま殺されることも結構あったりしたようである。
法の外で好き勝手活動している以上、法の庇護も受けられない、ということだろう。


RPGにおける盗賊

この手の例に漏れず、『D&D』の「シーフ」がそのイメージの元祖と言えるだろう。
直訳すると「泥棒」なのだが、そう訳さなかった人はGJである。パーティーの中に「泥棒」なんていたらヒヤヒヤするだろう。
尤も現行版である『D&D』3版以降や3版の系譜を継ぐ『パスファインダーRPG』では、明確に悪い奴だと解るローグ(悪党)という職がシーフのポジションになっているのだが。

直接戦闘力は戦士魔法使いに比べ低いが、その代わり素早さや器用さに長け、アイテム収集に関する特殊能力を持っていることが多い。
人間相手に物を盗むことは滅多になく、「トレジャーハンター」的なポジションである。

特に『D&D』『ウィザードリィ』では盗賊(か盗賊能力の持ち主)がいないことには、宝箱の開錠がまともにできないため、実質必須職の一つ。
戦闘においては「ダガー」などの短剣系武器が定番。後は作品によってはパチンコなどの飛び道具を用いることも。
基本的に重い武器や防具は装備できないことが多く、魔法適正も最低レベルで戦闘に役立つ魔法はまず使えない。
ただ攻撃力に限れば、アサシン要素も取り入れて「不意打ち」・「急所攻撃」等でダメージを叩きだすタイプも存在する。

また『トンネルズ&トロールズ』では「正規の魔法教育を受けなかった半端な魔術師=『盗賊魔術師』」という定義から、
「魔法が少しだけ使えるアウトロー」を盗賊としている(デフォルトで「悪事」を覚えるが)。

アライメントシステムのある作品では当然ながら悪寄りのアライメントの持ち主しか転職できないことが多い。

上級職は「忍者」や「アサシン」、作品によっては「海賊」なんて例も。

また、「盗む」「賊」という言葉がマイナスイメージだったり世界観や立ち位置的に合わないゲームだと、
「スカウト(密偵)」や「トレジャーハンター」等とマイルドな呼称で呼ばれることも。

「RPG風の創作作品」においても、盗賊に類する「器用で素早い軽戦士」の能力を主人公が持つことは珍しくない。
ニケゴブリンスレイヤー佐藤カズマベル・クラネル、ハルヒロ、エドガンなど。
純粋なパワーや魔力には劣るも工夫によって格上と張り合ったり、不意打ちなどの一発逆転の奇策を持つところに主人公としての適性があるのだろう。


ドラゴンクエストシリーズ

職業システムのある作品なら大抵は必ずいる(IIIでもリメイク版で追加された)。
「戦闘終了時に相手のアイテムを奪い取っている」能力を持ち、やり込みプレイヤーならば必須とも言える。
特にリメイク版IIIではゲームバランスをぶっ壊している職業の一つであり、戦士型の成長をするにもかかわらず、
レミラーマなどの魔法のためにMPも成長する上にムチブーメランなどの複数攻撃武器まで使えるため、
「全ての魔法を覚えさせたうえで盗賊に転職するのが最強」とされる。

VIVIIではそんなことはなく、あまり戦闘には役立たない下級職と言った感じ。「とうぞくのはな」は非常に便利なので是非とも欲しいが。

Xではまた使い勝手が異なり、上記のように自動や手動でアイテムを盗む能力ももちろんあるが、必殺技「お宝ハンター」*2、呪文「クモノ」、特技「バナナトラップ」「サプライズラッシュ」「スタンショット」といった敵モンスターを足止めする能力に長けており、「スタナー」と称される。

ちなみに「かっこよさ」の補正が全職業中最低クラス。
戦闘には関係ないのでどうでもいいと言えばどうでもいいが、やはりダーティーな職業なのでカッコよさはイマイチなのだろうか。
なお、リメイク版ではトルネコサンチョといった微妙なキャラに盗賊系特技が追加される傾向がある。
「戦闘力には関係ないが、便利系のポジション」と言う役割を与えようということだろうか?
職業に関係なく人の家から物を持ち去るのは泥棒じゃないのかとかは言わない約束


FFシリーズ

こちらでも定番の職業。おなじみのアビリティは敵から確実に逃げられる「とんずら」。
「ぬすむ」でしか手に入らないアイテムも少なくないので、活躍の機会は多い。
源氏シリーズの悲劇は忘れてください


FEシリーズ

詳しくは盗賊/シーフ(FE)参照。

The Elder Scrollsシリーズ

個人で活動するモブ盗賊の他に上述のような盗賊ギルドも登場。
時代や地域によって性質は大きく違っているものの基本的には盗みの技に秀でた者たちが集まり、構成員が縄張り内で円滑な行動が出来るようサポートを行うのがギルドの役割であるという点は共通している。

大抵は地域の衛兵を始めとした警察組織と癒着しており、彼らの必要な物資を安値かつすぐに揃える代わりに万が一捕まってもギルドメンバーである事を示せば通常よりかなり安い罰金だけで見逃してくれたり、そもそも無かった事にしてくれたりと影響力はかなりのもの。
加えて縄張りの地域には大抵お抱えとしている盗品商がおり、彼らもギルドの収益の一部と引き換えに曰く付きの品を安全に処理してくれるようになっている。

またその技能を以て情報を「盗む」という形での諜報活動や、国境を跨ぐようなレベルの大掛かりな密輸、更にはトラップとクリーチャーで溢れる古代遺跡ヘ忍び込み、最深部に眠る財宝の回収といった個人・団体問わず後ろ暗い依頼を積極的に請け負う事で民間はおろか政界、更には軍部にまで支援者を得たりするのも影響力の高さに一役買っている模様。
このお陰で時にはギルドの命運に関わる程の依頼が舞い込む事もある。

ただし唯一「殺し」に関しては地域によって多少の付け加えがあるものの、基本的にはご法度とされている。
これはギルドの方針として殺しは闇の一党の領域だからとされているが、だからといって仲が悪いという訳ではなく、時にはそれぞれの構成員間でやり取りが行われる事も。
あくまで盗賊ギルドは盗み、闇の一党は殺しが領分だからその辺はちゃんと区別していこうという認識である。

だが当然裏切り者、または盗賊ギルドにとって明確な敵である事を示した相手に関しては話が別であり、その場合は生かした方が逆にギルドにとって得であるというような特例を除いて、ギルド構成員から選りすぐりの者を派遣し速やかかつ静かに破壊活動を行って警告、または問答無用で始末し事態を秘密裏に終わらせるといった、マフィア的な側面も併せ持つ。

実はデイドラ16柱の一人、影の女王ノクターナルの加護を受けており、ギルド構成員達も彼女の加護を得られるよう時には祈りながら任務を遂行する事も。
しかしノクターナルの移り気な性格と盗賊達の自立精神が故、過度な信仰は求められていない。
ノクターナル自身も直属の使徒として、その時代と地域のギルド構成員の中から真の凄腕と認めた者に「ナイチンゲール」という役割と特別な力を与え、影から盗賊社会を統率しているといわれている。


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最終更新:2024年03月20日 19:14

*1 公的機関である場合でも、後述の職業的盗賊のための組織や表向きには存在していないとされている裏組織的なもの等さらに細かく分けられる

*2 本来はアイテムドロップを確定させる技だが、Ver.3.0からスタン効果が付いた。