ルドガー・ゴドウィン

登録日:2016/11/06(日) 17:17:49
更新日:2025/05/17 Sat 14:34:57
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それが、お前の心の闇か…?



遊戯王5D'sの登場人物。CVは武虎。
遊星らシグナーの敵対勢力である「ダークシグナー」のリーダー的存在。
治安維持局長官であるレクス・ゴドウィンの実の兄である。


【アニメ版】

物語の第一部というべきダークシグナー編で登場。
基本的に冷酷な性格で人の命を奪うことを厭わないが、ダークシグナーの仲間を気遣う面もある。
後述の経緯で、左腕は義手となっている。

ナスカの地上絵の「クモ」の痣を持ったダークシグナーであり、ダークシンクロモンスター「地底のアラクネー」と、地縛神の一つ「地縛神 Uru」を操る。
クモの痣は様々な能力があるようで、眷属である小さい蜘蛛を使っての情報収集、デュエリストの洗脳やデッキの一時的な書き換えすら可能とする。*1
作中ではこの能力を使い、ジャックや遊星にデュエリストを差し向け、紫炎のリングによるデスマッチを強いる。
また、大型の蜘蛛を旧モーメントに控えさせており、その糸は巨漢であるボマーですら軽々と持ち上げ、銃器で武装したセキュリティ部隊ですら手玉に取ってしまう。

当初は満足さんなどが目立っていたのと、自身が裏におりあまり遊星たちの前に現れることはなかったため影が薄かったが、
裏では蜘蛛の痣の力を用いてデュエリストを操り、シグナーの実力を試す、ボマーの憎しみを煽り、その上で抹殺して*2ダークシグナーに取り込むなど暗躍。

そして、ダークシグナー編中盤でようやく遊星たちの前に姿を現し、本格的な戦争状態に突入した。


本編の17年前までは、レクスと共に不動博士の助手を務めてモーメントの研究を行っており、博士が研究中止を進言した後もそれを引き継いでいた。
実は元々は赤き竜に選ばれたシグナーの一人であり、「竜の頭」の痣が左腕に刻まれていた。
パートナーとなるシグナーの竜は不明(最終話までに登場した痣の数は6個だが、シグナーの竜の種類に決まりがあるかは明言されてないため)
後にその力を受け取ったレクスの動向からすると「太陽龍インティ」だったのかもしれない*3

だがある時、モーメントが引き起こす異常気象の調査のためナスカに赴いた際、イリアステルの構成員と遭遇。
自身がシグナーであることを知るが、帰還後に出向いたモーメント「ウル」において己の宿命を知るとともに冥界の力に接触。冥界の王に選ばれ心を浸食され始める。
両極の力の板挟みとなったルドガーは、モーメントの行く末を見届けるべくダークシグナーの道を選択。

レクス……! いずれ「シグナー」という者たちが現れる……たとえ何年かかろうと彼らを集め、この私を倒せ!

何を言ってるんだ、兄さん!?

言う通りにしろ、レクス!
私の体には二つの神が宿った……。だが私は、邪神の道を選ぶ!
それを持ってここから離れろ、私の正気が保たれている間に!

冥界の王から赤き竜の力を守るべく、痣を宿した左腕を切断、その力をレクスに託す。そして彼にことの顛末を見届け、シグナーを鍛え上げてダークシグナーとなった自分を打倒することを言い渡して送り出すと、モーメントを暴走させ、後々まで尾を引く大災害「ゼロ・リバース」を引き起こす。*4
ルドガー自身もこの時に死亡し、ダークシグナーとして復活を果たした。
しかし、実はダークシグナーとなった後でも冥界の力の浸食が収まっておらず、徐々に肉体を蝕まれ続けており、遊星たちとの決戦を迎えた頃には意識を乗っ取られる間際まで来ていた。

それでも心の底にはレクスに託した未来への希望があり、不動博士の息子である遊星に対しても密かに期待をかけていたが、その事は信念を共有するレクスにしか明かしておらず、遊星たちに対しては徹底してダークシグナーとして振舞っていた。*5

その後、アキが遊星たちに合流し、シグナーが揃ったことで行動を開始。
ラリーに自分のデッキを持たせて操り、初期は幻惑によりルドガー自身がデュエルを行っていると見せかけ、途中で正体を表した。
ラリーを身代わりとして遊星と戦わせ、友との命懸けのデュエルや犠牲を経て、徹底的に戦意を煽る。*6

遊星とは、旧モーメントにおいて待ち受け再び対峙。
封印されていた旧モーメントを解放し、決戦に臨む。

見えるか、遊星。この光こそ、私と不動博士が見つけた可能性だ。この光の向こうには、この世界を変えるほどの力が眠っている。

この光は生きている! 私の運命を、不動博士の運命を飲み込み命を得たのだ!

17年前の真実を語りながらも地縛神の力で遊星を追い詰めるが、次々と防御手段を駆使する遊星にトドメの一撃を届かせることが出来ず、最終的には「鎮守の煌画」を逆用されて地縛神を破壊され敗北。
冥界の王と新たなダークシグナーの存在を宣告し、左腕の義手に仕込んだ自爆装置で橋を爆破、遊星を旧モーメントに突き落として消滅した。

その後、窮地を脱した遊星らに冥界の王が敗れたことにより解放され、運命に決着をつけるべくレクスと共に光の向こうへ去って行った。


フィール版

レクスがいるため兄であるルドガーも登場する……と思われていた。
が、他の大半の面々が設定変更、あるいはチョイ役となってでも姿を見せる中、背景設定の変更により登場できなくなったディヴァインやミスティなどはともかく、
レクスがいれば登場の余地があるルドガーはなぜか姿を見せず、舞台がD1GP2回戦に移行しても全く音沙汰がなかった。

しかし、物語が終盤に差し掛かる頃、全く意外な形で登場していたことが判明した。


RIDE-40「陰陽祭」。
究極神復活の儀式を執り行うため、それぞれに決闘神官と決闘巫女を伴い祭壇に現れたレクス、そして謎の存在・骸骨騎士。
祭壇の上で対面した骸骨騎士に対して礼を取るレクスは、こう述べた。


「陰陽祭の儀式にようこそ、骸骨騎士……」
「いや……」


我が兄上……ルドガー・ゴドウィンよ!


「フン! 仕組んでおいて抜け抜けと……五千年前の陰陽祭での所業、忘れたとは言わせんぞレクス!」



第一話から度々姿を見せていた骸骨騎士こそが、変わり果てたルドガーその人だったのだ。


正体の判明こそ終盤だが、前述したように骸骨騎士としては序盤から登場。
サテライトにおける「夕日の合わせ札」の都市伝説として知られていたが、実際に行った伊集院セクトの前に本当に現れ、遊星に魂をかけた決闘疾走を持ちかける。

闇のフィールと決闘竜「冥界龍ドラゴネクロ」を駆使した圧倒的な実力で遊星を追い込むが、
ライトニング・ウォリアーの攻撃に伴う強烈なフィールで走っていた配管を破壊され、結果走行不能となり敗北。*7

その後、セクトの夢に現れ、契約のもと「魔王龍ベエルゼ」を渡し、闇の瘴気に取り込まれた彼を手駒として引き込んだ。
最古島においてはスターダストを手に入れた遊星の前に現れ、宣戦布告とも取れる形で究極神の復活と天空城セイバルについての情報を明かして去るなど、
真意の読めない行動を繰り返していた。

そして正体の判明後、陰陽祭においては闇の力に染まりきりその力を完全なものとしたセクトの姿に満足げな様子を見せ、
北天回廊において追ってきた遊星との対戦を開始。

真の力たる「冥界濁龍ドラゴキュートス」と、渾身のフィール「漆黒のダーク・ハウリング」でサテライト同様遊星をギリギリまで追い込むも、
三連コンボでライフを削りきられ敗北を喫した。


そして語られたゴドウィン兄弟の過去―――。
5000年もの昔、名もなき孤児であった二人は当時の決闘巫女であったイシュ・キック・ゴドウィンに拾われ、彼女の身内として名を与えられた。
その縁から、保護者であるイシュを母とも姉とも慕っていたが、陰陽祭に参加したイシュが儀式の犠牲となったことを神官団に告げられる。

神官団は二人をゴミと蔑み罵倒したが、生前のイシュの要請により二人を決闘神官として育成することを決定。
これに乗ったルドガーは弟と共に、究極神の力を手に入れイシュを蘇生させることを決意した。

修行に修行を重ね、ついに南天・北天の大神官まで出世したゴドウィン兄弟は、アキの前世に当たる当時の決闘巫女を丸め込んでセイバルへ到達。

レクスに遅れる形で機械神殿に到達したルドガーだったが、そこで彼が目にしたのは変わり果てたイシュを相手に戦うレクスの姿だった。
事情が呑み込めず混乱するルドガーは、レクスが繰り出した渾身の一撃からイシュを庇おうと反射的に飛び出してしまい致命傷を負う。
直後、正気を取り戻したイシュからレクスが究極神の闇に取り込まれていることを告げられるが、命の尽きる身ではどうすることも出来ず、
結果愛馬ともども白骨の姿となって現代まで永らえていた。

ルドガーがあえて闇の力を操る側に立っていたのは、
究極神の闇を払いレクスを解放するにはどうしても一度セイバルへの道を開かねばならず、
それにはレクスが用意するだろう決闘巫女と同等以上の力を持った決闘神官役が必要だったため。

そのため、セクトを引っ張り込んで闇の力と決闘竜で強化、決闘巫女を倒させることでセイバルへ到達、
その上で追って来るだろう決闘疾走者と戦い、己を超えられるならばその者に全てを託すことを決意していたのだった。

機械神殿にイシュのミイラ化した遺体が封じられていることまで、己の知る全てを遊星に語ったルドガーは、
5000年の時を経て巡り合った「光の決闘神官」に全てを託し、崩壊する機械神殿の向こうに消えていった。

さらばだ……不動遊星……。五千年……戦士を待ち続けた甲斐があった……。

この経緯から、アニメ版とは異なり遊星からは「共に戦った決闘疾走者」としてその存在を心に刻まれており、
超官との決戦でもルドガーの言葉を想起して持ち直すなどほとんど別のキャラクターとなっている。

また、レクス共々現代ではなく5000年前の古代人であるため、物言いが古風。
しかも発生装置なしにフィールを放てるというトンデモっぷりをさりげなく発揮している*8
ついでに記憶編のバクラよろしく左腕から現行ルール対応のデュエルディスクが生えている+デッキ一式を所持。
出所について気にしてはいけない。遊戯王ではよくあることだ。


タッグフォースシリーズでの活躍

5D'sの世界が舞台となるタッグフォース4から早速登場。
この時は丁度アニメがダークシグナー編の渦中ということもあり、弟を差し置いてラスボス格として活躍*9

だが、何よりも特筆すべきは彼をパートナーとした際の個別シナリオについてだろう。
そのあまりに救いが無さ過ぎるダークストーリーはタッグフォース史上最恐といっても過言ではない。

シグナー勢のシナリオを一通りクリアすることでルドガーをパートナーにすることができるのだが、
基本的にそれぞれのシナリオが時系列を無視した独自の世界線として扱われていることが多い中、
ルドガーのシナリオは上述したシグナーたちのシナリオのその後として進行していくことになる。

……で、肝心の内容がシグナー勢と親しいということにつけ込んだルドガーと手を組み、
シグナーたちを各個に呼び出しては、容赦なく撃破していくという凄まじいもの。
因みにルドガーはデュエルに参加せず、シングルデュエルで敗北後のシグナーたちにダメ押しの言葉攻めを行い心を折りにかかる心理フェイズ担当となっている。

龍可は寝たきりになるわアキさんは失踪するわ、ジャックは折れはしなかったものの重傷を負うわ、最後に残った遊星でさえコナミ君に敗北し倒れる。
で、満足げにしているルドガーと共に今度はダグナーすらも葬ることを計画し、2人だけで全てを支配していこうと提案したところでエンド。
主人公側の主要人物を一通り再起不能にしていくというトンデモシナリオであったのだ。

一応類似例として3のブルー万丈目や後のホセやシェリーのシナリオも似たような流れにはなるのだが、
未だにぶっちぎりで黒い個別シナリオは4のルドガー編だと目されているほどである。

時系列の関係上、コナミ君は遊星ら主要メンバーと交流し、確かな絆を築いた上でそれらを全て否定・粉砕するという特大の裏切りムーブをかましたわけだが、展開上あまりにも不自然な流れである。
しかもルドガーのパートナー化条件がその遊星・ジャック・アキ・龍可・龍亞のクリアなので、プレイヤー体感的には5人と一通りイチャイチャした後での仕打ちという念入りな伏線済み。
シナリオをクリアするとパートナーのエースカードをもらえる仕様なので、それぞれのエースで叩きのめしてやるなんてロールプレイも可能。もうやめてー!
エースカードが貰えるのはルドガーも同様なので、地縛神Uru欲しさに付き合う人も多いとは思うが…
メタ的には「その5人とイチャついた後のお前さんがダークシグナーの親玉とどうすれば仲良くできると?」という詰問であり、ギャルゲー気分に浸ってきたプレイヤーへの呵責とも言えるだろう……。

或いはこのルートに進んだ理由として、タッグフォース4ではなぜかシグナー勢全員に嫌われていた瀬良あゆみの存在が絡んでいる、なんて言われることも。
……というより、この子関係以外で上記の惨状を生み出したルートにさすがのプレイヤーもコナミくんに進んでほしくなかったという思いも大きいと思われる。
何せ最初の対戦相手である龍可が絶望のまま逃げ出した際、ルドガーにトドメを刺すかどうかを自分から聞いてる程の残酷さを見せてるし。

一方で、現状のコナミくんのネット上での主な扱いは、
デュエルさえできれば善だろうと悪だろうと関係ない、どこまでも純粋なデュエルマシーンといった感じのものであり、
そのキャラクター性を構築していく最初のきっかけを作り出したのがこのルドガーシナリオと言えなくもない。

タッグフォース5では一時期リストラされてしまうも、タッグフォース6で再び登場。
シナリオは個別ではなく他のダークシグナーたちと同じ共通のものとなっている。
一部のダークシグナー共通シナリオでは、ゴドウィンと組んで兄弟でタッグデュエルを行う一幕も。

話の流れ的に6で主に登場しているルドガーは本人ではなく、地縛神の残留思念的なものであるとのこと。
本物のルドガーは他のダグナーやレクスのシナリオで登場する。


【使用デッキ】

アニメ版ではクモの姿をした昆虫族モンスターを主力とした【スパイダー】を使用。
フィールド魔法スパイダー・ウェブを発動し、攻撃モンスターを守備表示に変更。表示形式を変えられない効果で縛っていくスタイル。
投入モンスター自体は貧弱だが、遅延戦術と強力な魔法・罠で絡め取っていく。
特に強力なのは、トンデモ魔法カード、運命の引き金(デステニー・トリガー)。使用者は発動時にカードを一枚墓地に送り、相手が同じ種類のカードをドローするとライフを半分にする。インチキ効果もいい加減にしろ!

タッグフォースでも同様に【スパイダー】デッキを使用する。
ただタッグフォース4では貧弱なスパイダー達が大半を占めており、Uruまで繋ぐのも厳しい。お世辞にも強いとはいえない。
スパイダー・ウェブを発動しても、自分にも効果が及ぶ上にサイクロンなどで除去されやすい。
デッキレベルはかなり低く、弱い部類。デッキ編集で強化しようにもお気に入りカードがやたら多く、手を加えられる部分も少ない。
シナリオがタッグデュエルじゃなくて本当によかった。

6ではお気に入りカードが激減、スパイダー・ウェブや地底のアラクネー等が指定されている。
地縛神Uruも抜けるので、昆虫族軸のビートダウンにしてしまうといいだろう。永続魔法「大樹海」を投入すれば、戦闘破壊も展開に繋がる。
ルドガー自身も昆虫族グッドスタッフ「ウィドウ・スパイダー」を使用する。パートナーデッキの参考になるだろう。
こちらはトリシューラやカタストルも入った、かなりガチ寄りのデッキ。ダークシグナー首領でありながら、地縛神やダークシンクロ不採用なのは密に、密に。

一方のフィール版ではうって変わり、アンデット族をメインに据えた【劫火】を使用している。
アンデットと言いつつも、墓地利用よりデッキからの融合、フィールド上でのロックなど、印象とは裏腹に防御に長けた戦術を得意とする。
特徴的なのはバーンを無効にしてそのダメージを攻撃力とするトークンを生成する「ファントム・エフェクト」。



追記・修正は戦士に後を託してからお願いします。

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最終更新:2025年05月17日 14:34

*1 蜘蛛の支配下ではダークシンクロモンスターを含む強力なデッキを扱えるが、デュエル後は通常のデッキに戻ってしまう。

*2 旧モーメントの光に照らされる中、眷属であろう蜘蛛の系による絞首刑で覚醒を促した。

*3 アニメ版のインティはシンクロ素材指定がなく、クイラにかかわる効果を持っていなかったため、ある意味で素材指定のあるライフ・ストリーム・ドラゴンよりもシグナー龍っぽいモンスターである

*4 イリアステルの意図としては、モーメントの研究を続行させることで暴走させ、データごと歴史から消し去ることにあった。

*5 レクスと対面した際には完全に自分が敗北することを覚悟しており、その時には17年前の真実を遊星に教えるよう頼んでいる。

*6 普段は冷静に振る舞う遊星が、怒りのあまり霧の中へと飛び込み「俺とデュエルしろ」と叫ぶ程に効果覿面であった。

*7 漫画版のライディングデュエルは、理由の如何を問わず走行不能になった時点で敗北する。

*8 フィールとはカードになる前の決闘竜の力を再現するための「装置による衝撃」である。

*9 任天堂シリーズではタイミング良くダークシグナー編を追えたのでレクスと戦うのも早かったが、TFシリーズでデュエリストになれたのは5Ds最終作のTF6。