鬼隠し編(ひぐらしのなく頃に)

登録日:2012/05/07(月) 18:09:50
更新日:2023/12/25 Mon 23:50:34
所要時間:約 8 分で読めます




正解率1%


【概要】
鬼隠し編は07th Expansionによる同人ゲーム、ひぐらしのく頃にの第一話(第一章)のタイトル。サブタイトルは「~オープニング~」。
2002年8月16日のコミックマーケット62で100円で販売された。

現在は同人ショップや某密林で普通に手に入る暇潰し編に収録されている。
鬼隠し編は体験版と称して07th Expansionのホームページにて丸々ダウンロードが可能なので気になる人はプレイしてみよう。


【あらすじ】
昭和58年6月。
前原圭一は住み慣れた東京を離れ鹿骨市の山奥にある寒村、雛見沢村に引っ越してきた少年。今迄までの都会生活の対極をゆく田舎生活に右往左往しつつも新鮮味に満ちた日々を過ごしていた。
物語は、親類の葬式で三日ほど雛見沢を離れていた圭一が戻ってきた所からはじまる。
登校する時はいつも待っててくれる心優しい竜宮レナ、ノリが良く快活な皆のリーダー格である園崎魅音をはじめとした、一癖も二癖もあるが心優しい仲間たちと仲良くなっていく。雛見沢を案内して貰ったり魅音が部長の「部活」の熾烈な洗礼を受けたり、レナの趣味である宝探しに付き合ったり、騒がしくも心温まる毎日であった。
このまま楽しい日々が続くと確信していた…が、ある日のこと、圭一はひょんな一言から村を取り巻く重大な秘密を知ってしまう。
今ののどかで平和な村の一枚裏に潜む膨大な暗部。レナ達に尋ねても露骨にはぐらかされ、それに反発するかのような好奇心から村の暗部に深入りするごとに狂い出す日常。豹変してしまった仲間たち。徐々に追い詰められて行く圭一。
果たして圭一がたどり着く結末は…


【主な登場人物】
「(冷静に考えろ圭一! 追い詰められた時にこそ冷静になれる!)」
本作のKOOLな主人公。
仲間たちとともに田舎暮らしを楽しんでいたが、単純な好奇心から村のある秘密を知ってしまう。
後正直、この編だけ見ると圭一がクズにしか見えないのだが…。

「ね、ねぇねぇ何の話!? 何の話だろ何の話だろ…?」
ヒロイン。
圭一も所属する部活メンバーの一人。
今回のキーパーソンにしてトラウマ要員なのだが…。
「嘘 だ ッ ! ! !」


「圭ちゃん…あんたはベストだよ! ベストオブザベストオブザベストッ!」
「富竹さんと同じ目に遭ってもらう」

部活の部長であり圭一たちのリーダー的存在。
惨劇を悪化させた要因その1

「悔しくなんかないもん! ふわぁぁぁぁぁん!」
部活メンバーだが圭一より年下の下級生。
鬼隠し編では若干空気。

「ファイト、おーです。」
沙都子同様、下級生の部活メンバー。
由緒正しき古手神社の巫女。にぱ~☆
鬼隠し編では若干空気だがこの作品がどういう作品なのかプレイヤーに教える役目を握っている。

「嫌な事件だったね…。腕が一本、まだ見つかってないんだろう?」
たまに雛見沢に訪れるフリーのカメラマン。
偶然会った圭一にダム建設現場での工事監督殺害事件を教えるが、綿流し祭の夜に死体で発見される。
この一言が、全てのはじまりである。

「圭一君はどうだったかしら? お祭りは楽しめた?」
綿流し祭にて皆とはぐれた圭一と出会うおっとりと、それでいてどこか掴みどころのない女性。
富竹と交際している模様だが、綿流し祭の後に行方不明になる。
名前は原作のTipsや入江診療所での1シーンでのみ断片的に扱われている。

「んっふっふ~。それではよいお年を。」
興宮警察署に勤めるベテランの刑事。
富竹殺害事件の捜査で圭一に接触し、村や仲間たちの秘められた暗部の情報を提供する。
惨劇を悪化させた要因その2





【CS版】
祭には第弐章として収録、絆にも第一巻に収録されている。
CS版の選択肢システムとオリジナルストーリーの出現条件の兼ね合いでこの鬼隠し編にすら中々たどり着けない事態が多発したが、「奉」にて1周目は自動的にこの話に分岐するようになった。

【漫画版】
ガンガンパワードで連載されていた。全2巻。作画は鈴羅木かりん。
この頃はまだちょっと作画が荒かった。
原作には無かった後日談的な場面が追加されており、梨花が後の伏線となる台詞を零している。

【アニメ版】
第1期の1話~4話で描かれた。
アニメ版ひぐらしは尺の都合により描写不足だったり演出が弱かったりで原作ファンからの評価はあまり高くないが、
鬼隠し編は原作がそこまで長くないため上手くまとめられており比較的評価は高め。

【ドラマCD】
ひぐらし最古のCV作品。ディスク3枚組で4時間超えの大ボリューム。
原作のテイストを残しつつほぼ完全に再現しており、声優の熱演も加わり評価はかなり高い。
一方、最初期の作品という事で、後に比べると一部キャラの演技がまだ掴みきれていない感がある…という声もある。(特に圭一や梨花)
音声Tipsの殆どは別売のアペンドディスクに収録されているが、一部の音声Tipsはガンガンパワード2006年春季号付録CD(「セブンスマートにて」)、イベント限定ディスクに(冒頭の電車内でのやりとり)のみ収録されており、現在全ての音声Tipsを入手する事は極めて困難。
これと次回の綿流し編のドラマCDは、iTunes storeでもDL販売されている。

【小説版】
講談社BOXと星海社文庫からそれぞれ上下巻で出ている。

【実写映画版】
「やぁ、僕は富竹」←誰だお前



【余談】
  • 本編はチュートリアル的な目的も兼ねている為か全体的に話の規模が小さく、レナと魅音以外の部活メンバーにこれといった役割が無く、重要設定である「御三家」「雛見沢大災害」も全く扱われず(前者はぼかされている)、鷹野や入江診療所、興宮のエンジェルモートも登場はするがかろうじて名前が出るなどのモブ同然の扱いである。主な登場人物も綿流し祭以降は圭一、レナ、魅音、大石の4名のみで大体終始している。

  • 『正解率1%』というキャッチコピーはこの作品全体を指しているものと誤解されがちだが、この鬼隠し編単体の事を指す。鬼隠し編頒布当時に100人程のプレイヤーから送られてきた推理や考察の中に、
    一つだけ真相(物語全体の真相ではなく鬼隠し編の真相)に近いものがあったというところから竜騎士が考えたキャッチコピーである。

  • 出題編の謎の多くは解答編で明かされているが、
    この話については、圭一を跳ねようとした白いバンや圭一を襲った2人組の正体、
    圭一のメッセージを破った者は誰かなど、解答編である罪滅し編
    完結編とも言うべき祭囃し編、およびその後日談が発売された現在でも明確な答えが出されていない。

  • 本編をクリアするとキャラクターが本編を振り返るお疲れ様会と、竜騎士本人が作品の解説をするスタッフルーム、ミニゲーム「れなぱん」がプレイできる。
    れなぱんはレナが左右どちらかから繰り出すパンチを右クリック、左クリックでかわすという簡単な内容だが、
    速度が速くフェイントもしてくるため油断したり焦ったりするとあっさり撃沈してしまう。
    ちなみにソウルブラザーはれなぱん内のシナリオで結成された(この頃はイリーこと入江がまだいないが)。









以下、判明している・限りなくそれに近い形で扱われている謎のネタバレ











  • 圭一は物語開始時から雛見沢症候群を発症している。なので、おかしくなっているのは周りではなく圭一。東京に戻っている際に発症していた。本編開始時点で既にL3+相当の進行度で、些細なきっかけで過度の疑心暗鬼を抱いてしまう非常に危険な状態だった(罪滅し編、皆殺し編がヒント)。
  • レナ、魅音の喋り方や表情が怖いが、これも雛見沢症候群の症状によるもの。よく見ると会話内容そのものは普通。
  • 魅音達が事件の事になるとシラを切り出すのは、村にきたばかりの圭一が村を嫌って欲しくないと気遣っての事。特に魅音はその想いが強かった(祟殺し編がヒント)後半の話では普通に喋ってるって??知らんな。
  • レナの豹変も圭一の妄想。会話をよく見ると、レナから無理やり話を聞こうとする圭一にレナが怒っているだけ。
    さらに過去の出来事から嘘が嫌いなレナが、あからさまな嘘をつく圭一に至近距離から少し強く言っただけ(罪滅し編がヒント)。
  • 魅音達が、圭一が大石と食事をしていたのを知っていたのは、そのレストラン(後のエンジェルモート)が園崎系列の店だから(綿流し編がヒント)。
    さらに大石は雛見沢近辺や園崎ではとても有名。圭一も魅音たちとの付き合いや村人から新たな若手として注目されていたので、そんな彼が大石が平日の昼間から食事をしている現場を村人や関係者が目撃していたなら、魅音に連絡が行くのは想像に難くない。事件や大石の後の設定描写を鑑みると、白昼堂々園崎家ご用達のファミレスで怪死事件について大っぴらに語り合うというのはかなり迂闊な事である(皆殺し編、祭囃し編がヒント)。
  • おはぎの針は圭一の妄想。実際は魅音がいたずらで入れていたタバスコ。それを味わった時、辛さによる痛みから過去に読んだ漫画に似たシーンがあった事に対するトラウマ的記憶に雛見沢症候群の症状が入り混じって『針がはいっていた』と勘違いした。
    なので、タバスコを飲み込んでしまった圭一がその後いくら探しても針は見つからなかった。ただし、原作やドラマCDでは針が入っていると錯覚するまでの流れが他のメディアと違っており*1、そもそもタバスコの存在に触れていない(辛さを感じていない)のが特徴。
    更に突き詰めると、圭一は過去に食べ物に針を仕込まれる描写がある漫画を見て以来トラウマになっており、以後おはぎやハンバーグなどが苦手になっていた事も「おはぎに針」という形の妄想に繋がってしまったと考えられる。(罪滅し編で判明)
  • レナや魅音の言う監督を呼んできたという発言は、入江先生を呼んできたという意味。入江先生は医者だが、少年野球の監督も務めているため、周りから愛称としてそう呼ばれており、本人も自称している。(祟殺し編がヒント)
    恐らく、監督(入江先生)は雛見沢症候群に感染した圭一を治療する目的で来る予定だったのだと思われる。(祭囃し編第2部がヒント)
  • 最後の注射の場面も妄想。魅音達は圭一を心配してお見舞いに来ただけ。そして魅音は祭りの時に富竹さんにしたように服に寄せ書きをしようとした。
    魅音の「富竹さんと同じ目にあってもらう。」という台詞は寄せ書きの事。この時、魅音が持っていたペンが雛見沢症候群の圭一には注射器に見えた。(罪滅し編で判明)


以下、作品で解答が明言されていない謎の考察

  • 車に轢かれそうになったのは圭一の不注意。道の真ん中を歩いていてクラクションを鳴らしても避けない圭一がおかしい。
    普通轢き殺そうとするならクラクションは鳴らさない。車が止まらなかったのは近づいて気づかせたかっただけ。仮にこの車が山狗のものだったとしても、圭一を轢き殺す理由がない。それどころか、むしろ感染者である彼を生かしておいたほうが感染者の存在を世間に認知してもらい、雛見沢大災害が必要な災害だったと思わせやすくなると思われるため、末期発症を起こした圭一を殺害することは彼らの性質&任務に反すると思われる。
  • レナがなぜ圭一両親が不在なのを知っているかというと、レナが買い物する時に圭一の母親とよく会うから。その時に圭一の母親からその日は圭一しかいない事を聞いた。
    カップラーメンの事も本当に偶然選んでいるのを見ただけ。
    さらにレナは、圭一の母親から圭一の事を任されていたので、レナの献身的な性格から考えておかずを作ってきても不思議は無い。
  • レナがドアの間に手を入れてガタガタしたのも、レナのセリフ通り『悪ふざけ』。
  • レナがを持って追いかけてくるのは圭一を心配して。鉈を持っているのはレナの荷物か何かを見間違えた圭一の妄想説が有力(他には宝探しをするときに邪魔になる木片などの障害物を切るために持ってきた説も有力)。
    レナは悟史が消えるのを止められなかったのを悔やんでいる。
    だから悟史と同じ行動をする圭一をなんとか止めたかったが、
    レナが雛見沢に来る前の事件によりオヤシロさまを妄信しているレナは、圭一の疑心暗鬼を促すような説得になってしまった。
  • 圭一を山の中で襲ってきた連中は山狗と思われる。山狗は入江先生の部下でもあるため、入江先生の命令で圭一を捕獲しに行き、圭一を気絶させ自宅まで運んだ。レナと魅音は入江先生に電話し、お見舞い目的で圭一の自宅で気絶している圭一が運ばれてくるのと、入江先生が来るのを待っていたのかもしれない。圭一が自宅から脱走した時の対策として自宅の周りを囲っていたと考えられる。
  • 注射器(は妄想で本当はマジックペン)が捜査の際に消えてた真相は未だ明かされていない。
    が、これを真っ先に見つけられる立場なのは、電話で圭一から直接伝えられた大石か、圭一が窓から見たレナたちに呼ばれていた入江と山狗しかいないので最後のメッセージの一部を削除したのもこの両者どちらかしかいない。しかし大石が証拠を隠滅する理由が無い(寧ろ積極的に活用するべき立場)事、メッセージの消えていた部分が「凶器は未知の薬物」という部分である事から鷹野が富竹に投与したH173(雛見沢症候群を悪化させる薬品)の存在が発覚する可能性を消すために山狗が持ち去った可能性が高い。メッセージをそのまま持ち去らなかったのはおそらく「レナと魅音は犯人の一味」という部分を捜査の撹乱に使い、雛見沢大災害を起こす計画が捜査機関に発覚することを隠すためと思われる。(皆殺し編がヒント)
  • ニンテンドーDS『ひぐらしのなく頃に絆』第一巻 祟の予約特典として、この注射器/マジックペンをモチーフとした注射器型ボールペン(正式名称「入江診療所 特製ボールペン」』)が付属されており、魅音、レナが本当にやろうとしていたことを暗示するようなグッズとなっている。





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それだけが私の望みです
前原圭一

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  • 原点
  • 全ての始まり
  • 鈴羅木かりん

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最終更新:2023年12月25日 23:50

*1 おはぎを咀嚼してる最中、食感に違和感を覚えてそこから裁縫針ではないかと疑う形になってる