登録日:2011/11/20 Sun 21:23:50
更新日:2024/01/11 Thu 19:14:16
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目次


概要


(なた)とは山刀、ブッシュナイフ、マチェットとも呼ばれる刃物の一種で、主に林業や狩猟等アウトドア活動で用いられる。
刃渡りは短いものでは十数cmから長いものでは数十cmまで様々。
ほとんどの物は「刀身の背に刃が無い片刃」だが、「刃の横断面」から見た場合だと両刃の鉈と片刃の鉈が存在し、それぞれにメリット、デメリットがあるため用途が異なる。
  • 両刃は力を入れた方向にまっすぐに進むため「切る」や「刻む」ことを得意とする。薪を真っ二つにしたい場合に向いている。
  • 片刃は力を入れると刃の無い方向へ進むため「削ぐ」や「剥く」ことを得意とする。薪を割ろうとすると斜めに進んでしまいテクニックが必要になるが、薪や枝の表面を削るような細かい作業には片刃が向いている。片刃は刃の付き方により右利き用、左利き用に分かれる。

また、刀身の形状等である程度分類され、
  • 刀身が長方形で先端に刃がなく、一般的に多く見られる鉈である「腰鉈(角鉈とも)」
  • のように切っ先が尖っている「剣鉈(けんなた、つるぎなた)」
  • 先端が刃側に鉤状に湾曲し、鎌としての一面が強い「鉈鎌(うなぎ鉈とも)」
等になる。
また、腰鉈のうち、先端に刃先を守る突起が付いているものは「海老鉈(石付き鉈、箸付き鉈とも)」と言う。

基本的にはコンパクトであり片手でも使いやすいように作られている。
コンパクトでありながらそれなりに重量もある為、のように薪を割ったりすることもできる。
薪割りや枝を払ったりする時に使うものは、「斬り裂く」というよりも「叩き切る」という使い方をする為、刀身は分厚くサイズの割に重い。
そしてそのぶん丈夫である。
ただし途中で引っかかったからと刃をハンマーで叩いちゃダメ絶対。
非使用時には革製の鞘をつけるが、少々錆びても使える為放置されることもしばしば。

また日本刀を態と折り、鉈として再利用するというケースもあるらしい。
これは戦後のGHQによる刀狩りから逃れるため『武器』から『日用品』に改造したという経緯がある。
対人武器として作られたとは違い、元々包丁等のように生活の道具として作られた。
しかし先述したように狩猟の時にも使われていたので、最初から武器としての一面もあったと言えよう。
現に過去にはアメリカ軍のM1942コリンズ・マチェーテのように軍隊で支給されていたこともあり、緊急時には格闘武器として用いた例もあったとか。その他に南ベトナム解放戦線でも使われていた。
またルワンダ虐殺では大量の中国製のマチェットが凶器として使用された。

和式ナイフとも呼ばれることもあるが、用途や外観が似たものは世界中に存在しており
  • スクラマサクス(ヨーロッパ。4世紀~11世紀ごろのよく似たサイズの短剣。)
  • マチェテ(中南米。マチェーテ、マチェットとも。日本の鉈に比べて軽く刃が柔らかい傾向にある。)
  • ククリ(インド周辺。くの字になっているのが特徴でネパールのグルカ兵が使うことからグルカナイフとも呼ばれる。見た目の印象が異なるが用途はほぼ同じ。)
など地域・時代によって様々で、どこが発祥とは言いにくい。
斧と刀の中間の様なもので、伐採道具として多様性を求めた結果生まれたものであり、金属鍛造技術が発展した頃から存在が確認されている。

当然銃刀法に引っかかる為、携帯はしてはいけないが、農業・林業の業務従事やキャンプや登山等に持って行く場合は黙認されることもある……が、銃刀法の記載が『正当な理由による場合を除いて携帯禁止』と非常に曖昧なため、おまわりさんの機嫌次第でしょっぴかれる事もある。
安全性に配慮していればまず大丈夫だが、麻袋を被ったりホッケーマスクを着けてはいけない。


フィクションでは、やはり殺人鬼・ジェイソン・ボーヒーズがよく使う得物として有名だろう。
彼がよく使うことがきっかけとなり、後のホラー・サスペンス作品でも鉈を使う殺人鬼や、ゾンビ映画などで護身用武器として鉈が登場する機会が増えたという。
また、先述の通り分類としては生活用品であり、包丁と同様に凶器としての出番は決して少なくない。

ある対象を不要もしくは過剰に存在すると評価してそれらを一斉に無くす行為を「大鉈を振るう」と言う。


鉈を使うキャラクター・メカ


彼岸島 48日後…』以降は右腕にうなぎ鉈が仕込まれた義手を装備している他、ただの伐採鉈もよく使う。刃物ならなんでも斬鉄剣並の切れ味にしてしまう超技術を持つ。

アニメ界隈で鉈と言えば真っ先に彼女が出るくらい有名。
鉈女と渾名される。ただし、原作の『鬼隠し編』で彼女が最初に持ってきたのはで、鉈を使用するのは『罪滅ぼし編』まで待つことになる。
彼女の使用する鉈は先端に突起があるため「海老鉈」に該当し、さらにその突起がトゲのように尖っているため「紀州型海老鉈」が一番近い。

EP1で用いる描写がある。


予備の武器として携帯。戦闘中、咄嗟の防御に使用するシーンがある。

二本の大型高周波マチェーテ「人斬り鋏(ブラッドラスト)」を武器に使う。

片手剣には鉈の名がつく武器がある。実際には所謂「はぎとりナイフ」のほうが本物の鉈に近い役割となる。

名前にもなってるように、マチェーテの代名詞。ダニー・トレホと言えばマチェーテ、マチェーテと言えばダニー・トレホ。
主にとして武器に使用するが、マチェーテ、マチェーテ一本あれば何でもできる。マチェーテ嘘つかない。

初戦で大剣並みの大きさの鉈を使用。

上記の通り凶器として多用。

  • ライラ・アルフォン(死霊戦線)
武器としてブッシュナイフを所持している。

両腕に鎌型のヒートナタを装備。

近接用武器としてヒートナタを所持。

ゲーム版に登場する敵キャラ。ナタを振り上げて襲いかかるビジュアルは恐怖。

  • マチェーテ(合法都市)
強盗団の紅一点で本名不明。両手にマチェーテを持って戦う事からこの名で呼ばれる。

サバイバル用品として所持しているが、武器としても使用する。

  • ジョン・J・ランボー
ランボー/最後の戦場』ではサバイバルナイフに代わって鉈を多用。

  • “ザイジュ” 肆式(獄丁ヒグマ)
篝手ヒグマの“手”の一つで、両手に鉈を持つ。

数多くの武器を持つ中でマチェーテをメインウェポンとして扱う。
ククリナイフも所持。

  • M・モルク(殺戮モルク)
バイロケーション能力を使う神出鬼没の殺人鬼。殺戮の際には主に両手に持った鉈を使用する。

その名の通りナタがモチーフの仮面怪人。しかし使う武器は斧。

二度目の復活を果たして以降は、大ナタ「ザルツドラ」を手持ちの兵装として使用している。

分厚い鋳鉄の大鉈を二刀持ちで操るボスキャラ。
狭い部屋で真のデーモンである二匹のと共に襲い掛かり、不死人を叩き潰してくる。
彼の持つ得物「デーモンの大鉈」は人の身には余る大きさと重量を誇るため、不死人には両手持ちが前提の特大剣として用いられている。



無骨な外見な為か、とくにファンタジーものの作品では細身のナイフ系の方が目立ち、近年ではあまり見られない気がする(全然ないということでもないが)。
まあ武器と言うより生活器具なので、ファンタジーではお呼びは掛からないかもしれない。
しかし、ホラー映画とスプラッター映画とグロありアクション映画では引っ張りだこである。 



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最終更新:2024年01月11日 19:14