登録日:2017/02/18 Sat 17:48:28
更新日:2025/01/18 Sat 09:26:40
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ゲラート・グリンデルバルド(Gellert Grindelwald)とは、小説『
ハリー・ポッターシリーズ』の登場人物である。
演:ジェイミー・キャンベル・バウアー(青年期)
マイケル・バーン(『死の秘宝 PART1』・老年期)
ジョニー・デップ(『
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『黒い魔法使いの誕生』)
マッツ・ミケルセン(『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』)
日本語吹き替え:大木民夫(『死の秘宝 PART1』・老年期)
平田広明(『魔法使いの旅』『黒い魔法使いの誕生』)
井上和彦(『ダンブルドアの秘密』)
名前の初出は第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』。
アルバス・ダンブルドアの蛙チョコレートカードに、「一九四五年、闇の魔法使いグリンデルバルドを破った」という一文が登場する。
これ以降、彼の名前はずっと登場せず、彼の存在を忘れていた読者も多いであろう。
しかし、彼の出番はそれだけではなかった。
ダンブルドア死後の第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』にて、リータ・スキーターが『アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘(The Life and Lies of Albus Dumbledore)』という本を発売。
彼とダンブルドアの驚くべき関係が明らかとなる。
本によれば、彼はダームストラング専門学校に入学するも、同窓生を殺しかけて16歳の時に放校処分にされ、その後はゴドリックの谷に住んでいる魔法史家である大おばのバチルダ・バクショットの元で暮らすようになる。
当時(1899年)のアルバスは
ホグワーツ魔法魔術学校を卒業するも、不安定な状態であった
妹アリアナの暴発で
母ケンドラが亡くなったことにより、妹の面倒を見る日々であった。
しかし、自身の能力を発揮する機会に恵まれなかったためか、たちまちグリンデルバルドと意気投合するようになり、2人で魔法族によるマグル支配を計画するようになったとされる。
しかし、アリアナの謎の
死をきっかけに彼とダンブルドアは決裂。その後にグリンデルバルドは闇の道に進むようになる。ダンブルドアとは決闘するまで会うことはなかったといい、敗北後は自身が建てた監獄にして本拠地・ヌルメンガード(Nurmengard)に投獄された。
(因みにこの本により、
ハリー・ポッターが第7巻の序盤から抱いていたダンブルドアへの不信感がマックスになる事態となっている)
アバーフォース曰く、ダンブルドアとグリンデルバルドがマグル支配や秘宝探しの計画を進め、アリアナが二の次にされたことに
怒って二人を非難したアバーフォースに対し、グリンデルバルドが激怒。
3人での争いが始まり、アリアナは巻き込まれて亡くなったということである。
また、仮死状態のハリーの元にダンブルドアが登場した際にもグリンデルバルドのことが語られている。
ダンブルドアによれば、グリンデルバルドは「死の秘宝(Deathly Hallows)」に魅了されていたようであり、2人の計画の中心も死の秘宝であった。
(そもそもグリンデルバルドがゴドリックの谷に来た理由が「ペベレル兄弟の末弟の墓があるから」とダンブルドアは推測している)
ダンブルドアとの決裂後は、杖作りのグレゴロビッチ(Gregorovitch)から死の秘宝の一つであり、最強の杖とされる「ニワトコの杖(Elder Wand)」を奪い、
悪行の限りを尽くしたものの、前述の通り1945年に決闘でダンブルドアに敗れ、ニワトコの杖も(忠誠心も含め)没収される。
ハリーとダンブルドアは、ヌルメンガード収監後のグリンデルバルドは自身の行いを後悔していたと推測しており、実際にハリーが見た光景では、
ニワトコの杖を探していた
ヴォルデモート卿に殺される前に「それ(ニワトコの杖)を持っていたことはない」と言っており、
ニワトコの杖をヴォルデモートに渡すまいとしていたことがうかがえる。
(ちなみに真相が明らかになるにつれハリーのダンブルドアに対する不信感は徐々に弱まったようで、ダンブルドアと話をしたことでほぼ終息した様子)
「殺すがよい、ヴォルデモート。私は死を歓迎する! しかし私の死が、お前の求めるものをもたらすわけではない……お前の理解していないことが、なんと多いことか……」
第7巻発売後は、原作者のJ.K.ローリングが「ダンブルドアは同性愛者で、グリンデルバルドに恋心を抱いていた」と発言しており、多くのファンに衝撃を与えることとなった。
原作によれば、若いころの容姿は金髪の巻き毛で
ハンサム。グレゴロビッチからニワトコの杖を奪った際もハンサムさは健在だったが、
晩年の獄中では痩せこけ「
骸骨のよう」と表現されている。
また、「一世代後にヴォルデモートが現れなければ『歴史上最も危険な闇の魔法使い』のリストで頂点に君臨し続けていたであろう」とされている。
映画では『死の秘宝 PART1』にて10代の頃の写真及び晩年の獄中で登場しているが、グリンデルバルドの件を含むダンブルドアの過去は大分カットされており、ヴォルデモートに殺された描写も無かった。
また、グリンデルバルドは
スピンオフ映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』にも登場しており、彼の過去も描写されている。
同作では、1926年の
アメリカの新聞で「グリンデルバルド ヨーロッパを襲撃」と報道される事態となっており、彼の所在を掴み、捕まえるべく活動がされている様子であるが…
終盤にて、実は「グリンデルバルドがMACUSAの魔法法執行部長であるパーシバル・グレイブスに変身していた」ことが明かされる(グレイブスが死の秘宝のマークをちらつかせていたのは
伏線)。
グレイブスに変身した彼は、魔法生物を逃がす騒動を起こしたニュート・スキャマンダーを「グリンデルバルドと共謀している」として死刑宣告をし、
邪魔者を始末しようとする傍ら、闇の力であるオブスキュラスを探し求めており、ベアボーン家の養子であるクリーデンスとの接触を試みる。
当初はクリーデンスの
義妹であるモデスティをオブスキュラスの宿主と考えていたようだが、後にスクイブと見做していたクリーデンス自身が宿主であることが判明。
(オブスキュラスの宿主の寿命は長くて10年とされているため、クリーデンスは最初から宿主候補から外されており、彼が宿主と判明した際には大変驚いていた)
その後、クリーデンスに自分の側に来るよう呼びかけるが、MACUSA議長:セラフィーナ・ピッカリーの命令で宿主もろともオブスキュラスが破壊されたように見えた際には激怒。
その後ニュートに捕獲され、変身を解かれて素顔が晒され、逮捕されることとなった。
…しかし、史実では彼は1945年にダンブルドアに敗れるまでは殺戮を続けるとされているので、今後は脱獄して再登場すると思われる。
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は1945年までが舞台であると発表されており、恐らく今後のシリーズでも彼とダンブルドアについて掘り下げられるのであろう。
既出の情報によれば2作目以降にも登場予定。更にダンブルドア共々、若い頃の姿も登場し、2人の関係も描かれるとのこと。
そして、満を持して発表された2作目のタイトルは
『Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald(邦題:ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生)』
と、なんと
タイトルにグリンデルバルドの名前が入るということになった。(ハリー・ポッター関連作品でタイトルに出てくる人名はハリー本人と
吟遊詩人ビードルの物語のビードルくらいか。)
2作目からはグリンデルバルドの出番をたっぷりと堪能できるように。
ちなみに、脚本のJ.K.ローリングによれば、彼は並外れた変身術の技術でグレイブスそっくりに変身し、クイニー・ゴールドスタインの開心術でも本心を見破れない閉心術の使い手であるとのこと。
しかし、映画のスタッフが「グレイブスへの変身は
ポリジュース薬を使用した」と発言しており、情報の齟齬が見られる。
本物のグレイブスの消息は明かされていない。
追記・修正はヌルメンガードでお願いします。
- さらっと流されてるけどコイツとダンブルドアと互角の戦いしたアバーフォースも凄い使い手よな -- 名無しさん (2017-02-18 21:03:55)
- この人ってどのくらい強いんだろう。ダンブルドアと互角ってことは死喰い人よりは確実に上だろうけど、ヴォルデモートとはどうだったかな -- 名無しさん (2017-02-18 21:13:37)
- ヴォルデモ―トを死に追いやったニワトコの杖の所有者だから相当じゃないだろうか。作中でハンサムと強調されてたのが気になってたからダンブルドアが入れ込んでいたという裏設定はある意味納得だったw -- 名無しさん (2017-02-18 21:28:54)
- ファンタビでクリーデンスを口八丁でいいように利用する様子を見て、「ああ間違いなくヴォルデモートと同じ系譜の人間(?)だ」と実感。 -- 名無しさん (2017-02-18 21:31:06)
- ニワトコ持った状態でダンブルドアに負けたんだから素の実力はだいぶ格下だろう。 -- 名無しさん (2017-02-19 21:40:53)
- 描写されてないから何ともなぁ。あのヴォルデモートもダンブルドアを恐れるって言ってたから単純にダンブルドアが凄かったのかも知れんけど、描写されてない以上は他の要因も考えられる。 -- 名無しさん (2017-02-19 23:27:04)
- 当代最強クラスの魔法使い二人と三つ巴してよく五体満足で生き残れたな弟 -- 名無しさん (2017-03-16 22:26:12)
- 最強クラス内での格付けはダンブルドアよりは下だろうけど、このクラスの連中はマジでその他の魔法使いと力が隔絶してるからなぁ。ぶっちゃけ一般魔法使いから見たらヴォルデモートとも誤差しかないと思う -- 名無しさん (2017-10-27 23:47:56)
- でも妙に小物染みたお辞儀様と比べると大物感あるのはなんでだろう。晩年の悟った感じがあるからかな… -- 名無しさん (2017-11-18 00:08:36)
- ヴォルデモート:95。ダンブルドア:100。グリンデルバルド:90~なイメージ -- 名無しさん (2017-12-03 16:49:18)
- ↑2 人間的な余裕じゃないかな。闇の帝王はわりと余裕のないアダルトチルドレンだし -- 名無しさん (2018-04-21 02:13:16)
- まあ、こいつは国際犯罪者で魔法実力主義の死の秘宝大好き男だからな -- 名無しさん (2018-04-26 12:15:15)
- 愛を知らず、愛を馬鹿にしていたヴォルデモートとは違って、クリーデンスへの態度を見る限り愛をある程度は知っていてそれを利用するタチの悪いタイプの悪役だなと思った -- 名無しさん (2018-10-06 00:14:30)
- カリスマ性が半端なかった -- 名無しさん (2018-11-24 21:41:38)
- ヴォルデモートはむしろクリーデンスに環境的に近いと思う -- 名無しさん (2018-11-25 02:10:07)
- ww2予言してww2終戦に敗れる魔法使い -- 名無しさん (2018-11-26 12:44:30)
- 映画観てきたけど、冒頭の脱獄シーンの迫力が半端なかった -- 名無しさん (2018-11-26 14:37:08)
- 映画でのあの蒼い炎ひでえなぁ、敵対者だけを燃やす能力でもあるんかな? -- 名無しさん (2018-12-31 17:49:14)
- ぶっちゃけお辞儀様より大物感が...いや並べて語るのはどうかとも思うが -- 名無しさん (2019-01-01 11:36:41)
- お辞儀様は恐怖で民衆を屈服させるけど、この人は他者への共感を利用して人心掌握してるから、両者は完全に対極だよね。もしグリンデルバルドにお辞儀様並みの純血主義と「愛」の欠如があったら、本当に史上最悪の魔法使いの称号を手にしていたかもしれない。 -- 名無しさん (2019-03-29 21:34:11)
- ↑作者も「ギャングと詐欺師」って喩えてるね -- 名無しさん (2020-05-07 16:33:59)
- ヴォルデモートがチンピラ臭いせいでこいつの大物感が凄いことになってる -- 名無しさん (2020-05-13 21:33:55)
- 一応お辞儀様がグリンデルバルドを超える魔法界の脅威と言われていたのはゴドリックの谷での敗戦までだから、それ以前のヴォルデモート全盛期と不死鳥の騎士団との戦いを映画化とかすればお辞儀様の復権ワンチャンあるんだが…。だいぶエグイことやってそうだし -- 名無しさん (2020-08-26 15:52:17)
- ヴォルデモートに殺される直前も、ヴォルデモートがあまりにも無知なことを散々バカにしながら死んでいったな。結局ヴォルデモートはグリンデルバルドの言う通りの無様な破滅の仕方をした。 -- 名無しさん (2020-09-08 18:47:34)
- ヴォルデモートのが強いらしいけどこいつのほうが強そうに見える。好き -- 名無しさん (2020-11-06 02:55:42)
- ジョニデ、まさかの降板。次代のキャストはミッツ・マケルセンが有力視されてるみたい。 -- 名無しさん (2020-11-16 15:38:39)
- ヴォルデモートは魔法の才能と非道さには優れているがカリスマ性は低い。部下も大半が恐怖で従っているだけだったり。対してグリンデルバルドは人心掌握術を心得て人を従わせる才がある。個人としてはヴォルデモートの方が上でも、組織として戦えばグリンデルバルドの方が勝ったろうね -- 名無しさん (2020-11-25 02:23:15)
- ヴォルデモートはすぐに殺しに来る感じで、グリンデルバルドは警戒心持ってたはすが気付けば一緒に神輿を担がされている印象 -- 名無しさん (2021-01-18 16:21:10)
- どっちが強いかならヴォルデモート、どっちについていきたいかならグリンデルバルド。 -- 名無しさん (2021-01-30 13:36:59)
- ヴォルデモートはギャングでこの人は詐欺師、とは監督の人物評。 -- 名無しさん (2021-06-04 00:50:20)
- ヴォルデモートは魔法使いとしての単純な強さなら最強だけど、グリンデルバルドはカリスマ性と狡猾さに長けてしかも魔法の才まであるって感じ。 -- 名無しさん (2021-09-29 05:56:53)
- こっちはカリスマ性で人集めてるから単純に力でねじ伏せるヴォルデモートよりも悪役としてスマート -- 名無しさん (2021-12-24 13:18:39)
- 改心する所がまったく想像できないけど作者によると死の秘宝の時点では改心しているらしい -- 名無しさん (2022-04-15 23:12:46)
- 演者によって顔も変われば、声も変わり、日本語吹き替えは津田、平田、井上さん。 -- 名無しさん (2022-04-15 23:16:32)
- ↑2 改心っつーか年取って万能感が無くなり、さらにヴォルデモート跋扈で自分の思想を客観視出来るようになってた感じかなあ。終身刑状態の思想犯死刑囚によくそういう人いる。 -- 名無しさん (2022-05-05 13:34:05)
- ファンタビ3で思いっきりダンブルドアに未練タラタラで笑った -- 名無しさん (2022-05-15 15:29:04)
- 3作目はいろいろ残念だったな…。お辞儀より好きだから4作目で少しは挽回してほしい -- 名無しさん (2022-05-16 01:12:36)
- 未練たっぷりな「ほかに誰が愛してくれる?」はぐっときた。アリアナの件がなければ魔法界はどうなってただろうか -- 名無しさん (2022-05-23 23:17:01)
- ↑分かる。俺もそこでジーンってなった -- 名無しさん (2022-05-29 11:28:14)
- 言うて時系列的に次あたりからグリンデルバルドの勢力は最盛期を迎えるはずだし、前回が大勝利で終わった分今回は負けのターンなんだろう -- 名無しさん (2022-08-22 17:13:47)
- ニワトコの杖使ってノーマルダンブルドアと互角(若干撃ち負け)してるから魔法使いとしてはダンブルドアにもヴォルデモートにも遠く及ばないんだよな。 -- 名無しさん (2023-01-27 21:50:47)
- ジョニー・デップのグリンデルバルドは一対多のカリスマ性と「強さ」って感じ、マッツのグリンデルバルドは人を誑かす面がより強調されてる気がする どっちにせよ顔面が良い -- 名無しさん (2023-02-18 00:42:14)
- こいつの強みって人心掌握術だった筈が、第3作では力尽くやセコイ裏工作でどうこうしようとしてた場面が多い(しかも全部失敗したり裏目に出てる)から、完全にヴォルデモートの下位互換みたいになっちゃってたなあ……続編では自分の強み見つめ直して汚名返上するとかなればいいけど -- 名無しさん (2023-10-09 10:02:46)
- 映画版観てると、ダンブルドアがグリンデルバルドに追従していたのは優秀な自分を活かせる自己顕示欲もあっただろうけど、惚れた弱味っていう側面も十二分にありそうだなって感じがする。 -- 名無しさん (2024-01-25 11:01:46)
- ダンブルドアが惚れるくらい頭いいのは事実なんだろうけどやや短絡的というか不測の事態に弱いように思える。某キャラを散々利用した後にスクイブだからイラネって捨てておいて直後にオブスキュリアルだと分かったとたん更に手のひら返したり、麒麟が双子だったことを見抜けずに殺しちゃった(ドラゴンみたいに耐性が高くて生きたままコントロールできない生き物なのかもしれないが)癖して部下に当たり散らしたり。もうすこし慎重、というより他者に親切に行動していればもっとことがスムーズに運んだだろうしリカバリーもきいただろうに…釣った魚にエサをやらないタイプなのかね -- 名無しさん (2025-01-05 13:06:42)
最終更新:2025年01月18日 09:26