ゲラート・グリンデルバルド

登録日:2017/02/18 Sat 17:48:28
更新日:2024/02/05 Mon 11:20:32
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ゲラート・グリンデルバルド(Gellert Grindelwald)とは、小説『ハリー・ポッターシリーズ』の登場人物である。

演:ジェイミー・キャンベル・バウアー(青年期)
  マイケル・バーン(『死の秘宝 PART1』・老年期)
  ジョニー・デップ(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『黒い魔法使いの誕生』)
  マッツ・ミケルセン(『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』)
日本語吹き替え:大木民夫(『死の秘宝 PART1』・老年期)
        平田広明(『魔法使いの旅』『黒い魔法使いの誕生』)
        井上和彦(『ダンブルドアの秘密』)


名前の初出は第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』。
アルバス・ダンブルドアの蛙チョコレートカードに、「一九四五年、闇の魔法使いグリンデルバルドを破った」という一文が登場する。

これ以降、彼の名前はずっと登場せず、彼の存在を忘れていた読者も多いであろう。

しかし、彼の出番はそれだけではなかった。










ダンブルドア死後の第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』にて、リータ・スキーターが『アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘(The Life and Lies of Albus Dumbledore)』という本を発売。
彼とダンブルドアの驚くべき関係が明らかとなる。

本によれば、彼はダームストラング専門学校に入学するも、同窓生を殺しかけて16歳の時に放校処分にされ、その後はゴドリックの谷に住んでいる魔法史家である大おばのバチルダ・バクショットの元で暮らすようになる。

当時(1899年)のアルバスはホグワーツ魔法魔術学校を卒業するも、不安定な状態であったアリアナの暴発*1ケンドラが亡くなったことにより、妹の面倒を見る日々であった。
しかし、自身の能力を発揮する機会に恵まれなかったためか、たちまちグリンデルバルドと意気投合するようになり、2人で魔法族によるマグル支配を計画するようになったとされる。

しかし、アリアナの謎のをきっかけに彼とダンブルドアは決裂。その後にグリンデルバルドは闇の道に進むようになる。ダンブルドアとは決闘するまで会うことはなかったといい、敗北後は自身が建てた監獄にして本拠地・ヌルメンガード(Nurmengard)に投獄された。
(因みにこの本により、ハリー・ポッターが第7巻の序盤から抱いていたダンブルドアへの不信感がマックスになる事態となっている)



その後、ハリーたちはダンブルドアの弟アバーフォース・ダンブルドアに会い、アリアナの死の真相を聞くことになる。

アバーフォース曰く、ダンブルドアとグリンデルバルドがマグル支配や秘宝探しの計画を進め、アリアナが二の次にされたことに怒って二人を非難したアバーフォースに対し、グリンデルバルドが激怒。
3人での争いが始まり、アリアナは巻き込まれて亡くなったということである。



また、仮死状態のハリーの元にダンブルドアが登場した際にもグリンデルバルドのことが語られている。

ダンブルドアによれば、グリンデルバルドは「死の秘宝(Deathly Hallows)」に魅了されていたようであり、2人の計画の中心も死の秘宝であった。
(そもそもグリンデルバルドがゴドリックの谷に来た理由が「ペベレル兄弟の末弟の墓があるから」とダンブルドアは推測している)

ダンブルドアとの決裂後は、杖作りのグレゴロビッチ(Gregorovitch)から死の秘宝の一つであり、最強の杖とされる「ニワトコの杖(Elder Wand)」を奪い、
悪行の限りを尽くしたものの、前述の通り1945年に決闘でダンブルドアに敗れ、ニワトコの杖も(忠誠心も含め)没収される。


ハリーとダンブルドアは、ヌルメンガード収監後のグリンデルバルドは自身の行いを後悔していたと推測しており、実際にハリーが見た光景では、
ニワトコの杖を探していたヴォルデモート卿に殺される前に「それ(ニワトコの杖)を持っていたことはない」と言っており、
ニワトコの杖をヴォルデモートに渡すまいとしていたことがうかがえる。
(ちなみに真相が明らかになるにつれハリーのダンブルドアに対する不信感は徐々に弱まったようで、ダンブルドアと話をしたことでほぼ終息した様子)


「殺すがよい、ヴォルデモート。私は死を歓迎する! しかし私の死が、お前の求めるものをもたらすわけではない……お前の理解していないことが、なんと多いことか……」




第7巻発売後は、原作者のJ.K.ローリングが「ダンブルドアは同性愛者で、グリンデルバルドに恋心を抱いていた」と発言しており、多くのファンに衝撃を与えることとなった。





原作によれば、若いころの容姿は金髪の巻き毛でハンサム。グレゴロビッチからニワトコの杖を奪った際もハンサムさは健在だったが、
晩年の獄中では痩せこけ「骸骨のよう」と表現されている。
また、「一世代後にヴォルデモートが現れなければ『歴史上最も危険な闇の魔法使い』のリストで頂点に君臨し続けていたであろう」とされている。

映画では『死の秘宝 PART1』にて10代の頃の写真及び晩年の獄中で登場しているが、グリンデルバルドの件を含むダンブルドアの過去は大分カットされており、ヴォルデモートに殺された描写も無かった。











また、グリンデルバルドはスピンオフ映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』にも登場しており、彼の過去も描写されている。



同作では、1926年のアメリカの新聞で「グリンデルバルド ヨーロッパを襲撃」と報道される事態となっており、彼の所在を掴み、捕まえるべく活動がされている様子であるが…










終盤にて、実は「グリンデルバルドがMACUSAの魔法法執行部長であるパーシバル・グレイブスに変身していた」ことが明かされる(グレイブスが死の秘宝のマークをちらつかせていたのは伏線)。



グレイブスに変身した彼は、魔法生物を逃がす騒動を起こしたニュート・スキャマンダーを「グリンデルバルドと共謀している」として死刑宣告をし、
邪魔者を始末しようとする傍ら、闇の力であるオブスキュラスを探し求めており、ベアボーン家の養子であるクリーデンスとの接触を試みる。

当初はクリーデンスの義妹であるモデスティをオブスキュラスの宿主と考えていたようだが、後にスクイブと見做していたクリーデンス自身が宿主であることが判明。
(オブスキュラスの宿主の寿命は長くて10年とされているため、クリーデンスは最初から宿主候補から外されており、彼が宿主と判明した際には大変驚いていた)

その後、クリーデンスに自分の側に来るよう呼びかけるが、MACUSA議長:セラフィーナ・ピッカリーの命令で宿主もろともオブスキュラスが破壊されたように見えた際には激怒。
その後ニュートに捕獲され、変身を解かれて素顔が晒され、逮捕されることとなった。



…しかし、史実では彼は1945年にダンブルドアに敗れるまでは殺戮を続けるとされているので、今後は脱獄して再登場すると思われる。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は1945年までが舞台であると発表されており、恐らく今後のシリーズでも彼とダンブルドアについて掘り下げられるのであろう。

既出の情報によれば2作目以降にも登場予定。更にダンブルドア共々、若い頃の姿も登場し、2人の関係も描かれるとのこと。



そして、満を持して発表された2作目のタイトルは



Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald(邦題:ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生)』



と、なんとタイトルにグリンデルバルドの名前が入るということになった。(ハリー・ポッター関連作品でタイトルに出てくる人名はハリー本人と吟遊詩人ビードルの物語のビードルくらいか。)
2作目からはグリンデルバルドの出番をたっぷりと堪能できるように。






ちなみに、脚本のJ.K.ローリングによれば、彼は並外れた変身術の技術でグレイブスそっくりに変身し、クイニー・ゴールドスタインの開心術でも本心を見破れない閉心術の使い手であるとのこと。
しかし、映画のスタッフが「グレイブスへの変身はポリジュース薬を使用した」と発言しており、情報の齟齬が見られる。
本物のグレイブスの消息は明かされていない。





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最終更新:2024年02月05日 11:20

*1 後に映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』において、アルバスの口から彼女がオブスキュラスの持ち主であった事が明かされている。