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ポリジュース薬

登録日:2012/05/22 Tue 14:48:40
更新日:2026/09/22 Tue 22:58:25
所要時間:約 5 分で読めます




ポリジュース薬とは、ファンタジー小説『ハリー・ポッターシリーズ』に登場する魔法薬の一種。
英語ではPolyjuice Potion。


◆材料

  • クサカゲロウ
  • ヒル
  • 満月草
  • ニワナヤギ
  • 二角獣の角の粉末
  • 毒ツルヘビの皮の千切り
  • 変身したい人物の一部(髪の毛、爪など)


◆特徴・効能

服用すると、一定時間だけ「(この薬を調合する際に用いた材料の採取元である)変身したい人物」の姿になれる。
他人のふりをして情報を得たい時、護衛対象の影武者が欲しい時等に使用する。

見た目も声も完璧に偽装でき、視力などの体質も変身先のものになるし、異性へ変身することも問題ない。なお変身相手の肉体が欠損している場合は、その欠損も再現される(片足を失っている相手に化けると自分の片足も無くなるため、義足を奪う必要が出てくる)。戻る時は少しずつ元の人物に戻っていく。
インターバルを置かずに連続で服用しても差し支えなく、定期的に飲み続ければ長期間元の姿に戻らずにいることもできる。
しかし人格はもちろん元のままなので、ちゃんと演技をしないと怪しまれてバレかねない。

なお、変身できる対象は人間のみ。
もしも誤って動物の一部を材料にすると、薬自体は完成し服用できるものの、獣人のような中途半端な変身になってしまう上、一時間経っても元に戻れない。
この場合、何らかの治癒魔法か魔法薬に頼らざるを得なくなる。
巨人等の亜人はハーフ含め使用できない(おそらく材料としても不可)だが、魔法生物のヴィーラを祖母に持つフラー・デラクールは問題なく使用していたので、彼女のようなクォーターくらいに血筋がヒトに近いものになれば効果が出るようだ。

調合方法を記した書物『最も強力な魔法薬』がホグワーツ魔法魔術学校図書館の禁書棚*1にあったことや、材料の一部は生徒に開放されていない棚で魔法薬学教授のセブルス・スネイプが管理していることなどから、生徒による調合は禁止されていることはうかがえるが、一般での合法性については不明。
調合過程は複雑な上、完成まで1か月もかかる。大人でも失敗は珍しくないらしく12歳で成功させたハーマイオニーの才女ぶりを示す事例の一つ。持続時間は出来栄え次第で10分~12時間とされているが、作中描写からすると標準的には1時間。
変身先の体の一部を入れるのが最終段階で、この直前でとっておいて後で対象の人物を確定することもできる。

完成して相手の一部を入れた際は、人物によって色と味が変わる。初出となったグレゴリー・ゴイルの薬は「鼻くそみたいな色」な上「煮すぎたキャベツみたいな味」と最悪で、ヴィンセント・クラッブやベラトリックス・レストレンジの薬も同様に酷かったようだが、一方ハリー・ポッターの薬は金色で、味もまともなものだったとか。対象の人格や健康状態などに影響されるのだろうか?
ちなみに、ハーマイオニーはハリーの毛髪が入ったエキスを見ていきなり「おいしそう」発言をしたため、ハリーとロンをドン引きさせた。案外ノンデリな一面のあるハーマイオニーである。


◆作中での使用

作中での人間への変身手段としてはそこそこ一般的なのか、度々使用されている。読者(視聴者)の記憶にも残りやすいアイテムだったといえよう。

以下、ネタバレも含むので注意。


◆2巻 秘密の部屋

ドラコ・マルフォイからスリザリンの継承者や秘密の部屋の話を聞き出すべく、フォイの側近のクラッブとゴイル、それにミリセント・ブルストロードに変身する為、ハーマイオニー・グレンジャーが人が寄り付かない嘆きのマートルのトイレ(女子トイレ)で調合した。
ちなみに上記の通り、生徒がこれを作るのは禁止されているのだが、この薬を作ると決めたのはハーマイオニーである。ロン・ウィーズリー曰く「僕たちに規則を破れって、君が説教する日が来るとは思わなかったぜ」。ちなみにこの当時でまだ二巻の中盤辺りである。

ハリーがゴイル、ロンがクラッブ、ハーマイオニーがブルストロードの髪の毛を入れてそれを服用した……が、ハーマイオニーが入れたのはブルストロードの髪の毛とかではなく*2飼い猫の毛だった為、上手くいかず失敗。中途半端に猫になってしまい、校医のマダム・ポンフリーの世話になることに。
ポリジュース薬作成は思いっきり規則違反だが、マダム・ポンフリーはそのような事については問わないタイプなので事なきを得た。
結局作戦自体はハリーとロンの二人で実行する事になったが、ドラコは継承者ではなかったし秘密の部屋について何も知らなかったため、ただ単に校則を破ってまで激マズの薬を飲んだだけで収穫はゼロだった。

ちなみにこのポンフリーの判断だが、校医がこういうときに咎めてしまうと、類似した事態(違法薬の調合・実験に限らず、喧嘩で相手に呪いを掛けたり、魔術の自己練習中にたまたま通りすがった生徒に誤爆したり、といった場合など)を引き起こした生徒が、秘密を保持したい一心で勝手に「治療」を施そうとして、事態が際限なく悪化する……という恐れがあるためと思われる。
切羽詰まって「証拠隠滅=変異した生徒の殺害と死体処分」でも図られたら、それこそ目も当てられない。


◆4巻 炎のゴブレット

バーテミウス・クラウチ・ジュニアがハリーに近付く為、ホグワーツの闇の魔術に対する防衛術の教師になった元闇祓いのアラスター・ムーディを監禁し、彼に成り済ましていた。
作中ではポリジュース薬を飲む目的でよくボトルを口にしていたが、これは本物のムーディが毒殺対策を目的として、自前の携帯酒瓶からしか飲み物を飲まないという習慣を持っていたのを利用したため。
ハリーからは、双子のウィーズリーの悪戯に引っ掛からない為には彼のようにするべきか……くらいの視点で見られていた。

また十年以上前にクラウチ・ジュニアがアズカバンから脱獄する際、母親と入れ替わるために使用していたことも明らかとなる。
クラウチJr.の近くの牢に収監されており、行き交うクラウチSr.やクラウチ夫人を目撃していたシリウスは「吸魂鬼が監獄の外に埋葬したのをわたしは目撃している」と発言している。
元来の病に加えて息子の犯罪・収監で気力を失った母が死の数秒前のタイミングを見計らったとも、監獄ゆえの略式だろうと埋葬が死後1時間以内で片付くとも考え難いため、この時使われた薬は数時間持つ上等なものだったか、この薬で変身した状態のまま死体となった場合、変身が解除されなくなる可能性があることが示唆されている。
ただしアズカバンの看守である吸魂鬼は目が見えないので、シリウスが埋めるその瞬間まで見たというわけでなければ埋葬直前に戻っても発覚しなかった、という可能性もある。


◆6巻 謎のプリンス

ホラス・スラグホーンが魔法薬の授業で見せていた。

その後クラッブとゴイルが、必要の部屋の見張りの為に使用した。ちなみに2人とも毎回違う生徒に変身していたが、その中には女子生徒も混ざっていた。
しかし何の用事もないのに特におしゃべりもせず突っ立っているだけだったので、ハリーたちから不審がられ、最終的に見抜かれた。
薬の調達方法については、スラグホーンの部屋からくすねたとハリーは推測している。


◆7巻 死の秘宝

序盤、ハリーをダーズリー家から隠れ穴に輸送する為にムーディの案でロンとハーマイオニー、フレッドとジョージ、フラーとマンダンガスの6人が服用してハリーに変身し、「七人のハリー作戦」を決行した。
ハーマイオニー曰く(スリザリン組の髪の毛で作ったものより)美味しそうとの事。いきなりのセクハラコメントにハリーもロンも唖然とした。
実写映画版の該当シーンはいろんな意味で衝撃的。6人の自分が目の前で着替えるとかどんな羞恥プレイ。
なおこの時はさすがに分かりやすさ重視で声は変身元のままになっている。ダニエル・ラドクリフは変身元に合わせて演技を変えつつ7回撮影、各変身元の演者はそのダニエルに合わせてアフレコという手の込んだ方法で制作されており、吹き替えもそれに準じている。

ビルとフラーの結婚式では、ハリーをマグルの男子に変身させて参加した。

その後潜伏や潜入を想定していたハーマイオニーが、相当量のポリジュース薬を用意していたことが判明。
魔法省に侵入する為に3人組それぞれ同省職員のアルバート・ランコーン、レジナルド・カターモール、マファルダ・ホップカークに変身。

さらにハリーとハーマイオニーがゴドリックの谷を訪れる際にもマグルに変身するなど、随所で活躍していた。

ハーマイオニーは更にその後、グリンゴッツ魔法銀行のレストレンジ家の金庫に侵入する為、ベラトリックス・レストレンジに変身した。(ハリーとロンは透明マントを使用)
しかし、ハーマイオニーとベラトリックスの性格の違いから挨拶にうっかり返事してしまい、少し怪しまれた。






追記・修正はポリジュース薬でめいでんになってからお願いします。

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最終更新:2026年09月22日 22:58

*1 禁書棚の資料を生徒が閲覧するには、許可証に教員のサインが必要。

*2 クラッブとゴイルからは直接材料をせしめたが、ミリセントの場合は決闘クラブで組み合った際にハーマイオニーのローブに付いた毛を使ったので、それがミリセント本人のものだと誤認したのだろう。