綾小路文麿

登録日:2017/03/17 (金) 17:27:27
更新日:2025/04/12 Sat 22:58:07
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名探偵コナン』の登場人物。



□概要

京都府警刑事部捜査一課の刑事で階級は警部。年齢は28歳。
切れ長の目を持ち、平安時代の公家のような短い眉毛(麻呂眉)が特徴的な人物。髪型はオールバックだが、一部分だけ前髪が数本垂れている。
公家出身で、やんわりとした上品な京都弁を話す。一人称は「私」。
その落ち着いた風貌や振る舞いから、周囲からは「おじゃる警部」と呼ばれている。しかし、初登場作以降は殆どこのアダ名では呼ばれていなかったりする。


国家公務員第1種試験に合格後、京都府警に配属されたキャリア組であり、警視庁捜査一課に勤務する白鳥任三郎は同期でもある。
周囲からは綾小路と白鳥はライバル関係にあるとされているが、白鳥のほうは後述の理由のためにライバル関係であると思われる事を嫌っている。
しかしそこまでいがみあっている様子もなく、関東広域連続殺人事件では京都で発生した事件の情報を白鳥に電話で提供していた事がある。
正確な推理力は不明であるが、イージス艦の事件では優れた情報収集能力を発揮して捜査に貢献し、黙秘を続ける自衛官の任務の内容を推理してみせた事がある。
ちなみに工藤新一からは「割と頭のきれる刑事」と評されている。
意外と身のこなしも軽く、『大怪獣ゴメラVS仮面ヤイバー』では犯人の車に轢かれそうになった蘭を助ける為に道路に素早く飛び出し、間一髪のところで彼女を助けている。そして何事もなかったようにコナンに挨拶していた。


意外にも人情家な一面があり、和菓子消失事件では被害を受けた人物の意見を汲んで犯人を不問にしている。
彼を演じる置鮎さんは、彼に対して「真面目な人物」という印象を持っており、置鮎さん自身過去に大阪に住んでいた事もあるため、
彼の話す言葉は純粋な京都弁になっていないかもしれないと答えている(「キャラクタービジュアルブック」より)。
落ち着いた性格だが、『迷宮の十字路』ではある事に気づいた時に小五郎や白鳥と一緒に激怒するという珍しいシーンが見られた。


彼を語るうえで欠かせないのが、彼がいつも連れ歩いているペットの「シマリス」
名前は「マロちゃん」と言い、そのシマリスを普段から肩に乗せたりスーツのポケットに入れたりして連れまわしており、事件の記者会見場にまで連れていくほど溺愛している。
非番の際には一緒に“散歩”に出かける事が多いが、この際にもシマリスは肩に乗せたままにしているため、
少年探偵団には「あれで散歩になってるの?」と疑問に思われた事がある。

流石に殺人事件の捜査には連れていかないようにしているが、それが元で毛利小五郎に殺人事件の犯人としてシマリス共々疑われた事がある。
本人曰く「1番の親友」だそうだが、
その事を聞いた吉田歩美から「もしかして警部さん人間の友達少ないの?と心にグサリとくるような事を言われた時には思わず対応に困っていた。
また白鳥からは「あんなシマリスをいつも連れ歩くようなヤツと一緒にされたくない」と変人扱いされていて、ライバルだと思われる事を嫌がられている*1


□主な活躍

元は劇場版オリジナルキャラクターで、現在5作品に出演。

初登場は第7作『迷宮の十字路』。
この事件では捜査責任者の1人として、警視庁、大阪府警、京都府警の合同捜査に加わり、劇中、新たに京都で発生した殺人事件の捜査も行った。
この頃はよそ者である江戸川コナン服部平次が捜査に介入する事を快く思っておらず、
捜査中の彼らの前に現れて「よそ者は事件に首突っ込まん事や」と忠告し、
平次が犯人に襲われ負傷した際には「これに懲りて大人しゅうしてる事ですな」と釘を刺す場面もあった。

新たに京都で発生した殺人事件の捜査ではシマリスを置いてきていたが、
それを知った小五郎に「そのシマリスを使って証拠を現場から遠ざけた」と思われ、犯人だと疑われてしまう。
そしてトリックを再現すると言ってシマリスまで小五郎の迷推理に付き合わされる羽目になったので、最後には小五郎に対して「呆れてモノも言えませんな」とイヤミを言っていた。
だが同じく小五郎に犯人扱いされた白鳥ほどこの事を引きずってはおらず、
ある事件で再会した際には「さすが毛利はん」と彼の推理(正確にはコナンだが)を素直に賞賛していた。

後に第13作『漆黒の追跡者』でほんの少しだけだが登場。
京都で発生した火災の事を調べて欲しいという警視庁の要請を受け、調査結果を白鳥に伝えていた。
以降は劇場版限定の準レギュラーとなり、『絶海の探偵』『から紅の恋歌』では殺人事件の捜査担当者として登場し、
異次元の狙撃手』ではアメリカから京都に来ていた人物とその家族の警護に当たっていた。
なお、初登場の事件で疑われた事がきっかけなのかは不明だが、以降の事件では事件現場にシマリスを連れてくるようになった。

また、『絶海の探偵』のプレストーリーである『消えた老舗の和菓子』でようやくテレビアニメ版に初登場。
散歩中に通りかかった和菓子店でコナン達の姿を見つけ、巻き込まれる形で和菓子消失事件の捜査に協力し、コナンと組んで関係者から話を聞いていた。
なお、この事件で小五郎と再会するが、小五郎は彼の事をすっかり忘れていた。
コナンと平次の推理力も認めており、『から紅の恋歌』では彼らに事件現場の捜査を許可したり、手分けして関係者をマークしていた彼らを「いいチームワーク」と評していた。

キャラが立っている上に人気の高い存在でもある為、同じ劇場版オリジナルキャラである小田切敏郎刑事部長と同様に原作への登場を望むファンも多かった。
なかなか原作への登場の機会に恵まれなかったものの、『紅の修学旅行』(File.1001『紅蓮の魔物』)でようやく原作初登場となり、京都へ修学旅行に来ていた新一達と一緒に殺人事件の捜査を行った*2
ちなみに過去の劇場版の事件では「工藤新一」本人とは会ったことがなかった為*3世良真純から「割と切れる警部だから心配ない」という新一の評価を聞いた時は「コナン君にでも聞かはったんやろか?」と不思議がっていた。
そして肩のシマリス(マロちゃん)を見た世良はやはりきょとんとしていた。

原作2度目の登場となった『大岡紅葉の甘い罠』では、警視庁捜査一課管理官である黒田兵衛と初対面。
ベランダの植木鉢を使って窓ガラスを割って事件現場をガラスの破片まみれにした黒田に対し、警視庁の刑事はドラマの刑事みたいにやる事が派手だと嫌味にも聞こえる事を言っていた。警視庁にはそれ以上に派手な事をする刑事もいるが。
当初は現場の状況から服毒自殺と決めつけるというらしくないところがあったものの、コナン・平次・黒田の意見を聞いた後は他殺の線も考慮して捜査を進め、他殺だとしたら幾つか解明しなければならない疑問点がある事を挙げる等「割と頭の切れる刑事」の面目は一応保てていた*4
ちなみに今回もシマリスを連れて来ており、上着のポケットに隠していたが、匂いに敏感だった黒田に「かすかに獣の匂いがするような…」とバレかけていた。


追記・修正は、公家出身の方にお願いします。

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最終更新:2025年04月12日 22:58

*1 ちなみに白鳥も、佐藤美和子から変人扱いされていたりする。

*2 なお、劇場版出身キャラでは、真田貴大風見裕也よりも原作初登場が遅かった。

*3 初登場した『迷宮の十字路』は唯一、工藤新一本人が出ているが彼は出会っていない。

*4 なお、近年は有能なキャラが増えた為か、過去回では有能だったキャラの能力が最新回では劣るという事がしばし発生している。その為、「割と頭の切れる刑事」であるはずの綾小路が服毒自殺だと決めつけた際、雑誌掲載当時やアニメ放送当時の本エピソードを見た一部のファンからは違和感を覚えたという声があがっていた。