服部平次

登録日:2014/04/06 Sun 22:42:04
更新日:2025/04/26 Sat 12:02:10
所要時間:約 10 分で読めるで





服部平次!!

関西やったらちょっとは名の知れた探偵や!


服部(はっとり)平次(へいじ)は『名探偵コナン』の登場人物。

CV:堀川りょう/比嘉久美子(幼少期)
演:松坂桃李


人物


私立改方学園高等部2年に在学中の高校生探偵。
「西の高校生探偵」「西の服部、東の工藤」など、同じ高校生探偵である工藤新一と並び称される頭脳を誇る。
その点から二人の関係は周囲からライバルと評されることも多いが、後述の経緯から江戸川コナン=工藤新一の正体を知る数少ない人物となったこともあり、実際は頼もしい探偵仲間・親友という側面が強い。

名前の由来はドラマ『探偵物語』に登場する服部刑事と、とっつぁんのご先祖様こと銭形平次

大阪府寝屋川市在住。
家族構成は大阪府警本部長の父・平蔵と専業主婦の母・静華。兄弟はおらず一人っ子。
遠山和葉とは幼なじみ同士。

一人称は「オレ」。
二人称はコナンや和葉初め同格や年下に対しては「お前」。名前で呼びかける際には、ふざけて茶化している時など以外は呼び捨てである。
和葉以外の女子に対しては「姉ちゃん」呼ばわりする傾向にある。
それ以外の大抵の相手には「あんた」「お前」、特に目上には苗字に「さん」「ハン」*1付けすることが多いが、これらに当てはまらない場合も少なくない。

色黒肌でチャキチャキの関西弁を喋り、「お好み焼きはオカズやで」と言うコテコテの関西人。
そんなキャラ付け故かコミカルな言動が目立ち、和葉と夫婦漫才をしたり、ボケたりツッコミを入れたりとギャグシーンでの存在感は強い。
一方、シリアスな場面では犯人に向かって啖呵を切ったり、和葉を必死で守ろうとしたりと、新一やコナンのようにかっこいい姿も見せる。

特筆すべき点の1つは行動力の高さ
工藤ことコナン達に会うべく、大阪府在住ながら頻繁に東京を訪れたり、依頼とあらば府外へも愛用のバイクで一っ飛びしたりなど、フットワークは非常に軽い。
どれくらいかと言うと、美味いステーキ1枚を条件にわざわざ学校を休んで京都まで行き『紅の修学旅行』では新一の修学旅行をサポートしてくれる*2程。
ちなみにその後はバイクでコナンを東京まで送るなど、往復を考えるといい奴を通り越して聖人レベルである。
なお、バイク以外に新幹線を利用して上京してくるエピソードもあるが、作者曰く「親が金持ちだから(新幹線代ぐらいの交通費は貰っている)」とのこと。まあ府警本部長ならね……。

事件現場に遭遇すればなりふり構わず、真っ先に被害者の生存を信じて飛び込んでいく
その高すぎる行動力が故に現場を荒しかねないと厳しい評価をされたこともあるが、それだけ平次が情に厚く、また決して人の命を軽んじはしないという性格の表れで、こうした一面から平次をよく知る人物からは好印象を持たれている。
このように親友でもあるコナンの頼みとあらば、事件の調査や変装しての代役を引き受けるなど友達思いでもあるため、コナン達からの信頼も厚い。

また、行動力の高さに隠れがちだが、薬品に関する専門知識から潜入捜査官らの間などで用いられる業界用語など、探偵としてあらゆる知識を有しており非常に博学。とはいえ、生育環境的に仕方ないが東京の文化などには疎い一面もある。
推理に関してはコナンと比肩するだけあって冷静に事件を見つめ、その裏に隠された真相を見抜いていくスタイル。ただし上記の行動力の高さから冷静さを失うことも多く、コナンと張り合う時や和葉に危機が及んだ際はそれが著しい。良くも悪くも激しやすい性格といえるだろう。


能力・嗜好

「東の工藤、西の服部」と呼ばれるだけあって、推理力はコナン(新一)とほぼ互角。
特に地の利がある関西文化が交じる謎解きではほぼ確実に先手を取って閃くほどであり、コナンも素直に服部の知識を頼ることもある。
謎解きに集中し過ぎて「ドアホ推理之助」(和葉談)となることもある。

また、剣道の達人で5段の腕前を誇る。(現実には年齢的に受験できない)サッカーで国立を狙えるとされる新一とは別ベクトルだが、フィジカル面でも引けは取らない。
本作には、武道で言えば他にも化物じみた実力を持つ作者公認の(素手なら)最強な人とか出番の多い人とかがいて、彼らに比べると印象が薄いかもしれないが相当強い。
実際、達人揃いの大阪府警強豪を軒並みなぎ倒していることで作中でも有名。
劇場版では真剣を扱うこともザラで、凶悪犯や怪盗相手に本気の殺陣を演じることも多い。原作では真剣相手に鞘の打撃だけで取り押さえたこともある。
ちなみに両親も剣道の達人である。

バイクの免許も取得しており、よく和葉を連れて外出している。しかし劇場版『迷宮の十字路』などでは犯人を追跡する余り線路まで追走劇を繰り広げるなど、免停不可避な運転*3をすることも。親父は息子のしでかした事だからと揉み消しを図るような性格ではないので、たまたま運良く目撃されずに済んだだけかもしれない。
また剣道やバイクに加え、『から紅の恋歌』ではかるたも得意だったことが判明。小学生の頃に飛び入り参加した大会では、後に高校生かるたクイーンとなる大岡紅葉に勝利し優勝(と、彼女の初恋)をもぎ取っている。

加えて語学も得意。『英語教師vs西の名探偵』でアメリカ人のジョディ・スターリングと初めて会った際には、彼女に冷や汗をかきながら下手な英語で応対していた……が、実のところはネイティブスピーカーとも普通に英会話が出来るほど(ちなみに平次役の堀川氏も英語に堪能である)の語学力を誇る。なお、ジョディに「上手い人がわざと下手に話している英語」と指摘された後は流暢に英語を操っている。
流石に見抜かれているとは思わなかったのか、そう指摘された際には決まりが悪そうにしていたが、ジョディがわざとカタコトの日本語を話している事や、ただの英語の先生ではないことを見抜いていた事を告げ、彼女を驚かせている。
ただし関西弁以外の日本語をしゃべるのは苦手のようで、新一のふりをしているときも当たり前のように関西弁を使う他、OVAのエピソード『消えたダイヤを追え!コナン・平次vsキッド!』において標準語でしゃべる事になった際は何度もコナンにダメ出しされていた。

この関西弁の件からも伺えるが、大阪、および関西圏に対する郷土愛も非常に強い。
コナン達に初めて事件に絡まない形で会おうと言ったのも大阪見学に誘った時だったり、関西文化をけなされるようなことを言われて激怒する場面が度々あったりする。

一方、ホームズ好きのコナンに対してエラリィ・クイーンが好きだったり、サッカー好きのコナンに対して野球が好きだったりと、時に嗜好は対照的。
また、野球帽を逆向きに被っていることが多いが、本格的に推理を始めるなどの気合を入れる場面では帽子を正しい向きに被り直す癖がある。それを知る和葉は平次が帽子を被り直すと「スイッチをオンにした」と見なし、彼の勇姿を期待する。
この設定は『そして人魚はいなくなった』で追加されたものだが、以降の事件でもさりげなく帽子を被り直しているシーンがある。

ちなみにコナン(新一)同様に料理関連は下手。
キュウリの千切りさえ出来ず繋がっている始末*4*5。和葉が料理上手で良かった。

作中での活躍


初登場は『外交官殺人事件』。新一と対決するために上京した。
登場してすぐに、の話から「新一が近くに潜んでいる」と見抜いてみせる。
しかし、この時は新一への対抗心から功を焦り、犯人のミスリードに引っ掛かってしまった。

とはいえ、これ以降の登場では概ねコナンと同等の推理力を見せている。
また、2回目の登場となった『ホームズ・フリーク殺人事件』では、辻村邸と同様に自分と同じ行動を取るコナンに疑いの目を向け、事件終了後には正体に気付いた。
独力でコナンの正体を見抜いた人物は、平次が初めてである。*6

以降は、新一に変装して正体バレを回避させようとするなど、良き協力者といった立場になる。
工藤呼びでしょっちゅうバラしかけてるけどな!

ちなみに作中で関わった事件は「蜘蛛御前」「人魚」「グソー*7の使い」「魔犬」「吸血鬼」「」などといった伝承・伝説上の超常的な存在が絡んだオカルト的な内容の物が何故か多い。
またコナンが一時的に新一に戻った際にはほぼ居合わせている他、彼の事情を知っている関係で黒の組織との戦いに手を貸すこともある。*8
ただコナンは内心で「組織との戦いに服部を巻き込む訳にはいかねえ」と平次を巻き込むことに関しては消極的な姿勢も取っている。

劇場版では、『世紀末の魔術師』で初登場。
以降も『迷宮の十字路』『探偵たちの鎮魂歌』『漆黒の追跡者』『天空の難破船』『絶海の探偵』『から紅の恋歌』『100万ドルの五稜星』に登場しており、特に『迷宮の十字路』『から紅の恋歌』『100万ドルの五稜星』ではメイン格を務めている。『隻眼の残像』には回想シーンのみの登場でセリフは無し。


主な人間関係


良きライバル、かつ互いの能力を認め合う親友。
時にははたから見れば「そんなことで?」と言いたくなりそうなことで張り合ったり軽口も叩いたりしているが大バカ推理之助とドアホ推理之助同士なので思考回路や推理力は似通っているため、一緒に捜査に当たる時の息はぴったり。

コナンとしても、自身が『工藤新一』として堂々と接することができる数少ない人物、かつ同性で同い年という共通点や気安さもあってか、平次の事を信頼し頼もしく思っている模様。
関西の情報が欲しいなどの場合にはよくコナンに協力を頼まれているが、特に用事が無くても電話をしているらしく、最近解決した事件の件数や過去に関わった事件の話などの連絡をそれなりに高い頻度で取り合ってもいるようだ。
上述の通りコナンの正体を知っており、電話や物陰での会話等では遠慮なく「工藤」と呼ぶが、蘭や小五郎など事情を知らない者も一緒にいる場では「(メガネの)ボウズ」や「コナン君」などとなるべく呼んでいる。
お互いに顔や体格が似ているらしく、平次が新一に、新一が平次に変装することがたまにあるが、主に方言のせいで蘭や和葉といった近しい人間には即バレすることも。

幼なじみ。「鉄の鎖」で結ばれた仲を(和葉が)自称している。
交際関係になる前には、顔も知らない「工藤」に嫉妬したり、平次のためなら危険なこともしたりとどう見ても平次の嫁
ただ、平次以外の周囲の人間は和葉の気持ちを知っているが、
彼の鈍さと和葉の素直になれない性格が祟ってなかなか進展しなかった。出番も東京のラブコメ組達より基本的に少ないしね。



あと忘れられがちだが合気道二段と、やはり戦闘力は高め。
しかし、蘭とのキャラかぶりを防ぐためか、初登場の事件以降でこの設定が活用されているとは言い難いところで、基本的に攫われる真っ当な(?)ヒロインポジションになりがち*10
『迷宮の十字路』など、時折活かされる事もあるが、いつも犯人たちを派手にのしている蘭と比べるとどうしても印象が薄い。

父親。大阪府警本部長。
推理力は息子以上で、『大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城』では息子を掌の上で泳がせていた。この辺りは工藤父子と似た関係である。
名前の由来は「鬼平」こと火付盗賊改方長官長谷川平蔵

母親で旧姓は池波。和服を纏って登場することが多い。
和風美人でキリッとした印象だが、割と天然。実際『浪花の連続殺人事件』では、息子が銃弾を受け病院に搬送されているのに、夕飯のてっちりの前で毛利一家を待っていた、なんてことも。
ちなみに平次は『探偵左文字シリーズ』の読者だが、『ミステリー作家失踪事件』等でのセリフからどうやら静華が熱烈なファンである様子。また、劇場版『から紅の恋歌』では、かつてかるたクイーンだったという設定が追加された。
名前の由来は銭形平次の妻・お静、旧姓は小説家・池波正太郎氏と思われる。
その他、平次は他人の前では母のことを「オバハン」呼ばわりしているが、まあ彼くらいの年齢の男子にはあることだろう。なお静華はその呼び方について特に何も反応していないが、この人ならきっと許さないと思われる

和葉の父。大阪府警刑事部長。平次との仲は良好で、彼になら和葉を任せられると思っている節がある。
名前の由来は「遠山の金さん」こと遠山金四郎

大阪府警の警部。
平次とは親しい間柄で、「平ちゃん」と愛称で呼び、彼からの要請にもある程度は応えてくれる。
名前の由来は平蔵同様『鬼平犯科帳』、元本格の盗賊で鬼平の密偵となっている大滝の五郎蔵である。

京都泉心高校に通う女子生徒。百人一首の高校生チャンピオンで、平次の婚約者を自称している
初登場は『コナンと平次の鵺伝説』エピローグの僅かなコマだが、後に2017年公開の劇場版『から紅の恋歌』でメインを担うことが発表され話題を呼んだ。
名前は和葉の「遠山景元」と対になる「大岡越前」と「紅葉」だろうか。

元・黒の組織の一員で、新一同様に薬で幼児化して組織を脱走したと概ね認識しているのは明らか。
だが、 APTX4869を開発したことと、本名が宮野志保だということまで知っているのかについては2024年現在まで作中における言及がない。
なお、灰原の事は「ちっこい(=小さい)姉ちゃん」と呼んでいる。
その他組織関連では、死亡したピスコのことはコナンと博士から聞き知っていて、新一に化けて変装を解いたところをウォッカに目撃されている。

  • 少年探偵団
絡みは原作だと第66巻と遅め。*11
またその際の放言から、彼らには「コナンの探偵の師匠」と認識されており、尊敬の目で見られている(当のコナンは弟子扱いを嫌がっている)。


余談


  • アニメ化や改変に伴って、当初のタイミングで出るはずだった灰原哀が出せなくなってしまったことと、
    アニメスタッフから「ライバルキャラが欲しい」と言われていたことから生み出されたキャラクター。
    色黒や関西弁の大阪人といった設定も、新一と対になるように考えたかららしい。
  • 実況などで見られる「なんやて工藤!」「せやかて工藤!」「もろたで工藤!」は平次の台詞を意識したもの。
    『コナン』とはまるで関係ない工藤さん関係のスレッドなどでも使われる。柏レイソルの工藤壮人*12とか。
    ちなみに「せやかて工藤!」という台詞は、原作中では実は一度も言っていない*13
  • 堀川りょう氏は『まじかる☆タルるートくん』では原子力、『YAIBA』では鬼丸猛と、高山みなみ氏が演じたキャラクターのライバルを演じる事が多い。(後者を意識してか、『ゾンビが囲む別荘』では鬼丸が終盤で使用した魔王剣に似た剣を持つシーンがある)。
  • 実写ドラマで平次を演じた松坂桃李氏は、のちに放送された朝の連続テレビ小説『わろてんか』の主人公である北村てんの夫・藤吉を演じており、話の舞台が大阪なので関西弁で会話をしている。なお、藤吉の元許嫁である杉田楓を演じていたのは、実写ドラマで和葉を演じた岡本玲氏である。
  • 2012年のキャラクター人気投票では5位。出番が常時ある訳ではない中で、かなりの高順位と言えるだろう。2021年の「緋色の総選挙」でも11位と、トップ10入りとはならなかったが上位をキープしている。
  • 海外版では、『ゲーム会社殺人事件』でコナンにジンウォッカのコードネームを教えているが、一般人が黒の組織のコードネームを知るのは普通不可能なはず。どうやって把握したのか……?


そもそもオレは追記より修正の方が……!


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  • 野球帽
  • 濃すぎるキャラクター性
  • 関西弁ベジータ
最終更新:2025年04月26日 12:02

*1 関西弁で「さん」に相当する呼び方。

*2 コナンは新一の姿に戻って修学旅行へ行くべくAPTX4869を服用していたが、服用は8時間置きでなくてはならないので、コナンが身を隠している間のアリバイ作りのため。

*3 コナンも苦笑しながらぼやいている。

*4 現実では小学校の家庭科で必修レベルの作業である

*5 「推理のようにスパっと切れん」と誤魔化すも、「推理は繋がっていた方がいいんじゃねぇか?」とコナンに反論?された

*6 阿笠の協力を得て誤魔化したものの、蘭も一応最序盤にコナンのことを新一だと疑って詰め寄ったことはある。

*7 琉球神話に伝わる悪霊の類。

*8 尤もコナンがFBIと協力関係を築くようになってからは赤井や安室など他に頼れる人物が現れたのもあってか以前のように組織関連の調査や探りを行わなくなってきているが…告白成功後の展開に期待というところだろうか。

*9 件の啖呵を切った場所というのが、大阪市道頓堀川の「戎橋」という橋の上。「グリコのネオン」や「かに道楽の看板」「タイガース優勝時の飛び込み」などで知られるが、同時に「ひっかけ橋」とも称されるナンパスポットでもあるため。ちなみに、戎橋が出てくる原作エピソードよりずっと前の劇場版『世紀末の魔術師』でも和葉はこの橋に言及している。

*10 その為か、『特別編』では原作と違って平次は登場しても和葉が登場しない事はほぼ当たり前レベル。

*11 劇場版では『迷宮の十字路』が初対面。といってもほぼ会話は無かったが。

*12 元サッカー日本代表。2022年に現役のまま32歳の若さで死去。

*13 「せやけど工藤」となら言ったことはあるが。