東光太郎

登録日:2011/12/08 Thu 06:01:10
更新日:2024/12/29 Sun 13:57:41
所要時間:約 3 分で読めます






ボクシングをやりたいんだ。男らしい仕事だと思う

本当に強い人は普段はとっても優しいんだ

君との約束を果たすんだ。俺には大事なことなんだ



東光太郎とは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマンタロウ』の主人公。

演:篠田三郎

仮面ライダーBLACKに変身する南さんと混同してはいけない。


概要

年齢22歳。ウルトラマンタロウと合体し、ウルトラバッジを掲げて変身するZAT隊員。
字的には『新造人間キャシャーン』のキャシャーン=東鉄也の父親と同姓同名だが、あちらは「あずま」でこちらは「ひがし」と読む。

明るく子供好きで子供相手の約束を軽く見ていない一面、やりかけたことを最後までやり遂げようとする一面、生身で怪獣に飛びかかる破天荒さを見せる。身寄りはなく天涯孤独の身。ZAT隊員としての任務に当たるときは、白いスカーフを首に巻く。

ZAT入隊前は世界各国を旅しながらボクシングの修行を積んでおり、ZAT入隊後もボクシングジムに通い、朝のロードワークを行っていた。
ボクシングは最後の最後まで戦い抜くと同時に、自分自身のためにやっている。ボクサーこそ男らしい職業と考えている。
第10話では減量に耐えながら日本アマチュア新人王戦に臨み、KO勝ちしたが、ボクシング関連の描写は同話が最後となった。

第1話で白鳥船長の船に乗って日本に帰国かと思ったら、到着間際に海に飛び込んで帰国。直後に現れた超獣オイルドリンカーをクレーンを駆使し、撤退させる。
その知恵と勇敢さを朝日奈隊長に見込まれてZATに入隊。宇宙大怪獣アストロモンスによって瀕死の重傷を負うが、ウルトラの母やウルトラ5兄弟に導かれてタロウと合体、新たな存在として生まれ変わった。

今は亡き母親の写真を大事にしまっており、その姿はウルトラの母が変身した緑のおばさんに瓜二つ。

普段は白鳥家に下宿しており、長男・健一とは本当の兄弟のように仲が良く、姉で長女・さおりからは好意を寄せられてたりする。ポチというペットもいたが……

ZAT内ではメンバーの入れ代わりが激しいにもかかわらず仲が良く、二谷副隊長とは走りあったり、森山隊員からは好意があるような描写もある。
上野隊員とは後輩・先輩の関係であるが、主人公が新人隊員であることが多いウルトラシリーズにおいて、上野隊員は初めてできた主人公の後輩隊員である。

タロウと合体したものの基本的に人格は光太郎の意識が優先されている。
しかし、光の国帰還時ウルトラ兄弟と再会時にはタロウの意識が垣間見える。

『タロウ』の物語の性質上、子供たちとの交流が多く、餅が食べられない子供たちのために餅つき大会を開いたり、自転車に乗れない少年を励ましたことも。

最終回(第53話)では健一に真の勇気を示すため、一人の人間として生きることを決意。ウルトラのバッジをウルトラの母に返し*1、変身せずにバルキー星人を倒すとZATを退職。
新たな人生を始めて“勉強”をするために再び旅を始め、雑踏のなかに消えていった。
篠田氏は「その後は人間として平和のために頑張っている」と考えている。

ウルトラマンメビウス』放送時に作られた裏設定として、1986年にUキラーザウルス封印して変身能力を失ったモロボシ・ダンウルトラセブンよりウルトラバッジを授かり*2、タロウに変身して光の国へ旅立ったというものが作られた。
しかし、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』の初期企画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟2」では、光太郎はタロウと分離していた*3

【他作品での活躍】


●『コメットさん』(1978年大場久美子版)第43話「初恋の人ウルトラマン
コメットさんの初恋の相手タロウの人間体として登場。下塚誠氏が演じた。同作は円谷プロ制作でないため、『タロウ』を含めたウルトラシリーズとは無関係。

●『ウルトラマンレオ』(内山まもるの漫画版) 「ウルトラキラーゴルゴ
ZATを退職後、一人の人間として生活を送っていたある日、MACからメディアを通して呼び出されるが、当初はそれを拒絶。しかし、どうして今更自分を呼び出したのかが気になったため、結局MACへ行くことにするが、その道中で見たものは……
詳細は項目参照。


【主な台詞】


「タロウー!」

「俺は俺のやり方でやります」

「君と俺は親友じゃないか」

「約束したことは必ず守る」

「誰かのためでなく自分のためにやっている」

「たとえ相手が怪獣でも悪いことをしなければ、ZATはいじめはしません」

「これが俺の選んだ仕事なんだ!一生をかけてやっている仕事なんだよ!」

「僕も東光太郎ですからね」

「君も僕もZATの隊員だ。だからこそ、今、ZATの隊員として、一番しなければならないことをやるんだ!」

「誰でも勇気を出して頑張ればできるのさ」

「君は心のどこかでタロウに助けて欲しいと思っていたんだ。お父さんやタロウがいなかったら、君はどうやって生きていくんだ!」

「僕も一人の人間として生きてみせる!僕はウルトラのバッチをもう頼りにはしない!」

「タロウではない、東光太郎だ」

「この地球は人間の手で守ってみせる!」

「よく見ておくんだ!人間には知恵と勇気があることを!」

「健一君見ろ!人間の力で星人をやっつけたぞ!」


ウルトラマンタロウ(石川版)



「おらあ、こじきじゃねえぜ」

「小さなこどもをなぶりやがって、うすらみっともねえぜ」

「はあ、まあ……宿なしボクサーっていうのはみじめなもんですよ」

「あの町は、なににのろわれている!!」

「こんなものは今のうちに、殺してやる!」

「救世主だと!!笑わせるな。それは地球人から見れば侵略なのだ!!」

「人類はおまえの考えるほどおろかではない」
「そうさ……おろかじゃないさ…」

「ゆるさねーぜ!純真な子どもの心を盗んで……自分の世界を作り出す怪物!」

「フフフ……人間は進歩している!! もう、おまえたちがたち打ちできる相手ではなくなっているんだよ!!おとなしく自分の星に帰るんだな!!」

「かえれ!」


【余談】

篠田氏は前作『ウルトラマンA』第20話にもゲスト出演しているが、実はこの時点で番組プロデューサーは次回作の主人公は篠田氏にすることを決めており*4、撮影現場の空気を体感してもらおうと思ったためオファーを送っていたとのこと。
なお、ゲスト出演時の篠田氏の役柄(ちなみに役名は篠田一郎。まんまである)は船乗りを目指すやや小生意気な熱血漢……と、光太郎を彷彿とさせる設定なことから、この時点である程度光太郎の方向性は決まっていたのでは?とする意見も。
光太郎がZATの隊員服に袖を通している時に首に巻いている白いスカーフだが、『タロウ』の主演が決まった後に撮影を見学している時に主人公の北斗星司がマフラーをしているのを見て、「自分も巻いてみたい」と思いスタッフに提案したからとのこと。


他のウルトラ兄弟の客演とは違い、『タロウ』終了後は人間体としての登場はない。
これは人間として始まらせて人間として終わらせるというスタッフの構想によるものらしい。
後に篠田氏に出演オファーがかかったこともあるが、本人が辞退していずれも実現していない。
『大決戦!超ウルトラ8兄弟』の次の映画には篠田氏にも出演してもらおうと企画を練り上げた上で粘り強く出演交渉が行われたが、篠田氏の出演には至らなかった。


だが篠田氏が東光太郎としての再出演を辞退しているのは決して「嫌いだからもう出ない」ということではない。
『タロウ』という作品には愛着があり、「『タロウ』は自分にとっての財産」と語り、光太郎役を貰えたこと自体も「1年も主役ができる」と思って嬉しかったらしく*5、篠田氏は当時の映像を見返して「光太郎を演じる自分がとても楽しそうにしている」と語っている。
若き日の思い出を大事にしているというだけの話らしい。
とある作品で共演し、言葉を交わした後輩ウルトラマンの吉岡毅志氏(『ウルトラマンガイア』主演)いわく、「出演しないことが篠田氏にとっての『愛の形』である」とのことである。

光太郎としての出演はしていないものの、関連インタビューなどは積極的に受けている。
2013年に放送されたBS朝日の『極上空間』ではウルトラバッジを手に変身ポーズを披露している。しかもウルトラアイを持った森次晃嗣氏や、レオリングを付けた真夏竜氏と一緒に、ポーズを披露するという豪華なものであった。
毒蝮三太夫氏のYouTubeチャンネルにおける対談でも、所属である劇団民藝の舞台においてウルトラマンの恰好で現れたファンの姿を見て
「天国にいる劇団の先輩が知ったら驚くでしょうねえ」と苦笑しつつも、ここまで長く愛される作品になったことに驚きと感慨を語っている。
ちなみに劇団民藝はこのようなファン層を知ってか、後には初期ウルトラシリーズで企画脚本を担当した金城哲夫氏を描いた舞台劇を行っている。

2019年にはタロウの息子・ウルトラマンタイガが登場することを知らされると、驚きとともに先人への敬意の言葉と作品に対する応援のメッセージを送っている。







隊長、お世話になりました


荒垣さんにも宜しく


仕方がない


一度言い出したら言うことを聞かないお前だ


元気でやれ、その代わり


お前の言う勉強とやらを


精一杯やってくるんだ


はい!





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最終更新:2024年12月29日 13:57

*1 その際、回想として第1話で光太郎とタロウが合体する瞬間の映像が流用されているが、その旨のナレーションなどがないこともあって、 と誤解しているファンがリアタイ視聴世代・再放送世代問わず存在。

*2 地球に留まることを予見し、ウルトラの母から預かってきた。

*3 児童擁護施設「ウルトラの家」を経営しており、同施設の子供たちを置いていけなかったため、ハヤタウルトラマンがウルトラの母より預かってきたウルトラバッジを受け取ってタロウと分離した。

*4 ただし、第20話製作時点では次回作の企画はなかった。その後、本作の企画が始まり、後半から登場した「ウルトラ6番目の弟」と名乗っていた梅津ダン少年は降板することになった。

*5 特撮番組は1年放送されるが通例だが、一般的なドラマの放送期間は3ヶ月や半年が多く、若手俳優が1年続くドラマの主役に選ばれることは難しい。