ククール(DQⅧ)

登録日:2010/02/11 (木) 12:15:33
更新日:2025/03/17 Mon 19:00:05
所要時間:約 6 分で読めます







男どうしが抱き合うのなんて、珍しくもなんともねーや。修道院ではもっと……。

いや、この話はよそう。




ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君の登場人物。
パーティメンバーの1人。

CV:細谷佳正、佐藤美由希(幼少期)

【人物】

マイエラ修道院の聖堂騎士団所属。
聖職者だが女性とギャンブル(特にポーカー)が大好きな不良僧侶。

性格はお調子者で皮肉屋。

教会の腐敗した内情を見て育ったため、聖職者ながら信仰や神に対して冷めた印象を持っており権力者が大嫌い。
ただし育ての親であるオディロ院長には恩義を感じている。
3DS版ではオーブ回収時に会話してみるとかなり思い詰めていることがわかる。

聖堂騎士団長のマルチェロとは腹違いの兄弟だが、ある確執からとても仲が悪い。
また、他の聖堂騎士団からの評判は最悪。


【容姿】

銀髪で端正な顔立ち。
髪は後ろだけ少し伸ばして束ねている。
服装は一人だけ赤い騎士団服に、手袋とブーツ。

トランクスピサロ引換券系統の顔。
聖堂騎士団からの評判が悪いのは、普段の行動に加えてイケメンだからというのも少なからずある。

カリスマスキルを上げるとかフェロモンとか流し目のようないかにもな特技を覚える。
ちなみにゼシカ曰わく「キザっぽくて好きなタイプではない」らしい。

ついでに左利き

【作中での行動】

初登場は旅の途中で立ち寄った酒場。
酔客相手にポーカーをしており、色々あってゼシカに指輪(※聖堂騎士団の指輪です。悪しからず)を預け去っていく。

主人公達は指輪を叩き返すためマイエラ修道院を訪れるが、その晩ドルマゲスにオディロ院長が殺害されてしまう。
その後ククールはマルチェロからドルマゲス討伐を命じられ、パーティに加入。
(実際には厄介払い同然)


加入後にアスカンタ領 川沿いの教会に泊まると、物思いに耽るククールにトロデが話しかけ彼の生い立ちが聞ける。

曰わく、
父親は身勝手で嫌われ者の地方領主で、子宝に恵まれず自身の使用人に無理矢理マルチェロを産ませた。
しかし本妻がククールを身ごもったため、父親は使用人母子を追放。

その後 使用人は死去してマルチェロは修道院に引き取られ、更に数年後 流行病によって両親は死亡、父親の残した借金により家も財産も失い、ククールも修道院に。

修道院で不安に包まれていたククールにマルチェロは優しく接したが、名前を聞いて腹違いの弟と知り激昂。
父親に対する恨みからククールを憎み、辛くあたるようになる。

ドラクエの仲間キャラでは屈指の暗い過去を持つ人物(というかⅧのパーティはほぼ全員家族と離別している)
川沿いの教会をスルーしてこのイベントを飛ばすと、後々のククール&マルチェロの会話の意味が分からないので注意。
長丁場の合間にある休憩場所なので、大抵の人は立ち寄るだろうが。

リメイク版ではCERO:Aに合わせて設定が変更されており、父親が昔付き合っていた平民の恋人との間に生まれたのがマルチェロで、
父親は本妻との縁談が出るや、恋人と子供を捨ててしまい、ショックを受けた恋人は死亡、子供は孤児になった。
その後、やはり子宝に恵まれずマルチェロを養子にしようという話になったが、
その頃には本妻がククールを身ごもっていたため、養子の話はなくなり、ククールが生まれるとマルチェロは修道院に送られる事になった。
流石にマルチェロが妾の子は不味かったか…

よりによって(大抵は回復のため否応なく訪れるとはいえ)寄り道イベントでこんな重大な話が発覚し、中盤でも任意で発生させるマルチェロ絡みのサブイベントが用意されている。
それでいて終盤ではこれらの話を前提としたシナリオが構成されているため、十二分に楽しみたい人は注意。


仲間会話では考えるのが面倒なのか、行き先は主人公に任せきりで皮肉や悪ふざけが多い。
しかしさりげなく仕掛け等のヒントをくれるので、攻略情報未見だと一番頼りになる。

例)辟易しつつヒント×2個
「どうすればいいのかわからない時は、
視点を変えることが大事だなんてよく言うよな。」
「しかし実際迷ってる時ってのはそれすらもむずかしいもんさ。
まったく天を仰ぎたくなってくるぜ」

当初はドルマゲスを倒したら離脱して自由になる気だったらしいが、旅の中で思う所があったのか討伐後は「聖堂騎士団ククール」ではなく「善意の冒険者」として同行を続けてくれる。

マルチェロのことになると不機嫌になり主人公にもキツくあたるが、物語終盤では暗黒神の杖を手に入れた彼の暴走に思い悩む。
そして聖地ゴルドでの対決後、暗黒神の復活で地割れに飲み込まれた兄を無理矢理救う場面はなかなか熱い。

3DS版ではその後、奈落の祭壇のジャハガロス戦でマルチェロが言って助っ人として現れ、別れ際にククールがマルチェロを改めて「兄貴」と呼んで礼を述べるシーンが描かれた。
お互いの過去を水に流すとまでは行かないまでも、彼らなりにひとつの和解を遂げることができたようだ。

エンディングでは主人公とミーティアのため、大嫌いな厄介事に首を突っ込むなど変化もあった。

「昨日 オレが言ったこと覚えてるか?」
「姫のしあわせを守るのも 近衛隊長の仕事だって」
「あと オレたちは仲間だ」
「お前が何かするつもりなら ちからを貸すぜ」

花嫁強奪に加担して騎士団と対立する姿はかなりイケメン
そしてニヒルな笑みも忘れない。


【キャラ性能】

覚える呪文や特技の傾向としては回復呪文のエキスパートだが攻撃もできる所謂僧侶タイプ。
Lvアップで最低限の回復魔法を習得するので、スキル配分で攻撃要員に加えるか補助回復特化はお好みで。
能力値としては全能力が平均的。
僧侶にしてはMPが低めなのが難点。
扱う武器は剣、弓、杖と、通常攻撃では単体しか攻撃できない。

覚える呪文はホイミ系バギ系ザキ系、スカラ系、ザオラル系などをレベルアップで習得。
特にザオリクを覚えるのは利点だが、回復に関してはベホマラー止まりでベホマズンは覚えない。

スキルは「剣」、「弓」、「杖」、「格闘」、「カリスマ」の5つ。
攻撃要員の場合は剣か弓を伸ばすことになる。補助ならば杖やカリスマ優先。

「剣」は早期にはやぶさ斬りを覚え、安定したダメージソースとなり、最終的にジゴスパークを覚えてくれる。
早期に使いやすい火炎斬りやメタル斬りも覚えメタル狩りややり込みにも向いている。
後半入手の疾風のレイピアが素早さを上げるのでそれを見越して強化するのも手。
だが、序盤に強い武器がないため、それまでがしんどい。

「弓」は攻撃面に関してはククール最強スキルと言われている。
ダメージ源のさみだれ打ちを比較的早く習得し、低燃費で全体に攻撃できるシャイニングボウも習得可能。
錬金を駆使すればコンスタントに強い武器が手に入れられる他、最強武器のオーディーンボウは作りやすい上にククールの装備できる武器の中で最も強い。
特にMP回復も兼ねた妖精の矢(精霊の矢へと進化する)が使えるのは大きく、早めに習得させたい。
最後に覚えるニードルラッシュが使い道が思いつかないほどの産廃であることと、メタル狩りに向いてないのが欠点。
また、3DS版では仲間の追加でククールが打点を出す必要性が薄れているほか、レベルアップ全快の採用でダンジョンでのMP回復の重要性が下がっていることもありかなり価値が低下。

「杖」はマヌーサやマホカンタなどの補助系呪文がメイン。
鍛えていくとザラキーマやバイキルトを覚えるほか、100まで振るとMP自動回復を覚えるため裏ボスまで倒すつもりなら杖を最後まで上げておきたい。
だが、自動回復は精霊の矢で代用が効きやすいためバイキルトを覚える65で十分とも良く言われる。
たった12ポイントで4つも呪文を覚えるためその辺で止めとくのも手。
3DS版では追加ボスのお供にザラキーマが効くことや、上記のように補助要員としての有用性が高まっていることから価値が上昇。

「格闘」は他のキャラの例に漏れず武器が持てずかなり使いにくい…が、やりこむとかなり強力なスキル。
ククールは素手時みかわし率上昇と大ぼうぎょを併用できる唯一のキャラであり、最後に覚えるミラクルムーンもかなり強力…そこまで鍛えられれば。
全体的にそれらを覚えるまでのSPが非常に重く、そこまでやらないといけない敵もいないため、そこまでの必要性は感じないのが実情。
3DS版では追加ボスが非常に強く、それらの攻撃に耐えられザオリクを唱えられるため価値が急上昇。イカれたダメージを叩き出すボスたちを前に回避や防御で抗う姿はまさにメインタンク(僧侶だけど)。
とはいえ、上げるとしてもクリア後からで十分。

「カリスマ」は最初にキアリーやメダパニを覚え他、全体的にピンポイントメタ技が多い。
天使の眼差しは目から光線を放つ一見ネタ技っぽいが、メタル系以外の敵ならば必ずダメージを通すことができるという非常に優秀な特性があるため、レティス黒鉄の巨竜のような一部の防御力の高いボスに対して有効なアタッカーになることもできる。進化してみわくの眼差しにするとダメージも上がり全体攻撃になる。
皮肉な笑みもダメージはないがテンションダウンの効果がありテンションを重ねがけするキャプテンクロウで役に立つ。
地味に思えるがメダパニーマを習得できる点もかなり有り難い。裏ダンジョンに出現する強力なモンスターに有効なため、ダンジョン攻略の要として役立てる。
最終スキルのグランドクロスは強力だが、AI戦闘時のMP燃費を悪化させるので微妙に使いにくく、みわくの眼差し辺りで止めておくのも手。
3DS版ではみわくの眼差しがダメージアップしている。そして弓スキルのシャイニングボウの立場がなくなった。
また、グランドクロスの名前が天国への階段に変更されている。

総じてスキル習得のうち、ポイント100で習得する最後の技が使いにくいものが多いのでよく考えながらあげていったほうが良い。
特に弓スキルは100まで上げると後悔するので注意しよう。
裏を返せば比較的少ないポイントで良いスキルを習得するため、いろいろと手を伸ばせるという利点でもある。

またAI戦闘だとジゴスパークやグランドクロスを好んで使うため、燃費が物凄く悪くなるのが難点。
AIはダメージが高くなる技を好んで使うためだが、ギャンブル好きな性格の反映という可能性もある。
その為これらを習得するかどうかはプレイスタイルによって慎重に吟味しよう。(ガンガン行こうぜ以外でも連発する為)
煩わしい場合はこれらを覚える手前で止めてしまうのも手。
MP回復できる妖精の矢(精霊の矢)を覚えれば…と思いきやAIは トドメにしか使わない というポンコツっぷり。MP管理には気を配ろう。*1

ちなみにマルチェロもグランドクロスを使う。何だかんだで血が繋がってる事を実感できる。


ボス戦ではスクルトと回復要員に回ることがほとんど。ドルマゲス戦ではベホマラーを取得しておくと楽。というかないとかなりきつい。
終盤は主人公がベホマズンとMP消費1/2のスキル効果を習得するとはいえ、素早さの関係上、終盤でも役に立つ。
何より貴重なザオリクを必ず習得できる点が有り難く、彼の生存がパーティの軸を支えているのは間違いない。

やり込む段階になると、杖を片手にタンバリン奏者になりがち。理由は後述。
黒鉄以外はバイキルト+隼の剣+隼斬りで渡りあえないことも無い。


【その他】

たびたび信仰心は無いように振る舞うも、死者のために祈ったり聖地ゴルドに圧倒されるなど聖職者らしい面もある。また、ドルマゲスが来た際に「やばい気配の奴がいる」、追加ダンジョンの追憶の回廊に訪れた際に「清浄に管理された空間だが、僅かにだが邪悪な気配も感じる*2」などと発言しており、僧侶としての能力はかなり高いことを感じさせる台詞はそれなりにある。
というか僧侶が覚える呪文を全て修得できるので、まがりなりにも職務は全うしていると言える。
この辺はグランドクロスやベホイミ(PS2版のみ)、ザラキ(3DS版のみ)を使うマルチェロにも通じるものがある。

最初はミーティアのことを「馬姫」呼ばわりしてたが、泉で本当の姿を見てからは「姫様」に。
ちなみに王族は嫌いだがトロデに関しては「王さまっぽくない」とのこと。
だが「自分をそんな風に見ていたのか」といじける様子を見ると再認識する場面も。

実は兄のマルチェロも仲間になる予定だった。しかし目付きが味方キャラでないということで結果的に没になった。
さらにいうとマルチェロのデザインは元々ククールの没デザインであり、味方キャラらしくリデザインされたのがククールである。
まさかこんなところでも異母兄弟の縁が…
パッケージイラストに彼だけいないのもこれが原因……のはずなのだが、なぜかリメイク版のパッケージにもククールは映っていない。


同じ僧侶でも信仰心の塊なクリフトとはよく比較される。
攻撃的な呪文(特技)が大好きなのは共通。
ちなみにクリフトほどではないが、ジゴスパーク等がない場合はククールもAI戦闘でザキ系をよく使う。
耐性は考えて使ってくれるのでそこまで気にすることもないが。リメイク版みたく惚れた女を優先して回復する迷惑なAIでもないし。

海外版ではAngeloに名前が変更された。


素早さがかなり高いのと、他のメンバーが何かしら役割を持っているおかげでとりあえずこいつにタンバリン持たせる風潮が生まれ、いつの間にか「ククール=タンバリン」の印象が根付いてしまった。
ククールにも役割がないわけではないが、メインアタッカーの主人公&ヤンガス、魔法アタッカー&切り札のマダンテを持ち、補助呪文の大半を習得できるゼシカ…これらを考えると、必然的にククールがタンバリン役になるのだ。せめてゼシカが習得できるフバーハなどの補助呪文を習得できれば、まだ違った役割分担が出来たと思われる。
引換券やらザラキやら種泥棒やら、歴代の若い男性メンバーは何かしら変な印象がつけられる宿命なのだろうか。後発作品だとカーナビなんてのも。
ただ、ククールはむしろ「ベホマズンだとやりすぎ」という微妙な時のヒーラー、確実に覚えるザオリク…と、いざと言う時に僧侶らしい働きをするのがメインであり、彼が暇でタンバリンを叩くということはそれだけ戦闘が順調ということ。バカにするのは間違いというものだろう。
当時は裏ダンでメダパニーマが有用といったこともあまり知られていなかったことも原因。
また上記のスキルについて見れば察する人もいるかもしれないが、スキルの後半もしくはマスターでないと強力な全体攻撃を覚えないことも理由だろう。
3DS版では素早さの都合でゲルダがタンバリンに回されることもある。タンバリンの入手個数も増えたが。

低レベルプレイや、レベリングの暇がないタイムアタックだと一転して「他3人より高い初期ステータスで加入する」という点から重宝されている。


ヒーローズ2では弓を武器に参戦。
バイキルト、タンバリンも使えるので後方支援向けの性能をしている。
そしてタンバリンを使うと軽く踊りながらタンバリンを叩き、その姿が笑いを誘うとか。



【台詞】


…………。(祈る)
別に祈ったからって なんかこいつらが助かるわけでもねえよなあ。
オレの気安めさ。


……死なせないさ。
虫ケラみたいに嫌ってた弟に 情けをかけられ あんたは みじめに生き延びるんだ。
好き放題やって そのまま死のうなんて 許さない……。

……10年以上前だよな。
身よりがなくなったオレが 初めて修道院に来た あの日。
最初にまともに話したのが あんただった。
家族も家もなくなって ひとりっきりで……。
修道院にも 誰も知り合いがいなくて…………。
最初に会ったあんたは でも 優しかったんだ。
はじめのあの時だけ。

オレが誰か知ってからは 手のひらを返すように冷たくなったけど それでも……。
……それでも オレは。忘れたことは なかったよ


追記・修正はタンバリンを演奏しながらお願いします。

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最終更新:2025年03月17日 19:00

*1 3DS版では使用頻度のアップおよび「与えたダメージ量だけMP回復」というテコ入れが為され多少改善された。大技大好きっぷりは相変わらずだが。

*2 追憶の回廊の最深部にはあの地獄の帝王エスタークがいる。