メトロイド サムスリターンズ

登録日:2018/02/08 Thu 22:27:09
更新日:2025/03/30 Sun 16:13:25
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「メトロイド サムスリターンズ」とは、「メトロイドシリーズ」のニンテンドー3DS用ソフトである。

  • ○目次



●概要

2017年9月15日発売。開発はMercurySteamと任天堂の共同制作。
前作「フェデレーションフォース」が連邦に焦点を当てたスピンオフだったため、「アザーエム」以来7年ぶりとなるサムス・アランが主人公のタイトルとなる。
また、2Dメトロイドとしては「フュージョン」以来なんと14年ぶりのタイトルである。

内容としては1992年発売のGBソフト「メトロイドII Return of Samus」のリメイク作品であり、「ゼロミッション」としてリメイクされた初代同様にリメイクを希望する声に応えた形になっている。
ストーリーの大筋はリメイク前とほぼ同じだが、

  • スーパー」以来お馴染みのマップ機能を追加
  • 「グラビティスーツ」等の「II」以降でお馴染みとなった装備の登場
  • 敵の行動パターンの多彩化
  • 独自要素「フリーエイム」「メレーカウンター」「エイオンアビリティ」の追加
  • 新たなボスの登場
  • ムービーを随所に挿入
  • フュージョンで語られた設定の掘り下げ
等々の追加要素が数多く存在し、別物と言えるほどの仕上がりになっている。

一方で「ゼロミッション」とは打って変わって、敵からの被ダメージが序盤からかなり高く設定されており、初見殺しも多いため、死ぬ頻度が段違いに跳ね上がっている。『プライム3』と同様にコンティニューで戻されにくくなり、すぐ手前からやり直せる場合がほとんどだが。
また新要素であるメレーカウンターを成功させると敵撃破時の報酬も増えるので、エネルギーが減っているときこそ攻めるのが吉。
ある種、類似ジャンルの作品群が取り入れてきた「死に覚え」的要素を含んできたと言えるだろう。

なお、かつては入手難度の高かった原作「メトロイドII」であるが、バーチャルコンソールにより同じ3DSで遊ぶことができる他、Nintendo Switch Onlineでも配信されている。
新旧比較しながらプレイしてみるのもまた一興。



●ストーリー

惑星ゼーベスでの戦いによりスペースパイレーツは壊滅。
同時に彼らが兵器利用のために増殖させていた危険生物「メトロイド」の脅威も去った。

…かに思われた。

しかし、脅威の根源が絶たれたわけではなかった。
銀河連邦は再び多くの犠牲を払い、惑星SR388にまだメトロイドが大量に残っていることを突き止めた。
「屈強で狂暴な生物たちが跋扈するその星へ趣き、メトロイドを殲滅せよ」――新たなミッションがサムスに与えられたのだった。



●登場キャラ

久々の2Dアクション登場となる我らが主人公。
これまでにお馴染みの装備に加え、新たな能力エイオンアビリティを駆使してSR388の獰猛な生物達を粉砕していく。
プライムシリーズやアザーエムで見せた華麗な動きも健在。

かつてサムスを育て上げた種族。
すでに滅び去っているがSR388にも彼らの遺物が残されており、高度な文明の跡も残っている。
また、クリア率によって鳥人族の歴史を表したチョウゾメモリーが解放される。SR388の開拓やメトロイドとの関わりなどが明かされるが、チョウゾメモリーを全てアンロックすると新たな一枚が追加される。
そこには甲冑とアームキャノンを身に着けた鳥人族が指導者らしき鳥人族を殺害したと思わしき光景が映し出されており、以降の作品の伏線ではないかと言われていた。そして…

タイトルにもなっている危険生物。
お馴染みのクラゲのような姿は幼生であり、SR388の環境では幼生→アルファ→ガンマ→ゼータ→オメガと脱皮によって成長する。
リメイク前のように不意打ち気味に現れることは無くなりホラー性は幾分か落ち着いたが、戦闘能力が大幅に強化されており、また赤みがかった体色と通常より高い耐久力を持つ亜種も出現する。
BGMも緊迫感溢れるものとなっており、警報音のようだった原典をうまくアレンジしたガンマメトロイド戦や、フュージョンでのBGMも織り交ぜられたオメガメトロイド戦は必聴。
今作では人工生物として生み出された過程をチョウゾメモリーから読み解くことができる。そんな話フュージョンで聞いた?ハハハそんな。
詳しくは項目を参照。

  • クイーンメトロイド
SR388の最深部に鎮座するメトロイドの女王。特殊な個体のみがオメガからさらに進化できる存在である。
リメイク前同様、最後に戦うことになるメトロイドだが…?

  • ディガーノート
追加ボスの一体。みんなのトラウマ。
鳥人族が遺した掘削用の巨大ロボットであり、エリア3にて機能停止して通路を塞いでいたところをサムスに再起動されたことで再び動き出す。
置いていかれた恨みなのかやたらと鳥人像をぶっ壊してはアイテムを持ち去ってしまう。
そしてエリア4にてサムスを強襲。掘削機でサムスを押し潰そうと襲い掛かる。
この時こちらの攻撃は一切効かず、ひたすら掘削機から逃げる強制スクロールを3回繰り返すこととなる。
掘削機に触れるとなんと即死。ライトニングアーマーも無効。
入り組んだマップと焦りからミスを連発するサムスが相次いだ。
実際に戦うのは終盤になるが、そちらでも高い火力と多彩な装備と初見殺しの数々でサムスを苦しめた。




●惑星SR388

今作の舞台となる惑星。
リメイク前同様毒液によって複数エリアに分かれているが、これはメトロイドの危険性を危惧した鳥人族が施した封印であるという設定になった。
メトロイドを倒すと現れるメトロイドDNAを、各エリアの封印装置に指定された数だけ投入することで水位が変化し次のエリアに行けるようになる。
ひたすら遺跡然としていた原点と比べると各エリアごとに水中面やラボ面などの個性が付加されている。

音楽や効果音では過去作の2Dやプライム等からのアレンジなどが随所にあり、高温地帯では「ノルフェア深部(ラヴァケイブス名義)」、水中面では「ブリンスタ赤土エリア」など人気の曲のアレンジが使われておりファンならテンション上がること間違いなし。



●サムスの能力

2Dメトロイドお馴染みのものが揃う。
これらと新要素メレーカウンターやエイオンアビリティとの組み合わせが攻略のカギ。
一方「スピードブースター」など、登場しない装備もある。

◇フリーエイム

歩行時は従来作同様にアームキャノンは8方向打ち分けのみだがフリーエイムボタンを押している間はサムスが立ち止まり、パッド操作によって360°を自由に狙うことができる。レーザーポインタ付で狙いやすい。
通常操作との使い分けが重要。

◇メレーカウンター

アームキャノンでの殴打によるカウンター。
敵に当てると弾き飛ばし距離を取れる他、敵の体が光る攻撃に合わせてこれを当てると敵が気絶し、チャージが一瞬でされ自動で照準される。
また、ボスにカウンターを成功させると特殊な演出が入り、2Dだけでなく3Dにスタイリッシュな動きで敵の攻撃を躱しながら反撃を決めるかっこいいサムスが見られる。
使用感覚は「アザーエム」のセンスムーブに近い。


◇エイオンアビリティ

今作独自の要素となるサムスの新たな能力。
エネルギーゲージの下にあるエイオンゲージを消費して発動する。
エイオンゲージは敵を倒したり、メレーカウンターを成功させたりすると出現する黄色いボール状のアイテムによって回復する。

  • スキャンパルス
周辺のマップ及びその中にあるアイテムと、付近の壊せるブロックを表示させる。
初めて来たエリアを探索する際に非常に便利だが、情報取得用能力の常としてタイムアタック走者を初めとする慣れたプレイヤーからはいらない子扱いされることも…

  • ライトニングアーマー
物理的ダメージを防ぐバリアを張る。高温などの環境的ダメージは防げない。
防いだダメージに比例してゲージ消費量も増えるが、バリアを展開しているだけならゲージは消費しない。
触れた敵を怯ませるほか、メレーカウンターも電撃を纏ったものにパワーアップする。
被ダメージが大きい今作では非常に重要な防御手段。

  • ビームバースト
ビームを結合させてフルオート連射の強力なものにパワーアップさせる。
アイスビームの性質も結合されるためメトロイドにも有効。
これでしか倒せない敵も存在する。スペイザーを手にいれてからの弾幕は圧倒的。

  • フェイズドリフト
時間を操り自分以外の動きを遅くする。
スルーブロックの上を走り抜ける際に必要になる他、戦闘に使えば大きなアドバンテージになる。ただし消耗も激しい。
必須になる場面は少ないが使いこなすと強力。


◇パワードスーツ

  • ノーマルスーツ
初期装備。これと言って特徴は無い。

  • バリアスーツ
お馴染みの肩パッドスーツ。
高熱地帯のダメージを受けなくなり、被ダメージも減る。

  • グラビティスーツ
原典には無かった装備の一つ。
「プライム」以来久々に紫を基調としたカラーリングになる。
水の抵抗を無くし、被ダメージもさらに軽減される。
マグマのダメージも無効化するが、エリアを隔てる毒液はさすがに無効化できない。

  • ハイジャンプ
ジャンプの高さが増す。

  • スペースジャンプ
お馴染み無限ジャンプ。

  • スクリューアタック
お馴染みの回転アタックだが、今作では従来のような一撃必殺の火力は無く、一部の敵は複数回当てる必要がある。
が、それでも強力。


◇ビーム系

2D作品恒例のパワーアップ形式だが、アイスビームのみ使い分ける別枠となっている。
なお、原典たる『II』の頃はまだビームが重ね掛けできない仕様であり、ビームを切り替えたければその都度アイテムを取り直す方式だった。

  • パワービーム
初期装備。ロングビームの性質は搭載済み。

  • ウェイブビーム
壁を貫通するビーム。威力も上がる。

  • スペイザービーム
ビームが3本になり、攻撃範囲が格段に広がる。
ビームバーストの迫力も凄いことになる。
性質は「フュージョン」のワイドビームに近く、プラズマビームとも併用可能になっている。

  • プラズマビーム
敵を貫通する最強のビーム。
今作ではスペイザーと併用ができる。

  • アイスビーム
今作では上記ビームとは別枠になっている。
敵を一時的に凍らせる効果があるが威力はなんとパワービームよりも低く、敵が凍る時間もチャージしなければ短い。
だが、全てのメトロイドに対して有効であり、ミサイルに限りがあることもあって使用する場面は非常に多い。
凍った敵はミサイルで粉砕できるのもこれまで通りだが、メレーカウンターでも粉砕できるようになっている。

  • チャージビーム
ボタン長押しで威力を上げるお馴染みの装備。
今回は特にチャージビーム>>連射という威力バランスなので重要度が高め。

  • グラップリングビーム
こちらもお馴染みのぶら下がりビーム。
通常のビームとアイスビームに続く三枠目に該当する。
ぶら下がり用途以外にも、ブロックの移動や破壊、敵の弱点の牽引などにも使う。


◇ミサイル系

弾数に限りのあるお馴染みの爆発性火器。アルファ~クイーンまでのメトロイドに有効なため使いどころは多い。

  • ミサイル
原典同様に初期装備。
終盤まで使い続けることになる。

  • スーパーミサイル
ご存知強化版ミサイル。久々にミサイルとは別枠として登場。
弾数は少ないが、高火力でメトロイドに対する切り札になり得る頼もしい武器。


◇モーフボール系

  • モーフボール
これもお馴染みの装備。
今作では転がるスピードが従来より遅め。

  • ボム
今作では4発まで同時設置可能。
無限ボムジャンプも久々に復活。
ただしマップ構造の関係*1でSFCのようなショートカットはできない。

  • スプリングボール
ボール状態でもジャンプできるようになる。

  • スパイダーボール
ボール状態で壁や天井に沿って移動できるようになる。
「プライム」のものとはデザインが変わっている。
地面に張り付くことで風を利用した攻撃に抵抗するといった使い方も。

  • パワーボム
お馴染みの最終兵器。
画面内の敵を一掃するすさまじい威力と攻撃範囲は健在。
また、スパイダーボール発動中にパワーボムでボムジャンプを行うとものすごい勢いでサムスがぶっ飛んでいくというテクニックも追加された。



●余談

実は今作の発売前に「メトロイドII」を有志がリメイクしたフリーゲームが出されている。
あまりに新作が出ないことに業を煮やした海外の有志達が、10年かけて本家GBA版と変わらないクオリティの『メトロイドII』のPC向けリメイクを勝手に制作・公開したことがあるといえばその愛されようが伝わるだろう。
しかし著作権的にアウト要素まみれだったため、『サムスリターンズ』発売直前に任天堂の申し立てによって当ゲームはすでに公開停止されている。
制作に関わった有志はその後「Hollow Knight」の制作に携わったとかなんとか今作の発表を聞いたときは喜んだという。


追記・修正は、ディガーノートに吸い込まれたことのある方にお願いします。

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最終更新:2025年03月30日 16:13

*1 高低差ではなくゲートの種類を増やす事でマップ間の行き来を制限している