東京メトロ南北線

登録日:2018/04/22 Sun 23:58:00
更新日:2024/12/04 Wed 10:13:26
所要時間:約 7 分で読めます




東京メトロ南北線(なんぼくせん)は、目黒駅から赤羽岩淵駅までを結ぶ、東京地下鉄(東京メトロ)の鉄道路線である。鉄道要覧では「7号線南北線」。
ラインカラーはエメラルドで、路線記号は「N」。

概要

路線名の由来は、東京を南北に貫くという非常にわかりやすいものである。
有楽町線(8号線)や半蔵門線(11号線)より先に来ている路線番号から、計画自体は1960年代にあった。
しかし、埋蔵文化財の発掘やら住民の反対運動やらで建設は大幅に遅れ、1991年に駒込~赤羽岩淵間がようやく開業。
その後も1996年に駒込~四ツ谷間、1997年に四ツ谷~溜池山王間が延伸。2000年に溜池山王〜目黒間の延伸により全線開業を果たし、東急目黒線との直通運転を開始した。

このため、計画当時とは社会環境も大きく変わってきていることもあり、21世紀に向けた新しいコンセプトである「7号ビジョン」を基に建設された。
具体的にはガラスを多用した出入り口や新デザイン*1、エスカレーター・エレベーターの設置といったバリアフリー対応設備の新設がある。
それ以外にもワンマン運転やホームドア設置、プリペイド式乗車カード*2といった新機軸も導入された。

最初の開業区間である駒込~赤羽岩淵間は他の地下鉄路線と全く接続がなかったため、実験的なことがやりやすかったのかもしれない。
特にホームドアについては、東京の地下鉄では唯一のフルスクリーンタイプのホームドアを目黒駅以外の全駅に設置している。
天井付近に隙間がある半密閉式だが、高さはかなりある。よって乗り越えることはまず不可能だろう。
又、ATOによる自動運転も行われているため、運転手の作業は発車合図とドアの開け閉めくらいである。

目黒駅で東急目黒線、赤羽岩淵駅で埼玉高速鉄道線と相互直通運転を行っている。
2023年3月からは目黒線・東急新横浜線を経由して相鉄線への直通を開始した。
又、目黒駅~白金高輪駅間では都営三田線と線路を共用しており、東京メトロと都営地下鉄の車両が同じ線路を走る区間となっており、運賃計算も特殊である。
  • 目黒~白金高輪~麻布十番以遠: 東京メトロの運賃
  • 目黒~白金高輪~三田以遠: 都営地下鉄の運賃
  • 目黒~白金高輪間のみ利用: 初乗り運賃が安い東京メトロの運賃。フリーきっぷは東京メトロ・都営地下鉄両方のものが利用可能(その他の区間では不可)。

運行形態

全列車が各駅に停車するが、目黒方面のみ各駅停車急行の2種別が運転される。
基本的には東急目黒線やその先の相鉄線に直通する列車と、白金高輪で赤羽岩淵方面へ折り返す列車が6:4の割合で走る。
大半が埼玉高速鉄道線直通列車となり、赤羽岩淵止まりの列車は多くない。
白金高輪始発・終着の列車は、都営三田線からの東急目黒線・相鉄線直通列車と接続するようになっている。
逆に南北線の東急目黒線・相鉄線直通列車は、都営三田線の始発・終着の列車と接続する。
ちなみに日中は目黒~白金高輪間が5分間隔、白金高輪~赤羽岩淵間が6分間隔となっているが、この1分のズレのために白金高輪で接続しない列車もあったりする…。

使用車両

全車両がワンマン運転に対応している。
本項では白金高輪以北で運用される車両について述べる。

自社

  • 9000系
1991年に4両編成で登場。四ツ谷延長開業に際し6両化された。
初期車には車端部にボックス席があったが、2次車以降はロングシートに変更され、初期車もリニューアルによりロングシートに変更された。
同形式の中で製造時期が20年近くも幅がある(最新の5次車は2009年導入)ため、時期によって外見や搭載機器等がかなり異なる。
2016年から車両リニューアルを開始。フルスクリーンホームドアの路線の特性を考慮してか、側面帯が上下にカーブするという独自のデザインを採用している。

2023年からはリニューアルに加え新造中間車を組み込んだ8両編成が登場し、同年12月16日から運用を開始した。
今後は既にリニューアル工事が終わった1次車と5次車を除いた全編成でリニューアル+8両化が実施される予定。
なお、相鉄直通対応工事については計画はあるが具体的な進展はない。

他社

  • 東急3000系
東急目黒線が現在の運行形態になってから導入された車両。
第一編成は一時的に東急東横線で8両編成で運用されていた時期がある。
相鉄直通のため全編成8両化された。
なお、東急車は三田線・南北線共に直通可能となっている。

  • 東急5080系
東急5000系シリーズの目黒線バージョン。
製造時期により車内案内装置や行先表示器が異なっている。
相鉄直通(ry

  • 東急3020系
東急2020系シリーズの目黒線バージョン。
上部ラインカラーは水色で、5080系よりも明るい色となっている。
8両で落成後に6両編成で暫定デビュー、再度8両化された。

  • 埼玉高速鉄道2000系
埼玉高速鉄道の車両。
基本的には9000系に合わせて作られているが、帯色や内装は異なる。
実は、意外にも東急東横線・みなとみらい線直通の臨時列車「みなとみらい号」に使用されたことも…。

  • 相鉄21000系
相模鉄道の車両。
ネイビーブルー一色に塗装されている。

駅一覧

※都営三田線の駅番号は省略。

  • N-01 目黒
JR山手線乗り換え。東急目黒線との境界駅かつ起点駅。
東急管轄の駅となっているため、南北線内で唯一天井を覆わない可動式ホーム柵が設置されている。都営三田線の起点駅でもある。

  • N-02 白金台
南北線内では数少ない相対式のホームとなっている。
駅周辺は名前の通りの高級住宅街。
「シロガネーゼ」という言葉の元になった地域ではあるが、駅名も地名も「しろねだい」が正式で濁点は付かない。

  • N-03 白金高輪
都営三田線乗り換え。内側2線が南北線、外側2線が三田線の線路となっている。
目黒寄りに引込線が2線あり、当駅止まりの列車が使用する。

  • N-04 麻布十番
都営大江戸線乗り換え。
麻布十番商店街や各国大使館の最寄りで、六本木からも比較的近い。
意外にも「麻布」を名乗る唯一の駅だったりする。

  • N-05 六本木一丁目
駅は泉ガーデンタワーや六本木グランドタワーの1Fに直結している他、アークヒルズなどが近い。

  • N-06 溜池山王
銀座線丸ノ内線千代田線(国会議事堂前駅)乗り換え。
建設時に港区と千代田区の境界上に駅が出来たため、駅名で対立した結果両地区の地名を合わせた谷町線方式の駅名となった経緯がある。

  • N-07 永田町
有楽町線半蔵門線・銀座線・丸ノ内線(赤坂見附駅)乗り換え。
政治でよく出る地域のためか、各政党の本部が近くにある。国会議事堂からも遠くない。
半蔵門線よりも後に出来た路線ではあるが、同線よりも上の階層にホームがある。

  • N-08 四ツ谷
丸ノ内線、JR中央快速線中央・総武緩行線乗り換え。
迎賓館や上智大学最寄り駅。四ツ谷駅では唯一地下にホームがある。
溜池山王同様、一時的に終着駅だった。

  • N-09 市ヶ谷
有楽町線、都営新宿線、JR中央・総武緩行線乗り換え。
構内に有楽町線との連絡線があり、綾瀬工場への回送時に使用される。

  • N-10 飯田橋
東西線・有楽町線、都営大江戸線、JR中央・総武緩行線乗り換え。
周辺には多くの大学キャンパスやある他、JRの改札には指定暴力団竹書房の看板がある。

  • N-11 後楽園
丸ノ内線乗り換え。
東京ドームシティ最寄り駅で、東京ドーム北側の地下にホームがある。
都営三田線・大江戸線の春日駅と隣接しており、連絡改札が繋がっていて乗り換えも可能。

  • N-12 東大前
名前の通り東京大学本郷キャンパス最寄り駅。ただし、有名な赤門は本郷三丁目駅の方が近い。

  • N-13 本駒込
東洋大学を筆頭に周辺は学校が多い。近くに都営三田線の白山駅があるため、乗り換えも可能。

  • N-14 駒込
JR山手線乗り換え。
周辺は住宅街になっている他、六義園や旧古河庭園など庭園も多い。
開業当初の起点駅である。

  • N-15 西ケ原
東京の地下鉄駅で一番利用者が少なく、2016年の1日平均乗降客数は8,383人と10,000人未満となっている…。

  • N-16 王子
JR京浜東北線都電荒川線乗り換え(王子駅前停留場)。
北区役所など東京都北区の行政施設が多い他、桜の名所でもある飛鳥山公園の最寄り駅。

  • N-17 王子神谷
白金台と同じく相対式ホームの駅。
王子検車区と繋がっていて、入出庫のための始発・終着列車の設定がある。

  • N-18 志茂
東京メトロの駅で2番目に利用者が少ない駅だが、一番少ない西ケ原より約4000人多い12,057人。この差は一体何でしょう…。

  • N-19 赤羽岩淵
埼玉高速鉄道線との境界駅かつ南北線の終点駅である。
赤羽と岩淵町を合わせて取った駅名で、仮称では「岩淵町駅」だった。
JR赤羽駅は乗り換えには少し遠い。


今後の予定

白金高輪~品川駅間に支線の建設が決定し、2032年度に開業予定。



追記・修正はホームドアから離れたところでお願いいたします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年12月04日 10:13

*1 駅ごとにステーションカラーを配置した他、一部の駅ではホームの向かい壁にグラフィックデザインも導入した。

*2 最初の名称は「NSメトロカード」で、1996年から都営地下鉄でも使用可能な「SFメトロカード」へ移行。関東地区では初となる事業者共通プリペイドカードとなった。