相模鉄道

登録日:2017/01/07 Sat 17:26:56
更新日:2025/06/02 Mon 04:20:57
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相撲鉄…ゲフンゲフン相模鉄道とは、神奈川県内に路線を展開する大手私鉄である。
1990年までは準大手私鉄に分類されていた。

概要

横浜~海老名間を結ぶ本線、本線の二俣川から分岐し、藤沢市の湘南台まで向かういずみ野線、神奈川東部方面線計画で建設された西谷~新横浜までの相鉄新横浜線*1を運営している。

他にもかしわ台~海老名間にある相模国分信号所から厚木へ向かう単線の厚木線が分岐している。元々はこちらが本線だったが海老名駅開業以降は貨物のみとなり、1998年に貨物営業が廃止されて以降は回送やイベント列車、新車運搬用にしか使われていない。
これら全てを含めても、現在の大手私鉄で最も路線が短い会社である。

相鉄新横浜線開業までは、車両基地のあるかしわ台入出庫列車やいずみ野線の二俣川発着を除きほとんどの列車が横浜を始発着としていた。横浜・海老名の両駅が頭端式ホームということもあり終日進行方向の先頭車が混む。
10両編成の運行は大手私鉄昇格前の1981年から開始しており、現在は8両と10両の2編成が存在する。
民鉄連の承認を得て1990年5月末に大手私鉄へと昇格。準大手私鉄から大手私鉄へと昇格した私鉄は日本ではここが唯一である*2

2019年11月30日に相鉄新横浜線の西谷~羽沢横浜国大間が先行開業。
これにより、JR線(東海道貨物線~湘南新宿ライン埼京線川越線)との直通運転が開始されたと同時に、相鉄の車両が初めて東京都内へ乗り入れることになった。
2023年3月18日に、相鉄新横浜線の羽沢横浜国大~新横浜間が開業し、同時開業した東急新横浜線との直通運転を開始した。
定期列車については、東急東横線目黒線東京メトロ南北線東京メトロ副都心線都営地下鉄三田線埼玉高速鉄道線東武東上線*3まで乗り入れ、列車の半数程度がJRまたは東急方面への直通となった。なお、早朝深夜には相鉄新横浜線内で完結する列車も存在する。
これに伴い相鉄の車両は初めて埼玉県まで足を踏み入れることになった*4
また、地下鉄を介さずに大手私鉄同士が直通運転を実施するのは関東ではこれが初めて*5

2014年には新ロゴをモチーフにしたネコ型の公式キャラクター「そうにゃん」が誕生した。
その可愛らしさから登場するイベントでは多くのファンが集まることも珍しくなく、今や鉄道系マスコットでは屈指の人気を誇る。

車両

10000系導入までの自社設計車はかなりの変態仕様が多く、

  • 構造が簡単だがメンテナンスに手間がかかる「直角カルダン駆動」
  • ボタン1つで窓が開く「パワーウィンドウ」
  • 平成期の車両なのに搭載されるパンタグラフが「戦前設計のPS13」

と、変t…独創性に溢れていた。

中には、終戦直後に製造された旧型電車が改造に改造を重ねた末、最終的にVVVFインバータ制御を搭載した車両にまで進化したという前代未聞の例もある。
この独創性からか、チョッパ制御車の導入例が無い大手私鉄の一つでもある*6

と、変…ぶりが目立つように思えるが、先進技術の導入については積極的で、VVVF車とシングルアームパンタの導入も早いうちから実施している。また、車両冷房化率100%達成は1987年と、当時の大手私鉄他社よりも早い。鋼製車両の全廃も地下鉄を除いた大手私鉄では東急に次いで2番目だったりする。

車内設備では4ドア車ながらボックスシートを導入したセミクロス式を混雑しない号車に採用しており、後にJR東日本もE217系の設計に際し参考にしたとされる。また、一部の形式を除いて車内に鏡が装備されているのも特徴。

なお、上記の変態仕様独特な特徴を持つ車両になって以降、その特殊すぎる仕様や車両限界が私鉄の中で最も大きいということもあり、地方私鉄へ譲渡された例も無い。
ちなみに、吊りかけ車両については伊豆箱根鉄道大雄山線に譲渡された車両が現在も稼働している。

時代によってコロコロ塗装が変わる(青の濃淡→薄緑→赤→青とオレンジ→ネイビー)。相鉄電車の馴染みの色によって世代が分かるかもしれない。
現在はYOKOHAMA NAVYBLUE プロジェクト(YNB)の一環で車両塗装のネイビーブルー化が進められている。
また、新6000系の「ほほえみ号」を皮切りに車体全面を特別塗装にした編成も多数登場している。

今後の予定として、2026年3月に13000系の導入が発表されている。

現役車両

○8000系
1990年に登場。
相鉄初となるアルミ合金+幅広車体の組み合わせで、VVVFインバータとセミクロスシートも本格採用となった。
非常用扉を左に寄せた鋭角的な前面形状が特徴。
YNB化編成も登場しているが現時点では1編成のみ。
全編成で自動放送の設置と前照灯の位置を移設する工事を先に実施しており、この工事の進捗に伴い最後まで原型で残された8513Fは、2023年7月に登場時の赤塗装を復活させて*7運行された。

○9000系
1993年に登場。
基本設計は8000系に準じているが、全体的に丸みを帯びたデザインとなった。
YNB化を最初に実施した形式で、対象から外された第1編成(のちに廃車)を除き全車のリニューアルが完了している。
新造車では初となる東急車輛製で、この車両以降新形式は東急車輛→総合車両製作所製がしばらく続くこととなる。

○10000系
2001年に登場。
JR東日本のE231系をベースとした車両で、内外装もE231系に準じている。
それまでの変態…じゃない独自設計から大きく舵を切った設計が話題を呼んだ。
8両編成と10両編成があり、このうち10両編成には加速性能を満たすためにE231系には存在しない1M車(モハ10300)が連結される。
こちらもYNB化およびリニューアルが開始されたが、2020年以降YNB化が省略された編成も現れた。
2024年5月から落成当時の若草色、旧アルミ車をイメージした赤帯車*8がそれぞれ登場し、同年11月まで運行された。

○11000系
2009年に登場。
JR東日本のE233系をベースとした車両で、内外装もE233系に準じている。
JR線への乗り入れを念頭に設計されていたが、保安装置の設置や方向転換の必要があるため断念し、その役目は12000系が担うことになった。
前面がすっきりしていることもあってか、2014年以降1編成が「そうにゃんトレイン」としてラッピングされるのが恒例になっている。
また2023年11月には相鉄ジョイナス50周年を記念して、1編成に前面のみだが初代5000系で設定されていた「おかいもの電車」をイメージしたラッピングが施され、同年末まで運転された。

○12000系
2019年に登場。
主要機器はE233系ベースだが、内外装はE235系に準じている。
埼京線直通用に設計された車両だが、ネイビー塗装や獅子口をイメージした…というかアストンマーティンのフロントグリルにしか見えない独特の前面形状など独自設計が現れている。
方向幕にはりんかい線の行先も用意されているが、果たしてそれを使う機会はあるのだろうか…。

○20000系/21000系
2018年に登場。10両編成が20000系・8両編成が21000系を名乗る。
新造当初からYNB塗装で落成した形式第1弾。
東急線直通用に登場した久々の自社設計車両で、日立製作所製造・裾絞りの無いアルミ車体・車内の鏡とありとあらゆるものが久々尽くしとなった。
直通先でワンマン運転を実施するため、相鉄車両では初のワンマン運転対応機器を搭載した。
2019年鉄道友の会ローレル賞受賞。相鉄車両では初の授賞となった。

○モヤ700
7000系を改造した架線検査用の事業用車両。

過去の車両

○6000系/新6000系
相鉄通勤車両の基礎を築いた20m車。
ストレート車体の6000系と幅広車体の新6000系の2種類が存在し、両車混結で運用されていたこともある。
高運転台の前面は東武8000系にそっくりで、この意匠は以降の形式にも引き継がれた。
また、モハ6021というアルミ車体の試作車も存在し、現在は6001号車とともにかしわ台の車両基地に保存されている。

○7000系/新7000系
相鉄で最後まで運用されていた抵抗制御車。
6000系のシステムと機器更新車で使用されていたアルミ車体を組み合わせ大量増備された。
1986年からの増備分は前面をブラックフェイスにマイナーチェンジし、新7000系と呼ばれる。
2020年までにすべて引退し、これで相鉄は大手私鉄では初となる保有旅客車両が全て平成以降に設計・製造された車両で統一された。

○2100系
吊りかけ主力車両であった2000系の車体更新車。
軽量化のために相鉄初となるアルミ合金車体を採用した。
貫通扉部分と側面上下に朱色の帯を入れたスタイルは、以降の5100・7000系に引き継がれることに。
相鉄では初となる東急車輛製。

○5100系→新5000系
湘南型かつ変態仕様高性能車のパイオニア・5000系の車体更新車。
1988年から走行機器をVVVFインバータに更新し、再度5000系を名乗ることに。
内外の意匠については2100系とほぼ同じ。

○3000系
前述した終戦直後(ryの更新車。
冷房改造の際に試験も兼ねて吊りかけから相鉄初のVVVFに改造された。
見た目は6000系に準じており、判別可能なのは走行音のみ。
1998年に車庫内で事故を起こし、そのままあっさり廃車となってしまった。


駅解説

 本項では本線といずみ野線・貨物専用の厚木駅について解説する(相鉄新横浜線の駅についてはリンク先を参照)。

  • SO 01 横浜(よこはま)
 東海道線上野東京ライン)・横須賀線湘南新宿ライン京浜東北・根岸線横浜線京急線東急東横線みなとみらい線横浜市営地下鉄ブルーライン乗り換え。
 西口側にある「相鉄ジョイナス」内にホームがある。駅前は一時期砂利置き場だったという衝撃的な経歴を持つ。
 1日あたりの乗降客数は東急・京急のそれより多く、ホームは整列乗車および大量の乗降客を効率的に捌く観点から降車専用ホームを有する頭端式4面3線となっているほか、改札口を二層構造としホーム上に階段等が設けられている。
 改札口の隣にある横浜駅相鉄口交番は待ち合わせ場所として有名。

  • SO 02 平沼橋(ひらぬまばし)
 横浜駅から1キロも離れておらずかつほぼ直線のため、ホーム先端から互いに目視できる。
 そのため、各駅停車のみが停車する駅でありながら上り方向は信号開通待ちでしばしば通過列車が停車もしくは減速する。
 線路北側に東京ガス平沼整圧所があり、球体のガスタンクが聳え立っている。
平沼の~ガスタンクっ!

  • SO 03 西横浜(にしよこはま)
 横浜駅からここまで東海道線と横須賀線が並走。
 星川駅高架化工事に伴い留置線が当駅に移設された。

  • SO 04 天王町(てんのうちょう)
 特撮の聖地こと横浜ビジネスパーク最寄り駅。相鉄の駅で初めてこの副駅名が付与された。
 2016年にはテレビ東京系列「出没!アド街ック天国」にて特集が組まれた。

  • SO 05 星川(ほしかわ)
 保土ケ谷区役所の最寄り駅。開業当時の名称は北程ヶ谷駅で、上星川駅が星川駅を名乗っていた。
 高架化される以前から快速と各駅停車の接続や急行等の通過待ちが可能な2面4線構造だが、近年ではラッシュ時にしか行われない。
 かつて同駅構内にあった車両基地はかしわ台駅に移転され、いくつかの留置線を残すのみとなった。
 その留置線は高架化工事にあたり用地を捻出するため、一度は西横浜駅に移設されたが、再度敷設され、相鉄新横浜線開業後は東急車の留置線として実効支配されている。
 天王町駅から当駅間の高架下は商業施設が並び、この区画は「星天qlay」と呼ばれる。
 2023年4月1日に副駅名「FB古河電池 本社前」が付与された。エイプリルフールではない。
 トミーテックの鉄道制服コンテンツ「鉄道むすめ」には「星川みほし」という年1レベルでしか紹介されないキャラクターが存在しており、名前の由来は当駅と上星川(か「みほし」かわ)から。

  • SO 06 和田町(わだまち)
 横浜国立大学の最寄り駅だが全然最寄り感がない*9。駅周辺には商店も多く、朝夕は大学生で賑わう。

  • SO 07 上星川(かみほしかわ)
 二俣川寄りに東海道貨物線が高架で通っているが、トンネル内のため走行する列車を見ることはできない。
 南口の駅の階段を降りて徒歩1分のところに温泉がある。

  • SO 08 西谷(にしや)
 相鉄新横浜線との分岐駅で、横浜商科大学高校の最寄り駅。
 2面4線の駅だが、相鉄新横浜線が工事中の間、外側線が撤去され2面2線となっていた。
 工事前は急行や快速の通過待ちが行われていた。
 ホームの上に東海道新幹線の高架が通っている。ほぼ終日にわたって本線←→相鉄新横浜線の乗り換え客で混雑する一方、駅周辺は地形の制約ゆえか商業施設は小規模でバスターミナルもない。
 かつては各駅停車のみが停まる駅だったがJRとの直通に合わせて急行以外の全種別が停車し、さらに相鉄・東急直通線の開業と同時に急行の運行が休止されたため、全種別が停車する駅にまで出世した。
 二俣川寄りに引き上げ線が2線あり、相鉄・東急直通線開業後は横浜~西谷間の区間列車の運行が始まった。この引き上げ線は元々の複線線路を各々外側に移設して残った線路を転用したものである*10

  • SO 09 鶴ヶ峰(つるがみね)
 旭区役所・ズーラシアの最寄り駅。
 北口から商店街を抜けた先にあるバスターミナルと鉄道空白地帯各地を結ぶバスが頻繁に運行されており、また南口には改札と直結したタワーマンションと店舗等からなる複合施設カカロ…もといココロット鶴ヶ峰があり、特急通過駅の中で乗降客数が突出して多い。
 前述の西谷が特急停車駅となったことにより乗り換えを通じて対横浜駅で特急を利用できることになった。
 連続立体交差事業により地下化される予定。なお両隣駅の構造などを理由に一部界隈で複々線化が話題になるが、そのような計画や構想は発表されていない

  • SO 10 二俣川(ふたまたがわ)
 いずみ野線との分岐駅。周囲はニュータウン。
 横浜寄りに引き上げ線が2線あり、定期列車としては存在しないがこの引き上げ線を使用して本線海老名方面といずみ野線を直通運転することができる。
 改札外にはそうにゃんグッズストアがあり、店内には廃車部品を流用したミニシミュレーターもある。
 神奈川県唯一の運転免許センター最寄り駅のため、県民でこの駅を知らない人はほとんどいないと言われることも。
 横浜市営地下鉄グリーンラインが中山駅から延伸して当駅を経由する計画がある。

  • SO 11 希望ヶ丘(きぼうがおか)
 県立希望ヶ丘高校の最寄り駅のため、朝夕は学生らで混雑する。その通学路は「高校通り」の愛称がある。
 また神奈川総合高等職業訓練校から改められた独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構関東職業能力開発促進センターの最寄り駅でもあり、こちらの経路も同じように「訓練校通り」の愛称がある。

  • SO 12 三ツ境(みつきょう)
 瀬谷区役所の最寄り駅。相鉄の全駅で最も標高が高い位置に所在する。
 鉄道空白地帯各地を結ぶバスが頻繁に運行される点が鶴ヶ峰と似ており、両駅の乗降客数も同じくらい。
 長らく乗り換えのない駅で最も乗降客数が多かったが、2020年度の統計では鶴ヶ峰が上回った。

  • SO 13 瀬谷(せや)
 島式2面4線。4番線(上り待避線)から海老名方面への出発も可能。
 元々上り線のみ待避機能を有していたが、特急の運行に先立って下り線も待避可能にした。
 ただし下り線の待避可能化工事は直通線事業の一環として行われたためか、定期旅客列車同士の待避・追い越しを開始したのは上りが2015年5月31日からなのに対し、下りは2019年11月30日からである。
 上瀬谷地区にあった米軍施設の跡地再開発および当駅~同区間における新たな交通システムの計画があるが、具体的な進展はない。

  • SO 14 大和(やまと)
 小田急江ノ島線乗り換え。かつては両線改札内で行き来可能だった。
 本線唯一の地下駅で、海老名寄りにY字型引き上げ線が設置されている。
 駅の南側は沿線屈指のピンクタウン。

  • SO 15 相模大塚(さがみおおつか)
 上り線脇に留置線があり、車両撮影などのイベントが開催されることがある。
 米軍厚木基地が近く車内からでも飛行機の轟音が聞こえる。
 また、1998年まで飛行機の燃料を運ぶ米タンも運行されていた。

  • SO 16 さがみ野(さがみの)
 駅舎は海老名市に所在するが「さがみ野」は座間市の住所として存在し、当駅~かしわ台間で座間市内を通過する箇所がある。

  • SO 17 かしわ台(かしわだい)
 相鉄唯一の車両基地であるかしわ台車両センターがある。
 東口の駅舎がホームから大きく離れているが、これはかつて存在した大塚本町駅の名残で、旧ホームが連絡通路として使用されていることに由来する。
 この東口駅舎は旅客駅のない綾瀬市に近い。実際は改札口からホームまで延々と歩かなければならないが。
 ただし線路に沿う道路がないため主たる改札口にあたる西口との改札外徒歩連絡は困難である。待ち合わせの際には注意。

  • SO 18 海老名(えびな)
 小田急小田原線JR相模線乗り換え。
 本線の終着駅。かつては小田急線に乗り入れていた。
 これまで改札は前方一ヶ所しかなかったがホーム上に増設した北口改札が2023年3月25日に稼働したため、乗客の多くが到着前に先頭車両へ移動することに起因する混雑は緩和される見込み。
 横浜方面・JR方面・東急方面が発着するにもかかわらず設備が1面2線と不足気味で*11、特に日中のJR直通線は折り返すまで長時間ホームを塞いでしまうため、相模大塚駅構内の留置線まで回送する*12

  • SO 31 南万騎が原(みなみまきがはら)
 「みなまき」の愛称で知られ、再開発が行われている。

  • SO 32 緑園都市(りょくえんとし)
 フェリス女学院の最寄り駅で高級住宅街。電車運転士の訓練所もこっそりある。
 現在は2面2線だが2面4線化することも可能な構造で、ホームの外側は庭園展望台や保線車両置き場となっている。

  • SO 33 弥生台(やよいだい)
 駅の敷地内に桜の木が植えられている。
 昇降バー式ホームドアの実証実験が当駅で行われたこともある。
 2023年7月1日に副駅名「国際親善総合病院」が付与された。

  • SO 34 いずみ野(いずみの)
 いずみ野線開業当初の終着駅。
 2面4線構造で、横浜方面への折り返しも可能。
 線路がここから左に大きくカーブしていくが、これは当初いずみ野線と小田急江ノ島線の乗換駅を長後駅としていた計画が紆余曲折あって湘南台駅に変更されたためである。

  • SO 35 いずみ中央(いずみちゅうおう)
 1990年の延伸で開業し、一時的に終着駅となっていた。
 泉区の主要行政施設はこちらに集まっているが、特急・通勤特急は通過する。
 なお、「いずみちゅうおう」を名乗る駅は当駅含めて全国に3駅*13存在し、2025年には開業35周年を記念して初の3駅コラボ製品が発売された。

  • SO 36 ゆめが丘(ゆめがおか)
 駅周辺が長らく市街化調整区域だったため大規模な住宅地や商業施設がなく、乗降客数が最も少ない。
 しかし近年市街化調整区域が解除されたことから、2024年7月には近接する横浜市営地下鉄ブルーライン下飯田駅との間に大型商業施設「ゆめが丘ソラトス」が開業した。
 受験シーズンにはゆめが丘~希望ヶ丘間の硬券乗車券「ゆめきぼ切符」が縁起物として発売されることがある。

  • SO 37 湘南台(しょうなんだい)
 いずみ野線の終着駅。
 小田急江ノ島線横浜市営地下鉄ブルーライン乗り換え。
 湘南とそうにゃんの発音が似ていることとSO28がそうにゃんと読めることに因んで、改札口前に「SO 28 そうにゃんだい」の駅名標パネルがある*14
 ここから平塚まで伸ばす構想があるが、現時点では藤沢市などが慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(通称SFC。もちろん某据え置き型ゲーム機とは無関係)付近までの延伸実現を模索している。

  • 厚木(あつぎ)
 貨物駅。相模国分信号所から分岐し、途中からJR相模線と並走しつつ同線海老名駅の脇を通過して辿り着く厚木線の終着駅。
 駅構内には複数の留置線が並ぶ。
 かしわ台~厚木間で一般の乗客を乗せたイベント列車が運行されたことがある。ただし厚木線は旅客運賃の設定がないため参加資格者をイベント開催日有効の1日乗車券購入者であって、かつ希望者先着順としていた。

停車駅一覧

全種別各駅に停車する相鉄新横浜線と旅客営業を行っていない厚木線は省略。
●…停車
▲…停車(上りのみ)
△…通特(通勤特急)のみ停車(上りのみ)
|…通過
↑…通過(上りのみ)

相鉄本線

駅番号 駅名 各停 快速 通勤急行 特急・通特
SO01 横浜
SO02 平沼橋
SO03 西横浜
SO04 天王町
SO05 星川
SO06 和田町
SO07 上星川
SO08 西谷
SO09 鶴ヶ峰
SO10 二俣川
SO11 希望ヶ丘
SO12 三ツ境
SO13 瀬谷
SO14 大和
SO15 相模大塚
SO16 さがみ野
SO17 かしわ台
- 相模国分信号所
SO18 海老名

いずみ野線

駅番号 駅名 各停 快速 通勤急行 特急・通特
SO10 二俣川
SO31 南万騎が原
SO32 緑園都市
SO33 弥生台
SO34 いずみ野
SO35 いずみ中央
SO36 ゆめが丘
SO37 湘南台


種別

今でこそ種別が多様化しているが、快速の運転開始までは急行と各停の2種別体制で、行先も急行が海老名方面・各駅停車がいずみ野線方面と固定されていた。
そのため、7000系までの車両は側面の表示窓が種別のみであった。その7000系は2014年4月27日の改正で

  • 本線・いずみ野線共に特急の運行が開始
  • いずみ野線直通専用種別であった快速が本線二俣川~海老名間にも運行
  • 早朝・深夜に僅かな本数しかなかった横浜~海老名間の各駅停車が日中に運行

されるようになり複雑さが増す中で運用を継続するにあたり、誤乗防止策としていずみ野線に直通するとき車両側面に表示される種別に「いずみ野線」と注意書きが為された幕を使用することになった*15
また、JR線への直通列車(上り列車のみ)は誤乗防止のため、種別に関わらず無地に緑字で表示される。
東急線への直通列車も種別に関わらず東横線直通が赤字、目黒線直通が水色字で表示される。


現在の種別

  • 特急
 2014年4月27日より運行を開始した最速達種別。
 それ以前から存在する急行と快速は横浜~二俣川間のみ速達運転をするが、特急は二俣川~海老名間といずみ野線内でも速達運転を行う。
 相鉄・JR直通線開業に伴う2019年11月30日の改正から西谷駅にも停車することになった。
 全系統で運行されるが、いずみ野線系統は2015年5月31日の改正で本数が減らされた。この改正では、いずみ野駅で各停との接続を開始していずみ中央駅とゆめが丘駅の利用者増加につなげようとしたが、成果は芳しくなかった模様で、2019年11月30日の改正で一旦廃止。
 その後2023年3月18日のダイヤ改正で、朝夕時間帯にて相鉄新横浜線直通列車でいずみ野線の特急の運行が再開した。大半は東急東横線直通列車だが、早朝下りのみ東急目黒線直通列車もある。

  • 通勤特急(通特)
 2019年12月2日より運行を開始。平日朝ラッシュピークの前後に運行される。
 当初から湘南台発のみの設定で、海老名~二俣川間と下り列車の運転はなく停車駅は湘南台・いずみ野・二俣川・鶴ヶ峰・西谷・横浜だったが、2023年3月20日より横浜行きは廃止され西谷からは東急新横浜線へ直通する。
 種別カラーは特急と同じであるが、東急新横浜線直通列車のみとなってしまった2023年3月20日以降は高島平行きを除き、駅や方向幕では実質的に東横線直通の赤が種別カラーとなっている。

  • 通勤急行(通急)
 2019年12月2日より運行を開始。
 当初は湘南台発を中心に一部海老名発もありという触れ込みだったが、2023年3月18日ダイヤ改正時点では海老名発が多くなっている。
 西谷駅の工事が始まる前のラッシュ時は湘南台発快速横浜行きが運行されていたが、星川駅で各停との接続を行っていたため西谷・上星川・和田町からの乗客が乗り換えてきて混雑が悪化していた。
 その反省から新設したと推測されるが、実際は混雑に拍車がかかっている。理由として主に

 ・元々相鉄沿線は横浜志向が強い
 ・急行と比べて鶴ヶ峰と西谷が停車駅に加わっており、特に鶴ヶ峰は乗降客数が多い
 ・その急行が運行休止された
 ・各駅停車横浜行きが星川で通勤急行の通過待ちを行う
 ・各駅停車横浜行きの多くが西谷始発のため、「遅いけど座ってのんびり行く」という選択肢が皆無
 ・相鉄新横浜線と東急新横浜線は加算運賃もあって通勤経路の移行が進まない

が挙げられる。

  • 快速
 いずみ野線いずみ中央~湘南台間が開業する1999年3月10日に先立つ同年2月27日の改正より運行を開始。そのため、期間限定で快速いずみ中央行きが運転されていた。
 当時はいずみ野線直通のみの種別で、種別表示は2014年4月27日の改正まで快速だった。
 2014年4月27日より本線系統でも運行を開始し日中ダイヤに投入されたが、同時に

 ・急行列車が消滅したこと
 ・いずみ野線内から快速列車が消滅したこと
 ・いずみ野線内を運行する各停の一部が二俣川折り返しになったこと

 などが不評だったのか、2015年5月31日の改正で快速をいずみ野線系統中心にするなどの見直しが図られ、2017年3月18日の改正で本線系統の快速はすべて急行に戻された。
 その後、相鉄・JR直通線開業に伴う2019年11月30日の改正で西谷にも停車することになり日中に本線系統の快速も復活し、2021年3月13日の改正では再び日中から急行といずみ野系統の快速が消滅、2023年3月18日ダイヤ改正で休止された急行に代わって本線系統の主力種別となった。

  • 各駅停車(各停)
 揺るぎない各駅停車。かつては各停、さらに前は各停(無地に黒字)の表示も使用されていたが、2014年4月改正以降現行の表示に更新された。

 横浜~湘南台間の運行が中心で、横浜~西谷間の区間列車や東急新横浜線~西谷~湘南台間の運行もある。
 二俣川~海老名間は主に通勤急行・快速・相鉄新横浜線直通の各停が担うほか、西谷~新横浜間は特急や通勤特急も各停としての役割を持つ。

過去の種別

  • 急行
 停車駅は横浜・二俣川から海老名までの各駅。

 ・横浜~二俣川間で各停との遠近分離
 ・二俣川~海老名間で各停を担当
 ・二俣川駅で各停との接続

 という各駅停車との役割分担による分かりやすいダイヤを半世紀以上担ってきた、相鉄にとっていわば基幹種別。
 JR直通線が開業してからも引き続き本線のみを運行し停車駅も変わらなかったが、近年は種別の多様化と西谷駅における接続機会および比較的乗降客数の多い鶴ヶ峰駅の利便性確保から減少傾向であった。
 そしてついに、2023年3月18日ダイヤ改正にて運行が「休止」された。相鉄伝統の種別ではあるが、果たして復活はあるのか…。

  • 準急
 小田急と直通運転していた時代に設定されていた種別で、当初は横浜・希望ヶ丘~海老名・厚木・本厚木に停車していた。
 二俣川駅についてはまず「おかいもの電車」と呼ばれる1往復の列車*16が停車し、後にすべての準急列車が停車することになった。
 その後直通運転廃止を以て同種別は急行へ改称され、「おかいもの電車」の愛称も急行に統合され消滅。
 すなわち、一般的に急行の下位種別とされる準急のほうが停車駅が少ない時期があった。


余談

  • 現在日本国内でストライキがほとんど起こらなくなった中で、現在でも5年に1回程度の周期でストライキが発生する。直近では2014年3月20日に春闘交渉決裂が原因でストライキに突入した。…が、終日を予定していたストライキは客の抗議で朝方には解除。時代の流れといえよう。
  • 実は相鉄本線は元々「相模鉄道」ではなく、「神中(じんちゅう)鉄道」と言う鉄道が開業させた路線。本来の相模鉄道が最初に開通させた路線は、現在のJR東日本相模線の区間である。また今では信じられないが当時は経営がかなり厳しく、戦時中から戦後にかけて東急に運営が委託され、「東急厚木線」となっていた時期がある。なお、当時から日本で数例しかない電気式ディーゼルカーを走らせていたりと変態仕様独創性に溢れていたらしい。
  • かつては厚木線を経由して小田急線本厚木駅までに乗り入れていたが、海老名駅の改良工事に伴い1964年で中止された。現在でも直通再開が検討されているが、海老名駅の改良工事が終わった現在ではほぼ難しいと言ってもいいだろう。
  • 近隣住民の間では昔から宇宙戦艦ヤマトのメロディーに合わせて駅名を海老名から順に歌う替え歌が伝わっている。いくつもバリエーションが有り、どれが正統というものではないが「ヤマト」をハモらせる事だけは必須。
  • ダンガンロンパ』には「希望ヶ峰学園」という学校が登場する。ところで本線二俣川駅の両隣は…
  • 相鉄線沿線のイメージアップを目的として製作されたドラマ「SOTETSU STORY」では猫のそうにゃんの声を丹下桜が演じた。


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最終更新:2025年06月02日 04:20

*1 本線・いずみ野線・厚木線と異なり、「相鉄」が路線名に含まれる。

*2 他にも神戸電鉄が北神急行電鉄と合併の上で昇格する話があったが、経済情勢の変化などで立ち消えとなっており、北神急行は2020年から神戸市営地下鉄線となった。

*3 東上線に乗り入れる車両は通常ダイヤでは東急電鉄の車両のみ。

*4 相鉄・JR直通線に充当される12000系は定期では池袋までの運用となっている。

*5 関東以外では阪神なんば線~近鉄奈良線の直通運転がある。

*6 関東以外の大手私鉄では京阪電気鉄道・西日本鉄道が該当する。

*7 前面部分のみで、側面については塗装を痛める可能性があったため見送られたという。

*8 これ以外では、過去にウルトラヒーローなるラッピング車両で赤帯になった編成が存在した。

*9 横国の最寄り駅は他にも2つ存在して、乗客が分散しているのが原因。

*10 相鉄新横浜線から入出庫することも可能にしているが、平面交差を伴う。

*11 現在の2番線は留置線だったが、ホームの混雑緩和のため転用した。

*12 かしわ台駅は2面4線あるが、配線上海老名駅から来た回送列車をホームから直接折り返しさせることが出来ない。

*13 あとの二つは仙台市営地下鉄南北線「泉中央」、南海泉北線の「和泉中央」。

*14 そのためか、相鉄の駅番号は20番台が飛ばされている。

*15 ただし、各駅停車はこの改正以前に湘南台行きと大和行きが同一時間帯に混在していた。

*16 横浜駅周辺への買い物およびその買い物帰りの乗客を対象とした列車で、11000系でリバイバルしたのはこの仕様である。