小説 仮面ライダーエグゼイド ~マイティノベルX~

登録日:2018/07/26 Thu 03:02:05
更新日:2024/01/05 Fri 14:49:37
所要時間:約 6 分で読めます





宝生永夢ゥ!


何故君が幻夢コーポレーションにあんなファンレターを送ったのか!?

何故あの雨の日あの場所を歩いていたのか!?


そもそも何故バグスターが生まれたのかァ!! その答えはただ一つ!



君の ピー!! ヴェ ピー!!




『小説 仮面ライダーエグゼイド ~マイティノベルX~』とは2018年6月27日に講談社キャラクター文庫から発売された『小説仮面ライダーシリーズ』の作品。
仮面ライダーエグゼイド』の後日談を描いた作品であり、Vシネマ『アナザー・エンディング 仮面ライダーゲンムVSレーザー』より3年後が描かれる。

著者は本編の脚本も務めた高橋悠也氏が引き続き担当。
一人称視点の小説であり、各場面ごとにキャラクターごとの一人称で進行していく(そのため各キャラ事の語彙力の違いも見比べるのも面白い)、
まさに本書自身もまた『マイティノベルX』というノベルゲームとして進行していく。

そこで明かされる真実は非常に衝撃的な物であり、登場人物たちのように本編の印象が180度変わるのは必須とも言える。
最低でも本編、平成ジェネレーションズトゥルー・エンディングアナザーエンディング三作を視聴済みであれば問題ないが、
本書の性質を考慮すれば本書以前のエグゼイドシリーズ全てを追っておくとよりベストと言えるだろう。じゃないと某シーンとか某シーンとか正常に見れなくなるぞ!

突如として聖都大学附属病院に送られてきた謎のゲーム「マイティノベルX」を通して、
TV本編ではあえて掘り下げられなかった主人公・宝生永夢…そして檀黎斗の過去が描かれる。

また彼ら以外にも様々なキャラクターの過去・設定が描かれているため、エグゼイドファン必読とも言える内容と言えよう。
とりあえず日向審議官疑っていた人は土下座な!



以下、本作の詳細なネタバレが含まれます。「I don't wanna know 下手な真実なら I don't wanna know 知らないほうがいいのに」という人はブラウザバック推奨



あらすじ

2023年――――
聖都大学附属病院小児科兼電脳救命センターで働く宝生永夢に、差出人不明の小包が送られて来た。
中には、「マイティノベルX」と書かれたガシャットが入っていた。

まさか、天才ゲームクリエーター檀黎斗からの挑戦!?
いや、彼は消滅したはずだ。一体、誰がこんなものを…。

永夢は瞑想し、一度だけ深呼吸をした。
迷いのやわらいだ永夢は、ガシャットの起動スイッチに指をかけた。

ゲームスタート――!!

『マイティノベルX』裏表紙より引用


【登場人物】

本編からの登場人物

宝生永夢/仮面ライダーエグゼイド
本作の主人公。2.5次元人に萌える31歳。地の文含めて意外と毒舌。
ファイナルステージにて研修医から小児科医になったため、引き続き小児科医にして天才ゲーマーM。
黎斗が送ってきた「マイティノベルX」をプレイするが、最初の選択肢を誤りゲームオーバーとなってしまう……。

上述したように本作では彼の真実が明かされることになる。とりあえず誰があのガシャットスナギツネがむしろ永夢の真の姿だと本編の時点で思うだろうか

ちなみに一人称視点である本作では通常時の医者永夢と天才ゲーマーM時の性格切り替えも詳細に描写されている。

鏡飛彩/仮面ライダーブレイブ
天才外科医。
アナザー・エンディングにて百瀬小姫との関係に吹っ切れたこともあり、プロポーズ用の指輪や結婚式の準備まですでに行っているお人。
今作では彼の過去も明かされ、やはりトンデモスペックな家族・過去であったことが描かれている。
ちなみにパパネタも少しあるよ!

花家大我/仮面ライダースナイプ
元CRのドクターにして現在は花家ゲーム病クリニックを経営するゲーム病専門の開業医。
作中冒頭では熱を出したニコのためにアメリカに向かっていた(永夢には頭おかしいと言われてしまったが)。大ニコは健在
心霊の類が苦手な理由も明かされ、どうやらかつて放射線科医だった頃の病院で“見た”かららしい。ゴーストの仕業に違いありませんぞ!
相変わらずの光医者で、「頑張ってるあの子を応援したい」を地で行く。あとポエマー。

九条貴利矢/仮面ライダーレーザー
元監察医務院の監察医にして、現在はCRのドクター。
バグスターから人間として再生した初の事例となり、再生医療にも貢献している。でもバグスターテレポートは便利だったらしく、残念がっていた。
八乙女紗衣子とはデートに誘われたことを皆に報告し、「恋のレースは自分が一番独走状態でしょ」と言うほど仲は良好な様子。

本作では他のドクターとともに永夢が攻略に失敗したマイティノベルXに挑むが……
友人の藍原淳吾が自身の言葉のせいで事故死した過去がある彼にあの選択肢を選ばせるという所業
ちなみに実家は警察一家で、お好み焼き屋らしい。

ポッピーピポパポ/仮野明日那
CRに努めるバグスター兼聖都病院の看護師にして衛生省のエージェント。
マイティノベルXの攻略に失敗しゲームオーバーになった永夢を助けるために、
自身に眠る檀櫻子の記憶を頼りにマイティノベルXを攻略していこうとするのだが……

パラド
ココロオドルバグスターにして忠犬…もとい永夢の相棒。
本作では永夢の過去が明かされたことで、パラドに関してもあらたな情報が出て生きている。そりゃ、永夢の過去があれならパラドもああなるよ
そして天才ゲーマーMとしてとある存在にリベンジを果たす。
ちなみにポッピー共々精神年齢は大体13歳くらいらしい。

檀黎斗/仮面ライダーゲンム
3年前に消滅した元幻夢コーポレーションCEO。
本作では消滅したはずの彼から謎の小包がドローンによって届けられるが……

●西馬ニコ
成人しても相変わらず変わっていない…大我曰く、むしろアメリカナイズされて騒々しくなった天才ゲーマーN。
風邪を引いたため大我をアメリカに呼びつけていたが、マイティノベルX攻略のために天才ゲーマーMに詳しい人間として日本に帰国する。

ゲームオーバーになった永夢たちを救うために、大我と供に婚活パーティーに挑む!
相手の性格を「素直じゃない」と書く=光医者な大我は素直に書いて、ニコは素直に書いていないと推測されている。

●鏡灰馬
聖都病院の院長にしてCRの責任者な飛彩の父親。
本人の出番こそ少ないが、飛彩によって詳細な過去と家系が明かされ、
祖父の頃から代々医者の家系であり、彼はかつて多くの癌摘出手術や臓器移植を成功させ神の手を持つ外科医と称されており、
しかし家ではそんな素振りは見せずに妻と息子に冗談ばかり言って明るい笑いを提供しようとしていたのだという。
もっとも笑ったのは妻だけで、息子は笑わなかったと暴露しているが。

そんな彼の妻は奇跡の獣医と称されている人であり、心のケアを含めて多くの治療不可能と言われた動物たちの治療を成功させてきたとのこと。
本人曰く、動物と会話できるから、らしい。

その他、彼の兄がアメリカの大病院の理事、妻の兄がドイツの有名医大の教授。
そしてその息子が紛争地帯で軍医をやっていることが明らかになっている。……もしかして妻の旧姓って伊達とかだったりします?

●日向恭太郎
衛生省の大臣官房審議官。永夢を救った張本人でもあるため、本作でも当然登場する。
明かされる彼の過去も必読である。とりあえず日向審議官一度でも疑ってごめんなさい

檀正宗/仮面ライダークロノス
幻夢コーポレーションの元社長にして、黎斗の父親。
アナザー・エンディングにて一時的に復活したが、ゴッドマキシマムゲーマー相手に敗北し再び消滅していた。
黎斗の過去が明かされることで、彼の過去も明かされる。やっぱり父親としてはアウトでした


その他の登場人物

●檀櫻子
黎斗の母親。
ポッピーが記憶をたどる形で彼女の過去が明かされる。


●宝生清長
本作初登場の永夢の実父
国内最大手の医療機器メーカー「メディクトリック」の常任取締役を務める。
ドクターたちがマイティノベルXを攻略していくにつれて、彼にもまた何かしらの重大な秘密があることがわかっていくが……

●クロト※※/クロトピー
「マイティノベルX」のナビゲーターを務めるバグスター。
黎斗と同じ思考ルーチンがプログラムされており、喋り方は(主に神時代の)檀黎斗そのもの。

黒いバグスターウイルスに紫のラインというゲンムに似た特徴を持つ姿をしている。
感染者の精神、つまり心に感染する性質を持ち、感染した患者のストレスで実体化するという特徴を持つ。
マイティノベルXのバグスターでもあるため、ラヴリカ同様に通常の戦闘手段では実体化前の場合は攻撃が効かない特徴を持つ。

クロト※※という名前は当初自己紹介した際の表記であり、※※の部分は放送禁止用語が流れた時に流れる「ピー音」。
天才ゲーマーMの性格のときの永夢が便宜上として「クロトピー」と名付け、以後は終盤までこの名前でやり取りされる。



登場ライダー

仮面ライダーエグゼイド
登場フォームはレベル1,2、マキシマムゲーマー レベル99ムテキゲーマー
そして本作オリジナルのフォームとなるノベルゲーマー レベルX。

相変わらずムテキはそのままの意味だが、天才ゲーマーは二度も同じ目には遭わない。

仮面ライダーブレイブ
相手が相手なので基本的にはレガシーゲーマー レベル100に変身する。

仮面ライダースナイプ
相手が相手なので基本的にはシミュレーションゲーマー レベル50に変身する。

仮面ライダーレーザー
登場フォームはバイクゲーマー レベル0、プロトコンバットバイクゲーマー レベル0。

仮面ライダーゲンム
登場フォームはレベル2、ゴッドマキシマムゲーマー レベルビリオン。
また今回はゲムデウスクロノス戦で使用したと思われる二つの目のプロトマイティアクションXガシャットを使用して、
黎斗以外の人間がゲンムに変身することになる。

仮面ライダーパラドクス
登場フォームはパーフェクトノックアウトゲーマー レベル99。
ある種最高の形で本編での雪辱を果たすことに。

仮面ライダーポッピー
登場フォームはときめきクライシスゲーマー レベルX。
とある相手と戦うことになり、搦め手での勝利を狙うが、単純に相手が悪すぎた。
ちなみに限定版の裏表紙にはちゃっかり登場していたりする。


『マイティノベルX』

突如として永夢に送られてきたマイティノベルXガシャットによって起動するゲーム。
ジャンルはノベルゲームおよび体感型ゲームでもある。

プレイヤーが現実世界に点在する「ノベルスポット」を訪れることでイベントが発生し、
所定の手段をもってゲームエリアへと入ることで物語の一部を体感することができる。
その物語は誰かの人生の追体験であり、本作では宝生永夢の過去の物語が舞台となった。

ゲーム中は追体験している人物…本編の場合は(ゲーム内の)永夢には干渉できるが、
以外の登場人物は全員NPCとして扱われ、会話はできない仕様となっている。

そして物語の途中でゲーム内のその人物からプレイヤーへの問いかけが行われ、
それに対して表示された選択肢の中から正解を選び出さなければならない。

間違った選択肢を選んでしまった場合ゲームオーバーとなり、ガシャット内に幽閉される仕様となっている。

本作でプレイヤーたちは過去の永夢の真実に向かい合うことになるのだが……。


余談

本書の巻末には『小説 仮面ライダー鎧武』以降の講談社キャラクター文庫ではおなじみの、
シリーズの主な出来事を時系列順に網羅した「『仮面ライダーエグゼイド』 ノーコンティニュー全史」が掲載されているが、
エグゼイド側に時系列を合わせたためか、2017年が舞台の『アルティメイタム』以前の時系列である『平成ジェネレーションズFINAL』を2018年9月の出来事としている。

当初はアナザーエンディングから1週間後の時間軸に設定されていたのだが、本編プロデューサーの大森敬仁から「映像化した時に一週間後では役者が老けていると違和感がある」と没にされ、3年後にリテイクされた経緯がある。













――もし、この世界に『ヒーロー』が存在するとすれば、『彼ら』の事を言うんだろう。


どんな逆境でも、決して諦めずに立ち向かい……人の命を救う。


そんな『ヒーロー』たちに、僕たちは守られている。
























ゲーム病の再生医療の研究はこれからも続いていく

近い将来、消滅した人たちを復元できる日は必ずやってくる

その時、またあなたの笑い声を聞かせてもらいます


いずれまた。才能の旅に出ましょう





→Next Exaid's Episode is... THE GAME IS FOREVER……?































































ンンンン時代よォォォォ!


ようやくこの私に追いついたかァ! ハーハーハーハァ!!

黙れウイルス…!





この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • マイティノベルX
  • 仮面ライダーエグゼイド
  • 小説
  • 小説版仮面ライダーリンク
  • 講談社キャラクター文庫
  • 高橋悠也
  • 一人称
  • ノベルゲーム
  • ガシャットスナギツネ
  • 宝生永夢ゥ!
  • 下手な真実なら知らないくらいがいいのに
  • 「頑張れ」
  • 君の運命は僕が変えるから
  • 頑張っているあの子を応援したい
  • 大人の義務
  • ノーコンティニューでクリアしてやるぜ
  • コンティニューしてでもクリアする
  • 講談社
  • 神の試練はNovel life!
  • 高橋悠也の本気

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月05日 14:49