登録日:2019/04/02 (火) 18:58:40
更新日:2024/10/25 Fri 19:50:43
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東京メトロポリタンテレビジョンとは、1995年に開局したテレビ局である。通称はTOKYO MXまたはMXテレビ。
東京都を放送対象地域とし、行政上東京都に含まれる伊豆諸島や小笠原諸島も放送区域であり、中継局やケーブルテレビ経由で視聴できる。
4大ネットワーク系列に属さない独立局であり、JAITS加盟局の一つである。
概要
アナログチャンネル番号:14
デジタルチャンネル番号:9
アナログ放送コールサイン:JOMX-TV・JOMX-TAM・JOMX-TCM
デジタル放送コールサイン:JOMX-DTV
マスコットキャラクター:ゆめらいおん
本社は半蔵門にある。放送局用として設計されたビルではないため、色々構造に無理があるらしい。
歴史
長年
東京都には東京都だけが放送エリアのローカルテレビ局がなく、とりあえずローカルテレビ局の免許が降りたものの、出資した各社には「ローカルテレビ局に詳しい人」というのが殆ど居ない。それは出資した東京都も同じこと。
そこで外部からテレビ業界に詳しい人をゼネラルプロデューサーとして招聘し、ニュース中心で娯楽番組の少ない番組編成、デジタルメインの局内設備、記者に映像編集権を持たせるビデオジャーナリスト制を取り入れた報道体制とプロデューサーの理想をふんだんに盛り込んだ。
その結果は………
まず東京タワーがカバーする23区と多摩東部でMXの受信に必要なUHFアンテナを芝公園に向けて立てている世帯が少なすぎた。
アンテナが建っていてもUHF(場合によっては
ラジオ用VHFも)は三ツ池公園(テレビ神奈川)、三山(千葉テレビ)、平野原(テレビ埼玉)に向いている世帯が多く、MXの受信用ではなかったのだ。
当然視聴者数が少ないと広告効果は少ない。
そんなメディアに誰が広告を出しますか?という話になるのだが、開局特番ですらCMの枠が余ってしまっていたという話もあるほど、営業部が仕事しなかった。
更に一部の社員が組織を私物化するなど機能不全も重なり、MXの経営は次第に無理ゲー状態に陥っていく。
結局招聘したゼネラルプロデューサーは開局から1年も経たずに社を去り、副社長も事実上の解任という形で会社を去り、番組審議委員も大半が辞任してしまう。
ここまでの詳細な経緯は「蝕まれてゆくMXテレビ」というタイトルでWebに載っている。
このままMXは死んでしまうのかと思われたが、1997年にFM東京の社長がMXの社長に就任し、経営体制や番組編成の見直しを実施。なんとか持ち直すことに成功した。
そしてMXの視聴者が本格的に増えだすのは2003年の地上デジタル放送開始が契機となる。
地デジの受信には従来のVHFアンテナではなく、UHFアンテナが必要となる。
更にテレビの初期設置設定でチャンネルスキャンを行えばMXが否応にも9チャンネルにセットされることで認知度は上昇。
更に開局時にはほとんど放送されていなかった娯楽番組も十二分に拡充されたことで視聴者も少しずつ増えていった。
地デジ化は平成に開局したテレビ局には莫大な負担ばかりがのしかかっていたが、MXには視聴世帯数の増加に役立ったのだった。
開局から地デジ完全移行後も芝公園の東京タワーから送信していたが、2012年9月には押上の東京スカイツリーからの送信を開始。
東京タワーに比べて電波の飛ぶ範囲が広がったため、同じ周波数を使用する中継局や送信所との混信を防ぐべく、スカイツリーからの送信周波数は東京タワーのものから変更されている。
周波数変更の関係上タワーとスカイツリーから同時送信が実施され、最終的に2013年5月にスカイツリーからの送信に完全移行した。
受信可能エリアはスカイツリーを中心に半径50kmのエリアとされ、MXの受信ガイドにもそのような記載がある。
これだけ電波が飛ぶと各地の独立局にも相応の影響が及ぶため、デジタルにおけるリモコンキーIDも「9」を選択している(9を使用しているテレビ局はMXと奈良テレビのみ)。
番組編成
MXといえばアニメを新作・旧作問わず大量に放送していることでも有名で、新作アニメの放送局発表では最初に「TOKYO MXほか」と表記される例が非常に多く、関東地方の放送局はMX独占となる例が大半となっている。
これは送信所をスカイツリーに移転したことで南関東ほぼ全域を視聴エリアに収めることが出来、MX1局に枠を確保すれば関東地方をほぼカバーできると判断するケースが多いのがその主な理由。
またMXとしてもアニメの放送には大変積極的で、深夜アニメを毎日22時台から編成、制作に出資、OVAを先行放送、劇場版や新作に合わせて再放送を実施するなどかなり攻めの姿勢を打ち出している。
ただしせっかく22時からアニメ枠を編成しているのに火曜日には再放送のドラゴンボールとガンダムが長年居座っているのだが…
ゴールデン帯のアニメ枠はプリキュアなどの再放送がメインで、こちらで放送された新作アニメは
怪盗ジョーカーや闘神機ジーズフレーム程度。
自社制作番組の放送も積極的で、特に平日夕方の情報番組「5時に夢中!」はMX以外にも群馬テレビ、
とちぎテレビにもネットされている。
その一方他局とは一線を画す編成方針も強く、JAITSの製作連盟である「5いっしょ3ちゃんねる」「東名阪ネット6」にも参加していない。
自社制作番組については
・5時に夢中!でスポーツ新聞のエロ欄を取り上げる
・ビンタの人蝶野正洋を夜のワイドショーのキャスターに起用
・事前収録の番組なのに放送禁止用語の入ったシーンをカットすることなく放送
…など、アニメ同様攻めかつフリーダムな内容。
他局同様コメンテーターにタレントが起用されることが多いが、キー局では絶対に出来ないような発言をしてネットニュースで話題になることも多い。そのポジションは「キー局のない準キー局」というべきか。
マツコ・デラックスと愉快な仲間たちをテレビで本格起用したのもこの局が最初であり、多忙となった現在も出演中。石原慎太郎都知事時代は石原本人がレギュラー出演するバラエティ番組も制作されていた。
近年帯番組の「5時に夢中!」と「バラいろダンディ」で頻繁に出演者のトレードが行われている。
これらのニッチかつコアな編成方針から、最近では「どこまでも!マニアッ9」なるキャッチコピーを使うほど。
変わったところでは
福岡ソフトバンクホークス主催試合の中継を実施している。これは、ホークスのオーナーでもあるソフトバンクの社長・孫正義氏が
「東京でホークスの様子を知りたい」との一声から実現したとされる。中継はほとんどがサブチャンネルで行われており、通常福岡でしか見ることのできないCMも放映される。
その他
2015年よりインターネットを通じて自社番組を放送と同時に配信するサービス「エムキャス」をリリース。
エムキャスは
Android、iOS搭載端末の他PCでも利用可能で、バラエティ・報道番組は勿論、アニメにも対応番組が存在する。
ここまで書いたらお気づきの人もいるかと思うが、実はこれ日本初となるインターネットサイマル放送であり、NHKが2020年に「NHKプラス」、キー局では日本テレビがTVerで2020年10~12月の試験実施→2021年10月から開始したことを考えるとかなり先進的と言えよう。
しかし、TVerの普及にともない供給サービスを一本化する方針が決まり、2024年6月を最後に廃止された。
自社でアナウンサー専門の社員を雇っていない。ニュースキャスターは報道局の記者が兼任している他、キー局出身のフリーアナウンサーを主に起用している。東京だから人材には困らないという地の利を生かした方針と言えよう。
追記・修正はテレバイダーで裏番組速報を確認しながらお願いします。
- 毎日夜に張り付いて実況してた気がする。これはダメ人間ですねえ… -- 名無しさん (2019-04-02 20:42:12)
- なんか見づらい記事だな。 -- 名無しさん (2019-04-02 21:11:19)
- もはやテレビ東京よりこっちのほうがアニメ大国となってる -- 名無しさん (2019-04-02 23:02:49)
- MXくらいでしかTV放送されない深夜アニメの増加は新たな「アニメ放送の首都圏一極集中」案件になっている。逆に言えばドル箱放送局(オタク人口が集中している首都圏だけに流すのが理論上は一番コスパが良い)であるMXの存在のおかげで助かったアニメ作品もあるんだろうけど -- 名無しさん (2019-04-03 00:19:22)
- 昔やってたテレバイダーって番組が攻めてたなあー。今じゃ作れないよあんな番組。 -- 名無しさん (2019-04-03 07:45:25)
- 別名やらかした芸能人の流刑地とも -- 名無しさん (2019-04-03 17:55:03)
- 地デジ化してからアニメは本当にMXに偏ったな。チバテレビとかテレビ神奈川でも同時にやってた新番組がMXだけになったし。まぁ見る方からしてもMXチェックした方が早いからわざわざチバテレビとか見ないから当然な流れではあるんだけど。 -- 名無しさん (2022-04-15 09:28:56)
最終更新:2024年10月25日 19:50