鳴女(鬼滅の刃)

登録日:2019/11/07 Thu 02:31:49
更新日:2025/08/21 Thu 01:28:56
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おもしれー女 まともにみえてまともじゃない やべーやつ ガン逃げ クラウザーさん コメント欄ログ化項目 シリアルキラー ステージギミック デトロイト・メタル・シティ メカクレ メタルモンスター ロックンローラー 上弦 上弦で一番イカれてる女 上弦の肆 上肆 井上麻里奈 元人間 十二鬼月 単眼 夫殺し 昨日は鬼殺隊殺ってやったぜ!明日は無惨様殴ってやる! 未亡人 殺人鬼 演出家 無口 無惨THEロック 無限城 狂人 琵琶 琵琶ウザーさん 琵琶奏者 着物 私は音楽に感謝している…琵琶がなければ猟奇殺人鬼になっていたから 空間操作 舞台装置 芸術は爆発だ 連続殺人鬼 音楽家 鬼滅の刃 鳴女 黒髪ロング




光栄で御座います。




鳴女(なきめ)』とは、鬼滅の刃の登場人物である。


◆プロフィール

身長:不明
体重:不明
趣味:不明
死地:無限城内

◆概要

鬼舞辻無惨の側近と思われる
その存在は十二鬼月の下弦には伝えられておらず、存在を知るのは上弦の鬼達のみと厳重に秘匿されている。
ファンブックによると無限城の管理人を務めている模様。
無惨が十二鬼月を集結させる際に彼等を城へと呼び寄せるのが主な役割。
無惨の側近として振舞う謎めいた鬼であったが、半天狗の死後『上弦の肆』の後任として就任していたことが判明した。

上弦の鬼達からは基本名前で呼ばれず、「琵琶女」「琵琶の君」と呼ばれる。

◆外見

黒い着物に身を包んだ黒髪の女性の姿をしており、その手には常に琵琶を携えている。
長髪によって目元まで顔が隠されており、普段はうかがえないその素顔は、瞳に『肆』の文字が刻まれた紫の瞳の巨大な単眼が蠢く奇怪な顔の女鬼。
顔面には血管が目玉を中心に放射状に浮き出ており、彼同様に無惨から血を与えられ、欠員を埋める形で上弦に列せられたものと思われる。
無惨も想定外の成長株だったようで、その能力の便利さから「素晴らしい」と無惨の配下としては珍しく煽て抜きの賞賛を授けられた逸材である。

◆人物

一人称は(わたし)
殆ど喋らない無口なキャラクター故に細かい人間性は不明。
上弦の鬼達を様付けで呼ぶなど礼儀正しい人物であることがうかがえる。
とはいえ無惨の側近のように仕事していただけあって胆力は並の鬼以上。
上弦に成り上がる前から上弦の鬼相手でも一切臆せず淡々と接しており、無限城内でいがみ合い喧嘩する上弦の鬼達に対して内心「(早く帰ってくれないかな……)」と考えていたりと、一応人並みの感情や感性はあった模様。


◆能力

自らが持つ琵琶の音色によって無惨の居城異空間無限城(いくうかんむげんじょう)内部空間を自由に操る血鬼術の使い手。
その力は十二鬼月をリストラされた響凱の血鬼術と比較すると、規模と応用性では完全上位互換*1
  • 城の襖をワープゲートとして具現化*2
  • 襖を通して外界にいる他者を一瞬で無限城内に呼び出す
  • 城内の鬼を逆に何処かへ送り出す
といった事が可能。
呼び出される者に拒否権はなく、そもそも拒否する間も無く呼び込まれる事となり、放り出される時もまた同様の結果となる。
(鬼の場合は釜鵺や猗窩座の様子を見るに、当人的には気が付くと無限城に居るという感覚の模様)
なお、そのような配慮が必要ない鬼殺隊に対しては、劇中では落とし穴のように高所から無限城に落とし招き入れている。当然対処できなければそのまま落下死する。

無限城での決戦では上弦へと昇格して卓越した探知探索能力を得たことで遺憾なく本領を発揮。
使い魔により産屋敷の邸宅を発見し無惨を送り届けたばかりか、捕捉した全ての鬼殺隊員を無限城に転送する離れ業を見せた。

その戦術は半天狗以上に持久戦特化型スタイル
城の内部は文字通り鳴女のテリトリーであり、そもそもまともに戦う気はゼロ。初手で一般隊士を滑落死させた以降は強化モブ鬼に任せっぱなし。
攻撃が来れば正座の状態から一切動くことなく、あの手この手でのらりくらりと日輪刀の間合いの外に逃れてしまうため、相手は延々と鼬ごっこを強いられる。
『蛇柱』伊黒小芭内曰く「攻撃力はそれほどでもないが煩わしさと厄介さは随一」。戦力も分散化されてしまう。
無限城が維持されている限り一切太陽光に当たらなくなることもあり、総じて鬼殺隊が無惨と並ぶ何としてでも滅ぼさなければならない鬼の筆頭。




異空間無限城(いくうかんむげんじょう)

無惨の本拠地にして鳴女が管理・維持する異次元空間。
城内は空間が歪み、上下左右や重力の概念が無茶苦茶な状態となっているだけでなく、襖や畳、床、壁など様々な和室の要素が出鱈目に継ぎ接ぎされた奇怪な空間。構造物は幻ではなく実際に存在する物体のようである。
また和室だけではなく、天地が逆転した西洋のレストランを彷彿とさせる大部屋もあるなど部屋の種類は多彩。

ただしこれらの空間は管理者である鳴女、そして無惨や上弦の鬼以外は基本的に利用できない為、そこで生活していた者は非常に少ないと見られる。

琵琶の音色に合わせて城内部の空間・構造・地形は生き物のように変化。
上下の概念や内部構造を自在にコントロールするだけでなく、特定の他者を城の任意の場所にワープさせることが可能。
鳴女が生きている限り鬼殺隊員達は合流することは難しくなってしまう上に、城内には太陽光が差さない。
よって無限城で戦う限り無惨や鬼に致命傷となる要素が1つ完全に消えてしまう恐るべき空間。

更に恐ろしいことに、術者が死ぬと城は崩壊するのだが、完全に崩壊する前に脱出しなければ巻き込まれて一緒に消滅してしまうらしい。
実際、城内に大量にあったはずの隊士の死体は間一髪で逃れた生存者達と柱以外は消えてしまった。*3
無惨様は鬼殺隊だけを無限城に送り込み鳴女ごとサクッと殺すべきであった

アニメでは「漫画」「週刊連載」という枷から解放された結果美麗なフルCGで描写。
規模・内部構造物の複雑さ・面積等ありとあらゆる要素が盛りに盛られスケールアップ。「無限」の名に恥じない複雑怪奇極まりない異形の構造物へと昇華されている。



◆劇中での活躍

表舞台で動いたりまともな戦いをしないためか活躍の場は少ない。
初登場は51話。
下弦の鬼処刑の為、生きていた下弦の鬼5人をパワハラ空間無限城に呼び出す役目を担った。

その後は妓夫太郎の敗北で怒髪天となった無惨の命で上弦の鬼5人を無限城に召喚している。初めて言葉を発したのもこの時。
無惨と上弦達のパワハラ会議には一切口を挟まず黙していたが、上記の通りパワハラ親睦会いがみ合う上弦達に内心うんざりしていた模様。
玉壺と半天狗を刀鍛冶の里へ送り出した後、童磨から茶飲みか何かに誘われるも「お断りします」と食い気味に一蹴し、彼を元の場所に送り返した*6

本格的に動き出したのは半天狗の死後。半天狗の後任として上弦の肆に収まると使い魔を利用して柱を含め計6割以上の鬼殺隊隊員を捕捉。
産屋敷邸の襲撃に失敗した無惨の回収を行うと同時に、捕捉した全鬼殺隊員を無限城に落として引きずり込み、無惨と鬼殺隊の最終決戦の場を整えた。
なおこの際隊員たちは高所からの落下を強いられており、対処できない場合無限城の床に叩き付けられてそのまま転落死する。

その後は城の構造を変形させて鬼殺隊員達を分断・翻弄させつつ城の奥地に待機していたところを甘露寺と伊黒の両名に見つかった事で戦闘を開始する。
…かと思いきや本人はまともに戦う気ゼロ。
地形操作による延々とした時間稼ぎで柱2人を翻弄。只管柱の足止めに徹し続けながら、空間操作により無惨のサポートを行っている。
しかし無惨に珠世を殺され激怒した愈史郎が本格的に動き出し、血鬼術を併用した接近を許したことで肉体を乗っ取られた。
無惨は乗っ取られた事に気付かず愈史郎の見せた柱2人の死に様の幻に騙され、そのまま甘露寺と伊黒の接敵を許してしまう。
その後は無惨と愈史郎でコントロールの奪い合いとなるが、柱や炭治郎の妨害によって無惨は鳴女の奪取に集中できない。
結果、愈史郎に鳴女の力が渡ることを危惧したと思われる無惨が呪いを発動。遠隔で頭を潰され抹殺されたと同時に、空間を保てなくなった無限城も崩壊した。
そして、鳴女の死をもって十二鬼月は全滅した。


◆余談

  • 初めて名前が明らかになったのは本編ではなく単行本12巻のおまけページ。
    上弦の鬼の後任になってからは、同じ上弦になったからなのか童磨からの呼称が「鳴女ちゃん」へと変わっている。

  • 前述の通り、上弦の鬼としては上弦の壱・黒死牟をも差し置いて最後まで残った。
    …尤も、その最期は非常にあっさりした内容となってしまったが。



だが奴は...弾けた







鳴女オリジン

鬼滅の刃公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』にて、鳴女の鬼になるまでの来歴が明かされた。
人間時代は博打狂いの夫を支え、琵琶で生活費を稼いでいた無名の琵琶奏者。
しかし、ある日夫は鳴女の一着しかない演奏用の着物をタネ銭に売り払ってしまった。
琵琶奏者として稼ぐ上で欠かせない一張羅を売り飛ばされ、ついに堪忍袋の緒が切れた鳴女は、琵琶の調整用に使っていた金槌で夫を殴り殺してしまった。


…と、ここまでは罪を犯したとはいえ同情の余地はある悲劇の女性だったのだが、その後鳴女が演奏を行った際、ボロボロの普段着であったため当初客からは顰蹙を買うが、殺人により強張り震える手による音色が客に賞賛されてしまった。


それ以来、鳴女は人を殺してから琵琶を演奏するようになった。

そして、殺してからの演奏で生計を立てるようになってしばらく経ったのち、いつものように人を殺そうとする。
だが標的がたまたま無惨であったため返り討ちに遭い、気に入った無惨によって鬼にされたという、なかなかにロックでメタルでモンスターな過去の持ち主であったことが判明。
ロックやメタルの本場である近代の欧米で生まれてたら人殺しの前科込みでも大成できた可能性が…?
上弦の中でも影が薄いと指摘されていた鳴女であったが、これ以降ネタにされることが急増した*7
また「あの無惨様に自分を殺そうとした相手を気に入る度量があったなんて」という驚きの声もちらほら。
「私は無惨様に感謝している…鬼にならなければ猟奇殺人者になっていたから…」

さらに付け加えるとこれによって、たびたび無惨の失策として挙げられていた
無限城での「鳴女に護衛をつけなかった」「鳴女を即座に切り捨てた」という点について
  • こんなメタルモンスターに護衛は必要ないと判断しても仕方がない
  • こんなメタルモンスターが敵に回る前に始末するのは得策
などと一部で囁かれている。
前者については鬼が共闘できないので護衛もクソもないとも言えるが、下手すると演奏の景気付けで護衛の鬼を殴り倒しかねないためこいつが一番共闘に向いてない可能性がある。
同じく空間操作系能力の響凱と組めば鬼殺隊を全滅に追い込めたのではともたまに言われるが、2人が相性のいいタッグなのかは不明確*8
そこまで行かなくても血鬼術も音楽家の才能も自分の上位互換である鳴女と組まされたら響凱のモチベーションが死ぬ危険性がある。
他にも、「もしも、無惨の支配を脱しこのメタルモンスターが野に解き放たれたら、人類は終わる」「無惨によって人類は救われた」などという声が上がる始末。 

どうしてこうなった

上述の通り、鳴女の過去は完結後にファンブックで明かされたのだが、もし本編で回想が挟まれていたら「ラスボスとの最終決戦の最中に、そのラスボスがのちの部下に通り魔被害に遭っていたことが明かされる」という、シュール極まりない事態に陥っていただろう。
ファンブックでの掲載となったのもやむなしである。

なお、ファンブックの記述はあくまで
「鳴女が無惨を襲おうとしたら、返り討ちに遭った」
だけであり
「無惨が出合い頭に鳴女に頭を叩き割られた」
とは書いていないので注意
もっとも、叩き割られなかったとも書いていないこと、無惨の索敵・危機探知能力の低さや再生能力頼みのノーガード戦法を用いることなどから、鳴女から最低一発は食らっているのではないかと冗談半分でネタにする読者も一部で発生した。






項目を追記・修正する方は既に御呼びしました。

ずっと編集していらっしゃいますよ。



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最終更新:2025年08月21日 01:28

*1 ただし響凱には不可視の音速斬撃があるので、直接攻撃力の面では上位互換とは断言しかねる。また鼓による転移は襖ワープと違って問答無用で瞬間移動させられる。

*2 アニメ柱稽古編第一話の描写を見るからに、襖に飛び込むことができれば無限城に侵入することが可能な模様。しかし作中ではすぐに追い出されてしまった

*3 仮に無惨を城消滅の際ここに繋ぎ止められていたなら、どうなっていたのだろうか…

*4 上弦に任命される際に無惨に追加で血を与えられた結果、更に能力が進化したとも取れる。

*5 ただし鳴女と同じくらい大きい反応は他にも4つあり、うち3つは上弦の壱~参と単独撃破不可の強敵である。仮に真っ先に運良く鳴女にたどり着いても自分の力で鬼殺隊を他の上弦に擦り付けることも可能であり、穴にはなっていない。

*6 アニメでは声を掛けられた際、ムッとしたように唇をへの字にして琵琶を握り直す描写が追加。どんだけ嫌われてるんだ童磨

*7 ほとんどがクラウザーさんがらみのネタだが…

*8 極めて広大な空間を縦横無尽に操る鳴女と、ちょっとした民家サイズの空間を限定的にしか弄れない響凱とでは雲泥の差。ただしそもそも響凱が操れるのがサイズ限定とは限らず、「自分のいる建物限定」でないとも言えない。また、そもそも建物を操る鳴女と空間のベクトルを操る響凱ではお互いの能力は被らない。