鬼(鬼滅の刃)

登録日:2017/03/20 Mon 15:21:00
更新日:2025/04/06 Sun 13:46:08
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こら炭治郎 お前山に帰るつもりか

危ねぇからやめろ

うちに泊めてやる 来い 戻れ

いいから来い!!


鬼が出るぞ


【概要】

鬼とは、『鬼滅の刃』に登場する敵の総称。
夜な夜な現れては人を襲い喰らう化物。不死だが日光に弱く、異形化してを欲するなど、いわゆる吸血鬼に近い存在*1
彼らを滅する使命を担う鬼殺隊共々、悲鳴嶼行冥がかつて住んでいた一部の地域等や、鬼という存在を知っている一部の古い老人達、実際に過去に鬼に襲われたことがある人間を除いて、その存在は都市伝説程度の認識に留まり、あまり公には知られていない。

その正体は、鬼の首魁にして始祖たる鬼舞辻無惨の手によって同じ鬼になった、あるいはされてしまった人間達。
鬼になってしまうと人としての記憶や人格が次第に薄くなり、初期段階では意識が混濁した状態で食人衝動によってのみ行動し、やがては人喰いを厭わない極めて残忍で利己的で身勝手な人格に変わり果ててしまう。
その為、本作に登場する鬼は無惨も含めて、後述する猫の茶々丸を除いて一人の例外もなく元人間である。
そして、無惨が死ねば彼から生まれた全ての鬼も死滅する

加えて、出血などで飢餓状態に陥った場合、栄養価の高い人間を求めて理性を失い無差別に襲い掛かる。
特に鬼化した時点で消耗している事が多い為、親兄弟であろうと躊躇なく襲って喰い殺すケースが大多数を占める。というより、血縁者はその鬼にとって栄養価が高いので、むしろ鬼化した者は積極的に最初に親兄弟を襲う。
その為、鬼に家族の絆・人の情に訴える行為は無意味というのが鬼殺隊共通の認識である。

人間を鬼に変える血を持つのは鬼舞辻無惨唯一人のみ。
後述するが、上弦の鬼は無惨から鬼化の血を一時的に貸与される形で相手を鬼に出来るが、あくまで無惨の許可の上であり、彼ら自身に相手を鬼化させる力はない。
鬼は無惨の血でしか増えないので、つまりは鬼という種族の繁栄は無惨一人が握っており、最近まで人間だった人物が鬼化する事件が発生した場合は、その犯人は無惨か彼の許しを得た上弦の仕業である。
その為、当然ながら鬼となった者達は全ての者が無惨に選ばれた者達であり、その選考基準については後述する。
唯一の例外は、珠世によって鬼にされた兪史郎と、後に同じく珠世に鬼にされた茶々丸だけである。

無惨によって血を流し込まれた者が鬼になるが、流し込まれた血に適応して鬼化できるかどうかはその人の適性次第。
適応できなかった場合は肉体が崩壊して死に至る。
加えて、最初から鬼化ではなく相手の肉体を破壊する目的で血を流し込むことも可能で、無惨の血は事実上毒でもある。
一方で、鬼化した場合の鬼としての実力は、この時に無惨に流し込まれた血の量によっても左右される。

また、元鬼殺隊士である黒死牟によると、全集中の呼吸を修めた鬼殺隊士を鬼にするには無惨の血を多く貰う必要があり、その上で鬼化にも時間がかかる。
特に高位の実力のある剣士であるほどに耐性は高まるらしく、黒死牟自身は完全に鬼化するまでに3日もかかったとの事。しかも中には鬼化しない体質の者まで現れるらしい
そもそも呼吸自体が、無惨を倒す為に生まれたような人物を起源とする技術な為か、どうやら呼吸と鬼の力はとことん相性が悪いらしく、無惨が鬼殺隊士を鬼にすることに消極的な理由はこれである。
鬼殺隊士を瞬時に鬼にしたのは、無惨の全ての血を注いでそれに本人も適応した鬼の王という例外中の例外だけである。

組織というか種族の体制は、無惨只一人のみを絶対の頂点とした完全独裁体制。
あらゆる鬼の指揮・判断・裁量権は全て無惨一人だけが握っており、無惨以外の鬼は全て無惨に奉仕する為の事実上の奴隷階級という、独裁や中央集権体制の究極形と言えるような極端過ぎる縦社会の支配構造となっている。
その為、鬼にはそもそも幹部や中間という概念そのものが存在せず、後述する十二鬼月もあくまで無惨直属の親衛隊であってそれ以上でも以下でもなく、彼等にも幹部と言えるような権限など何も無い。
勿論、上位の鬼が下位の鬼を無理矢理力で従わせたり利用するケースはあるが、根本的に無惨以外の鬼には階級的な上下関係や主従関係は一切無く、階級的には上弦の鬼からその辺の雑魚鬼に至るまで事実上全員が対等の立場である。
まとめると鬼の階級構造は、「トップ:無惨」と「その他:それ以外全員(十二鬼月含む)」の二段階のみとなっている。

このようなあまりに極端過ぎる体制故に、全ての鬼達の生殺与奪の権は無惨に握られており、彼等の命運を左右するのは全て無惨に気に入られるかどうか次第である。


【特徴】

外見

基本的に「鋭く尖った犬歯」以外に明確な共通の外見的特徴は無い。
古来よりと言えば『角(ツノ)』が一般的だが、本作の鬼にはそれもあまり見受けられない*2
理由としては、成長した鬼の肉体の多くが思い思いの形へと変異していくので千差万別な為で、「猫のような縦長の瞳」を持つ鬼は多いが、それも絶対ではない。
中には、羊やヤギに似た横長の瞳やバツ印や、黒目と白目が反転している等の異形の眼を有した鬼もいるので、絶対的な特徴とは言い切れない。

一方で、人を捕食して力を付けた強力な鬼は、「独特の刺青のような紋様」が身体に備わっていくことが多い。
この紋様も鬼によって千差万別のデザインであり、統一性の類は存在しない。
全集中の呼吸を極め、特定の条件を満たした先に発現する“痣”とよく似ていることが作中で述べられている*3


人喰いの食性

主食は人間の血肉であり、人間を食えば食うほど強くなり、逆に常食しなければ次第に弱っていく。
逆に人間の食べ物は受け付けず、食べても吐き戻してしまい、酷い場合には匂いすらも不快に感じるようになってしまう。なお、酒も人間の食べ物に含まれる為、酔う酔わない以前に飲むことが出来ない。
とある教祖は元々酒好きだったが、鬼になったことで酒を口に出来なくなり、代わりに酒風呂を趣味としている。

ちなみに人間のふりをして潜伏している鬼がどうしているのか詳細は語られていない。
尤も、鬼はある程度のレベルになると後述の肉体操作や血鬼術も使えるので、それで飲み食いをしているように上手く偽装しているのだろう。

動物の血肉や死体はなんとか食べられるが強化には繋がらない為、飢餓状態等の場合の間に合わせにしかならない。
逆に人間の味には非常に五月蝿く、若い娘や赤子しか食べない者もいるなどやたらと偏食気味。
ともあれこの特性から、「人間を喰った数=鬼の強さ」という分かりやすい図式で強力な鬼になっていく。
長く生き延び、人間を喰った絶対数が多い鬼ほど強いのである。

ちなみにドラマCDの「忘れじの一刀」等によると、鬼が喰い殺した死体には特徴があるらしく、
ある程度経験を積んだ鬼殺隊士なら死体や現場を見れば、鬼の仕業かどうかは判別できるらしい。

一部例外として、とある人物とその側近は輸血用の血液で賄い、お茶なども飲めるが、これは人体改造に近い技術によるもの。
この改造は当該キャラが医者であるからできたもので、成功例は本人含め僅か3名+1匹。

人間を喰らえば喰らうほど強大になっていくが、ただ喰いまくればいいということでもなく、鬼によっては人肉の許容量が存在する。
それを超えれば人を食う量が減って食えなくなっていき、以前のような成長は見込めなくなることもある。
なのでより強い鬼になる為には無作為ではなく、質を重視して食べる人間も選別する必要がある。
その他にも後述の「稀血」と呼ばれる体質の者、男より女、老人より若者が良いといわれている。
多くの人間を喰らった鬼は血鬼術と呼ばれる術を使えるようになる。詳しくは後述を参照。

また、上位の鬼は人間を口で食べる必要もなく、その気になれば身体で対象を吸収して糧にする事もできる。
作中では無惨と童磨が披露しており*4、口で摂食する余裕がなかったり物理的に不可能な状況では便利な能力である。
無惨の場合は、全身に刺さった血鬼術の棘をこの能力で吸収して無効化しようとしたが、血鬼術まで吸収できるのは無惨だけ。

人を食う以外にも、無惨が追加で血を与えることで飛躍的に力を増すことができる。
ただし、こちらは急激に血を与えると体が変化に適応できない場合もあり、そうなるとドロドロの肉塊と化して消滅する。

・体臭と音と気配

嗅覚の鋭い炭治郎によると「腐った油のような濁った酷い悪臭」がするらしい。
人を喰らっているので血の臭いや死臭もし、喰らった人間が多ければ多いほど臭いは増す。
ただし、普通の人間には上弦クラスでようやく「何か臭う」程度にしか認識ができない。

加えて、聴覚が鋭い善逸によると鬼は「体内器官の音が人間とは全く違う」らしく、触覚が鋭敏な伊之助も鬼の気配については「気持ち悪い感じ」と評していたりと、常人とは異なる感覚器官を持つ者からすれば、基本的に鬼の識別と探知は容易である。

また、鬼殺隊士の場合はこれらの特殊な感覚器官を持たない者でも、個人差はあるが“鬼気”と呼ばれる鬼の気配を感じ取る事ができる。この能力は柱を始めとした実力と経験が豊富な上位の鬼殺隊士になる程に鋭くなる。
勘の良い隊士になると無意識でも鬼気に身体が反応するので、人間と鬼の識別は特に上位の鬼殺隊士にとっては容易であるらしい。
ちなみにネームの「鬼殺の流」での設定だが、この鬼気を感じる能力は七日間鬼がいる環境に身を置く“最終選別”を経ることで身に付くらしく、最終選別の目的の一つはこの能力を隊士に習得させることである。

ただし、上弦レベルの鬼になるとこの鬼気や匂いすら上手く誤魔化したり意識的に隠したりもでき、柱ですら目の前で目視するまで鬼の存在に気付かなかったりと、この感知能力も絶対ではなくなる。

・生理活動

作者によると鬼化した時点でその者は睡眠欲が喪失し、以後眠る必要がなくなるとのこと。
しかし、僅かでも日の光に触れると危険なので、昼間は日に当たらない所でじっとしたまま只管起きているらしい。
睡眠欲が喪失していない唯一の例外は、食人の代わりに睡眠によって体力回復や身体改造を行っている嬭豆子だけである。

ただし、頭部強打などで気絶はする。
また、人間と同じく血は巡っているので顔色は変わるが、目は常に瞳が潤い続けているので瞬きはしない。

・知性

知性自体は鬼化直後は動物レベルまで落ち、精神面は鬼化する事で正気を失い、腹が満たされて安定するまで野獣のように行動する。
腹が満たされると正気に戻るが、人間を食えば食うほど強くなる一方で、人間だった頃の記憶や共感といったものは薄れていく。
この為、鬼と化した最初期の段階では人間時代の記憶の残滓を辿って、その言動やなぞった行動をする事もある。

だがやがて執着や渇望、あるいは力への執着や欲求が肥大化・先鋭化して、極めて残忍で利己的で身勝手な人格に著しく歪んでいく傾向にある。それに応じて人間だった頃の記憶が完全に消えていく。
加えて、前述した無惨に選ばれて鬼になったという意識もあって基本的に鬼は選民思想の塊であり、総じて人間のことはただの食糧や下等生物として見下している。
さらに人格の歪みに反比例するように、執着や渇望の強い鬼ほど強者に進化する。逆に渇望や執着の無い者であっても、類稀な才能により十二鬼月の上弦に至った場合もある。

よって喰らった人間の絶対数も重要だが、鬼個人の肉体的な適性に加えて精神の適性によるところも大きいらしい。
また、本人の適正を越えた過剰な力を得てしまうと、逆に動物レベルまで知性が退行してしまう。そしてそう言った個体は肉体が異形化している場合が多い。

また、人間時代から極めて歪んだ人格だった者や鬼と変わらないような人間性だった場合、人間時代の記憶や人格をそのまま保っている者もいる。
…というかそういう連中は鬼化による変質が起きても何も変わらなかった、まさに怪物の心を持った人間なので、鬼の中でもさらに極めて歪んだ者達である。そして、そういう鬼もまた鬼の中でも特に強者に進化する傾向が強い。
ちなみに始祖たる無惨自身も、人間時代の記憶や人格はそのまま保っている。

逆に元々は善良な人間だった場合、今際の際に人間時代の記憶や人格などが戻るケースもある。

不死性

鬼が持つ最大の特性。
どんな雑魚鬼であっても再生能力だけは圧巻で、体力こそ消費するらしいが、本当にどこまでも死なない
切断された手足が生え変わったり、砕かれた顎が治ったりするのなどまだまだ序の口。
例として
  • 頸が千切れ飛んでも胴体だけで襲い掛かってくる
  • というか、頸の方も腕を生やして別途襲い掛かってくる
  • 跡形もなく消し飛んでも、すぐさまメキメキと再生
  • 頭部が丸ごと消し飛ばされた場合、口までしか再生してないのに普通に喋る
  • 全身をミンチにされても死なず、それどころか場合によってはミンチ状態でも喋る
が劇中では披露。
おまけにこの再生力は鬼の力が増せば増すほど速度が上がっていく。もう勘弁してください。

鬼同士の戦いでも不死性については同じであり、多少実力差があろうと互いに再生能力に優れ、滅ぼす手段を持っていないため不毛である。
一応、再生に時間のかかるレベルまで肉体を損傷&消耗させ、日の当たる場所に放置(拘束)するなど、多少回りくどいが手段が皆無というわけではない。
また、十二鬼月の入れ替わりの血戦の場合は、勝った方の鬼が無惨の許しと力によって、負けた鬼を殺して取り込むことができる。

また、出血や欠損でエネルギーを消耗し、人肉の補給が出来ないと弱体化していく為、枯渇させれば無力化し、一般人でも倒せるぐらいになる。
この為、お互いの利害一致から率先して争う事はないが、強い鬼が意に沿わない弱い鬼に対して制裁を加える際も一切手加減がない。
ちなみに鬼の肉を人間が食べた場合は、2名しか確認されていない非常に稀な特異体質では疑似鬼化するが、彼等以外の普通の人間が食った場合はどうなるかは不明。

勿論、「特定の方法以外どうやっても死なない」という存在は他の作品でも割といるが、この鬼についてはそれらの多くとは一線を画している点がある。
それは前述の通り、ほぼ不死身であることは雑魚にさえデフォルトで備わった「基本的な特性」であること。
ドラクエでいうなら、ドラゴンはおろか、ゴーレムやキメラ、スライムに至るまで、特殊な武器でなければ倒せないのである
モチーフの1つであろう吸血鬼などもこの類であるが、頭から四肢を生やしてまで頑張る者はそう多くないであろう。
もし彼ら、というより始祖の無惨にその気があったなら、とうの昔に人類は滅ぼされていた……かもしれない。

ただし、この再生能力は無条件に無限発動する訳では無く、人間の血肉=エネルギーが無ければ死にはしないが再生はできなくなる。
また、再生以外の行動に意識が向いている場合も負傷箇所を再生できない、もしくは目に見えて再生速度が落ちるといった制約はある。
十二鬼月の上弦であれば一瞬*5、下弦でも数秒で再生できるが、その辺の雑魚鬼では再生までそれなりに時間がかかり、あるいは再生しきれない。
腕を切り落としたとしても断面から新たに生やすこともできるが、単純にくっつけるよりも体力を消耗する。

例外として、上述のように無惨が血を多く与えたが適応できなかった場合は、不死性を発揮せず死亡する。
また、無惨だけは支配下の鬼達の不死性を無視して、問答無用で殺す事ができる。

また上記の不死性に伴う能力として
  • 高い身体能力
  • 体を変形させる能力
を持つ。

ちなみに鬼に寿命があるのかは不明。
最古の鬼である無惨は平安時代からおよそ千年に渡って生きているので、寿命という概念はない可能性も高い。
ただし、ファンブックで珠世によって鬼化した兪史郎は、いずれ鬼の血が薄れて人間に戻る可能性が示唆されている。

・高い身体能力

鬼になったばかりの段階では、常人より多少強いぐらいの力しか持たない為、一般人でも複数人で何とか抑え込む事ができる。
ただし、女性であっても男を抑え込む程の力を持ち、多少でも血肉を得る事が出来れば年若い鬼でも、容易く石壁を砕く程の怪力と、岩より硬い身体を有するようになる。

・体を変形させる能力

単純に身体構造を変形させる事自体は、鬼にとってはそんなに難しい事ではないらしく、下級の鬼でも人間からかけ離れた異形化をする事が可能。
ちなみに人間離れした肉体に変化した鬼は『異形の鬼』と呼ばれる。詳しくは後述。
通常の鬼は大規模な肉体操作はできず、長時間変化を維持したり肉体のサイズを操作することもできない。とはいえ、咄嗟の再生で首から腕を生やすなどぐらいは可能らしい*6

また、肉体の外見年齢ならばある程度の鬼であれば変化させられるようになり、劇中ではあえて幼児化したり、一気に大人の姿に成長したり子供の姿に縮んだり、幼女の鬼が巨乳熟女に変化していたこともある。
加えて、鬼としての特徴を隠して外見をそのまま人間の姿に変えることもでき、それで社会に潜伏している者もいる。
ただし、無惨のような他人に成り済ましたり性別を変えるような高度な擬態は、基本的には無惨以外の鬼にはできない。

更にこの肉体変形の応用として、人間より構成物が頑強な鬼の身体を利用して自身の骨や血肉を変化させ、専用の武器やアイテムや服を作る鬼も多い。
こうして作られた武器や服はその鬼の身体の一部なので、損壊しても鬼本体と同様に任意で自在に再生させたり作り直せる他、後述する血鬼術との併用も可能である。
また、前述した身体で相手を吸収して補食するというやり方は、身体変形で作った服ならば服ごしでも可能である。
一方で、鬼本体が死んだ場合はこれらの武器や服も同様に塵となって消滅する。服の場合は鬼が作ったものでなければその場に残る。

血鬼術(けっきじゅつ)

多くの人肉を喰らい成長した鬼が発現する特異能力。早い話が妖術ありえないような超常現象を引き起こせる能力である。
とはいえ、稀に嬭豆子や浅草の人のように人を喰らわずに発現する特殊な個体もおり、ここも結局は個々の才能次第だが。
その為、術を会得した鬼は『異能の鬼』と呼ばれ、能力の内容を問わず例外なく強者として扱われる。
尚、形状変化自体は上述の「異の鬼」の時点で得られる能力で、血鬼術とは別である(例:藤襲山の手鬼)
ただし、基本的に鬼の成長は異形の鬼→異能の鬼なので、血鬼術を使える鬼は何らかの身体変形もできる場合が多い。

超常的な力により、この世の物理法則を捻じ曲げたかのような技を使いこなし、呪いのような効果をもたらすことも可能。
巨大な異空間を作り出し自在に操ったり、外界に己の渇望や妄執を具現化したような異能を意のままに操ることもできる。
また、「血」鬼術の名前の通り、術のエネルギー源としては血液を利用しており、中には血をそのまま武器として使う者もいる。

このように、極論を言えば能力の特性種類は何でもありであり、反則のような術を持つ者も多々いる。
しかも一体の鬼につき一つの能力といった制約もなく、一体で複数の血鬼術を使える者もいる。
ただし、どんな能力に目覚めるかは鬼化させた側でさえ発現してみるまで分からない。
その代わり発現能力の傾向としては、その鬼が人間時代に執着していたもの・経験・記憶や、その鬼の本質や願望の具現化が術の元になる場合が多い。

弱点としては、太陽光を浴びると急速に術が途切れて無力化され、また日輪刀による攻撃でも絶ち切れたりする。
他にも血をエネルギー源にする関係上、乱用すると血を消耗するらしく、そのせいで戦闘不能に陥ったりする場合もある。
消耗したエネルギー補給には人の血肉が必要なので、獲物となる人間のいない環境で術を過剰に多用するのは鬼にとっても不利となる。
他にも、ものによっては術の発動が上記した彼等が己の骨肉から作る武器を基点としている場合もあり、そういう個体は武器を損壊させたり取り上げると一時的に術が封じられる。尤も鬼はすぐに武器を再生させたり新しい武器を身体から作れるので、それで稼げるのは本当に一瞬だけだが。

また、基本的に血鬼術は鬼本体が死ぬと消滅するのだが、毒系の血鬼術だけは例外であり、鬼の毒は鬼本体が死んでも消えることはないという非常に厄介な性質を持っている。
その為、鬼の毒を食らった場合はすぐにしのぶ達の治療を受けるか、禰豆子の鬼殺しの血鬼術の爆血で浄化する必要がある。

余談だが、英語版での表記は思いっきり直訳で“Blood demon art”という。


【弱点】

鬼を殺す方法は主に3つ。
  • 太陽の光に晒す
  • 長年太陽の光を吸収した特殊な鋼材で打った刀、日輪刀で頸を斬り落とす
  • 藤の花から作った特殊なを用いる

またこれら3つの他に、鬼の始祖による呪いもある。
以上の方法以外では、基本的にどうやっても死なないという人間の天敵である。


太陽光で焼く

鬼にとって最大の弱点。どんな強大な鬼であろうと太陽光に晒す事ができたならば、瞬く間に燃え上がって塵となり消滅する。
これだけは、鬼の始祖である無惨でも逃れられない絶対の理である。

一方で、あくまでも晒された部分のみしか燃えないので、頭部さえ無事なら後に復活できなくもない。それを利用し、一部の鬼は同族への罰として「軽く炙る」など拷問に利用したりもしている。
逆に頭部が燃えてしまった場合は、残った部位や飛散した血肉等も全て跡形も無く炭化し、一切の痕跡を残さず蒸発するように消滅する。

なお光は光でも、月光や電灯、火明のように太陽から直接放たれていないものは弱点にはならない。
実際、無惨は電灯や提灯の明かりで煌々とした夜の浅草の町中を普通に出歩いている。

また、蝶屋敷では禰豆子が夕暮れ時のカーテン越しぐらいの木漏れ日であれば問題なさそうにしている。
太陽光が射す昼間は鬼は隠れているので、太陽光で殺すには夜明けまで足止めさせなければならない。
尤も鬼は夜しか出て来ないので難しく、直接殺すなら下記の日輪刀か藤の花の毒を使うしか方法はない。

日輪刀で首を斬る

鬼を倒せる鬼殺隊のメインウェポン。全ての隊士に支給されている、通称「色変わりの刀」。
太陽光を吸収した猩々緋(しょうじょうひ)砂鉄(さてつ)」「猩々緋(しょうじょうひ)鉱石(こうせき)という、特殊な鋼材を原料としており、この作用によって鬼を絶命せしめる。
この刀で鬼の弱点である頸を斬ると、鬼の身体は斬られた箇所から徐々に炭化して崩壊していき、こちらも最終的には周囲に飛散した血や肉片等も含めて跡形も無く蒸発・消滅してしまう。

ただし、これも「鬼に有効な武器」ではなく「鬼にトドメを刺せる武器」に過ぎず、頸以外のダメージは再生されてしまう。ただし、再生限界やエネルギー枯渇で再生不能になるケースもある。
より厳密には、刀の形状ではない日輪刀と同じ素材を使った鉄球や銃等の武器もあり、頸の無い鬼に対して頸の付け根から脇下までを袈裟斬りにして倒しているので、『日輪刀を構成する金属を使用した武器で、頸部全体を胴体から切り離す』事が条件になる。

おまけに強い鬼ほど再生力・再生速度が増し、頸が硬く強靭になるので、強い鬼と対峙した場合生半な力量では例え日輪刀が頚に命中しても頸を斬り落とせない
さらに、頸を日輪刀で切断する前に鬼自身の手で頸を自切した場合も、当然ながら死なない。

また、猗窩座や黒死牟など中には頚を日輪刀で斬られても切断面が離れないように頚を押さえたり、新たな頚を生やすことで、そのまま頚の弱点を克服した上位個体に進化する者もいる。
始祖である無惨も、同様に特殊な条件でこの弱点を克服しており、事実上太陽光でしか倒すことが出来ない*7
それどころか斬れた端から刃の通った部分がすぐ再生する為、実質刀が無惨の体を通り抜けるだけという有様である。

斬撃で痛みを与える事はできるが、疲労や負傷のリスクがほとんど存在しないこともあり、長期戦にもつれ込めば人間にほぼ勝ち目はない。
元ネタであろう吸血鬼も真っ青な不死身っぷりだが、朝日が昇る前ならばその場に留めるだけでどんな鬼でも太陽光に焼かれ消滅する。
また、悲鳴嶼行冥の日輪刀のように猩々緋鉄鋼の純度が高いものは鬼の肉体を灼き、再生能力を阻害する効果もある。この事から、他の日輪刀にも一応申し訳程度に再生阻害効果はあるらしい。
更に赫刀と呼ばれる状態の日輪刀は、この再生阻害効果が更に拡大強化され、鬼の身体を斬ると切断面に灼けるような痛みを与え続け、大幅な弱体化をさせられる。

ちなみに日輪刀で切られて頚を落とされても殆んどの場合は即死せず、抵抗や怒りなどの感情を見せる場合が多い。
また、頚を切断されると人間で言う走馬灯として、鬼化で失ったはずの人間だった記憶や鬼化した前後の記憶がフラッシュバックする事もある。
これにより、人間時代の感情をかろうじて取り戻すこともあるが、ほとんどの場合は鬼となってからの所業を悔いたり謝ったりしないまま逝く。

藤の花の毒

長大な歴史を持つ鬼殺隊でついに実現した最新の方法。
鬼は藤の花を苦手としており、主に鬼避けとして用いられており、その性質を利用した鬼避けのお守りやお香なども作られている。
最終選別の鬼がその場所を「藤の花の牢獄」と呼んで外に出ようともしない様子を見るに、下級の鬼では藤の花には近付くことさえ出来ない。
なお、藤の花は実は人間にも有害な毒性を持つが、鬼に至っては近づく事すらままならず、匂いがするだけで逃げる程である。

何故他の植物ではなく藤の花なのか理由は不明だが、藤の花から抽出した毒を使えば血鬼術を使いこなす程の鬼相手でも、頸を切らなくても絶命せしめる事ができる。
同じく藤の花で作られた麻痺毒も数字を持たない鬼ならば半日動きを封じ、下弦の鬼でもしばらくの間は動きを封じられる程の効果がある。
一方で、上弦の鬼に対しては致死毒・麻痺毒ともに超速再生を阻害する程度しか効果が無く、有効時間も僅か数秒〜数十秒が限界。
ただし、上弦であっても解毒には意識を集中させる必要がある為、意識さえ逸らせれば解毒までの数秒ではあるが時間は稼げる。

また、解析が困難なほど複雑で相当の毒の量を摂取させる事ができるのなら、上弦レベルの肉体をも崩壊させられる。
当初は、便利で下級隊士に支給してない理由が不明だったが、これは乱用すると鬼を通じて毒の成分が無惨の元に届き、抗体を作られてしまう為
実は、毒の成分は受けた鬼を通して無惨の元にデータとして共有されるので、基本的に同じ毒が効かなくなる。その為、藤の花の毒は戦闘の度に毎回調合を変える必要性がある。
そして、より多くの毒を使えば当然それだけ毒の情報を抜かれるので、下手に毒を使う人員を増やすと逆に鬼を強化しかねないまさに“諸刃の剣”である

つまり、藤の花の毒の運用には、まず薬学に一定以上の知識と技量を持っていることが大前提で、使う人材も絞る必要性がある。
だからこそ、その条件に合致して一定以上の実力を持つ、一部の隊士にしか藤の花の毒の運用は認められていない。
『蟲柱』胡蝶しのぶは、鞘の中で随時毒の配合を変えており、前述した藤の花の麻痺毒も、元忍である宇髄夫妻にしか扱えないものである。

後述の稀血の一般人等には、鬼避けの為に藤の花のお守りを支給する。ただしお守りは鎹烏から吐き出される
ちなみに鬼を殺せるほどの藤の花の毒を開発したのは胡蝶しのぶが初めてであり、少なくとも彼女が生み出すまではほとんど日輪刀だけが頼りだったのが分かる。

始祖の呪い

例外的に鬼の始祖が故意に施した彼以外の鬼の弱点。ただし、禰豆子や珠代のようにこの呪縛から抜け出した場合や、そもそも無惨から生まれた鬼ではない兪史郎は例外となる。

まず、鬼と化した時点で無惨によって「反逆防止の呪い」が仕掛けられる。
無惨の情報を漏洩すると口と腹の内側から太い腕が生えてきて、そのままその鬼を少しずつ握り潰してミンチにされる恐ろしくえげつない呪い*8
それも居場所だとか弱点だとかそういうレベルではなく、「無惨の名前を口にした時点でアウト」という驚きの厳重さ*9。その為、基本的に鬼は人前では無惨のことは「あの方」や「あの御方」と呼んでいる。
ただし、あくまでも人前で口にするのがダメなだけなので、同じ呪いの支配下に置かれた鬼同士の会話や無惨との会話で名前を呼ぶ分には問題ない。

さらに無惨に呪いの影響下にある鬼は、至近距離であれば視界を共有されたり、思考すら読み取られる。逆にどれだけ離れていても、全ての鬼の位置情報はこの呪いによって常時把握されている。
さらに無惨の血が濃い十二鬼月クラスの鬼になると、どこにいようがこれらの思考共有や視界共有は可能。つまり強い鬼になる程に無惨の支配も比例して強くなる仕組みになっているのである。

そして、徒党を組んでクーデターを起こされないよう、鬼には互いに対して同族嫌悪を抱くように設定されており、その上に共食いの性質が与えられている。
作中で実際に共食いしている描写自体はなく、当然ながら共食いされてもそれ自体で死ぬことはないのだが、共食いされれば著しく消耗・弱体化させられることは想像に難くなく、鬼とはいえ命取りである。
また、入れ替わりの血戦の場合は、無惨の許しで負けた鬼を殺して取り込むことができ、勝って取り込んだ方の鬼はさらに強化されることが説明されている。

これにより、鬼同士は基本的に争う性質を持つので組織的に動けなくし、反逆を起こす可能性を潰しているのだが、その結果鬼同士は互いが地位や餌を巡って争うライバル同士であることもあって、基本的に死ぬほど仲が悪い
その同族同士の仲も悪さは、最早敵である鬼狩りに対して向ける敵意と同じかそれ以上であり、十二鬼月のメンバー同士でもそれは変わらない。
その為、鬼サイドの関係は常に殺伐としており、鬼同士が互いに協調したり連携して戦うことは基本的に一切ない。
尤も、この呪いのせいで後に自分自身の首を絞めているのだが

上記の通り、偏執的なまでの反逆防止措置が幾重にも施されており、何が原因であろうと彼の機嫌を損ねればどんな鬼だろうと八つ当たり処罰を受ける
無惨の死=鬼の全滅が無惨によって施されたものかは不明だが、上記の呪いの他にも無惨自らの手であれば不死性を無視して鬼を滅殺する事も可能。
頸を斬り落として殺す、自身の肉に吸収するなど以外にも、離れた場所から乗っ取られた部下を処分したりもできる。
ちなみに殺すかどうかは無惨の意思判断次第であり、殺さず制裁の為に首を引き千切ったり痛めつけたりする事も可能。

このように、居場所や思考を把握され、同族と集団行動もできず、昼間は全く行動できず、おまけに首領の名を口にしただけで自動的に処刑される
その上、同族の鬼も基本的には敵しかいないので、場合によっては餌や地位を巡って争わねばならず、当然ながら鬼殺隊にも追われる身となる為、最速で強くなれなければ狩られるのみである。
そして、上司からは不死性と再生力を利用して死ぬより苦しい拷問も可能…とここまで来たら悍ましいまでにブラックすぎる種族、それが鬼の実態である。
これを前提として、鬼は予測不能の点火スイッチ付き核爆弾とも言える無惨と接しなければならない。

下剋上が基本的に不可能なのは当然として、無惨が死ぬと全ての鬼が死ぬので生きている限り無惨の恐怖から逃れることはできない。
それでも実力を認められ気に入られれば…と思いきや、まさかのメリットは0で、上弦の鬼ですら命は取られずとも度々無惨のパワハラの餌食になる始末。
そもそも、無惨に気に入られて十二鬼月になる=基本的には鬼殺隊最強の鬼狩りである柱と戦う事がノルマとして課されるなので、特に下弦の鬼は自動的に柱や上位の鬼殺隊士との命懸けの戦いに挑まなければならなくなる。拒否して無惨の機嫌を損ねれば当然ながら死あるのみである。
そもそも前述通り、無惨以外の鬼は実質全員が平等に奴隷階級なので、十二鬼月になったところで別に何かしら裁量権が貰える訳ではなく、無惨に多少気に入られる以外で特に鬼の中での立場が変わる訳でもない。
その為、厳密には十二鬼月になる事が出世とも言い難い。

加えて、無惨は本来は鬼など増やしたくないので、鬼は基本的に無惨が目的を達せれば後は切り捨てられるだけの存在である。
実際に、終盤で用済みとなった上弦以外の鬼達は全員、無惨の血を強制的に追加され後述する“無限城の異形鬼”に変えられてしまった。
また鬼となって非道を働く以上、死ねたとしても死後は地獄に落ちることも確定となる。

総じて敵対種族、モンスターとしてこれ以上ないほど凶悪無比な存在であり、超能力や魔法の類いが基本的に人間側には存在しない世界観の本作で、生身の人間が相手をするには色々とチートが過ぎる種族であると言える。
…が、首領である無惨がジャンプ史上類をみないレベルで、あまりにも小物な性格且つ先を見通すという発想自体がない上に、極めてブラックかつ地雷の塊な理不尽極まりない独裁者という罠。
その為、不死性と超常的な戦闘力に以外メリットらしい要素が全くと言っていいほど皆無であり、むしろ上記した鬼になる事によるデメリットの方がかなり目立つ種族でもある。
その為、一部では「ジャンプ史上屈指の所属したくない組織(種族)」「あらゆるメリットが鬼舞辻無惨が上司というだけで帳消しになる」という声まで上がっている。

その他の弱点

基本的に人間の上位生物である鬼だが、必ずしも全てにおいて人間を越えている訳ではなく、人間に劣っている点もある。
最大の欠点は感知能力であり、鬼は鬼という上位生物になっているせいで、下位生物の人間については柱レベルの強い人間でもなければ、見ただけでは個々の人間の実力やその違いが分からないとのこと*10
特に下位の鬼に至っては、柱ですら直接対峙してもすぐにそうとは気づかない者が多い。

これは、嗅覚や聴覚や触覚で鬼と人間を識別してその実力を図れる炭治郎達はおろか、鬼の気配(鬼気)で鬼を感知してその力を図れる隊士達と比べても明確に劣っており、戦いにおいては敵に先手を取られやすいかなり不利な要素となる。
ただし、上弦レベルの経験豊富な鬼であれば、その動きから相手が鬼殺隊士かどうかを判別することはできる。
また、闘気という独自に感知できる気配で相手の力を図れる猗窩座や、透き通る世界に入ることで相手の力を図れる黒死牟のような例外も一部にはいる。

また痛覚についても、なまじ高い再生能力を持つだけあって総じて鈍く、中には鬼殺隊士の力量もあるが自身が斬られたことに気づかなかったり、対応が遅れる者も見られる。
特に始祖の無惨に関しては、千年生きてる故にかなり感覚器官も薄れているらしく、味覚は殆ど感じなくなっていることに作中で言及している。


【関連用語】

無惨が選抜した直属の配下である12体の鬼。
大量の人肉を喰らい強大に成長して無惨にその素質を認められ、更に多くの血を与えられた鬼のみが列せられる一応便宜上は幹部ポジション*11
ただし、別に他の鬼が部下になる訳でもなく*12、何かしら特権や裁量権が与えられる訳でもなく、せいぜい無惨から多少特別扱いされる程度。
珠世が十二鬼月を幹部ではなく「無惨直属の配下」と呼んだ通りで、彼等はあくまでも「無惨を除いて一番強い12体の鬼」というだけで、実態としては単純に実力上位者の称号になる。

詳しくは個別項目を参照。


  • 入れ替わりの血戦(いれかわりのけっせん)
十二鬼月に属する鬼が、自分より上位の鬼に対して申し込める決闘。
勝利すれば階級が繰り上がり上の数字を得られる。扱いが基本劣悪な下弦の鬼でも、勝利すれば上弦に繰り上がることが可能なシステムである。
もちろん上弦からさらに上の位の上弦にもなれる。別に何かの権限がもらえるわけではないのでほとんど意味はないが。

作中ではとある鬼が血戦を利用して上弦の陸から一気に上弦の弐にまで登り詰めている他、下弦・上弦共に血戦への意欲を見せている鬼がいる。
十二鬼月である事を誇ったり成り上がってみせると意気込んでいたりする者もおり、一応は無惨のお気に入りになれるというのがステータスではあるらしい。
ファンブックの情報によると血戦で敗北した鬼は、勝った鬼が無惨の許可の上で、無惨の力で殺して喰うらしい
ただし、勝った側が相手の成長に期待して見逃すこともあった模様。


  • 稀血(まれち)
稀少な体質を持った珍しい人間のこと。鬼の大好物。
鬼がこの稀血の人間の肉をその身に取り入れた場合、一人分で数十人分もの養分を獲得出来る。
ちなみにこの用語は『鬼滅』内の造語ではなく、実際に存在する(Rh−などが該当する)。
複数の種類があるらしく、稀血の中でも特に珍しい血の人間の場合は、猫に対するマタタビのように嗅がせただけで鬼を「酩酊」状態にできるものもある。

これ以外では、男より女の方がお腹の中で赤ん坊を育てられる程の栄養分がある為に、特に若い女性を多く食べた方が早く強くなれるらしい。
また、鍛え抜かれた人間や特異体質者等の強くて質が良い人肉である程に、栄養価も高くなり得られる力も大きくなる*13
加えて、血縁関係がある人間もその鬼にとっては栄養価が高くなるらしい。このため鬼になって最初に食らうのは、親兄弟や我が子などの近親者である例が多い。


  • 青い彼岸花(あおいひがんばな)
平安時代に鬼舞辻無惨を診察した医者が無惨に投与した薬の名前であり、その原料となったらしい花の名称でもある。
この薬の副作用で無惨は史上初の鬼となったのだが、それに気付く前に癇癪を起こして医者を殺してしまったので、薬が試作段階であった為か殆んど情報が残っておらず、分かったのは本当に青色の彼岸花を使っていたという事のみ。
無惨は自身が日光を克服する為の鍵として、配下の鬼や人間も使って千年以上この花を探し求めている。ちなみにファンブックによるとこの医者は後の東京近郊に住んでいたらしく、それ故に無惨もその周辺で活動することが多かった模様*14


【作中に登場した鬼達】

鬼舞辻無惨と彼の配下の鬼

誰が喋って良いと言った?
貴様共のくだらぬ意志で物を言うな 私に聞かれた事にのみ答えよ


全ての鬼達を統べるパワハラ社長支配者であり、鬼の始祖にして唯一絶対の頂点。
千年以上前に最初に鬼になった存在で、唯一その血によって鬼を作り出す能力を持っている。つまり、竈門炭治郎の家族を殺した張本人にして、鬼殺隊や産屋敷一族が千年追い続けてきたまさしく諸悪の根源。
その思想や行動原理には謎が多く、鬼を増やすその傍らで、様々な姿や名前、立場を変えて人間社会に溶け込んでいる。
その為、鬼殺隊の(少なくとも現在の)達でさえ今まで接触した事が無く、殆ど情報がなかった。
事実上最強の存在ではあるが、それでもまだ自身を「限りなく完璧な生物」として高みを目指そうとしている様子。
詳しくは個別項目を参照。


上弦の壱様は最初に御呼びしました
ずっとそこにいらっしゃいますよ

無惨の側近と思われる鬼。
黒い着物に身を包んだ黒髪の女性の姿をしており、その手には常に琵琶を携えている。寡黙で必要な事以外は喋らない。
自らが持つ琵琶の音色によって無惨の居城「異空間・無限城」を操る能力を有しており、無惨が十二鬼月を集結させる際に彼等を城へと呼び寄せるのが主な役割。
上弦の鬼達のことは敬称付きで呼び、彼等からは「琵琶女」「琵琶の君」と呼ばれている。
長髪によって目元まで顔が隠されており、その素顔は謎に包まれているが……。

なお、初めて名前が明らかになったのは単行本のおまけページ。
その際は、身内で争う上弦の鬼達に対して内心「早く帰ってくれないかな」と考えていた事も明かされた。
詳しくは個別項目を参照。


十二鬼月

鬼舞辻無惨直属の十二体の鬼。
その強力な血鬼術や再生力は一般的な鬼とは比べ物にならず、特に上弦は鬼殺隊の柱すら葬っている。
数が多いため、詳細は十二鬼月もしくはそれぞれの個別項目を参照。
なお、個別項目がない下弦についてはお察しください。

奇怪な六つの眼と炎のような痣を持つ十二鬼月最強の剣鬼。
  • 『上弦の弐』童磨(どうま)
常に笑みを浮かべ、狂った救世思想のもとに人々を喰らう宗教団体教祖。
戦い以外の全てを捨て、純粋な強さと武の極みを求め続ける修羅の如き拳鬼。
あらゆる物事に身を震わせて怯え、ただひたすらに己の保身に走る老獪な悪鬼。
  • 『上弦の伍』玉壺(ぎょっこ)
人の命を弄ぶ歪んだ芸術観を持ち、人の姿からかけ離れた醜悪な外見を有する鬼畜外道。
周囲の幸せを妬み僻む妓夫と美しくも残酷で傲慢な花魁、二人で一つの兄妹鬼。
  • 『下弦の壱』魘夢(えんむ)
他人の不幸や苦しみを見ることを好み、催眠術によって夢を操る眠り鬼。
  • 『下弦の伍』(るい)
己に対する無償の愛情を求め、仮初めの家族を恐怖で支配する蜘蛛鬼。


過去の十二鬼月

  • 鼓の鬼・響凱(きょうがい)
腹立たしい……小生の獲物だぞ 小生の縄張りで見つけた小生の獲物だ……

CV:諏訪部順一
鎹烏に導かれるまま、ばったり出会った炭治郎と善逸が潜入した屋敷の主。
稀血の人間を探して屋敷に拐って喰らっていた。
以前は「下弦の陸」に列せられる「十二鬼月」の一員だったが、成長に伸び悩んだことを理由に地位を剥奪された。
どうやら力が伸び悩むと食人衝動が鈍くなってしまうらしく、その様は一部読者から「無理矢理食わせられるパワハラに悩んでたら解雇された」という不憫な喩えをされた。
年を取って肉を食えなくなる気持ちがわかると妙な共感をされたりもする。
十二鬼月の下弦のその後を考えるとよく殺されなかったものであるが、空間掌握操作系の血鬼術は無惨の逃走にとって便利なので鳴女の予備に考えていたのかもしれない。
詳細は個別項目を参照。


  • 佩狼(はいろう)
元下弦の弐。本編ではなくスピンオフ作の『煉獄杏寿郎外伝』に登場した、普通の銃器がメインウェポンという珍しい鬼。
コートを羽織った警官のような出で立ちの男で、顔や頭等にダンダラ模様の意匠があるのが特徴。
影を操る血鬼術の使い手で、激昂すると自分の頭を銃で撃ち抜いて冷静さを取り戻すという、鬼ならではの変わった癖がある。
杏寿郎の父の槇寿郎に強い恨みを持ち、討伐に現れた杏寿郎を彼と勘違いし、帝都を巻き込んだテロを起こしながら襲いかかった。
詳細は十二鬼月の個別項目を参照。


  • 姑獲鳥(うぶめ)
元下弦の壱。本編ではなくスピンオフ小説『風の道しるべ』に登場した鬼。ただし、本編でも不死川の回想で存在は示唆されていた。
長い黒髪を団子結びにした小柄な美人で、血のように赤い目をしている。
人間時代の記憶を保っている珍しい鬼の一人で、人間を洗脳して己の欲望を満たしている慈母気取りの糞鬼女(実弥曰く)。
香炉の香りで相手を幻惑するという、珠世と似た幻覚系の血鬼術を操っている。
詳細は十二鬼月の個別項目を参照。


異能の鬼

通常の鬼の上位種。異形の鬼より更に人を喰ったり無惨の血により強化された強敵。
血鬼術と呼ばれる異能を体得し、通常の雑魚鬼とは一線を画する脅威となった鬼達であり、鬼殺隊の高い殉職率を吊り上げているのが主にこの鬼達である。
この位階に到達し、更なる力を得た鬼達が十二鬼月へと昇格していく。

  • 沼の鬼
3本角(ギリギリギリギリギリギリ)
2本角「貴様ァアアア 邪魔をするなァァァ!!女の鮮度が落ちるだろうがァ!!」
1本角「冷静になれ、俺よ まぁ いいさ こんな夜があっても」

CV:木村良平
炭治郎が本格的に鬼殺の剣士として活動し始めた矢先に討伐を命じられた対象。「沼鬼」とも呼ばれる。
即ち鬼殺隊入りした炭治郎の初戦の相手であり、初めて戦った異能の鬼でもある。
「女は十六歳になると完全に熟し、以降は刻一刻と味が落ちる」という極まりまくり尖りまくりの理解不可能な守備範囲を掲げて十六歳の少女のみを捕食していた
三人に分裂しており、街の少女を夜な夜な攫っては喰い殺し、食った後は遺品の装飾品を蒐集している。


炭治郎と禰豆子の共同戦線により、2本角だけにされ追い詰められると、
「女共はな!!あれ以上生きてると醜く不味くなるんだよ だから喰ってやったんだ!!俺たちに感謝しろ」
…と歪み切った思想を叫び正当性を説くが、あまりの下衆っぷりに静かにキレた炭治郎に口を切り裂かれた。
この通り傲慢不遜な性格だが、無惨に対しては上記の「呪い」の存在も有ってか相当恐怖を抱いているらしく、最期まで情報を吐かせるには至らなかった。

何気に斬られる度にプラナリアの如く増えていく複数人の頚を落とさなければ死なない等、後に登場した上弦連中に似た数を活かした戦法・連携戦術を駆使し、
全員斬り捨てなければ息の根を止められない上に、条件を満たせばダメージを負ってもすぐ再生するなど、血鬼術を複数持ってる事も含めて序盤の敵にしては妙に強い。
作劇上では炭治郎と禰豆子が共同で戦う描写を入れる為に、ある程度強い必要があった為だろうか。
また、上記の偏食に対してフォローすると、男より女の方がお腹の中で赤ん坊を育てられる程の栄養分がある為に、特に若い女性を多く食べた方が早く強くなれるのは本当らしい。
つまり、十六歳の少女を選んで食っていたことで、比較的早く強くなっていたことも理由として考えられる。

あくまで序盤に登場した下衆い雑魚に過ぎないのだが、一部の読者からは謎にネタキャラとして親しまれている。
自分の分裂体に対する二人称も「俺」という妙に面白いキャラからか、自分と同じ意見の人に話しかける際に彼のセリフが改変されることもある。

なお、雑魚鬼としては珍しく「キメツ学園」で紹介された。下着泥棒の変質者として。…うん、まあ、そうだよね。


  • 毬の鬼・朱紗丸(すさまる)
遊び続けよう 朝になるまで 命尽きるまで

CV:小松未可子
東京府で無惨に命じられ、矢琶羽と共に炭治郎を追跡する少女の鬼。顔はかなり可愛い。
爺婆めいた古めかしい言葉遣いを繰り、徹底して「毬遊び」のスタイルを貫く。
十二鬼月を自称するが、それは無惨に彼女を煽てる為に、嘘を吹き込まれただけで実力はそこまでではない。
ただし、あくまで十二鬼月に比べたらの話であり、無惨から血を追加で受けているのもあって、初期の敵としてはかなりの実力を持つ。
本気を出すと上半身の着物を脱ぎ捨て、脇と横腹から4本の腕を追加で生やした異形となり、計6本の腕で下記の毬で攻撃する。

戦闘では禰豆子のお御脚を吹き飛ばす偉業を成し遂げるも、珠世の薬で復活し、更に自己強化でパワーアップした彼女に武器である毬を蹴り返されてジリ貧に。
最期は、珠世の魔香で思考を撹乱されて無惨の名前を口にしてしまい、その場に居ない無惨への必死の謝罪も空しく「呪い」が発動。
体内から出現した腕で内部から破壊され、ミンチ状態で瀕死になっていた所を陽光に晒されて消滅した。
ちなみに無惨は、彼女や下の矢琶羽の視覚を通じて一連の戦いを観戦していたようだが、既にこの時点で彼女は追い込まれて敗色濃厚だったので呪いを止めずに見捨てた模様(そもそも彼女達に血を与えたのも、強化以上に彼女らを通じて炭治郎の実力を見るのが目的だったと思われる)。
また、彼女は無惨の本性を珠世が仄めかした際には青ざめ、無惨を「臆病者」と評した事を「あの方はそんな小物ではない!」と必死に止めようとしていた事から、薄々無惨の本性に気付いていた可能性がある。

死の間際に毬を求めて遊ぼうと呟く様は、かつてはただの幼い少女だったであろう事を想起させる。
激闘を制して這って来た炭治郎は、幼い少女さえも鬼にして利用し尽くす無惨の所業に怒りを覚えるのだった。

「キメツ学園」では、高等部3年のバレー部部長として描かれている。
「キャハハ」と笑う部長というのも大概アレだが、なんと「朱紗」が苗字で「丸」が名前という謎設定を持つ。


  • 矢印の鬼・矢琶羽(やはば)

それはもう残酷に殺してやろうぞ

CV:福山潤
東京府で無惨に命じられ、朱紗丸と共に炭治郎を追跡する青年の鬼。
常に目を閉じており、代わりに両掌に目玉が付いている奇怪な風貌の持ち主で、目玉の瞳には矢印が描かれている。炭治郎曰く「気持ち悪い眼」。
朱紗丸と同じく爺婆口調で喋り、衣服に一抹の汚れも許さない神経質な潔癖症。ちなみに鬼になる前から潔癖症だった模様。

相棒と自分の血鬼術のコンボで一度は炭治郎達を圧倒するものの、愈史郎の術で見破られた後は炭治郎と一騎打ちに。
自身の術を逆に利用されて致命傷を喰らうが、相討ちに持ち込まんと死に際に炭治郎の体へ膨大な数の矢印を仕込む。
一度でもまともに壁に衝突すれば致死レベルであったが、炭治郎は様々な技をタイミングを合わせて地面や壁などに打ち込むことで威力を相殺した。
辛くも何とか生き延びた炭治郎は、疲労でほとんど動けなくなった。
そうまでして倒した彼への珠世の評価は「(十二鬼月としては)弱すぎる」であり、この台詞には炭治郎はおろか読者も唖然とした。
その後に、登場した本物の十二鬼月の力と比べれば納得なのだが。
ちなみに彼の方は一度も十二鬼月を自称していないので、彼は自分達が十二鬼月でないことを自覚していたと思われる。

朱紗丸とは抜群のコンビネーションを見せたが、アニメの大正こそこそ噂話によれば実はこの任務が初対面で、炭治郎らを襲撃するまでにお喋りして打ち解けたとのこと。
前述した通り、基本的に鬼は互いに同族嫌悪を抱くようになっているので、彼らの場合は相性が奇跡的に良かったらしい。
あの無惨がわざわざ相性の良い鬼同士を選んでコンビを組ませたとは考えにくいので、術や性格の相性がよかったのは本当にたまたまである。

「キメツ学園」では、朱紗丸同様に高等部3年で、弓道部部長を務める豆腐屋の息子として描かれている。
同じく掲載された二人と比べると些か個性が薄い。

モデルは恐らく「手の目」という読んで字の如く掌に目玉のついた妖怪。
伝承によっては殺された盲人が化けて出た姿とも言われるが、彼は顔より掌の目の方が使い勝手が良いというだけで、盲人ではないらしい。


  • 蜘蛛の鬼(母)、蜘蛛の鬼(父)、蜘蛛の鬼(兄)、蜘蛛の鬼(姉)
累と共に暮らす「家族」の鬼達。詳細は累の個別項目を参照。
ある十二鬼月から譲り受けた血鬼術を使う。


  • 笛の鬼
お前たち人間が日々重ねてきた鍛錬も 儂の笛の音一つで全て無駄
ひっくり返された虫けらのように狼狽えている内に 犬に食われて死ぬとは(のう)

特別読み切りの『煉獄零話』で登場した、炎柱・煉獄杏寿郎が鬼殺隊士としての初任務の際に相対した鬼。
楽士のような出で立ちをした小柄な老人の鬼だが、自身の術で碌に動けなくなった相手を小馬鹿にして嘲笑う典型的な下衆。ちなみに作中の描写を見るにどうやら幼い子供を好んで喰っていたらしい。
自身の術に絶対の自信を持ち、自分は一切戦わないが、自身の血鬼術で一切動けなくなった相手を使い魔で一方的に嬲り殺す戦術を好んでいた。

十二鬼月になる事を目論んでいたが、死の間際に死んだ隊士達が残した指文字で、血鬼術の詳細を事前に把握していた杏寿郎に術の突破口を見破られ、そのままあっさり瞬殺された。

糞っ!! 糞っ!! 儂はこれから十二鬼月に…


  • 切り裂き魔の鬼
俺を止められた奴はいねえ。俺が一番速い!
不味いものは不味いんだよ!

CV:伊藤健太郎
テレビアニメ版『無限列車編』第1話に登場したオリジナルキャラクター。一部では「音速の鬼」とも呼ばれているが、実際の速度はそこまで速くはない。
獪岳や佩狼と同じ白目と黒目が反転した目と、猗窩座のような紋様が特徴のスキンヘッドの鬼。ちなみに猗窩座の紋様は人間時代に入れられた罪人の刺青が、鬼の紋様と融合して変化したものであり、彼も同様なのかもしれない。
鉄道沿線やその周囲の街で次々と人を殺戮し、「切り裂き魔」と呼ばれ恐れられた連続殺人鬼の正体。

鬼の中でも特に人間の食べ物への忌避感が強く、匂いすらも不快に感じるようになったらしく、人間の食べ物を「臭い」「不味いものは不味いんだよ!」と吐き捨てて踏みにじるほどに憎悪している。
餌となる人間に関しても、美味そうな人間だけを喰らい、不味そうな人間は喰わずにただ嬲り殺して楽しむという下劣な偏食家である。
その性格から食べた人間の数は少なかったようだが、鬼としての素質は元々高かったらしく、すでに血鬼術を発現している*15
なお、術を行使する際は体の刺青が発光することから、一部から「ゲーミング鬼」というあだ名が付いた。
人間時代については描写されていないが、彼の服装や俊足から人間時代は飛脚だったのではと言われている。

当初は、彼が無限列車の失踪事件の犯人かと思われていた。
だが実際に対決した杏寿郎は「大勢の人を目撃者も出さずに喰らったにしてはやり口が杜撰で、何より弱すぎる」として真犯人は別に居ると判断。
実際、真犯人の魘夢と比べても格段に頭の悪そうな振る舞いが目立つ上、別に彼に限った話ではないが、鬼殺隊の接近に事前に気付けなかったり、杏寿郎が柱である事を見抜けなかったりと勘も悪い。
魘夢からは、鬼殺隊を攪乱して削る囮として扱われていた可能性が高い。
最期は、難なく自分に追いついてきた杏寿郎に対して、ようやく圧倒的格上だと気付いたらしく、焦りを滲ませながら人質を取ろうとするも、炎の呼吸・壱ノ型「不知火」で次の瞬間には頚を斬り飛ばされ、己が死んだ事も分からないまま消滅した。


  • 透明鬼
ドラマCD『嘴平伊之助の力比べ』に登場した鬼。
自身が襲撃して追い込んだ鬼殺隊士2人を追って、伊之助の山に侵入して伊之助の住処の洞窟にまで踏み込んだ。
自身の血鬼術もあって最初は伊之助を翻弄するも、「空間識覚」を発動した伊之助に居場所を特定され、最期は伊之助が鬼殺隊士達からぶん取った日輪刀で頚を斬られて倒された。


  • 目鬼
ドラマCD『夜明け前の研究』に登場した鬼。
無惨に気に入られる為に、逃れ者の珠世と兪史郎を追跡して仕留めようとしており、彼等の隠れ家まで辿り着いて、自分の身体から作った武器であろう分銅付きの鎖で攻撃し、下記する目で追い詰める。
しかし、惑血の濃度を限界まで上げた珠世の攻撃で行動困難になったところ、兪史郎に一撃入れられて血のサンプルを摂られ、その後は彼等を追跡しようとしたものの、仕掛けられた罠によって生き埋めにされた。
珠世達には鬼を倒す手段が無いのでそのまま放置され、その後はどうなったのかは不明。最終的な顛末としてはそのまま朝日で焼かれたか、駆け付けた鬼殺隊士に倒されたか、本編の時代まで生き残って無限城の鬼にされたかのいずれかである。


  • 泥鬼
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』パンフレット豪華版の特典ドラマCDに登場した大型の鬼。
異様な巨体の持ち主であり、下記する血鬼術もあって正面から見た姿はまるで壁。知性らしい知性は確認できず、下記する呪雨鬼に利用されており、彼が興味を示さない主に成人男性や女性、彼が術で動きを止めた鬼殺隊士を喰らって始末していた。
モデルは恐らく妖怪の「ぬりかべ」であり、他にも「泥田坊」の要素も入っていると思われる。
動きは非常に鈍いが、全身がまるでこんにゃくのように異様に柔らかく、その弾力のある身体と泥で攻撃を吸収して無効化できる。
しかし最終的には、煉獄の伍ノ型「炎虎」と甘露寺の剛剣の同時攻撃によって頸を斬られて討たれた。


  • 呪雨鬼
CV:小野友樹
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』パンフレット豪華版の特典ドラマCDに登場した鬼。若い男性の声をしている。
美食家を自称しており、自身が厳選した若い女性と幼い子供しか喰わない。それ以外の人間は泥鬼に喰わせて処分する。泥鬼のことはその知性の無さから、囮や始末役として一方的に利用していた。
街に火事を起こして外に出てきた人間を喰らおうとしており、母親から赤子を引き離すのが趣味というド外道。
甘露寺を術中にはめて余裕綽々と煉獄達を侮っていたが、雨に濡れる前に一息に懐まで踏み込んできた煉獄によって瞬殺された。


異形の鬼

数十人の人間を喰ったことで異形化する能力を得た中級レベルの鬼。
『異能の鬼』と比較すれば明らかに格下の者達で、入隊試験の中にも紛れているぐらいだが、その強さは個体によってかなりバラつきがあり、下の一般隊士にとっては個体によっては相当な強敵になる。
しかし、倒せないにしてもこのレベルの鬼から最低限生き残れる技量や判断力を身に付けなければ、どのみち鬼殺隊では長生きできない。
中には、無惨による強制強化により自我を失ったが、戦闘力だけは下弦レベルに強化されている者もいる。


俺が喰った鱗滝の弟子の数だよ アイツの弟子はみんな殺してやるって決めてるんだ

CV:子安武人豊崎愛生(幼少期)
物語開始から47年前の江戸時代・慶応の頃鱗滝に捕縛され、「藤襲山」に封じられたままとなっていた鬼。
捕まった当初は何の変哲もない少年の雑魚鬼であったが、鱗滝への憎悪と試験に挑む50人もの少年少女を糧に生き延び、現在では大型の異形の姿となっている。
ただし、安全地帯でダラダラと生きていただけで、しかも47年で50人という補食ペースなので、大型の異形ではあるものの、これでもあくまで鬼全体で見れば雑魚鬼に近い部類の鬼である。
詳しくは個別項目を参照。


  • 響凱の屋敷の床下から出て来た鬼
ぐひ ぐひ 子供だ 舌触りがよさそうだ

CV:新垣樽助
貴重な血を持つ(=極上の餌である)少年・清を確保した響凱の家に押し入り、少年を巡って喧嘩していた異形のガリ鬼。読者からの通称は「舌鬼」。
カエルめいた伸び縮みする舌で我妻善逸と正一に襲い掛かる……が、緊張の糸が切れて意識を失った善逸によって一刀の元に斬り捨られてしまった。


  • 伊之助に瞬殺された巨体の鬼
随分活きのいい人間だ お前の肉はえぐり甲斐がありそうだ

CV:川原慶久
響凱や床下鬼と清を巡って喧嘩した異形のデブ鬼。
多少なりとも見せ場があった舌鬼に比べると印象が薄いが、響凱が背中の鼓を失ったのはこの鬼の攻撃を受けた事によるものらしい。
背中の鼓には場所転移を担当する効果があり、これを手にしたおかげで清は生き延びられたので、上記の舌鬼と共にある意味では命の恩人(恩鬼?)
伊之助と曲がり角で出くわした次の瞬間には斬殺されてしまった。


  • 無限列車の夢の鬼
無限列車で魘夢の夢に登場した異形の鬼。
大きな角に無数の目玉を持つ筋肉質で3m近くあるような大柄な鬼であり、見た目はいかにもスタンダードな妖怪の鬼そのもの。凄まじい咆哮をあげるだけで知性は確認できない。
先行で描かれた無限列車の描写では、この鬼が乗客を貪り喰っている様子が描かれているが、これは犠牲になった無限列車の乗客達が見せられていた悪夢であり、どうやら炭治郎達に限らず様々な被害者の悪夢に登場させられていた模様。
無限列車に乗車した杏寿郎達の夢に登場し、彼等や乗客に襲い掛かるが、杏寿郎の炎の呼吸・壱ノ型「不知火」で瞬殺された。
あくまで夢の中の鬼なのだが、あまりにもリアルなので恐らくは過去に実際にこういう鬼がいたのだと思われる。


  • 無限列車の手足の長い鬼
映画及びアニメの無限列車編のみに登場した異形の鬼。
外見は列車の天井に達する程の異様に長い手足を持ち、その手足で四足歩行で移動する、カミキリ虫のような非常に気持ちの悪い姿をした大型の鬼。
モデルは恐らく「手長足長」という妖怪だと思われる。
映画・アニメ版のみに登場した鬼であり、上記した夢の鬼の次に杏寿郎達の夢に登場して前の車両で乗客を襲っていたが、駆け付けた杏寿郎に弐ノ型「昇り炎天」でやはり瞬殺された。
原作だと前述した夢の鬼で、映画・アニメではこの鬼を倒したことで一時的に気が緩んだ隙を突いて、魘夢は杏寿郎や炭治郎達をより深い夢に沈めた。
恐らくはこちらの鬼も過去に実在したのだと思われる。


  • 蛇鬼
小さいねぇ小さいねぇ やっぱりもう少しだけ大きくしてからにしようかねぇ

人間と協力関係を結び、八丈島の伊黒小芭内を産んだ一族を支配していた女の鬼。
上半身は裸の女で下半身が蛇となったシンプルなラミアのような姿をしている。
ただし、顔は昨今のモンスター娘萌え作品に出てくるようなラミアとは程遠く、人面と蛇の顔が歪に混ざったような醜悪極まりない貌で、目玉は黄色く染まり瞳孔は縦に大きく裂けているなど蛇そのもの。なお胸は大きくもなく小さ過ぎでもない。いわゆる普乳。
その容姿は昭和ホラー漫画の『蛇女』に近く、例によっていかにも妖怪然とした悍ましい容姿である。
人間体の部分は普通の大きさだが、蛇の部分がかなりの巨体で十数mはある。

性格は鬼らしく残忍。
赤子が好物で、伊黒一族が産んだ赤子を生贄として喰らう代わりに他者を殺して強奪した金品や財産を伊黒一族に与えるという歪んだ協力関係を結ぶ。
これにより鬼殺隊に知られることなく、推定約370年近くに渡って伊黒一族を支配して安住の地としていたらしく、鬼の中でもかなり長生きな個体だと思われる。
ただし、370年ぶりというのはあくまで「一族で男が生まれた年数」なので、流石にそこまでの年数は生きていないと思われる*16

伊黒一族はこの鬼との協力関係によって生計を立て、大きな屋敷を建て豪勢な暮らしをしており、伊黒一族に御神体のように崇められていた。
視点を変えれば伊黒一族のみならず八丈島そのものを縄張りとして支配していた怪物と言える。
一族でも珍しい男児であった小芭内は(生贄として)気に入っており、さらに「自分の顔に寄せる」と称して彼の口を切り裂いた張本人でもある。
無惨がこいつをどう認識していたのかは不明だが、本島からかなり遠い地を拠点にすることを許され、かなり悠長に好き勝手やっていた様子*17

当初は、小芭内を座敷牢に閉じ込めて丁度いい位まで育てさせていたが、小芭内が逃亡したことに逆上し、彼のいとこに当たる1人を除いて伊黒一族をあっさり虐殺した後に追跡。
そのまま小芭内を喰い殺そうとするも、駆け付けた当時の炎柱(煉獄槇寿郎)によって討伐された。

長年人を食いまくっているので、血鬼術も持っている筈だが使った描写が皆無なので、便宜上ここでは異形の鬼に分類する。
ただし、手鬼のように外敵のいない安全地帯でダラダラぬくぬく長生きしていただけな為、血鬼術は習得していなかった可能性も考えられる。
いずれにせよ、最終的に激昂して後先考えず一族を皆殺しにしてしまっているので、どっち道詰んでいたと言える。


  • 無限城の異形鬼
無限城に入り込んだ鬼殺隊士の迎撃の為に配備された、無惨の血によって身体能力を無理矢理下弦の鬼レベルまで強化された鬼の大群
この時点で、生き残っていた日本中の全ての鬼が無限城に集められて強化されており*18、その数は最低でも数百体には及ぶと思われる。

ただし、強制的に血を与えてドーピングした影響で、全員が人の姿の原型すら捨てた化物ばかりになっており、容姿はバラバラで様々な日本の妖怪のような姿をしている
全体的には様々な伝記や資料に出てくる、古今東西の様々な鬼や鬼系統の妖怪の姿をした個体が多く、同一の見た目の個体も複数確認できる。そんな彼等が群れを成して襲いかかってくる様は、まさしく文字通りの百鬼夜行である。
おまけに全員理性も知性も崩壊しており、血鬼術すら使えない*19。このように、あくまで身体能力は下弦レベルの雑魚鬼というだけで、実際は本家の下弦の鬼には遠く及ばない。

その為、柱稽古を経て強化された村田達一般隊士でも、数人がかりでなら十分に撃破可能。柱の前では瞬殺される雑魚戦闘員の状態だが、無惨自身もまともな戦力としては見ておらず、あくまで鬼殺隊を少しでも消耗させて時間を稼ぐ為の捨て駒扱い。
最終的には、大半の個体が突入した鬼殺隊士によって排除され、残った者も崩壊する無限城から脱出できずに無限城諸共消滅している。その時点で死んでいたかは不明だが、いずれにせよその後の無惨の死によって全ての個体が死滅している。

アニメ「柱稽古編」の1話冒頭のアニメオリジナルエピソードでは、後述する廃城の鬼を援護する形で先行登場している。
まだ強化が始まったばかりの段階だった為か、理性こそ失っているが外見は人型を保っている鬼も多数登場しており、異形化している鬼の方はいずれも前述した妖怪然とした鬼や、餓鬼のような姿になっている。
下記する廃城の鬼を逃がすべく、実弥と小芭内の前に立ち塞がり数で押そうとするが、彼等によって無双され悉く蹴散らされ、出撃した個体は全滅したが、無限城内にはまだ無数に潜んでいる様子も描かれている。


  • 廃寺に潜んでいた鬼
CV:石谷春貴
アニメ「遊郭編」の第一話に登場したアニメオリジナルの鬼。
両手がカマキリを思わせる形になっており、更に同様の腕が背中から四本生えている。
恐らくは「網切」という妖怪がモデルではないかと思われる。
討伐に来た炭治郎を上方から急襲するが、木箱から現れた禰豆子の攻撃を躱しきれず腕を切り落とされる。
再生の暇を与えない猛攻に堪らず逃げ出し、民家の納屋に逃げ込んで腕を再生させる。
だが追ってきた炭治郎に斬首を宣言され、激昂して襲い掛かるも、訓練と経験を積んだ炭治郎の敵ではなく、最初の一撃で腕を全て切り落とされ、次の一撃で頚を斬り落とされて倒された。


  • 触手鬼
ドラマCD『忘れじの一刀』に登場した鬼。
子供を好んで喰らっていたらしく、性格はいかにも鬼らしく下衆で下劣。鬼殺隊入隊後まだ間もない義勇と対峙し追い詰められるも、嵐の海に逃げようとしてそのまま義勇と共に海中に没した。
腹部から無数の触手を生やして攻撃することができるが、触手自体はこの当時の義勇でも十分反応して叩き落とせる程度で、一度に出せる本数にも限界がある模様。ぶっちゃけ上記の手鬼の下位互換であり、雑魚鬼に毛が生えた程度の鬼でしかない。
海に流されて以降は、義勇より一足先にとある海岸に打ち上げられ、その近くの集落の寺の住職と僧を喰い殺す。そして、近くの山の水場に近い洞窟に隠れていたが、行方不明になった少年・ユウを捜索しに来た義勇と兄のハルオと遭遇する。
ハルオを庇ったことで義勇の足を負傷させることに成功し、その足では自分の攻撃を躱せないだろうと慢心して攻撃するが、義勇の水の呼吸・参ノ型「流流舞い」で全ての触手を切断され、それを信じられず愕然としたまま頚を斬り落とされて死亡した。


その他の鬼

殆どは異形化すらできない下級の鬼達。基本的に牙・爪・目以外はほぼ人間に近い姿をしている。
実力・成果至上主義な無惨にとっては彼らは使い捨ての駒程度の価値しかない。
アニメ版の声優が無駄に豪華なのが救い…?もっとも彼らも充分人類を脅かす脅威の不死生物には違いない。
様々な事情から人を食う事なく済んだおかげで、人間からかけ離れずここに位置する者もいる。
また、アニメオリジナルなどで見ただけでは詳細が不明な場合もこちらに記載。

  • お堂の鬼
なんで鬼と人間がつるんでるんだぁああ!!

CV:緑川光
鱗滝の住む狭霧山へ向かう途上だった炭治郎が遭遇。
彼に襲い掛かったところ、有無を言わさぬ禰豆子キックで素っ首ころりんすってんてん。しかししぶとく胴体と頭が別々に襲い掛かる。
だが身体は谷底へ落下し、頭部は木の幹に打ち付けられて身動きが取れなくなってしまう(この際、滑落死した身体のダメージが頭部に伝達されている)。
そして最期は駆け付けた鱗滝に始末を命じられた炭治郎が躊躇っているうちに夜が明け、そのまま太陽光でこんがり焼死した。
描写を見る限り、お堂の死体だけでも相当数の人間を食べているはずだが血鬼術はおろか、修練も受けていない炭治郎に返り討ちにされ再生もままならない。
しかし、お堂の死体が原型を保っているところを見ると、響凱のように食べられる限界点が非常に低かったのかもしれない。
また、こいつが胴体からの痛覚伝達のショックで気絶したことで、「鬼は眠らないが気絶はする」という事が分かった。

「主人公が出会う最初の敵」という物語的にはモブ同然の存在だが、“いきなり中の人がベテラン声優のグリリバ”。
「鬼の声優は無駄に豪華」と謳われるその筆頭であり、炭治郎役の花江夏樹から「このアニメおかしい」と評価される所以。


  • 雑魚鬼
「先に殺った方が喰えばいいだろうが!」
「久方振りの人肉だ!!」

CV:鶴岡聡、福島潤
鬼殺隊入隊最終試練の会場「藤襲山」に閉じ込められていた、入隊試験の出オチコンビ。
長らく人肉に飢え、我先にと争いながら炭治郎に襲い掛かるも、ちょうどよく並んでいたので、まとめて肆ノ型「打ち潮」が決まって仲良死こよ死。
基本的に最終選別では手鬼以外はこの程度の鬼が相手であり、最終選別のレベルを図る基準としては分かり易い。
ちなみに冨岡の最終選別時の回想でも、似たような雑魚鬼が複数登場していたが、こちらは錆兎が全て倒した。


  • 不死川志津
CV:柚木涼香
鬼に変じてしまった不死川家の母親。
鬼化に際して理性を失ってしまっており、獣同然の動きで実弥玄弥の弟妹達を殺害。
彼等にも一生残る傷を与えるも、実弥が包丁片手に夜明けまで殺し続けたことで死闘の末に朝陽を浴びて敗北。
哀しそうな表情を浮かべながら玄弥の腕の中で消滅した…が、この件が兄弟の確執の原因となった。
また、彼女が実弥との交戦時に見せた挙動から、実弥は自身の血の特異性を知る事になる。


  • 時透兄弟を襲った鬼
どうせお前らみたいな貧乏な木こりは居ても何の役にも立たねぇだろ
いてもいなくても変わらないようなつまらない命なんだからよ

CV:熊谷健太郎
蒸し暑い夏の夜に突如として時透兄弟を襲った鬼。
黒い短髪で顔に紋様があり、肘から先が黒く染まっている以外の風貌は不明。
兄である有一郎の腕を引き千切って致命傷を負わせ、彼らの存在を無価値と嘲笑うが、兄を傷つけられ激昂、潜在能力を爆発させた無一郎の前に敗北。
全身を農具で串刺しにされ、頭を無数の岩で原型すらないレベルで潰されたことで身動きできずもがき苦しんだ挙句、陽の光を浴び無惨に消滅した。
なお、彼の存在は消滅後早々に無一郎に「心底どうでもいい存在」として忘れ去られ、上述の発言は自身こそが無価値な存在であることを証明するブーメランとなった。


  • 悲鳴嶼行冥を襲った鬼
行冥の過去回想に登場した鬼。
原作では1コマしか登場していないが、アニメでは行冥を越える背丈の非常に大柄で屈強な鬼として描かれている。
行冥のお金を盗んで寺から追い出された子供と遭遇し*20、その子供の寺の人間を襲う手伝いをする代わりに自分を見逃してくれという交換条件を承諾。
その子供に藤の花の香炉を始末させて寺に侵入し、子供達を虐殺。盲目故行動が出遅れた行冥と幼い沙代にも襲いかかる。
だが覚醒した行冥に頭を朝まで殴り潰され(アニメだと両腕も引き千切られた)、瀕死の状態で朝日を浴びて消滅した。
しかし、幼く心身消失状態の沙代が上手く状況を説明できなかったことと、鬼の死体が消えたせいで行冥は殺人の濡れ衣を着せられて逮捕されてしまった。


  • 廃城の鬼
「柱稽古編」の第一話に登場したアニメオリジナルの鬼。山の奥にある古びた廃城に住んでいた人攫い。
見た目は二本の角と少し尖った耳、血走った目で目の下から長方形の紋様がある。
各地での鬼の主没が次々と止まる中で活動を開始し、里の者達が拉致されたという報告が入ったので一般隊士が追い掛けるも、天守閣で姿を消したという事で、現在の不穏な情勢も鑑みて柱の実弥と小芭内が調査に出向いた。
城の中に拐った人間が消える事もそうだが、無惨の呪いで鬼は共闘できない筈なのに、城にはどこからともなく多数の鬼が沸いて出ており、二人もその事も訝しんでいた。
柱二人に城の屋根で追い詰められると攫った女性を放り投げ、それを囮にして屋根の向こうへ逃走(女性は小芭内が助けた)。
そして、屋根の向こうは「無限城」に繋がっており、実弥の刀が届く前に襖が閉まって柱二人の前から忽然と姿を消した。

つまり本来なら共闘できない筈の鬼が、どこからともなく次々と城に沸いていたのは、無限城と繋がっていたからである。拐われた人々も必然的に無限城に拐われていたという事になる。
時系列的にも、この時期には既に日本中の鬼が無惨によって無限城に召集され、前述した『無限城の鬼』の材料にされていた時期なので、このような援護が可能だったと言える。
ただし、そもそも彼が何故無限城の鬼を動かしてまで無限城に人を拐っていたのか、無惨側も何故これらの秘匿事項を晒してまで彼を助けたのかは明らかになっていない*21
戦闘描写が一切ないが、二人が一太刀でまとめて倒せる程度の無限城の鬼達を肉壁にすることで、柱二人を相手に逃げおおせている。


  • 又造
漫画「冨岡義勇外伝」に登場した鬼で、生前は炭治郎が住む山に近い山の村に住んでいたマタギの一人。
物語の直前に鬼化させられて自我を失った状態で仲間を喰い殺したが、一人娘である八重の姿を見て逃げ出して行方をくらませた。
八重はその事を隠して自分の手で決着を付けようと追跡しており、又造を発見するも勝てる筈もなく返り討ちにされる。
獣のように彼女に襲いかかるも一瞬だけ記憶を取り戻して八重の名前を呼び、その隙に彼女を追跡して来た義勇に止められて引き離される。
最終的には、柱の義勇に敵う筈もなく水の呼吸・肆ノ型「打ち潮」によって一瞬で全身をバラバラにされ、最期は八重の姿を見て「生きろ」という言葉を遺して消滅した。

ちなみに彼のこの八重に対する言動については、あくまで仲間や犬のタロを喰って飢餓状態がある程度満たされたことで、一時的かつ断片的に人間時代の記憶がフラッシュバックしただけに過ぎない。
その為、そのまま放置すれば八重も喰われていたことが明言されている。
この親娘の描写や演出は、本編1話の竈門兄妹と重ねて描かれている部分が多いが、一方で飢餓状態でも炭治郎を庇った嬭豆子とは全く異なっており、いかに1話の嬭豆子の行動が鬼として特別だったかの対になっている。
同時にそれを見逃した義勇の判断が、本当に鬼殺隊として異常な判断だったかを掘り下げたエピソードでもあると言える。


  • 外伝の雑魚鬼
漫画「冨岡義勇外伝」に登場した鬼。
物語の冒頭に人間の姿で女性を喰っていたところを義勇に追い詰められる。
「もう2度と人間は喰わない」と必死で命乞いをしながら隙を見て鬼の姿となり襲いかかるが、次の瞬間には義勇に頚を斬られて倒されていた。
上記の又造と並んで、いかに鬼の「人を喰わない」という約束が無意味なものか、そしてそんな鬼を躊躇なく殺すのが本来の鬼殺隊であることを掘り下げた存在だと言える。


  • ユウ
ドラマCD『忘れじの一刀』に登場した少年。
幼くして両親を失くし、兄のハルオと2人だけで暮らしていたのだが、ある時山に入ってそのまま遭難してしまう。
そして、山の中の水場の近くで助けを待っていたところ、無惨に目を付けられて鬼にされてしまったらしく、義勇とハルオが駆け付けて助けた際には既に鬼と化してしまっていた。
まだ人間時代の記憶の残滓が残っていたらしく、自身を義勇から庇おうとするハルオに対して「兄ちゃん」と呼び掛けるが、次の瞬間には鬼の本能に飲まれ、義勇が思わず躊躇ってしまった一瞬の隙を付いてハルオに喰らい付き、そのまま彼に致命傷を負わせてしまう。
直後に、義勇に壱ノ型「水面斬り」で頚を斬られたが、既にハルオは手遅れであり、最期まで弟の安否を案じながら息を引き取った。
鬼滅本編の第1話で、義勇が竈門兄妹を見て回想していた「鬼になった弟を庇ってその弟に喰われた兄」というのがこの兄弟のことで、彼の中に生涯の後悔として残り続けている出来事であり、同時に彼に鬼に情けをかけてはいけないという教訓を与えた事件でもある。


無惨に従わない鬼

何らかの手段で無惨の支配から離れ、独自に行動する鬼。人に助力する者達もいる。
ただし、無惨の支配下から脱した鬼は歴史上禰豆子と珠世と浅草の人の3人だけで、純粋に自力で脱したのは禰豆子のみ。

本作のヒロイン。
物語冒頭で人から鬼へと変化してしまったが、その規格外の鬼としての適正と能力から、2年の睡眠期間を経て己の身体を改造し、無惨の支配から脱している。
詳細は個別項目へ。


  • 珠世(たまよ)
あなたは鬼となった者にも「人」という言葉を使ってくださるのですね そして助けようとしている


医者の女性。炭治郎もドキッとする美人。
温厚で落ち着いた人物であるが、時折暴走する愈史郎に対しては若干厳しめの態度をとることも。
実は鬼であるが、医者としての技術で自分を弄って無惨の呪いを外している。外見年齢は19歳(ファンブックにて言及、もっと若く見られることもあるとのこと)だが実年齢は200歳以上。
ババアとか抜かす不届き者は殺す。愈史郎が出て殺す。慈悲はない。
医者の技術で体をいじったことで食人衝動も最小限になっており、金銭に余裕がない患者から「輸血用」という名目で買った血で賄っている。
無惨に敵対心を抱いており、何とか鬼化した人々を治療しようと頑張っている他、死を前にした人間に対して失敗の可能性と人外化の危険性を相手に告げた上で自身も人間の鬼化を試みている。
長い年月を生きているだけあって人間でないことに思うところがあり、禰豆子が前述の暗示で自分を家族(=人間)と認識してくれた時には涙を流している。
ある程度濃い血を受けながらも鬼化しきらずに変容した禰豆子を奇跡と評し、鬼化治療法の確立のために炭治郎により多くの無惨の血を受けた幹部「十二鬼月」の血の採取を頼む。
作者によると非常に綺麗好きな潔癖症らしい。

かつては夫と子の居た母であったが、病に侵され余命幾許もない身の上だった。
そこで無惨と出会い、「我が子が大人になるのを見届けたい」という一心で彼の誘いに乗って鬼となる…が、よりによって夫と子供を最初に食い殺してしまい、自暴自棄になってさらに大勢の人を殺したという。
本人は後に「そんな事になると分かっていれば私は鬼になどならなかった」と叫んでおり、その罪悪感と無惨への怒りが「呪い」を解く契機となる。

なお当の無惨はそれを聞いても「逆恨みも甚だしい」と涼しい顔で開き直っている。
「病弱で余命幾許もない」「鬼になるしか生き長らえる道がなかった」という意味であれば、無惨自身も同じような境遇だった筈なのにこの言いぐさ。安定のド畜生ぶりである。

それから、無惨への敵意を持ちながらも無惨には逆らえずに従う日々が続いていたが、継国縁壱と無惨が始めて対峙した場に立ち合うこととなる。
その際に、あの無惨が一瞬にして斬り捨てられて瀕死にされたことに希望を見出だすも、無惨が身体を弾ぜさせて逃亡したその生き汚さに激怒し、思わず無惨の名前を口にしてしまう。しかし、無惨が急速に弱体化したその至近距離にいた影響で、彼の呪いによる支配が偶然解除されていた為に死ななかった。
そこで、自分の事情や無惨のことを説明し、事情を把握した縁壱に二度と人間を殺さないことを条件に見逃される。

以降は、死体や動物の死肉を食って餓えを凌ぎながら逃走し、やがて人を食わずとも血だけで生きられる身体に自分を改造していった。
そして、鬼化や鬼を人間に戻す技術を純粋に医療技術として研究しつつ、無惨を弱体化させて殺す為の研究を数百年続けていた。
鬼殺隊士である炭治郎に接触して協力を求めたのも、実は炭治郎がかつての縁壱と同じ耳飾りをしていたからでもあった*22

作者の読み切り『過狩り狩り』にも、下記の兪史郎と共に登場しており、実は読み切りの頃からのキャラである。
外見は同じであり、術の性質も演出も似ているが、こちらは自身の縄張りを持っていたりと、かなり立場のある鬼らしい。
無惨ポジであろう時川とも仲は悪いようだが、一応は協力関係にあり、縄張りに侵入した海外の鬼(外見はドラキュラに近い)と戦闘した。
しかし、そこへ現れた鬼狩りの存在を兪史郎から知らされ、すぐさま撤退している為、『鬼滅』と違って完全な敵対関係である。
とはいえ、『鬼滅』の方も炭治郎の事はあくまで例外的に受け入れただけで、特に兪史郎は当初は鬼狩りに関わる事自体に反対するほど警戒していたりと、基本的には『鬼滅』の彼女達も鬼殺隊からも逃げている立場だった。


  • 愈史郎(ゆしろう)
珠世様は今日も美しい きっと明日も美しいぞ

CV:山下大輝

珠世によって生み出された、歴史上唯一無惨を介さずに生まれた無惨とは無関係の鬼(後に茶々丸もそうなっている)。
珠世が大好きで珠世が全て。真面目な話の真っ最中に心の中で彼女の美しさを讃えたりする。
ただし、そのことを指摘すると真っ赤になるらしい。他の女性は目に映らないが、審美眼自体は正常。
手の平返しに定評がある少年……のようで作者によると実年齢は35歳
採血機能付きのナイフを自作するなど、手先が器用である。
珠世の安全こそが最優先事項であり、その為なら炭治郎らを囮にすることさえ躊躇がない。
ただし、珠世にドン引きされたので僅か2コマで覆した。この時の1ページは上のコマの炭治郎とのやり取りもおかしく、ファンの間での語り草。
1ページ目にこんなコントを叩き込まれた読者の腹筋は大ダメージを受けたことだろう。
戦闘に関しては、アニメでは下記の紙眼を全身に貼ることで肉体を透明化させてからの格闘戦で、朱紗丸を翻弄するオリジナル描写が追加され、意外と戦闘もできることが判明している。ただし、珠世も言及しているがその仕様上戦うには準備が必要であり、能力自体が戦闘向きではないのもあってそこまで強くはない。

上記の珠世と共に『過狩り狩り』にも登場しており、実は読み切りの頃からのキャラである。
こちらも外見も術や能力も全く同じだが、元々は物乞いだったらしい。無惨ポジであろう時川と協力し、縄張りに侵入した海外の鬼と戦闘する。
彼自身は二人が戦っている間、自身の術を使って鬼狩りの接近を警戒していたが、鬼狩りの接近を察知して珠世に警告。
その後は、術で海外の鬼が鬼狩りに倒される様を監視し、珠世に報告していた。

最終決戦後、茶々丸と共にこの世に唯一残った鬼となった。
鬼殺隊解散後一人姿を消したが、カナヲが鎹烏経由で出していた元剣士たちへの治療に関する質問の手紙の返事を早めによこしていたことから、元鬼殺隊メンバーの居場所とさほど遠くない場所で暮らしていたようである。
また、産屋敷輝利哉とも友人の仲となり彼が老人になっても交流が続いている。
現代においては「山本」の姓を名乗って画家となっており、珠世のみを題材に作品を描き続けており世界的な評価も得ているらしい。
しかし偏屈さが残っている故か、正体を知られないためか取材に来た記者に猟銃をぶっ放すなど荒々しい面もある。


  • 茶々丸
珠世の使い猫で、強い鬼の血を回収するために基本的に炭治郎に同行していると思われる三毛猫*24。可愛い。
愈史郎の術により、一度鳴くまで誰にも見えず、もう一度鳴いたら見えなくなってしまう。タイミングよく術を解除したり後述する最終決戦での立ち回りを見ても、本作に登場する動物の例に漏れず賢い。
主に愈史郎の作った採血刀の運搬が任務。当初は累の血を取れなかった際に炭治郎を蔑んだ目で責めるなど結構辛辣だった。
しかし、後に吉原での戦いで意識を失っていた炭治郎が目を覚ますまで寄り添っていたし、なんだかんだ仲間として見てくれているようだ。
一方で、珠世に対してはオスとして惚れており、それ故に珠世の指示や望みには従順に従う。そして兪史郎に対しては恋敵なので全く懐かず、裏では反目し合っている。
そして最終決戦の場に唐突に登場、珠世の指示で事前に待機していたらしく、ある薬を鬼殺隊の面々に打ち込んで助けたものの、それを見た無惨によって一瞬で体をバラバラにされて退場した…。
…と思われたが、実は珠世が「愈史郎が寂しくないように」と、決戦の直前に鬼にしていた為、事なきを得た*25
史上初にして唯一の人以外の生物が変化した鬼であり、同時に愈史郎同様に無惨を一切介さずに生まれた鬼である。最終的には愈史郎と共にこの世に唯一残った鬼となった。


無惨が炭治郎と初遭遇した際に無惨に適当に選ばれ鬼化させられてしまった青年。妻がいる。
ぽっと出のキャラかと思いきや…
詳しくは個別項目を参照。


【鬼と関係のある人物】

  • 善良な医者
平安時代に鬼舞辻無惨を鬼に変えた老齢の医者。
「二十歳になる前に死ぬ」と言われていた無惨の治療にあたり、青い彼岸花を原料として用いた同名の薬を使い、その結果として彼を鬼に変えた。
しかし、治療の効果を実感できなかった無惨の癇癪で頭を鉈で割られて殺され、薬の効果が中途半端なまま不完全な化け物と化した無惨は千年もの間、災厄を振りまき続けることになる。

無惨の最初の被害者であるが、同時に無惨という怪物を生み出した張本人。
ある意味で全ての元凶とも言うべき存在である。
とは言っても、彼は医者の役目を全うしただけで、治療した相手がとんでもないモンスターだったのは彼の罪ではないので、全ての発端と言った方が近い。

劇中では、無惨の過去を語るナレーションでさらっと説明されただけの存在。一部では黒幕説も囁かれたが、本当にただの善良な医者だった様子。アニメだと無惨のモノローグで該当のシーンは描かれており、無惨の身勝手な思考が原作以上に強調されている。
その胸の内は不明なものの、当時の医術で二十歳前には死ぬと言われた無惨をそこまで延命せしめていたのだけは確かなことであり、実験目的ならさっさと使っていただろうことを考えれば、彼にとっても件の施術は最後の手段、断腸の思いだったことが窺える。
そもそも薬が試作段階だったこともあって、自身の作った薬の効果のほどを真に理解していたかは不明だが、少なくとも病弱だった無惨を頑丈な身体にする以上の意図は無かったと思われる。とりあえず無惨の被害者であることには変わりはない。


【余談】


なお、1話の冨岡「傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった」という台詞から勘違いされがちだが、人を鬼に変える血を持っているのは無惨一人だけである。
その他の鬼の血が入ったところで鬼にはならない*26。また、鬼になれるかどうかも本人の資質次第であり、無ければ細胞を破壊する毒になり死亡するだけ。

22巻の設定によれば、無惨以外にも十二鬼月の上弦の鬼の血であれば、無惨の許可を得ることで一時的に鬼化の血に変化させることが可能。
ただし、どちらにしろ無惨の許可が必要な上に結局鬼化の力を持っているのは無惨自身だけで、上弦はあくまでその力を一時的に貸与されるだけである。その為、上弦がいくら見込んだ相手でも無惨が許さなければ鬼にはできない*27
ちなみにこれが上弦の鬼の特権だと言えるが、これは彼らが無惨の血が最も濃い鬼だからこそ出来ることであり、それ以外の鬼は無惨の許可とは関係なく根本的に出来ない。

無惨が見込んだ者の前に姿を見せ、直接鬼になるよう勧誘している回想シーンも何度か描写されている。圧迫面接どころではない。

また、本編の時点では無惨が鬼にする人間を選ぶ選定基準が分からなかったが、後にファンブックで過去に上弦の鬼になった人間に、体質や血質が近い人間をピンポイントで狙って鬼にしていることが明らかになった。
他にも珍しい体質や血質の人間も鬼にしていたらしい。
鬼には、そう言った人間の体質や血質や血統関係といった情報が分かることは無惨自身が作中で言及しており、無惨が鬼を増やす目的を考えればこれが一番確実な選定基準なのは間違いない。

ただし、基本無惨が鬼にする対象はあくまで無惨の視点で上記の条件に該当したその人物だけであり、無惨は根本的には鬼を極力増やしたくないというのもあって、条件外ならばその目を付けた対象人物の血族や親族であっても関心はなく、そちらは邪魔ならばただ殺してそうでなければ放置するのみ。
実際に竈門一家や不死川一家でも、鬼にされたのは禰豆子と志津だけであり*28、この2人は必然的にいずれも生き残った家族の炭治郎や子供達に最初に襲い掛かっている。
つまり、これも鬼が最初に襲う相手が家族や親族になるというケースが多い最大の理由の一つである。

ちなみに本作の鬼は“鬼”と呼ばれてはいるが、そのキャラデザやビジュアルは鬼以外の古今東西の様々な妖怪もモチーフとなっており、それ故にビジュアルに統一性はなく、鬼らしい外見の者もそこまで多くはない。



この項目を追記・修正してきたのは常に上弦の鬼たちだ
しかし下弦はどうか?何度通報された?

(そんなことを俺たちに言われても……)

"そんな事を俺たちに言われても" 何だ?言ってみろ

!?
(思考が…読めるのか? まずい…)

何がまずい? 言ってみろ


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  • 悪鬼羅刹
  • 鬼畜
最終更新:2025年04月06日 13:46

*1 これらは「ジョジョの奇妙な冒険」に影響されたものである事を作者がインタビューで語っている。

*2 異形の鬼と化した際に角を生やす者もいるが、どちらかと言えば少数派

*3 これについては明言こそされていないものの、呼吸と鬼化は極めると同じような身体強化に行き着き、同じような痣が身体に浮き出すという説が一般的であり、実際に元鬼殺隊士の黒死牟は人間時代に出した痣がそのまま鬼の紋様になっているので、両者が同じようなものであることは間違いない。

*4 無限列車と融合した魘夢や炭治郎に頚を斬られた半天狗の恨み鬼も、同様の方法で車内の乗客や刀鍛冶を食らおうとしていたと思われる。

*5 親玉である無惨に至っては斬れた端から刃の逆側の接点が癒着再生する為、実質刀が通り抜けるだけで切り離せないレベル。

*6 尚、このケースは本来首だけになった状態から身体を復活しようとしたが、血が足りずに腕までしか再生できなかったものである。

*7 ただし、約一名だけは例外であり、無惨が逃げ切れなければこれで死んでいた。

*8 当然だがこの呪いで殺された鬼は不死性や再生能力は発揮されず、苦しみながら死亡する。

*9 ただし、アニメでは魘夢が彼の名前を人前で口にしているシーンがあるが、原作や小説版では該当するシーンはモノローグで口に出して名前は言っていないので、単純にアニメの演出ミスだと思われる。理由を付けるならこの時対峙していた相手が炭治郎だったので、無惨が特例として許したというところだろう。

*10 遺伝子や血質、病気の有無などの人間には分からない情報は分かるらしい

*11 ただし、血自体は十二鬼月でなくても特命を帯びれば与えられる模様

*12 累の『家族』という例もあるが、このケースも累が個人的に力で従わせていただけである

*13 上弦の鬼達は自分が殺した柱級の剣士を喰らう事でより強くなってきた

*14 実際に、炭治郎が始めて無惨と遭遇したのも浅草だった

*15 稀血の人間を喰っていた可能性も考えられる

*16 それでも一族が繁栄する程度には長生きしてるので、相当長い年数は確実に生きている

*17 ただし、無惨は元々前述した呪いに抵触しない限りは、基本的に配下の鬼がどこで人を喰らおうが居場所は把握できるのもあって比較的自由にさせている。

*18 その為、刀鍛冶の里での一件以降は急速に各地での鬼の出現が止まった。

*19 ただし、溶ける唾を吐くなど一応最低限の術らしきものを持つ鬼もいた

*20 行冥は盲目である為に、子供達が口裏を合わせたのもあってその子供が不在である事に気付かなかった。

*21 実はコイツこそが原作では未登場だった『新・上弦の伍』なのではないか、という推測も出ているが、眼球に十二鬼月の印がなく、そもそもそこまで強い鬼にも見えないので詳細不明。

*22 アニメの柱稽古編では、明確に炭治郎をかつての縁壱と耳飾りを通して重ねていた珠世の心理描写が追加されている。

*23 この時行動を共にしていた村田と竹内という隊士にだけは、自身は鬼だが味方だと明かしている

*24 名前と後述の言動から察するに、超珍しいオスの三毛猫と思われる。

*25 珠世は「茶々丸は鬼になるかどうかを自身の意思では選べないから申し訳ない」と思っていたが、当の茶々丸は「惚れた女の頼みならば」と快諾している。

*26 手っ取り早く教える為に言葉を抜いただけ。また冨岡はそもそもかなりのコミュ障な上、肝心な部分を説明しないせいで誤解を招きがちなところがある

*27 上弦が鬼殺隊士を鬼にする場合に相手の了承を得ようとするのは、それを自ら了解するような相手でもなければ無惨が鬼化を許さないからである。

*28 竈門一家は終盤の禰豆子の回想を見ても、血を入れられたのは禰豆子だけで他の家族はただ殺されただけであり、他の家族も血を入れられていれば特殊な鬼になった可能性もある。