ロボ(クロノ・トリガー)

登録日:2020/03/14 Sat 11:16:54
更新日:2024/04/08 Mon 09:17:02
所要時間:約 10 分で読めます





SFCPSDS、携帯アプリで販売、配信されているゲームクロノ・トリガーの登場キャラクター。

概要

A.D.2300の未来に迷い込んだクロノマールルッカらが、16号廃墟や32号廃墟を通り抜けてたどり着いた先の「プロメテドーム」に、故障した状態で倒れていた。
プロメテドームには、アリスドームで調べて発見したゲートがあるはずなのだが、そこに繋がる扉が開かない。手がかりを得るためにルッカが故障していたこのロボットを修理しようと言い出す。

マールは「他のロボットみたいに襲ってきちゃうんじゃないの?」と心配するが、ルッカはきっぱりと否定。
「ロボットは自分の意志で襲ってくるんじゃないの。そうならないように直す」

時空転送ゲートなんていうオーバーテクノロジーマシンを開発するだけあり、ルッカは自分の時代よりも1000年以上先の技術で造られたロボットを見事調整を加えて修理することに成功。ロボットは再起動した。


「オハヨウゴザイマス」


名前を尋ねられたこのロボットは開発コード「R-66Y*1」を名乗る(しかし後に固有のコードネームを持っていることが判明する)。
この名前はルッカには「いいじゃない」と好評だったのだが、一方でマールからは「可愛くない」とバッサリ。
そんなマールの意見を受けたクロノにより「ロボ」と命名される。
これ以降、ロボは自分を修理してくれたルッカおよびその友人らに付き従うパーティメンバーとして行動を共にするようになる。

すぐ後ろの扉が開かない事を尋ねられたロボは電源が死んでいる事を察知し、北の工場跡にここに連動する非常電源がある事を教えてくれ、非常電源を起動するために北の工場跡に向かう事になる。*2
様々なトラップや謎の生物を退けつつ最奥部の非常電源を起動すると、セキュリティが作動したのか通路の隔壁が閉じてしまう。
すんでの所で割って入り力づくで隔壁が閉じるのを止め、今のうちに!という死亡フラグそのものの行動をさっそくするが、多少乱暴ではあるがロボ自身も普通に脱出に成功する。
実は余裕でしたと言わんばかりに排熱ポーズ*3をするのがニクイ。

工場を脱出するべく急ぐ一行の前に、6体のロボットが立ちはだかる。
グラフィックではロボの色違い(ロボは黄色がかったクリーム色だが、水色を基調としたカラーリング)であり、ロボを「R-66Y」と機体コードで呼ぶそれらは、Rシリーズの兄弟機だと名乗る。

「ケッカンヒンメ」
「オマエナド ナカマデハナイ」

「……!?ケッカンヒン……。」

「ソウダ。ケッカン ヒンダ」

「ケッカンヒン…… ……ワタシは ……ケッカンヒン……」


そして自分たちを「この工場に侵入した外敵を排除するための存在」と称し、それをしないロボを「ケッカンヒン」と罵倒する。
自身の本来の役目を教えられ、「ケッカンヒン」呼ばわりされて苦悩するロボ。
そんなロボを6体の兄弟機は代わる代わる袋叩きにする。

「ワレワレノ、ニンムヲ ワスレタノカ?
コノ、コウジョウ ニ フホウシンニュウスルモノハ マッサツスルノダ!」

「!! ワタシは、そんな事をするために作られたと?」

「キエロ、ワレワレノツラヨゴシメ」

このリンチシーンではクロノのみ自由に動けるようになり、
残る1人の仲間(ルッカまたはマール)には「助けないと」と言われるが、助けようとしても触ると弾かれてしまい何もできず、見ているしかない。

「や、やめてください…このロボット ワタシの兄弟デス」*4

リンチの後、機能停止したロボをダストシュートのような穴に放り込み、
6体で「ヒキツヅキ シンニュウシャヲ ショブンスル」とこちらに矛先を向けるRシリーズを前に、仲間が怒りを爆発させ戦闘開始。

「ふざけないで! ぜったい許さないからッ!!」

「処分されんのは……あんた達よーッ!!」

6体のRシリーズを撃破した2人は、穴の途中に辛うじて引っかかっているロボを回収し、修理のためにプロメテドームまでロボを運ぶ。
この際、工場からプロメテドームまでのフィールドマップをロボを引きずって歩いていくパーティの様子が見られる。

そしてルッカ曰く「ちょっとばかり大手術だった」という長時間の修理を経てロボは無事に復活。
修理されながら考えていたのか、それまでは単に修理してくれた恩人であるルッカについていっただけだったロボは、今回の経験で「ルッカたちを手伝い、歴史を変える」事を自身の目的としてはっきりと見定める。


以降は、メインストーリーではロボの出身時代である未来を舞台にした部分が殆ど無いため脇役に徹する事が多いが、
仲間キャラ全てに固有のセリフが用意されているラヴォスコアと対峙した時のセリフは、
未来の時代の生まれである関係から、最も核心に迫った内容を喋る。と言うか、正体をほぼ言い当てる。

また、シルバード入手後の最終盤にて、彼に関する大きなサブイベントが2つ存在する。

  • 1つ目・「フィオナの森再生」
中世のデナドロ山(グランとリオンがいた山)の南は砂漠が広がっているが、かつては見渡す限りの大森林だったという。
古代から受け継がれた魔法の苗木を用い、ここを再生して森を復活させようと試みる女性「フィオナ」に出会ったクロノたち。
一帯が砂漠になっている原因は地底に魔物が住み着いているからであり、それを討伐すれば苗木を植えることで森が再生可能になるとのこと。
その頼みに応じたクロノ一行は魔物を討伐するのだが、もう一つ問題があった。
魔物を討伐した事で森は再生できるようになったが、それを実行に移すには気の遠くなるような長い時間をかけた作業が必要。
何百年も働き続けられるような人手がいればいいが…と悩むフィオナを見て、名乗り出たのがロボだった。
自分なら何百年でも働ける、と。

こうして一旦ロボはパーティメンバーから外れ、以降中世ではこの辺りを訪れると砂漠に緑を取り戻すべく働き続けるロボの姿が見られるようになる(土を耕す、水をやる、案山子の真似事の3パターンのグラフィックが用意されている)。
同時に、現代に行くと同じ場所は元々砂漠だったのが見事な森林地帯に姿を変えており、森の中央には「フィオナ修道院」が建っている。
修道院にはかつて森の再生のために尽くしたロボが「ご神体」として祭られており、クロノ達が訪れる事で再起動し、パーティメンバーに復帰する。

実に400年もの間砂漠を耕し続け、見事に森を再生したロボは、木々の樹液を固めて作ったという宝石「みどりのゆめ」をくれる。
イベントの報酬としてはこれだけなのだが、このイベントはストーリー上複数の伏線を含んでいる。

1つはルッカの過去。
ロボをお迎えした後は森の中で一晩野宿をするのだが、その時に皆が寝静まった後にルッカが近くのゲートの存在に気付いて一人で行動する。
詳しくはルッカを参照。

2つは「ゲート」そのものの正体についての考察。
ロボは400年の時を過ごし、ある一つの考察を持っていた。
今まで自分たちはラヴォスの力の影響でゲートが生まれたのだと思っていたが、実は違うのではないか。
人は死ぬ直前に走馬灯のように自らの人生を振り返ると言うが、ゲートによってさまざまな時代を巡っている自分たちは、「誰か」のそれまでの生を見せられているのではないか。
ロボのこの意見を受けて、カエルは「行く時代がいずれも何らかの形でラヴォスに関わっている辺り、その『誰か』はよっぽどラヴォスに縁があるやつなんだろうな」と返す。
「星に寄生する寄生虫」ラヴォスによっぽどの縁があり、太古の昔から未来世界に至るまで常にこの世界に存在する「誰か」と言えば―――

  • 2つ目「機械の生まれたふるさと」
未来の時代、世界地図で言うと南西の方角にある島にある「ジェノサイドーム」に訪れると発生するイベント。
ロボのキャラクターが深く掘り下げられる重要イベントであると同時に、人によってはトラウマになるイベントでもある。
このドームは厳重なセキュリティがかかっており、パーティメンバーは必ずロボを先頭にする必要がある。

このドームは、ラヴォスが現れ人類が死滅した後に地上にはびこっているロボットたちを製造している本拠地のようなものであり、全てを統括する「マザーブレーン」が最奥部に待ち構えている。
同時に、わずかに残った人類を殺処分する処理場でもあった。
ある部屋では、生きた人間がベルトコンベアに乗せられて運ばれて行き、次の機械の中に入ると同時に「ギャー!」というSEが響く仕掛けを見せられる。しかも一人ではなく、そのまま眺めていると次々と人が運ばれてきては殺されていく…。
ベルトコンベアに上がる階段はついているが、乱入しようとしても謎の電撃に阻まれて手を出す事ができないため、ここでは殺処分されていく人を助ける事はどうやってもできない。

セキュリティを解除して奥に進むたびにマザーブレーンに話しかけられる。
この星はラヴォスによって死んだ。しかしロボットである我々は生き残った。人類さえいなければこの星は持ち直す事ができるのだ…と。

ラヴォスの台頭を境に人類を「不要な物」と判断したマザーブレーンを止めるために奥に進むロボだが、途中で「アトロポス145」と名乗るピンク色のロボが姿を現す。
ロボの事を「プロメテス」と呼ぶそれはロボの知り合いのようだが、その思考パターンはマザーブレーンによって完全に上書きされていた。
アトロポスからロボもこの工場で生まれた存在である事、そしてその製造目的は人類を滅ぼす兵器として作られたことが語られ、今からでもマザーブレーンの意思に従って行動するように言われるが、ロボはそれをきっぱりと拒絶。アトロポスと戦闘になる。
戦闘に勝利するとアトロポスは機能停止の直前に元の思考パターンを取り戻し、ロボに自らが付けていたリボン(に内蔵された回路)を託して完全に機能停止する。
やむを得なかったとは言え、人間で言う所の幼馴染みのような存在だったアトロポスを手にかけたロボは、託されたリボンで自らを強化してさらに奥に進む。

最奥部でもマザーブレーンと問答になるがここでもはっきりと拒絶したロボは、マザーブレーンを破壊して「人類を不要なものと判断したロボット」と決別。
マザーブレーンの破壊により工場が機能停止し、自らの同類が二度と生まれてこなくなった事を確認したロボはジェノサイドームを後にする。

なお、ジェノサイドームでのやり取りの通り、ロボ自身は「人類を不要なものと判断したマザーブレーンが人類抹殺のために製造したロボット」である。
つまり、ラヴォスによって地球が終わった日よりも後の生まれである訳で、ラヴォスを倒して歴史を変え、1999年に地球が終わらなかった事になった場合、そもそも生まれてこなかったことになる可能性がある。
ロボ自身もそれを承知の上でラヴォスに挑んだのだが、ラヴォスを倒して改変された後のどの歴史でもロボは存在している事が確認できる。

キャラクター性能

ロボットなのでもちろん魔法は使えない…のだが、その搭載機能はあまりにも多彩。
彼が持つ武装の一種「レーザー」は、魔法の神スペッキオに「冥の魔法に似ている」と言われる通り、冥属性の効果を持つ。
範囲は限られるものの火属性の技もあり、最強技は天属性の全体電撃。()属性以外を1人で扱えるのだ。
物理攻撃も序盤から使え、ダメージの伸びがいい「ロボタックル」から単体最強攻撃「マシンガンパンチ」まで取り揃え、
魔王以外の全てのキャラと使いやすい単体・全体攻撃の連携技より取り見取り。

そこまで攻撃が揃ってるなら攻撃特化キャラか?と思いきや「ケアルビーム」「ヒールビーム」と単体と全体回復の両方を備えており回復もこなす。
欠点はロボ故に魔力が高くない事だが、高くない魔力でも上記の属性技や回復技はそれなりの効果量を発揮し、
マジックカプセルでテコ入れしてやれば、魔法「ケアルガ」を差し置いて回復量は999に到達する*5
困ったらとりあえずロボ入れとけばだいたい何とかなると言うほどの万能強キャラである。
スピードも遅い方ではあるが、上記のジェノサイドームのイベントでアトロポスのリボンを貰うとスピードが3上がるため、
強くてニューゲームを繰り返すとカプセルを使わなくてもスピードは簡単にカンストしてしまう。
もっとも取りこぼさなければ2周するだけで全員カンストさせられるだけのスピードカプセルは手に入るため、ロボに優先的に使ってしまって構わない。
というかそもそも、ウェイト時間が1/2になる「ヘイスト」状態に常になる装備「ヘイストメット」と、男性専用の状態異常全防止の重鎧「ノヴァアーマー」を併用できるため、終盤は素早さにおいての心配はほぼ無い。
問題は魔法防御の低さであり、終盤に上記イベントで10上がってやっとパーティーの最低基準に達するぐらいという図抜けた低さのため、1周目はこの点に注意して起用しよう。

最強武器は「テラパワーアーム」または「クライシスアーム」。
テラパワーは特に特殊効果も無く、攻撃力も他キャラの最強武器と比較すると控えめで、こちらを使うと終盤から2周目以降は通常攻撃において水を開けられることになる。
クライシスアームは「HPの下1ケタの数字で攻撃力が可変する」という性質を持つ特殊武器であり、
下1ケタが0でノーダメ、1や2だと序盤武器のような威力になるが、4以上でテラパワーを上回り、9だとテラパワーの3倍弱の威力を叩きだす。
この状態で威力3.1倍の「マシンガンパンチ」やそれを使ったエイラとの連携技「地獄投げ」を使うと敵に壊滅的なダメージを与えられる。
HPはカンストさせてしまえば下1ケタは必然的に9になるため、ここからが本領発揮となる。
素早さを上げて敵に先制しつつ、下1ケタが減った場合は攻撃力の影響を受けない「ロボタックル」や「エレキアタック」を使うことで安定性を確保できる。
ちなみに装備品は武器カテゴリが上記の通り「アーム」である事以外は、鎧・兜・アクセサリ等は他のキャラと同一のものを使う。
つまりレーザーやらビームやらは外付け武装ではなく内部機能のはずだが、黒鳥号の中で装備品を没収されている間は他キャラと同じく戦う事ができない。
まあそれを言ったら、魔法を使えるはずのキャラも武器を取り上げられたら魔法を使えなくなるので今更だが…。

余談

2021年の夏に開催された東京オリンピックで、彼のテーマBGMである「ロボのテーマ」が、「カエルのテーマ」と共に選手入場曲として使用された。



追記修正…ナツカシイ…。
サア、今夜ハ、400年ブリの追記修正をいわおうではアリマセンカ。


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最終更新:2024年04月08日 09:17

*1 一番最初のこのシーンのみ「R66-Y」と名乗るが、以降のこの名前が出てくる全てのシーンで「R-66Y」と呼ばれる

*2 なおRPGによくある「仲間になってすぐのイベントではNPC」なんてパターンではなく、最初からメインメンバーとして使える。

*3 だいたいドヤ顔してそうなシーンで使われるモーション

*4 ロボの本来の任務等はともかくとして、これらがロボの兄弟機である事は、ロボがこれらを「R-64Y」「R-67Y」等と呼んでいる事から事実である

*5 1周目でマジックカプセルを全て費やした場合600程度まで上がる